まえがき
今回批評する映画はこちら
「バズ・ライトイヤー」
それでは「バズ・ライトイヤー」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・ピクサー・アニメーション・スタジオの代表作「トイ・ストーリー」シリーズに登場した、おもちゃのバズのルーツが明らかにされる長編アニメーション。「トイ・ストーリー」シリーズを通して活躍したおもちゃのバズは、持ち主アンディの大好きな映画の主人公であるスペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーがモデルになっており、本作ではそのアンディが大好きだったいう映画の物語が描かれる。バズ・ライトイヤーは有能なスペース・レンジャーだが、自分の力を過信したことで、1200人の乗組員とともに危険な惑星に不時着してしまう。相棒でもある猫型ロボットのソックとともに、全員を地球に帰還させるためのミッションに挑むバズは、個性豊かな新米のジュニアパトロールたちとの出会いを通して、自らの運命を大きく変えていく。主人公バズ・ライトイヤーの声は「アベンジャーズ」「キャプテン・アメリカ」のクリス・エバンスが担当。監督は「トイ・ストーリー」シリーズの短編「トイ・ストーリー・オブ・テラー!」「ニセものバズがやって来た」を手がけたアンガス・マクレーン。
「バズ・ライトイヤー」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#バスライトイヤー 」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2022年7月1日
トイストーリー4ではウッディの終わりを、そして今作ではバズの始まりを描く。
スターウォーズや2001年宇宙の旅へのオマージュを捧げ、見事なSFサバイバルに昇華してみせた。
重厚なガジェットや人間不在のディストピア観は完全に俺好み。猫型ロボットもシュールで最高。 pic.twitter.com/Xdqpcp3aa3
完全に俺好みなSFサバイバル
自分が小学生の頃に「トイストーリー」が公開され、言うまでもなく超話題作でした。
そこからトイストーリー2、3、そして4。ずっとおもちゃとしてのバズを追いかけてきた自分としては、今作でリアルな人間としてのバズが見れたこと自体が超新鮮でした。
超面白かったです!!!!
あくまで設定として知っていたバズの過去。レンジャー部隊として未知の惑星にたどり着くも脱出不可能に。
バズだけが宇宙を旅して脱出を試みるも失敗。何度も何度も挑戦を繰り返す姿はまさに「オデッセイ」のような設定。
宇宙を漂流し、人類の文明が皆無の世界で繰り広げられるサバイバルSFの展開は、完全に俺好みなんです!!
もともとディストピアも大好きなんです。
例えば大友克洋作品の「工事中止命令」のような、人類の文明が途絶えた世界で、人間が機械の侵略を阻止する話もお気に入り。
なので、今作のような未知の惑星を開拓して人類が生きる道を探す話だけで最高なんですよ!!
特に冒頭、惑星を探検しながらクリーチャーと戦うシーンや、レーザーソードみたいな光剣を操るバズに大興奮!!
俺もこんな冒険がしてぇ・・・・
トイストーリーのバズでは出てこなかったガジェットが輝きを放っておりました。
バズの元々の衣装がゴツいのも相まって、今作の飛行機やロボットも等身低めではあるけど重厚感が満載。
モブ敵はズゴックのような横幅広めのルックだし、気持ち悪いクモ型のクリーチャーもいて、その造形が素晴らしい。スパロボでいえば、リアルロボットよりもスーパーロボット系っていえば良いのかな。
やたらとアーマーがゴツいのが大好きなんです。
話の本質よりも側の話ばかりをしていますが、こーゆーのが好きなんです!!!
トイストーリーとは違って少し暗めの照明になっていて、暗い画になってるのもグッドでした。
あと、完全なる偏愛枠として猫型ロボットの「ソックス」ちゃんが良かった!!
ツボったwww
字幕では声優はピーター・ソーンさん。ピクサーのアニメーターで、声はどう聴いてもオッサンでしたw
この可愛らしいルックスとおっさん声のギャップ。動作は猫で可愛くても顔は無表情を貫く。総じてシュールなんですよねww
これ、絶対に買います笑
孤独で無鉄砲な人物描写が心に突き刺さった
トイストーリーでも少し浮いていた存在であったバズ。
今作でも一人だけ浮いていて、単独で惑星を脱出しようと試みたり、孤独と戦いながらもミッションを達成していく姿に感動しました。
少し自分の話していいですか。私は今、在宅社員なんです。
100人以上働いていた職場から離れ、今では自宅で孤独に作業する毎日。
もちろん自ら選んだ道ではあるんですが、時には苦しい時もあります。
今作のバズも、最初は同僚が大勢いた環境から一転して、宇宙船の中で一人ミッションに挑む姿が描かれます。
「これ、俺だ。。」
気づいたら涙を流していました。
別に今の環境が嫌いじゃないんです。むしろ好きです。でも、時には辛い時もありまして。
特に残業する時とかね。出社時代は周りも残業してる姿を見て「俺も頑張ろう」とモチベーションを維持できたんですが、今はずっと自宅の椅子に座りっぱなしで、閉じ込められている感が強い。
何度も何度も一人でミッションに挑むバズに自分の姿を重ねて、俺ももっと頑張らないとな、と思いました。
・・・もっと昔の話をすると、一人っ子&鍵っ子だったんです。
一人で家にいる時間が他の人よりも圧倒的に長いんですよね。
しかも地方出身だから余計に閉塞感が強くて。テレビで見る東京や大阪とは圧倒的に文明の差があって。自分の街は昭和から時間止まってるのかなぁみたいなw
だからこそ、孤独で閉鎖的な環境から抜け出す映画が大好きで。
超高速で移動するミッションのゆえ、バズが惑星に戻るたびにズレていく時間。
バズの周りだけ時間が進み、進み、気づけば知っている人が周りにいない状態。
こんな寂しい環境はないですよね。ソックスがいるだけ凄くマシに見えるのですが、にしても地獄です。
そりゃ職場から逃げたくなります。あ、これバズの話ですよw
ただ、私も幾分か共感する部分はありまして。嫌な環境だなぁって思ったら、移動してもいいんですよ。
かなり強引なやり方ですけども、自分の意思で一人離れた環境に進むバズに共感しました。
うん、俺もバズのように頑張ろう。
まとめ
思った以上に自分好みだった今作。トイストーリーの時はエリート気質で気に食わなかったんですけど、過去を知るとなぜ彼があのような性格になったのかが良くわかりますよね。
真面目で正義感が強くて、頑固なところもあって。
これアメリカではキャプテン・アメリカのクリス・エヴァンスがバズの声優をやってるんですよね。
トイストーリーではティム・アレンがやっているのに、今回は特別にクリス・エヴァンスが担当。
今作の境遇からキャップを思い出してしまいますよね。見事な人選でした。
あと、思った以上にスターウォーズの影響が色濃く出ていて驚きました!
例えば未知の惑星に辿り着いたシーン。
バズがクリーチャーに食われそうになるところを光剣によって危機を脱するのは、スターウォーズエピソード6でジャバ・ザ・ハットのペットに食われそうになったルーク・スカイウォーカーがライトセーバーでピンチを脱するシーンと重なります。
あとはバズの乗っている宇宙船が超高速を突破して別の惑星に到着するシーンは、周りを沼らしきものに囲まれています。
構図が完全にエピソード5でヨーダのいる惑星に到着した時と酷似しています。
ピクサーと同じくディズニー資本下にあるスターウォーズブランドなので、非常に親和性が高いシーンでした。
あとは、「2001年宇宙の旅」も色濃く影響を与えていました。
超高速を突破してワープするシーンは有名な「スターゲート」シーンと近いですよね。
色んなSFオマージュが捧げられているので、いくつ見つけられるか探してみてくださいね!
94点 / 100点