Machinakaの日記

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傑作のナチスパロディに注目せよ! ヒトラー総統が現代ドイツで世直しじゃ! 「帰ってきたヒトラー」批評

 

こんにちは! Machinakaです。

 

今回批評するのはコチラ

 

 

 

「帰ってきたヒトラー」

 

 

 

https://img.cinemacafe.net/imgs/thumb_h1/212336.jpg

 

はい、私が楽しみにしていたコメディ映画です。

 

私のブログがきっかけで観に行って下さった方はどれだけいるのやら、、、一人でもいらっしゃれば本当に嬉しいです笑

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

はい、それでは早速行ってみますー!!

 

 

 

 

あ、最初に言っておくのですが、この映画は不謹慎なものでも、問題作でもありません。加害者側のドイツが制作した、まっとうな教育映画だと思います。

 

なので、「この映画は不謹慎だ!」とか、「子どもの教育に悪い!」とか言っている人は映画を見てない人なんで、気にしないでください笑

 

感想を言う前に、、、心からオススメです!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.あらすじ

 

ヒトラーが現代によみがえり、モノマネ芸人として大スターになるというドイツのベストセラー小説を映画化。服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマンによって見出され、テレビに出演させられるハメになった。男は戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していくが、男の正体は1945年から21世紀にタイムスリップしたヒトラー本人だった。ヒトラー役を演じるのは、舞台俳優オリバー・マスッチ。

 

 


映画『帰ってきたヒトラー』予告編

 

 

大変分かりやすい話ですね。

 

 

「ヒトラーが現代にタイムスリップしたらどうなる?」

 

 

以上ですw

 

ヒトラーなのでキャラの説明も必要なし! 誰でも思いつきそうなハイコンセプト(数行で物語が説明できる)映画ですが、、その中身はいかに!?

 

 

 

 

 

2.監督・キャスト等

 

 

純度100%ドイツ映画なので、監督やキャストをご説明しますね。

 

ヒトラーを務めたのはオリバー・マスッチさん。普段は舞台俳優として活躍されている方です。間違っても、ヒトラーのモノマネ芸人じゃあありませんよ笑

 

身長も190センチと実際のヒトラーより大きく、軍服を着るとまさに巨人笑

 

男子の平均身長が180cmなのに、周りの人と比べてもデカいw

 

もちろん、プロの演技が存在感を大きく見せているのが、一番大きいですよ笑

 

 

https://www.team-lens.com/heartstrings/2016/img_03/2016_0323-photo14.jpg

 

監督はデビット・ベンドさん  1977年のお生まれ。若い監督です。

 

 

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 https://cineuropa.org/Files/2013/08/12/1376295500760.jpg?1377479023410

 

 ショートフィルムを含め、今回で6作品目となるそうです。

 

前作の「Feuchtgebiete」で名のある俳優も使えるようになったみたいです。予告編を見たら、とても興味深かったので是非ご覧ください。

 


FEUCHTGEBIETE - Trailer (Full-HD) - Deutsch / German

 

 

言い方悪いですけど、メッチャ不思議な映画撮ってます笑 

日本公開はしてないみたいなので、見るの大変そうですけどちょっと興味あります。

 

 

ちなみに、この映画には原作があって、日本でも発売されています。

 

 

 

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)

 

 

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

帰ってきたヒトラー 下 (河出文庫)

 

 

ドイツで130万部を突破し、38カ国で翻訳されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.映画の感想

 

 

 

 

 

予告編の遥か上を行く面白さ!! 

 

コメディ映画としても教育映画としても最高!!

 

 

 

これまでヒトラーって、悪役として登場することがほとんどで、敵役に適役なんですよ。

 

だが、この映画はヒトラーを、1945年の「総統」として描こうとしているんです笑

 

しかも、制作国はドイツです。アメリカ映画ではありません。

 

一見すると、非常に不謹慎な映画のようにも思えますが、そうじゃないんです。

 

一言で表すなら、「ヒトラー総統が現代ドイツで世直し!!」

 

ヒトラーを使った単なるコメディ映画ではなく、現代のドイツ及び全世界で起きている問題を、ヒトラーが切り込むのです!!

 

 

「誰でも思いつきそうな」ハイコンセプトな作品と言ってしまいましたが、間違いでした。ここまでギャグのセンスが高くて、社会的なメッセージが強い作品はそうそうあるもんじゃありません!

 

今回は、この映画の魅力を三つに分けてご紹介していきます!

 

・作風の面白さ

・ギャグの引き出しの多さ

・社会的メッセージの強さ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.作風の面白さ

 

 

 

ヒトラーが現代にタイムスリップして、テレビで芸人として活動するというのは予告編を見て分かると思うんですが、この映画、それだけじゃないんです。

 

ストーリー自体は原作と変わらないので、問題はいかにして「映画」として焼きなおすか? 前述しましたが、ドイツではミリオンセラーになっている有名な作品です。

 

この映画は、いくらストーリーを知っていようが、何回見ても面白い作風になっていたと思います!

 

何故なら、普通にストーリーを進めるのではなく、合間合間に一般人のインタビューが散りばめられているからです。

 

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https://bilder.bild.de/fotos-skaliert/kino-satire-er-ist-wieder-da-so-reagieren-die-deutschen-auf-hitler-48348902-42927480/3,w=650,c=0.bild.jpg

 

 

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https://tootingtrumpet.files.wordpress.com/2016/04/lwb.png?w=300&h=211

 

もちろん、監督をはじめとしてスタッフも周りにいるので、すぐに撮影だと気付くと思うんですが、、、ここの反応がスッゴい面白いんですねww

 

インタビューというのは、ヒトラー総統が「この国の不満はなんだ?」と聞きまくるという、国会議員顔負けの地元ヒアリング調査を行っているのですww

 

ほとんどは驚いたり笑ったりするのですが、たまに熱狂的なヒトラーファンと出くわしたり、不快感を露わにする人もいたり、、、

 

一般人だからこそ、ヒトラーを見たときの反応は様々。。 様々なリアクションがあるからこそ、何回インタビューを見ても飽きない作りになってるんですよね。

 

 

この体当たり取材風の作風を、どの作品と絡めたらうまく説明できるか考えてました。。 

社会的メッセージを主題とした体当たり取材、、だったらマイケル・ムーアの映画シリーズが近いのかもしれません。「世界侵略」という意味では、この映画が一番マッチしてるかな?笑

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

しかし、ツイッターのフォロワーさんとお話ししてたら、こんなご意見が。

 

 

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そうだ! 誰かに扮して突撃インタビューしてるんだったら、「ボラット」があったよ!! しかも、ユダヤ人ネタにする映画でもあるし、、、

 

 


ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 (字幕版)

 

今やコメディ俳優として有名になったサシャ・バロン・コーエンがカザフスタンの記者になりすまして、アメリカ人に迷惑をかけるという映画でしたww

 

ヤシキマーシュ!!

 

 

 

 

 

 

5.ギャグの引き出しの多さ

 

 

 

 

ヒトラーを中心にギャグを繰り広げるのですから、もしかしたら「途中で飽きるんじゃ?」と思った方もいらっしゃるのでは?

 

ヒトラーが現代にタイムスリップして、コンピュータに驚いたり、テレビに驚いたり、そんなギャグがあることは予想できる。でも、その後はどうやって笑わせてくれるんだ? 2時間もヒトラーで笑えるのか? そんな疑問が浮かび上がります。

 

だって、よくよく考えたら一人のモノマネ芸人のネタを2時間観ていると言ってもおかしくないですからね。。。

 

 

でも、飽きないんですよこの映画は笑

 

 

ヒトラーのギャグネタが、実に様々な角度から作られていて、同じ人のモノマネでも飽きることがないんですね。

 

まず、過去から現代へのタイムスリップ物ではお約束となっている、「未来ってスゲェ!!」の描写です。コンピュータやインターネットを見たヒトラーは、どう感じるのか? 単に「凄い!」と驚くだけじゃなくて、「侵略に使える!!」と発想するんですよね笑

 

ヒトラーが生まれて初めてインターネットを見て、グーグルの検索画面に行く場面があるのですが、そこでヒトラーは何を検索するでしょうか? 

 

ヒトラーしか思いつかないであろう、驚きの検索ワードを入力しますwww

 

 

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加えて、素晴らしかったのは「ヒトラーパロディの総まとめ」

 

ヒトラーを主人公にした映画で、なおかつギャグテイストだからこそ出来たネタだと思います。インターネットを手にしたヒトラーですから、過去にどんな俳優がヒトラーを演じていたのか、知ることになりますw

 

チャップリンとか、他のお笑い芸人がヒトラーの真似をしているシーンが走馬灯のように出てきて、爆笑してましたww

 

あとは、、、一番の爆笑ポイントは、「モノマネのモノマネ」をしたシーン

 

映画「ヒトラー最後の12日間」を、劇中で真似しているのですww

 

 


ヒトラー ~最期の12日間~(字幕版)(プレビュー)

 

 

 

真似しているのはここのシーン。おそらく映画史上最もMAD動画が作られたんじゃないか、と思うくらい有名なシーンです。

 


総統閣下シリーズ 日本語版

 

このシーンを、プロの映画監督が本気でパロディしちゃったんですwww

 

ここで一番盛り上がりました。私の横のおじさんは面白いシーンがあってもずーと静かだったんですけど、ここのシーンだけ声を上げて笑ってましたねww

 

実は私、この映画見てなくて、、、「バラいろダンディ」の高橋ヨシキさんの映画コーナーでこのシーンを知ったんです。見ておいてよかった、、、だって知らないと笑えないもんね、、、、

 

 


水道橋博士と高橋ヨシキの「ナチス映画」特集 「アイアン・スカイ」ほか

 

 

 

 

 

 

6.社会的メッセージの強さ

 

 

 

コメディ&不謹慎な側面が強いこの映画ですが、中身をみるとすっごく社会派で真面目な作品なんです。

 

 

これは、私が考察する以前に、主演俳優オリバー・マスッチさんのインタビューで明らかになってます。

 

 

 「ドイツ人の俳優として、ヒトラーを演じることに当然、ちゅうちょがあった」と明かす。「それでも、右傾化する現代社会の危険性や、民主主義のもろさをあぶり出すという作品のコンセプトが、私の背中を押し、役作りの原動力になった。

(中略)

ヒトラーは確かに怪物だったが、かつて彼を指導者に押し上げたのは民衆だ。それは現代も変わらないんだと痛感したよ

https://eiga.com/news/20160618/6/

 

 

そうです、あれだけインタビュー映像が長かったのも、ドイツ国民がどうこの国を考えているのか? すなわり右傾化するドイツ及び欧州の現状を切り取りたかったのでしょう。

 

そして、よくよく考えればヒトラーはちゃんとした選挙で選ばれているんです。中東の国のように国王の世襲制でもなく、国民の選択の結果なんですね。

 

この事実を知った時、民主党に投票してしまった2009年のあの時の自分を思い出してしました、、、

 

テレビで演説するシーンも、役者ではなく観客に語りかけてくるんですよ。演説のシーンも、本当に上手い。演説が上手いから、人を動かした。言葉巧みに操ったという言い方も出来ますが、我々のコミュニケーションの大部分は言葉です。言葉を上手く使えるヤツが、人を魅了するんだ。そんなメッセージにも映りました。。。

 

 

 

というわけで、単なるコメディ映画だけではない魅力がたっぷり詰まった、最高の映画でした!

 

「不謹慎だから」とか「バカバカしい」とほざいているヤツは、映画見てない知ったか坊主ですから笑

 

気にしないで、映画館に走れ!!!

 

 

 

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