2016年2月29日にWOWOWで放送されました、2016年アカデミー賞授賞式。私はほぼリアルタイムで最初から最後まで観ていましたので、色々気づくことがありました。
本ブログではもうノミネート速報、結果速報、ディカプリオのスピーチを紹介しているので、今回はそれ以外の「感想」という形で記事を書かせて頂きます。
テレビやネットニュースのほとんどはディカプリオの受賞スピーチと女優のドレス姿が話題になってますね。だけどアカデミー賞はその他にも色んなことが起きているんです。
- オープニングモノローグ
今年の総合司会は、コメディアンのクリス・ロックさんでした。総合司会はアカデミー賞の最初から最後まで司会を進行する非常に重要な役です。
今年のアカデミー賞は、スパイク・リー監督が 「黒人のノミネートが少なすぎる!」と怒ってボイコットするなんてニュースもありましたね。人種差別を謳うムードな流れる中、黒人のクリスロックが総合司会を務めるというのは、意義深いものだと思いました。全部が全部、白人だけじゃないんだぞ、と。
クリスさんは、今回の黒人問題もネタに入れて、話題を提供してくれました。社会風刺を入れて笑いを取りに行く。自分も黒人系なので、本当に笑っていいのかと、ちょっと気まずい感じもしました笑
- ディカプリオだけじゃない、他にもあった名スピーチ
巷ではディカプリオのスピーチばかりが取り上げられていますが、他にも感動的なスピーチはたくさんありました。
①作曲賞
ヘイトフルエイトでのEnnino Morriconeさんが受賞しました。Ennioさんは、イタリアの作曲家で、タランティーノ監督が好きなイタリア製西部劇、マカロニウエスタンの作曲を多く手がけました。
エンニオさんについては「ヘイトフルエイト」でのブログで書きましたので、興味があればご覧ください。
www.machinaka-movie-review.com
エンニオさんは2016年時点で87歳!! 大大ベテランの作曲家なんですが、今までアカデミー賞には縁がありませんでした。マカロニウエスタンは、カルト的人気は誇っているものの、アカデミー賞の審査には合わなかったのでしょう。
アカデミー賞の常連であるタランティーノ作品で仕事をして、やっとアカデミー会員に投票されるようになったというのが実情でしょう。
まずは受賞時のリアクションとスピーチをご覧ください。01:30〜からです。
受賞の瞬間から舞台に辿り着くまで、付き添ってもらいながらゆっくりと移動しているのがとても感動しました。足腰がかなり弱くなっているみたいですね。普段はイタリア住まいでしょうから、旅の疲れもあるのかもしれません。
受賞は英語ではなくイタリア語でした。そのため付き添いの通訳が英語に変換していました。
私が見てきた中では、唯一英語以外の外国語で話したスピーチだったと思います。
そして、スピーチの前に感動のあまり泣いてましたね。ディカプリオを代表するように、俳優さんはクールに振舞っていましたが、多分あれは演技だったのでしょう笑
作曲家であるエンニオさんは、素のリアクションをされたんだと思います。アカデミー賞を取った時って本当に嬉しいんだな。。。
②主題歌賞
007 Spectreのオープニング曲で、「Writing's on the wall」 Sam Smithさんが受賞しました。
受賞は01:20〜からです。
サム・スミスさんと言えば、2014年にゲイであることを告白したことでも有名です。また、強迫性障害であることも告白しています。
昨年はStay with meでグラミー賞を席巻しましたが、映画音楽で賞を取るのは今年が初めて。ゴールデングローブ賞でも最優秀主題歌賞を受賞しています。
スピーチでは、泣きながらLGBTの権利向上を訴えていましたね。僕は初めてゲイでアカデミー賞をとったんだって。
一部のファンではFast & Furious 7 (ワイルドスピード7)の「See you again」が賞を取るべきだ、との声も高いです。これは私も強く感じましたねー。
個人的に考察しますと、、、
アカデミー賞はロビー活動が自由ですから、配給会社であるソニーピクチャーズがアカデミー会員に一生懸命働きかけたのも大きいかもしれませんね。反対にワイルドスピードは積極的にアピールをしなかったんではないかと。
もう一点が、映画のターゲット層です。007は往年のファンが多く、高齢者に好まれる傾向があります。一方でワイルドスピードシリーズは若者に好まれる映画で、EDMや電子音楽が爆音で流れる映画なので高齢者には好まれにくいのだと思います。なんたってタイトルにFuriousが入ってますからね。。笑
アカデミー会員には高齢者が多いため、ワイルドスピードをお勧めするよなんてことはプライドが許さなかったのではないでしょうか。
映画ファン的にはぶっちぎりの一位だと思いますけどね。
↓の動画を見てください。映画を知らない人でも、おそらく泣けます。
このシーンは映画史に残すべきですよ!! ポールとヴィンディーゼルの乗っている車が分かれ道で別々の道を行く。。。 これを見るだけで泣ける。
上の動画の02:25〜から過去作の総集編が流れて、ここで世界中が号泣したと思います。一番泣けたのは、ポールの出演シーンじゃなくてヴィン・ディーゼルの出るところ。
ポールってあんまり顔変わってないんですけど、ヴィンディーゼルってかなり年取ったんですよね、そりゃあ13年くらい経ってるからしょうがないけど笑。写真を見比べてください、時が流れたんだなぁ、としみじみ感じます。ヴィンディーゼルが青年からおっさんになるまで、ずっとポールと共に生きてきたんだなぁと思うと、涙が止まらないんです。
③レディーガガの圧倒的パフォーマンス
サムスミスと同じく主題歌賞にノミネートされていたレディーガガは、The hunting ground というドキュメンタリー映画で「Til it Happens to you」 という曲を披露しました。
hunting groundとは「狩場」という意味ですね。この映画は、アメリカの大学で実際に起こった女子大生レイプ事件を追ったドキュメンタリーで使われた曲です。
ちなみにタイトルを和訳すれば「(レイプは)あなたの身に起きるまで(考えられない)」という意味です。
歌に入る前に、曲紹介を特別ゲストが行ってくださいました!
それはなんと、現アメリカ副大統領のJoe Biden氏!
日本だと菅官房長官が日本アカデミー賞に来るみたいなもんでしょうか。ありえない登場ですけどね笑
そしてすぐにこのパフォーマンス!まずは最初から見てください!テレビだと省略されてますから、最後から最後までどうぞ!!
レディーガガは白い服と白いピアノ。誠実さや潔白さを証明するかのように、徹底したドレスコードでした。
そして途中から舞台を埋め尽くす女性と少数の男性たち。これはバックダンサーではなく、実際にレイプの被害にあった方達です。また、レディーガガもレイプされた経験があり、全員がレイプ被害者で構成されたパフォーマンスとなりました。
圧倒されますよね、音楽と言うより、映画的なパフォーマンスのような気がします。日本ならレイプ被害って悲愴感たっぷりに伝えるし、歌に乗せて表現なんて「不謹慎だ!」とか言って反対が起きそうですけど。
腕をまくって、「It's not your fault」「Survivor」など、レイプ被害に対する強いメッセージが刻まれています。
以上です。
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