Machinakaの日記

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映画「バッド・ジーニアス」ネタバレあり感想解説 カメ止めを超える驚異の逆転脚本力

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
 

こちらのブログが初めての方、ご訪問いただきありがとうございます!

 

「映画のタイトル+解説(感想)」で検索してくださってこちらにいらっしゃった方には大変申し訳ないんですが、できれば第1回目の記事をご覧いただいて、私の自己紹介と本ブログの趣旨をご理解いただければと思います。

 

うさぎクッキー第1回目の記事はこちら!

 

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今回批評する映画はこちら!!!
 
 
「バッドジーニアス」
 
 

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日本にあまり入ってこない東南アジア映画。特にタイ映画は、「アタックナンバーハーフ」とか「マッハ!!!!」←!の数合ってるかな?
などなど、一昔前に流行った映画という印象がありますけど、今もまだまだ面白い映画が公開されております。実にレベルの高い作品が公開されております。ただ、あまりマスコミが取り上げないだけなんです。
 
こういう映画こそ、微力ながらも映画ブロガーで盛り上げていかなければならないのです。
 
 
今、カメ止めが流行ってる時代に言いづらい発言ですが、この映画の脚本には驚かされました。正直、カメ止めよりも驚いてしまった映画です!!!
 
そう言うと食いついてくれる人がいるんじゃないかなぁと思ってあえてタイトルにも付けました。映画は決して比較できるもんでもないですが、あえて比較させてください。是非とも今作の優れた脚本に驚いて欲しいです。そして、優れたタイ映画に出会って欲しいと思います。
 
 

 

それでは「バッド・ジーニアス」批評いってみよー!!!!

 

 

 

 目次

 

 

 

 

 

[あらすじ]

 

 

・中国で実際に起こったカンニング事件をモチーフに製作されたタイ映画で、同国で大ヒットを記録したクライムエンタテインメント。天才少女を中心とした高校生チームが世界規模のプロジェクトに挑む姿を描いた。小学校、中学校と優秀な成績を収め、その頭脳を見込まれて進学校に特待奨学生として転入を果たした女子高生リン。テストの最中に友人のグレースをある方法で手助けしたリンの噂を耳にしたグレースの彼氏パットは、試験中にリンが答えを教え、代金をもらうというビジネスを持ちかける。さまざまな高度な手段を駆使し、学生たちは試験を攻略。リンの売り上げも増加していった。そして多くの受験生の期待を背に受けたリンたちは、アメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試「STIC」攻略という巨大な舞台に挑むが……。

eiga.com

 

 


映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』予告篇

 

 

 

 

[映画の感想]

 

さすがタイ映画の雄、GDH(旧GTH)が作った超良作! 

中国で起きた高校生のカンニング事件を題材に、スリリングなカンニング大作戦が決行される! 

でも、大事なのはカンニングじゃない。カンニングを通して高校生の自意識を揺さぶる、あの時の俺を思い出させてくれう映画でした。

自分の道は自分で決めるのだっ!!!

 

 

 

 

[0.大事なのはカンニングじゃない]

 はい、どこから話せば良いのやら。。とにかく良作なんですが、この映画ネタバレするのがすごく難しいんです。。

 

まずプロットを書いておきましょう。

 

高校生がアメリカの大学入試のための国際的試験「STIC」をカンニングで乗り切ろうとする、クライムサスペンス的な物語なんですけど、あくまでカンニングというのは物語を進めるための、キャラクターを成長させるための「道具」でしかないんです。

 

ましてやカンニングを助長させるような映画ではないので、そこんとこ気をつけてくださいねー。最近も、「万引き家族」

で揉めましたからね〜。

 

カンニングというのは絶対にやっちゃいけないこと。でも、高校生にとっては試験を乗り切るってのは死活問題で、親にプレッシャーを掛けられている高校生ならなおさら。

 

試験をなんとか乗り切ろうとする高校生たちが編み出した苦肉の策がカンニング。カンニングさえすれば親も自分たちも上手く行く、そんな図々しい企みを考え実行してしまう、悪くもズル賢いバッドジーニアス=カンニングをする高校生の物語なんですね。

 

カンニングという悪行をする高校生たち。客観的に見れば「なんでそんなバカなことを・・」って呆れちゃうんですけど、ストーリーの作り方が良すぎて、映画を見てる時は「お前たちにはカンニングしかないだろ!」って思わせてしまうんですよね。

 

どんな高校生がカンニングを首謀するのかというと、金はないけど頭の良い天才高校生と、金はあるけど頭が悪いギャル高校生の二人組で、カンニングが始まるんです。そのシーンだけはバディ感満載。

 

なぜ天才高校生がカンニングに協力したかというと、一回の試験で3000バーツ=約1万円を貰ってるんですね。

 

両親は教師で急に収入が上がるわけもなく、家計を助けるために、学費のためにカンニングをしてるんです。

 

いくらカンニングが分かっていたとしても、もう仕方ないと感じるほど、リアルな家庭環境が丁寧に描かれんですね。

 

「万引き家族」の時もそうでしたが、こいつらには万引きしかないよな・・って考えてしまう設定の作り込みが施されているので、映画を見ていても違和感がないんですよ。

 

しかも、カンニングをするシーンがまぁ面白くて。クライムものということもあり、一つの目標に向かって高校生たちが奮闘する一種のケイパーものとしても楽しめる作品になってるんです。

 

例えば、最初は消しゴムに答えを書くという至極単純なカンニングで乗り切っていくんですけど。同じクラスの間で天才女子高生がカンニング業をしてるってばれていくんですよ。で、とうとうクラスの半分の生徒からお金をもらって、カンニングしていくんですよね笑

さすがにそんな数じゃあ消しゴムでは対応できない。

ということで、天才女子高生が編み出した案は「ピアノを弾く時の指の動き」でA-Dの択一をみんなに伝えていくという大胆かつ巧妙なテクニックを繰り広げていくんですw

 

しかも、弾いてる曲はクラシックばかりで、カンニングをしてる時にクラシックの曲が流れるという非常に不釣り合いな曲の使い方をするのも特徴的でしたね。

 

悪いことしてるのは分かっていても、教師とカンニングをする生徒たちの静かな戦い、試験中という緊張感が、スリリングな頭脳戦になっていて映画的に非常に面白い作りになってるんです!!!!

 

ただ、そんなカンニングもいつまでも続くことなく、カンニングを首謀した天才女子高生は大変な目にあいます。

カンニングを告発したのが誰かというと、もう一人の天才高校生の男。実は、二人はその高校の特待生として成績優秀なんですね。

 

カンニングを首謀する天才女子高生とカンニングを阻止したい天才男子高校生。その後、二人は驚きの形で再会することになりますが、それは映画を見てからのお楽しみで。。。

 

 とにかく、カンニングという題材であってもスリリングな頭脳戦を見事に描き、悪いこととは自覚しながらも自分の利益のために手を染めていく高校生たち、それを阻止する高校生の戦いを描く物語なんです。

 

ただ、大事なのはカンニングじゃありません。カンニングを通して富も名声も得ようとする高校生ですが、世間はそんなに甘くはありません。

 

カンニングを通して彼らは何を得たのか、そして何を失ったのか。今後どうしていくのか。

高校生たちの自意識を刺激し、自分の未来について考える大変良い映画だと思います。

 

[1.GDHって名前、覚えて帰ってね〜]

 今作を作ったのはGDH(Gross Domestic Happiness)というタイの製作会社。

 

実は、2年前にもGDHの前身であるGTHが作成した映画をレビューしていました。こちらも「ぶっちぎりで今年No.1」というタイトルをつけるほど大興奮で楽しめました。

 

www.machinaka-movie-review.com

 

タイのGDH社は、僕なりの例えで言わせて貰えば「タイのディズニー・ピクサー」なんですよ。脚本を平気で5年くらいひたすらブラッシュアップして、完璧すぎるストーリーを作ってくる。普通の映画では考えられない驚きの作り込みをしてくるわけです。

 

是非ともGDHを今日は覚えて帰ってください! 

 

[2.すれ違いを使ったトリックが満載]

 そんなGDHの特徴は、ストーリーの面白さだけではありません。

 

特徴的なのは、「異なる二つの時間、あるいは空間で行われるコミュニケーションのすれ違いを通して、物語を進行していく」面白さ。

 

例えば、すれ違いのダイアリーズでは同じ学校という一つの空間であっても、時系列をずらせることで二人の主人公のすれ違いを作ったり、必ずしも同じ時系列で話が進行しないことが特徴なんですよね。

 

そして、今作では時間・空間の両方をずらしたトリックが実に巧妙なんですよね。

 

アメリカの大学に入るための入試は全世界で行われるんですけど、それぞれの国には時差がある。

そこで、天才女子高生は世界で最も早く試験が行われる「オーストラリア」に飛んで試験を受け、「時差」を利用して「タイ」にいる高校生たちに試験前に答案を提供するトリックを使ってるんですよね。

 

この時間・空間のすれ違いを使ったトリックを楽しんでください!!

 

 

[3.カメ止めを超える衝撃の逆転構造] 

 

さて、タイトルにも付けた「カメ止め」を超える衝撃の逆転構造。。

 

これについて語りたいんですけど、、、、

 

 

ごめんなさい!いくらネタバレありであっても言えないんです!!!!!!!

 

少なくとも、カメ止めよりも驚いたのは事実です。

 

これまで話した内容で、まだ言ってなかったことがあるんですけど、実は映画の序盤から妙なシーンが散りばめられてるんですね。それこそ映画の時系列をかなりいじるような、とあるシーン。

 

もうそのシーンを見るだけで、「あぁ、なるほど。こうなっていくのね。」と映画ファンならずとも誰もが感じると思うんですけど・・・・

 

あぁもうダメですwww これ以上言えないですwwww

 

とにかく、誰が見ても仰天する驚きの展開に、ただただ衝撃を感じて欲しいと思います。。

 

 

言いてぇ。。。。 

 

 

  

 

 

 

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