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映画「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」ネタバレあり感想解説と評価 一言も外さないITギャグが冴え渡る軽妙コメディ!

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
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この記事では、「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」

 
 

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(C)2019 CBS Films Inc. All Rights Reserved.

 

いやっほい!!!
 
とうとう来たぜ!!!
 
俺が求めていたコメディ映画のお出ましだぁい!!
 
テンションが上がって仕方ないんですが、まぁ皆さん・・・
 
 
過度な期待はやめましょうね。

 

 

上映時間、驚異の82分で贈る壮大な物語・・なワケありません笑

 

「スマホを◯◯しただけなのに・・」という某邦画のパロディのようなタイトルから察してください。

 

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この映画、非常に軽い気持ちで観るべきなのです!!

 

もう配給がふざけてしまってるんですよ? 俺ら観客もふざけた気持ちで観るってのが筋でしょうが!!!

 

パロディと言えば、予告編で「her/世界でひとつの彼女」をイジってましたね。どれくらいの人が気づいたか分かりませんが、予告でもそんなことをやっちゃうような映画なんですよ。

 

映画全体がふざけてるんですよ!!

 

her/世界でひとつの彼女(字幕版)

her/世界でひとつの彼女(字幕版)

  • 発売日: 2014/12/03
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

しかも主演はアダム・ディバインという、顔に「ふ・ざ・け・て・ま・す」と書いてあるような非常にチャラそうに見える俳優(褒めてます)です。

 

「ピッチ・パーフェクト」で男アカペラサークルの代表を演じたのがいちばん有名かな?

 

日本で言えば、矢本悠馬くんとイメージが近いかもしれませんね。彼もアダム・ディバインの演技を真似してるのかなぁ。

 

ピッチ・パーフェクト (字幕版)

ピッチ・パーフェクト (字幕版)

  • 発売日: 2015/09/28
  • メディア: Prime Video
 

 

 

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 以上、今作の9割は「軽さ」で出来ているようなものなので、本当に過度な期待はせずに、あえてハードルを下げて鑑賞されるのがよいと思われます。

 

ただ、コメディ好きの私としては・・

 

大・興・奮・状・態・で・す♡

 

 

それでは「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・スマホに搭載されたある機能により、スマホにストーキングされてしまう男を描いたコメディ。監督、脚本は「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の脚本家コンビ、ジョン・ルーカスとスコット・ムーア。子どもの頃からスマホ依存症で、恋人も友だちもいないフィルが、スマホを機種変更した。新しいスマホにはすべての個人情報を把握し、生活すべてをコーチングする機能「ジェクシー」が搭載されていた。うだつの上がらないフィルの生活のすべてを一方的にコーチングするジェクシーに、フィルは振り回されるが、やがてジェクシーのおかげで恋人ができ、生活は劇的に変化していく。しかし、ジェフに恋人ができた途端に嫉妬に狂ったジェクシーが豹変し……。人気コメディアンのアダム・ディバインがフィル役を演じるほか、アレクサンドラ・シップ、マイケル・ペーニャらが脇を固める。ジェクシーの声は「ピーターラビット」シリーズのローズ・バーンが担当した。

eiga.com

 

 
CBS Filmという普段見ない制作会社が今回制作を担当していますが、大元はCBSというテレビ局であり、その子会社としてCBS Filmがあるようです。「セブン・サイコパス」もこちらで制作されたようです。

 

セブン・サイコパス(字幕版)

セブン・サイコパス(字幕版)

  • 発売日: 2014/07/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 
 
 

「ジェクシー! スマホを変えただけなのに」のネタバレありの感想と解説(短評)

 

 
 
 
 

一言も外さないITギャグが冴え渡る!

 

はい、アダム・ディバイン主演で上映時間80分台ということで、予想してましたが・・・

 

 

軽い!!!(褒めてます)

 

 

予告編で受けたイメージから予定が変わることがありませんでしたね笑

 

スマホに依存する主人公フィルが、スマホを機種変してしまったことで起こる、ドタバタラブコメディでございましたね。言い換えれば「舐めてたスマホが殺人マシーンでした」的なお話でございます。

 

スマホに依存する現代人に警笛を鳴らす、、という社会批判があるわけでもなく、狂ったスマホが主人公の私生活にどんどん干渉していく、はた迷惑なスマホに踊らされる映画なんですよ。

 

特に深みがあるわけでもなく、単に笑いに特化したコメディ映画でございまして、非常に軽い気持ちで観てよいコメディ良作でした。世の中には肩肘張らずに観ていい映画ってあるんですよね笑。

 

まぁ、こんな世の中ですから、何も考えずにおバカな主人公とスマホを笑うのもアリなんじゃないでしょうか?はい。

 

ただ、今作をあえて深堀りするならば、スマホ・インターネット・クラウドといったITで観客を笑わせる表現が卓越していたと個人的には思っていて。

 

以前、記事にしたんですが、映画においてスマホやインターネットが登場するのは現代では当たり前で、もはやITがサスペンス映画のトリックになったり(ハッキングなど)、パソコンの画面自体が映画の題材になることだってあるんです(「サーチ」など)。

 

なので、現代の映画はいかにITを上手く使って面白い作品を作るかが大事で、その表現の上手い・下手で作り手の実力が問われると思うのです。

 

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今回はITを使って観客を笑わせることが重要なのですが、そういう意味では今作は100点満点だったと思います! 

 

「Siri」や「アレクサ」を代表する、デバイスに付属するAIとして、今回「ジェクシー」というAIが主人公にまとわり付くのですが、彼女が今作のMVPですね!

 

音声は非常に無機質な機械音で、一切の感情がないのですが、その機械音からは想像のつかないド下ネタが繰り出されるのが本当に面白くて仕方がないw

 

予告編でもフィーチャーされてましたが、スマホの充電口やイヤホンジャックという「穴」を使ったド下ネタギャグには本当に笑わせてもらいました。

人間のフィルとスマホのジェクシーが性行為をするためには、、、そうか!あれを使えば良いのか!と目からウロコの描写でしたね!(何を言ってるんだ俺は)

 

これ、日本語吹き替え版では花澤香菜さんが演じているようなんですが、どんな声色であのシーンを演じるんでしょう。。。

 

人間以外のキャラが性描写をする映画だと「ソーセージ・パーティ」がまっさきに思いついたんですが、あれはアウトですよねw ソーセージが主人公って時点でモロにアソコのメタファーじゃんって感じてしまうので・・。思いっきり、下品なわけですよw

 

しかし今作はスマホに空いている穴とプラグを使って、一見下ネタには見えないガジェットで性描写を見せることが非常に巧みだと思うんですよね。

 

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また、下ネタに限らず、ジェクシーのセリフが一言も外さないのが今回の見どころで。

 

ジェクシーはAIにも関わらず、主人公フィルと絶妙なボケ・ツッコミ関係を保って、王道の漫才が出来たのが大きいポイントだと思います。スマホのAIという機械音だからこそできるオフビートな台詞回し、それに感情たっぷりにツッコむフィルを見ているだけで面白い!

 

ジェクシーは非常に口が悪い設定になってるんですけども、「アレクサは酒癖が悪い」とか、「Siriは娼婦」だとか、根も葉もないただの悪口を吐くところも素晴らしいw 

普段我々が見聞きしているAIをなじる描写が冴え渡っていましたね。

 

また、ジェクシーがヘソを曲げた時にスマホのUIが異変をきたすシーンも良くて。

フィルがムカついてスマホを切ろうとしたら、「シャットダウン」のボタンが移動してなかなか電源を切れないくだりだとか、我々が普段見ている画面がおかしくなるシーンは是非ご堪能あれ!

 

あとは、フィルが自転車屋の彼女に興奮して思わず送ってしまったアソコのセルフィーを同僚全員に送信してしまうくだりも、霜降り明星せいやのZOOMセクハラを思い出させてくれて、今観るべき映画だなぁと改めて感じるのでした。

 

みんな、絶対に恥部はセルフィーしちゃダメ!! 

 

motokenblog.com

 

 
以上のように、現代に生きる我々にとっては欠かせないITを駆使して観客を笑わせてくれたことに大感謝せざるを得ません。日本のコメディ映画だと、ただスマホの画面を見せたり、スマホに出ている文字をただ読んでいくだけのつまらないIT表現が多いんですが、今作を観て日本の作り手たちも意識が変わったらいいなぁと思います。
 
 
 
 
 

ファックに頼らない工夫されたスラング

 
気になったのは、ファックに頼らないスラングセリフ。
 
普通コメディ映画だと、相手を見下すときやバカにする時に、ありとあらゆる「ファック」を使いこなして笑わせる、ファック変格活用的なスラング合戦になるんですけども、今作ではファックを使わずにスラングを言ってる所が素晴しいですよね。
 
その結果R指定でなくPG12レベルで鑑賞できるので、より多くの観客に観てもらうための工夫だったと思うのですが。
 
冒頭、マイケル・ペーニャがフィルに向かって「おい、フェ◯唇」=「Prison rips」と発音?というセリフで罵っていたのが本当に印象的でしたね! どんな訳をしたらフェ◯唇になるか分からないんですけど、日本語字幕だからこその面白さもありました。
 
あと、童貞疑惑がかけられたマイケル・ペーニャが「you call me vergin? ...yeah, I'm just vergin!」とまさかの童貞告白をするくだりも最高でw 
 
もはや大御所のマイケル・ペーニャが言うからこそ、あのセリフは笑えるんですよね。まったく・・マイケル・ペーニャになんてこと言わせるんだよw
 
何より、ファックを使わずに笑わせてくれたMVPはスマホのジェクシーでしょうね。
 
朝のアラームが鳴った途端に「Wake Up Bitch!!」とスマホから大音量が流れ、こちらの意表を突く面白アラートを流してくれたり、フィルを嘲笑する時に「Ha Ha Ha」とスマホのAIという無機質なボイスを活かしたギャグも最高でしたねw 
 
ちなみに、「Ha Ha Ha」のあの言い方は、「デイビッド・チャンの世界を食べつくせ!」でケイト・マッキノンがギャグで言った「Ha Ha Ha」と全く同じでしたね。
この「Ha Ha Ha」はSNLでも使われており、ケイト・マッキノンの得意なネタなんでしょうか。
 
 
 
 

 

 

子供時代を丁寧に描くコメディ映画は良作

 

冒頭、主人公フィルの子供時代を描くシーンがあって、子供から携帯電話に依存しているフィルがよく分かるんですよね。
 
正直、別に子供時代の話を見せなくても話は十分に伝わるのですが、わざわざ子供時代のショットを作ってくれるあたりが、丁寧に主人公描写をしようとする姿勢が存分に伺えました。
 
細かい話なんですが、ちゃんと主人公の子供時代を描くコメディ映画は良作だと、個人的に思うところがあって。
 
例えば「エイミーエイミーエイミー」も、こじらせた主人公がどうやって今に至ったのかを子供時代の描写を通じて説明しているんですよ。こういうとこ、意外と出来てない映画が多いんですよね。

 

 

 

 

 

まとめ

 

ITを駆使したギャグが満載で、一瞬たりとも飽きさせない工夫が観られた作品でした。

 

ただ、コメディ映画だからしょうがないのかもしれませんが、ITを使った都合の良い物語進行が少し飲み込みづらい点もありました。

 

ジェクシーはスマホ本体ではなく、クラウド上に存在するAIという抽象的な設定にすることによって、どんなネットにもスマホにもジェクシーがインストールされて使えてしまうんですけども、車のインターネットに侵入してフィルを襲わせたり、人事異動をさせたり、AIに出来ることを超越した行動があったのは否めないなぁって思うところも。

 

沢山文句はあるんですけど、これもコメディ映画だからしょうがないかなぁって思うところもあったり、でもコメディ映画だからこそ脚本のツメの甘さは正したほうがよいと思ったり・・・

 

まぁ、余計なことには目をつぶって楽しむことも良いかもしれませんね笑

 

とにかく、卓越したITギャグが観れるのは今作の白眉!こんな世の中だからこそ、笑っていきましょう!!

 

70点 / 100点 

 
関連画像

 

 

 
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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