こんにちは! Machinakaです!
今回批評する映画はこちら
「バンコクナイツ」
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はい、いきなりキワドい画像から入ってすいません。申し訳ないw
ただ、この映画にはピッタリの画像なんです。エロいぜワッショイ!!
富田克也監督の映画は初めての鑑賞です。相変わらずの体当たり映画修行中です。
普段なら「知らない監督だけど、面白かった」って淡々と感想を述べるところですが、富田克也作品は違った、、、これが空族の映画か、、、、
上映後、映画の余韻が残って倒れそうになったほど、、、
さすがです、富田監督。メッチャ面白かったです笑
というわけで、さっそく「バンコクナイツ」批評、いってみよー!!!!
あらすじ
「サウダーヂ」で話題を集めた映像制作集団「空族」の富田克也が監督・脚本を手がけ、バンコクの歓楽街で働くタイ人娼婦と日本人の男たちが織り成す、失われた楽園を取り戻すための旅を描いたロードムービー。バンコクにある日本人専門の歓楽街タニヤ通り。タイの東北地方イサーンから出稼ぎに来て5年になるラックは、現在は人気店「人魚」のトップにのぼりつめ、ヒモの日本人男性ピンを連れ回し贅沢な生活を送る一方で、故郷の家族に仕送りをしていた。ある晩、ラックはかつての恋人である元自衛隊員オザワと5年ぶりに再会する。ラックとオザワはそれぞれの思いを胸に秘めながらバンコクを離れ、ラオスとの国境にあるラックの故郷へ向かうが……。第69回ロカルノ国際映画祭で、10代の若者が選ぶ「若手審査員・最優秀作品賞」を受賞した。
富田克也、そして空族映画とは?
監督&主演は富田克也さん 映画ファンならお名前聞いたことあるのでは?
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山梨県甲府市出身。
映画美学校フィクション・コース第1期初等科修了。2003年、デビュー作『雲の上』を監督する。2007年、映画美学校映画祭スカラシップ作品『国道20号線』を監督し、『映画芸術』誌上で2007年の日本映画ベスト9位に選ばれる。2011年、『サウダーヂ』が第64回ロカルノ国際映画祭で独立批評家連盟特別賞を受賞したほか、第33回ナント三大陸映画祭で金の気球賞を受賞し、翌年の第66回毎日映画コンクールでは日本映画優秀賞と監督賞を受賞した。2016年、『バンコクナイツ』で第69回ロカルノ国際映画祭・インターナショナルコンペティション部門で若手審査員賞を受賞。
実はこの映画、前作の「サウダーヂ」と非常に深い関連があるらしいのですが、残念ながら前作は未鑑賞。 悔しい、見ておけばよかった。。
そして、富田克也監督は「空族」という映画作家集団に属している、とのこと。
「空族」ってなんだ?
正式には「くぞく」と読むらしい。「そらぞく」でも「くうぞく」でもない。
公式サイトの紹介を引用すると、
映像制作集団。2004年、“作りたい映画を勝手に作り、勝手に上映する”をモットーに、『空族』を名のりはじめる。常識にとらわれない、毎回長期間に及ぶ独特の映画制作スタイル。作品ごとに合わせた配給、宣伝も自ら行ない、作品はすべて未ソフト化という独自路線をひた走る。テーマは日本に留まらず、広くアジアを見据えている
どんだけ独自路線なんですか!笑
東宝にも松竹にも頼らず、独自の映画製作に突き進む空族、カッコよすぎるw そしてマイナーすぎるよ笑
インディーズ感たっぷりの映画製作集団ですね笑 空族、という看板はあるものの、実質的に自営業というか、制作から配給まで1から10まで仕事して、本当に素晴らしいです!!!!
映画秘宝のインタビューによると、数年にも及ぶ映画製作期間にも関わらず、俳優やスタッフは専業ではなく他の仕事をしながら映画に関わっているとのこと。
例えば、前作の「サウダーヂ」では土木作業員の人が出てきますが、その人は俳優ではなく本当に土木作業員の仕事をしている人なんだとか!
その人に演技指導するのも一苦労なのに、なんで起用するんだろう、、、
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そして、今回の「バンコクナイツ」でも、実際にバンコクで働く風俗嬢を俳優に起用したんだとか。
ココに映ってる人、全員風俗嬢だよ! タイに行けば働いてるよ!!!!
お世話してくれるよ!笑
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しかも、ロケ中で仕事を休む期間の給料を補償していたんだとか、、、
そこでもプロの俳優というのはほとんど使ってない、どんだけ特殊な撮り方なんだよwww
とにかく特殊な富田監督&空族の映画、、、どんな内容になってるんでしょうか!? それでは映画の感想です!!!!
映画の感想
こんなの観たことねぇ!!!
これ何で撮ってるの? スマホ? というくらいグラッグラの画面、そしてキャストの変な声(おそらく録音機材がショボい笑)
で大丈夫かよこれ、、、と思いきや、
高速道路をバイクが駈けるシーンだけは異常にカッコよく、こだわってる!!!
そして音楽担当はまさかのDJがww
素人感たっぷりの映画、もはやドキュメンタリーのようなタッチ! セリフも台本なのか、アドリブなのか分からない。
あまりにリアルなキャラクター達に、もはや彼らはバンコクのどこかにいる! いるに違いない! と錯覚する。
途中から、映画なのか現実かの境がつかなくなった。すると、一気に登場人物達に感情移入する。。。。
まさにタイ版「サウダーヂ」! 都市と地方の生活格差、生きることの辛さ、そして「居場所のない」人間たちはどうやって生き残っていくか。。猛烈に伝わった映画、、、、
そして最後に、、、、
バンコクまで女買う日本人、ほどほどにしろよ笑
シーンごとに映像クオリティの落差が逆にグッ!!
自主的に映画を作っているだけあって、色々と「隙」がある映画ですけども、この映画はシーンごとに映像クオリティの落差が激しい。。。
基本的に映像は綺麗じゃないです。特に富田監督(主役)の部屋のシーンとかは、メッチャクチャ雑な映像(わざと、そうしてるのかも)で、日頃ハリウッド映画を観ている私としては普通にドン引きするwwww
映像の雑な感じとしては、キム・ギドクの「殺されたミンジュ」と近いものがありましたねー。それくらい雑だった笑
www.machinaka-movie-review.com
しかし、風俗店の店内は非常にポップでエロティックに描いていたり、かなりこだわった撮り方をしているのかなぁと思いました。
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あとやたら出てくるバイク!
ここのシーンは本当にカッコよく撮っている。富田監督はバイクがお好きなんだそう笑
ということで、シネコンで掛かっているような普通の映画を観ている人には、驚きの映像ばかりです笑
予算がないのがすぐ分かる笑 でも面白い
カットが少なく、固定カメラでセリフが長々と喋る。予算もないから、スタントがいるような格闘シーンや銃をぶっぱなすシーンもない。セリフが中心となる群像劇なんです!!
セリフが中心って聞くと、あまり良い映画じゃないように見えるけど、会話が非常にリアルで生々しい。
プロの俳優ばかりじゃないから、素人がセリフ喋っているような感覚ですから、普通の映画見てる人には驚きですよね~。
そんな生々しい声色で、生々しい会話をするのですから、本当に「実在感」が凄い。本当にドキュメンタリー映画を観てるようでした笑
しかも今作はバンコクの風俗嬢がメインテーマになっており、風俗の生々しい会話をずっと話してるわけです笑
どんだけやらしいの笑
そして、日本人がタイに風俗に通う様子が描かれるのですが、これも非常にリアル。。。
「居場所のない」人間はどう生きる?
今作はバンコクに住む日本人を主題にしてるのですが、注目スべきはなぜ日本人がわざわざタイへ住んだのか?
タイという異国にいる理由は、転勤でも結婚でもありません。
日本に居場所がなかったのです。
前作「サウダーヂ」では日本の地方都市で閉鎖的な環境。
「タイに行けば何かがある」という願望が、この「バンコクナイツ」で実現したのです。
海外なら何か成功するかもしれない、人生リセット出来るのかもしれない。そう思って人は海外へ行くのですかね。。。
でも、国は変わっても人格は変わらない。日本で居場所がない人は、海外だともっと居場所がない。
本作はそんな在タイ日本人がタイで居場所を見つける、生きていく話です。
群像劇のため登場人物が非常に多いですが、オススメです(^o^)!!!