こんにちは! Machinakaです!
今回批評する映画はこちら
「ペレ 伝説の誕生」
はい、久しぶりのスポーツ映画です。サッカー映画をブログで取り上げるのは初めてかも知れません。
普通なら見る予定はなかったんですが、TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の課題映画になっていたため、早めに観に行きました!!
###
1.あらすじ
「サッカーの王様」として知られるブラジルの英雄で元サッカー選手のペレが、いかにして伝説の選手となっていったのかを描いた伝記映画。プロデューサーには、「ビューティフル・マインド」などで知られるハリウッドの名手ブライアン・グレイザーらと並び、ペレ本人も名を連ねている。1950年、優勝確実と言われた自国開催のFIFAワールドカップで優勝を逃したブラジル代表。スラムで育った少年ペレは、母国チームの敗退にショックを隠せない父の姿を見て、いつか自らの力でブラジルをW杯で優勝させることを誓う。そして58年のW杯スウェーデン大会。プロチーム入団からわずか18カ月後の17歳のペレは、当時史上最年少でのW杯出場を果たし、崩壊寸前だったブラジル代表を優勝へと導いていく。
サッカーの神様「ペレ」の話です。サッカーを知らない人でも、名前くらいは聞いたことあるんじゃないでしょうか?
私と「ペレ」の思い出は、、、「とんねるずのみなさんのおかげでした」で木梨憲武さんが書くサインぐらいです笑
https://labola.jp/photo/380245013?s=cau9c&size=320
番組では結構イジってましたけど、サッカー部の木梨さんからしたらペレなんて神の中の神でしょうね。。。
###
2. 監督やキャスト
監督はジェフ・ジンバリストさん ブラジル生まれと思いきや、アメリカ生まれらしいです。
「ファベーラの丘」というドキュメンタリー映画を作った経験があるそうです。
と、マイケル・ジンバリストさん
ラストネームを見ると分かる通り、兄弟で監督をしています。
前作のファベーラの丘に引き続き、ブラジルのファベーラの映像からペレの人生を切り取っていきます。
そして、青年のペレを演じるのはKevin de Paulaさん。この映画が初主演みたいですね。
https://es.web.img2.acsta.net/r_640_600/b_1_d6d6d6/pictures/16/02/10/16/51/211693.jpg
そして、撮影はマシュー・リバティークさん
結構観てる作品が多いですね。ハリウッドの大作映画の撮影をしていますので、とても安定感のあるベテランさんなんでしょう。
https://eiga.com/person/87710/
個人的には、マネーモンスターの撮影が好きでした。映画の中でテレビ番組を放送するのを撮影して、そのテレビ番組の中でも多くのモニターがあるという、複合的な撮影をしていたのが印象的。撮影とは別ですが、全てのカメラの動画をチェックして編集するのになんと一年も時間がかかったらしいです。。。
www.machinaka-movie-review.com
ハリウッド映画のスタッフで固められた本作は、ブラジルを題材にしながらもポルトガル語ではなく英語の制作になってます。
同じファベーラからの成り上がり映画ならシティ・オブ・ゴッドがありますが、これは全編ポルトガル語なんですねー。
さぁ、監督も主役もノーマーク、普段はサッカーを観ないワタクシですが、ペレの映画の感想はいかに?
###
3.映画の感想
ペレの輝かしい映像というコンセプトに寄せた、あまりにも綺麗な映像に驚いた!
サッカーのプレー技術も完璧で、非常に完成度が高いぞ!!!!
そして何より、サッカー映画だけに留まらずにブラジルの黒人奴隷の歴史とペレを結びつけたのも偉い!!
さらに、黒人のみでなくブラジルで生まれた白人の苦悩も描き、様々な人種が一丸となってサッカーに挑み、そして勝つ!
ブラジル万歳!の映画でしたー!
はい、一言で言えば、偉人絶賛型映画でした。非常に真面目で几帳面なストーリー。彼の出身はファベーラで貧しい暮らしなのですが、そこから話が始まっています。
ペレのサッカープレーは何度か目にしたことはあるけど、それ以外の映像ってあまり見たことないですよね? ましてや家庭環境や活躍する前の修行時代の話は、、、
この映画で、ペレの人生がどれだけ苦しかったのかよく分かります。子供時代は満足にスパイクも買えずに、裸でサッカーをしていたことが明らかになります。とある試合でプロサッカーチームからスカウトが掛かるのですが、そう簡単に話は進みません。スカウトされるのも、プロチームで活躍するのも、そしてワールドカップで優勝するのも、その全てに高い壁が立ちはだかっていて、その壁をペレがどう破壊していくかが観ものです!!!
そして、単なるサッカー映画に終わらせなかったのも偉いです。詳しくは次章で述べますが、ブラジルの黒人であるペレの生い立ちや家族のストーリーを絡めているのが素晴らしいと思いました。
、、、、、ただですね、全てがサイコーな映画かというと、そうではありませんでしたね。。
ブラジルのファベーラでも、ヨーロッパの町並みも全て同じ撮影手法をしているので、あまりにも綺麗すぎるというか、、、、几帳面すぎるくらい綺麗に撮られていたんですよね。
特にこの映画は、日光を使った撮影が多いのですが、かなり露出が高めで、逆光での撮影もガンガン使っています。そのどれもが完璧で美しいのですが、全てのシーンが綺麗すぎてちょっと飽きるというか、、、撮影にメリハリを付け欲しかったですね。。。
また、真面目な映画だけ合ってギャグシーンは一切ありません。ファベーラの貧しい生活でペレの幼年期を描くシーンなんかは、ペレの友達が良いキャラしてるのに、、、笑いは一切ナシ。
ちょっと物足りなかったかも、、、、
と、思っていたら、最後のシーンで鳥肌が立ちました!!!
やっぱりペレって偉いんだなぁーーーと実感。私はペレについてほとんど知らなかったので、ワールドカップの功績や世間の評価に驚くばかりでした。。。
4.ブラジルのサッカーはなぜ個人技中心なのか?
そして、この映画の素晴らしいポイントは、ペレの活躍を通して、ポルトガル人に「奴隷」として連れてこられた黒人の尊厳を取り戻す映画にもなっているのが偉いです!!!
そして、ブラジルのサッカーといえば「個人技」ですよね! で、この個人技がどうして生まれたのかが、この映画で明らかになるんですよ!!
ブラジルサッカーの個人技といえば、私は2000年前半の3R(リバウド、ロナウド、ロナウジーニョ)が大好きでした。
日韓ワールドカップのときですね、、、ケミストリーが主題歌歌ってたのが懐かしさを増幅させる、、、、
ケミストリー、、、元気か?笑
Let's Get Together Now~KOREA/JAPAN Ver.
・奴隷としてブラジルに連れてこられた黒人
16世紀以降、ポルトガル人が奴隷を連れてブラジルに入植してきたのは有名な話です。奴隷の多くは黒人で、現在ブラジルで住んでいる黒人のルーツは奴隷なんです。ちなみに、アジア人として日本人もブラジルに奴隷として連れてこられてきたみたいです。
https://brasilj.up.seesaa.net/image/E5A5B4E99AB7EFBC91.jpg
ペレの家庭も、母は白人の家のメイド係、父は病院の清掃員で、奴隷の仕事と通じる部分がありました。ペレも含め子どもは3人もいる。共働きでも、満足に生活することはままなりません。ペレにスパイクも買ってあげられないですからね。。。
・カポエイラ、そしてジンガへ、、、
奴隷として連れてこられた黒人は、カポエイラという格闘技とダンスが混ざった文化を作ります。
そして、カポエイラのリズム感やダンステクニックをサッカーに応用したものが、「ジンガ」と呼ばれるテクニックです。私はサッカーに疎いので詳しくは言えませんが、サッカーの規則的な攻め・守りのリズムとは正反対の、非常に不規則なドリブルやパスワーク、シュートのことを言うみたいです。
・ペレが個人技サッカーの強さを証明した。
このジンガサッカーは、今やブラジルサッカーの18番として浸透していますが、これはペレの活躍が大きいのです。
ペレがまだ子どもだった1950年のブラジルワールドカップ。ブラジルは本国開催で優勝確実とまで言われていましたが、ジンガに頼ったサッカーは世界に通用することなく、優勝できませんでした。
その反省もあって、ブラジルのサッカーはヨーロッパの最先端のサッカーを取り入れ、ジンガサッカーからの脱却を図っていました。しかし、急にヨーロッパの文化を取り入れてもうまくいくわけがありません。ブラジルは大会で良い結果を出せずにくすぶっていたのです。
しかし、そんな時ペレが現れて、父親仕込みのジンガサッカーを大会で披露し、1958年のワールドカップでブラジルを優勝に導きました。それ以降怒涛の活躍を見せるペレですが、まぁそれは映画の中で確認して下さい☆
ちなみに、、、、サッカーの背番号10番は、今やサッカー選手のエースナンバーとして知られていますが、これはペレの背番号が10番だったのが始まりだったみたいです!!!
https://doorto.net/wp-content/uploads/2016/03/pele032801.jpg
映画の中では特に説明されないので、、、サッカーに疎い人は知っておくべきです!!!
5.ペレの試合を予習すべき!
映画の中でペレのスーパープレイを再現しているのですが、元を知っておくとより楽しめると思います!
最後の最後に実際の映像が流れてきて、本編の再現映像と比較が出来るのですが、出来れば本編中に「おぉ、このシーンだな!!」と感動するのが正しい映画の見方だと思うからです。