- ネタバレなしで感想と解説を始めます
- あらすじ
- 前作は2016年ベスト映画でした
- 映画の感想
- さらに深化した、アニメーション作品の大傑作
- 新たに追加されたシーンの詳細は?
- りんさんの描写が増えて、何が変わったのか?
- 東京国際映画祭で鑑賞!
ネタバレなしで感想と解説を始めます
今回公開する映画はこちら!
「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」
待ってました、という一言しかありません。
2016年の公開から、もう3年の月日が経ちました。
片渕監督も、ようやく新作を出すのかと思ったら、前作の長尺版。実に、実に頭が下がります。
一つの作品にここまで、時間と労力をかけて丁寧に作るとは、、
今のコスパ重視の邦画は見習ったほうがいいですよね。
一早く鑑賞したくて色々探していたら、なんと東京国際映画祭で上映するという情報が。
それでは「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」、感想・解説、ネタバレなしでいってみよー!!!!
あらすじ
・片渕須直監督がこうの史代の同名漫画をアニメーション映画化して異例のロングランヒットを記録し、国内外で高い評価を得た「この世界の片隅に」に、新たなシーンを追加した長尺版。日本が戦争のただ中にあった昭和19年、広島県・呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれ、新たな生活を始める。戦況の悪化に伴い生活も困窮していくが、すずは工夫を重ねて日々の暮らしを紡いでいく。そんなある日、迷い込んだ遊郭でリンという女性と出会ったすずは、境遇は異なるものの、呉ではじめて出会った同世代の女性であるリンと心を通わせていくが……。片渕監督のもと、主人公すず役ののん、今作でシーンの追加されたリン役の岩井七世らキャスト陣は変わらず続投。
前作は2016年ベスト映画でした
www.machinaka-movie-review.com
そして、勝手ながら、個人的に2016年ベスト映画としました。
劇場で5回は見たかな?今なら絶対にできないですよ、一つの作品に5回も!
それくらい私の心を打ちのめし、そして救ってくれた作品でした。
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映画の感想
東京国際映画祭にて「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」の世界初上映に参加
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年11月4日
またすずさんに会えてよかった、りんさんも、全てのキャラにも。
震えるほどの感動を、どうもありがとう。
上映後にのんさん、監督、岩井さん、コトリンゴさんのトークもありがとう。#この世界のさらにいくつもの片隅に pic.twitter.com/2AQH3nj41j
#この世界のさらにいくつもの片隅に
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年11月4日
で凄かったのは、マスコミと関係者の多さ
前列では入りきらず階段に座ってきたマスコミの多さは、初めて体験。
また、アニメ関係者と思わしき方も多数見かけた?マッドハウスのあの人や、棒アニメーターさんも多数。
これ、亀さんだったら大興奮だろうなぁ!
さらに深化した、アニメーション作品の大傑作
はい、2016年にベスト1映画として太鼓判を押した私ですが、今作も引き続き、2019年のベストに入る作品だろうと思います。
これが単なる「完全版」とか「長尺版」だったら、評価していないと思います。
もちろん、前作と同じシーンが大半を占めているのは周知の事実。しかし、新しく追加された約30分のシーンによって「さらにいくつもの」解釈が生まれ、新しい見方が出来るようになったのが一番の収穫だったと感じます。
第二次世界大戦当時の、ごくごく普通の市井の生活を描いた作品ですが、今作はよりリアルに、より女らしいすずさんを見ることができました。
前作ではテンポが良すぎて「え?え?なにこれ?」とメタ的に描かれていた部分も、今回ではよりダイレクトに伝えられ、前作ではわからなかったこともクリアになり、明確に届けられていると思いました。
アニメーションとは、そもそもギリシャ語の「アニマ」=「命が宿る」言葉からきている言葉。そういう意味では、命なき者に命を宿らせることがアニメーションの一番の仕事だと思っているんです。
今作はまちがいなく、本来的な「アニメーション」として素晴らしい作品です。これ前作からなんですけど、オープニング10秒で号泣しちゃうんですよね、私。
前作だけで6回くらいは見てるんですが、今作でもまた同じシーンで泣いてしまって。。泣き上戸なんですかねぇ。。
ただ小さい女の子が大きい荷物を背負ってるアニメを見てるだけで、リアルすぎて泣けるんです。アニメーションって別に派手なことをやらなくたって、十分に見応えがあるんですよね。
今作のすずさんも、より生命力あふれるキャラクターになっておりましたし、少し本編に触れるならば、少女ではなく「女」としてのすずさんの魅力がたっぷり詰まっている作品でございました。
新たに追加されたシーンの詳細は?
はい、みなさんが気になっている、新たに追加されたシーンの詳細ですが、、、
もちろん、現時点ではお答えできません!!
一般公開までネタバレはできないというのもありますが、何より私の拙い文章で紹介してしまっては、せっかくの傑作に申し訳ないからです。見たくて仕方ない人は、予告編で散々妄想してください笑
りんさんの描写が増えて、何が変わったのか?
・・・と言ってもなにも言わないのもアレですから、少しだけかいつまんでお話しいたします。
特に描写が増えたのは、予告やポスターでもわかる通り白木りんさんのシーンです。
これ以上はお話しできませんが、りんさんとすずさんの交流が増えることにより、多面的にキャラクターを見ることができました。
想像に易いのは、すずさん・りんさん・周作との関係が今作でどう描かれるか。漫画を見れば分かるんですが、これを映画でどう描くかですよね。りんさんとの交流が描かれるタイミングはいつなのか、どれくらいの尺を使って説明されるのか。
何より、りんさんの描写が増えることによって、何が変わったのか?
今回りんさんの描写が増えたことによって、周作との関係だけではなく、今作全体のメッセージ性がより深まったと思います。
個人的には、前作はすずさんを中心とした戦時中に生きた人々の物語だと思っています。
しかし今作は、「多様性」や「家族の形」など、現代の社会問題に通底するメッセージを内包しているように感じました。
実は、今回は新たなキャラクターが登場しており、そのキャラの行動が物語に新たな解釈を加える結果となっておりました。
何より、りんさんがすずさんに語るとあるセリフには衝撃を受けました。
確かこれは前作にはなかったはずなんですけど、、
りんさんが語りかける内容は、是枝裕和監督でも、ポン・ジュノでも、決して言えなかったメッセージだと思いました。
この作品が100年後も200年後も見られる作品になるような工夫が、あのセリフに込められていたような気がしました。。。
これ以上はもう、言いません、言えません笑
東京国際映画祭で鑑賞!
実はこの作品、東京国際映画祭で鑑賞しまして。
鑑賞前は何のイベントもなかったんですけど、鑑賞直後に大量のマスコミが流れ込んできて、誰か特別ゲストくるのかって思っていたら。。。
え?