こんばんは! Machinakaです。
今回批評するのはこちらの映画
「ヘイルシーザー Hail, Caesar」
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はい、安心と信頼のコーエン兄弟の映画作品! ジョージ・クルーニー主演! これはもう見るしかないでしょ!
コーエン兄弟の手がけた作品としては、前回はブリッジオブスパイでした。監督ではなく脚本ですけども。ここも、繊細なセリフのやり取りで楽しめる作品となってました。
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あらすじ
「ノーカントリー」「ファーゴ」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら豪華スターを迎えて描いた監督作。1950年代のハリウッド。あるメジャースタジオの命運を賭けた超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中、主演俳優で世界的大スターのウィットロックが何者かに誘拐されてしまう。撮影スタジオは混乱し、事態の収拾を任された何でも屋が、セクシー若手女優やミュージカルスター、演技がヘタなアクション俳優ら個性あふれる俳優たちを巻き込み、事件解決に向けて動いていく。コーエン兄弟監督作常連のフランシス・マクドーマンドやティルダ・スウィントン、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒルらも出演。
はい、予告編をご覧いただくとわかる通り、1950年代のアメリカのハリウッドを舞台にしています。同じく1950年代のアメリカを写した映画は、最近だとキャロルがありましたけど、こっちはカメラも新しいものを使っているからでしょうか、古臭い感じが全くしないんですよねー。
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ジョージ・クルーニーがローマ帝王の役、スカヨハがセクシー系女優、ストーリーはコーエン兄弟が作る! これに期待しない人はいないですよね、というわけで、楽しみにして映画観賞してきたんですが、その感想は、、、、
「分かる人には面白い」マニア向けの映画だった!
まずは一言感想。
私はすごく楽しめました!!
おそらく他の映画ファンより映画の期待値が低かったのと、劇場に恵まれたと思います。
そして、「これは映画の見方を知らないと楽しめないだろうな」と強く感じたのでした。
昔のハリウッド舞台を現実的に描いていますので、当時のハリウッドの状況を理解しておかないとかなり辛いと思います。
そもそも、「資本主義」と「共産主義」の違いと、当時のアメリカの「アカ狩り」の過激さが分からないと、難しい話かもしれません。
評価の低さの要因とは、、、?
しかしこの映画、思ったより評価が低いみたいで、、、
「予想したものと違った」
「意味が分からない」
「睡魔が、、、」
「ジョージ・クルーニー見れただけで星二つ」
つまりですねー、意味が分からなかったせいで評価を低く付けてるんですねー。
これは非常にもったいない!!
正しい映画の見方してないよ!!
というか、意味が分からないって人は「評価できない」ってことなんで、レビューサイトに星付けないでほしいんですけどね、、、
実際、私の隣に座っていたカップルは全く映画を理解できていなかったみたいです。私は六本木で見たんですけど、そのカップルだけ何も理解できてないみたいで、ちょっと可哀想でした。
このカップルの行動があまりにも面白かったんで書きたいんですけど、
まず男は開始10分で爆睡ww そして女の子は10分に一回くらい携帯をいじる始末www
最終的には二人で寄り添ってたよwwww
そして、エンドクレジットで「何にも分かんなかったねー」「周りが笑ってたけど、何が面白かったんだろ」と反省会をしていました。
普段ならこんなに書かないんだけど、携帯いじってたのはダメですよ! 反省してね。
豪華なキャストがいて、アカデミー賞常連の監督が作った映画。デートムービーにはもってこいってことなんでしょうかね、でもこれはデートには向かないよーーー!!
さて、海外の評価なんですが、IMDBでは66%と低い評価になってます。アメリカの人達でも、昔のハリウッドをよく分かってなかったみたいで、思ったより評価が低いですね。
しかし、Rotten Tomatoesでは85%と非常に高い評価。これは何を意味してるのかというと、映画評論家のウケは良いってことですね。
つまり、映画好きにはたまらない映画で、予備知識のない一般の観客向けじゃないってことなんですよ!!!
映画の見方はこれだ!
・コメディ映画であることへの理解
予告編からは分かりにくくかったんですが、コメディ映画なんですよ、これ。
ジョージクルーニーを助けるためにチームで動くようなケイパーものではなくて、単なるコメディ群像劇なんだと、理解してください。
だから、この映画を面白いかどうかの基準は「爆笑」できれば良い映画なんですよ!
というわけで、私は良い映画だと判断しましたー。
ただ、コメディといっても、小学生にはオススメできません。セリフで笑わせるギャグが多いので、一目で見て笑えるというものではありません。
タバコの懺悔ネタとか、名前間違いネタとか、ちゃんと気をつけてセリフ追っかけてないと、大変かな。字幕なんで追いかけるの大変ですけど。
・実話モノであることへの理解
町山さんのラジオからですけど、この映画に出てくるキャラクターは全て実際にハリウッドにいた人みたいです。何でも屋のおじさんも、セクシー&ワガママ女優も。
また、一番理解が難しいと思われる、ジョージクルーニーを拉致した脚本家集団も、すべて実際にいた人なんです。あそこのシーンは、ハリウッドのスタジオが利益のすべてを持ってくから、脚本家の俺たちにも平等に配分しろ! って共産主義の論理を持ってジョージクルーニーを洗脳するんですけど、実際にそういうことがあったみたいですね。当時は戦後のアカ狩りが横行していて、裁判で厳しく追及されたり、場合によっては極刑もあったんですね。詳しくはブリッジオブスパイを見てもらえると分かるんですが、世間のアカに対する視線はとっても冷たかったんです。
アカを擁護なんてしたら、、、家に石投げられますよ!! だから、何でも屋が共産主義かぶれになったジョージクルーニーにビンタするのは、しょうがないことなんです。目を覚ませ!!ってね。
ハリウッドをウロチョロしてる女新聞記者にこんな話を聞かれたら、せっかくの大作映画はどうなってしまうでしょうか? 当時はメディアの力が非常に強く、スキャンダル1つで映画の興行成績が左右するなんてザラにあった時代。ジョージクルーニーがいかに愚かなことをしてたのか、これでお分かりですね?
とまぁ、これだけ説明が必要な通り、初見の人になある程度知識のいる映画です。つまり、この映画はストーリー性を重視するより、実録モノとしての時代背景の正しさを重視しているんです。
ジョージクルーニーを助けるチームプレー映画にしなかったのも、実際は何でも屋が解決していた話なので。ただ、あの大根役者の説明描写があまりにも少なかったので、何故あそこまでしてジョージクルーニーを助けたのかは、観客には理解しづらい仕組みになってましたね。
私的には、何でも屋は大根役者にとって命の恩人みたいな人なのかなぁーと思って納得してました。
・俳優を知っておかないと辛い
予告編を観た時、面白そうな俳優の使い方してるなぁーと感心して観てました。
ある程度、俳優の過去作を観てないと面白くないと思います。
まずスカヨハ! セクシーでワガママって、もはや演技なのか素の演技なのか分からないww
アベンジャーズでは肝っ玉母ちゃんみたいな役割なんで、こんなワガママ女優役って珍しい。でも、見た目のイメージはピッタリなんですよね笑
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そしてジョージクルーニー! 主演が似合う男ですよー。知らない人はいないと思いますが。全てが完璧、、そうに見える男。そんなナイスガイが、今回はコーエン兄弟によってバカ俳優に仕立てられます。
バカな演技をあまり観ないので、今回はとても貴重でした。
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そしてー、チャニングテイタムーーー!!
チャニングテイタムのダンスといえば、マジックマイクシリーズでの男性ストリップダンス!!
今回はカッコいい海兵ですになってますけど、やはり男だらけのダンス!!
いい曲だったし、面白かったです!
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予告編に騙された人へ、、、
日本の予告を観ると、いかにもチームプレーモノだと思いますよね。軽快なテンポでキャラクターを紹介して、これからみんなで助けに行くんだーって感じで。
ハッキリ言って、スカヨハはまるで関係ないですから!
そして、日本の予告で決定的に間違ってるところあるんです!
予告のナレーションから引用しますけど
「主演俳優が誘拐、大捜索で頼れるのは、個性あふれるスター達」
オイ!! 変なテロップ入れてんじゃねぇよ!!!
予告詐欺だろこれ!!!
ちなみに、アメリカの予告ではこんなナレーション入ってないよ!!
これは酷い、映画の内容を捻じ曲げてるよ。。。
だからさぁ、いつも言ってるけど、ちゃんと映画の内容観てから予告作って欲しいのよ!!
この映画観た人のほとんどは騙されちゃったよ!?
ということで、日本の予告にはくれぐれも騙されないようにしましょう。予告で流れる映像はほとんどがウソ。新劇場版のエヴァ予告と同じモノって覚えてください。
以上ですー。