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映画「女子高生に殺されたい」ネタバレあり感想解説と評価 狂人のセルフ殺人計画が男の切望として昇華

 
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この記事では、「女子高生に殺されたい」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

今回批評する映画はこちら

 

「女子高生に殺されたい」

 

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(C)2022 日活

 

映画ファンはみんな大好き!!

「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫監督の新作だぁぁい!

 

今泉力哉×城定秀夫が監督・脚本をそれぞれ担当したL/R15作品の、城定監督・今泉脚本の「愛なのに」では瀬戸康史が主演。

 

今回は田中圭主演で劇場公開数は「愛なのに」よりも格段に広がり、漫画原作ということもあって立派な「商業映画」ではないでしょうか?

 

城定秀夫監督の劇場公開はできるだけ映画館で見たいと思っています!

今回は誰が脱ぐのかなぁ・・・

ヒヤッホイ!!

 

それでは「女子高生に殺されたい」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
「ライチ☆光クラブ」「帝一の國」などの鬼才・古屋兎丸による同名コミックを、「アルプススタンドのはしの方」の城定秀夫監督が田中圭主演で実写映画化。城定監督自ら脚本を手がけて原作を大胆にアレンジし、「女子高生に殺されたい」という欲望を抱える高校教師が企てた「自分殺害計画」の行方を描き出す。女子高生に殺されたいという理由で高校教師になった東山春人は、人気教師として日常生活を送りながらも、「完全犯罪であること」「全力で殺されること」が条件の理想的な殺され方を実現するため、9年間にわたって完璧な計画を練り上げてきた。平和な学園内で、着実に計画を進めていく東山だったが……。生徒役を「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の南沙良、「サマーフィルムにのって」の河合優実ら若手俳優たちが演じ、春人の過去を知る元恋人役で大島優子が共演。

女子高生に殺されたい : 作品情報 - 映画.com

 
 
 
 
 
 

「女子高生に殺されたい」のネタバレありの感想と解説(全体)

「#女子高生に殺されたい 」鑑賞 いやぁー、ゾクゾクしたぁぁ!!! 公開規模的にも文句のない商業映画で、城定監督がまたやってくれました! どう見ても変態教師によるセルフ殺人計画を、エキゾチックな撮り方と田中圭の顔面力で鬼気迫る展開… https://t.co/vyLf7LrpK9

 
 

 

狂ってる男の話なのに、何故こんなにも理解できるのか

 

漫画原作、公開規模も広め。完全なる商業映画の舞台でも、城定監督は見事に輝いておりました!

 

突拍子もないプロットです。

女子高生に殺されたい願望がある危ない教師の東山(田中圭)が、他人を受け持つクラスの女子高生に殺されるために画策する場面から始まる。

 

なぜ東山はこの高校にやってきたのか、昔は何をやっていたのか、東山の過去が分かれば分かるほど狂気が増していく。それに、狙われている女子高生もミステリアスで、謎が謎を呼ぶ展開になっていく。

 

あらすじだけ聞いたら気持ち悪い話ですよ。でも、田中圭の顔面力と照明暗めのエキゾチックな撮影にまんまと脳が騙されて、どんどん映画の中にのめり込んでいく自分がいました。

 

終盤には、「東山は無事に殺されるのかなぁ、大丈夫かなぁ」と、なぜか変態教師の心配までする始末。何故でしょう、もちろん私にはそういう癖はないのですが、何故か東山の計画を応援したくなる自分もいる。。これ以上は止めておきましょうか笑w

 

東山が若い異性に対して持つ気持ちに、少し共感してしまった自分がいるのでしょうか?

映画を見ている間は、東山という一人の男の「切望」に感情移入してしまう部分が多かったんですよね。

 

ここまで共感できるのも、城定監督の演出があってこそだと思っています。

 

監督は長らくピンク映画を手がけていた人で、今回も大島優子の濡れ場(あれは別にどうでも良かったw)や、色気があるシーンが目立ちました。

 

一番の決め手は、東山が高校生だった時の回想で、バスに乗っている女子高生に殺されるか妄想するシーン。

 

あそこで、可愛い女子高生が制服の赤い紐リボンをスルスルと外していくんですよ。

このシーン、女子高生が「身につけているものを脱いだ」ことで、男が見るとどう見ても官能的なシーンに見えるわけです。

 

バスなのに照明も暗くて、まるでバス内でお触りできるイメクラのような雰囲気になっていく。たぶんラブホの照明と変わらないですよあれ笑

そんな艶っぽいシーンに演出するものだから、絶対に女子高生に殺されたくない私でも、東山とは別の観点ですが、同じ女子高生にドキドキしてしまう

興奮、という点では同じなのかもしれません。

ここで、観客と東山で共犯関係のようなものが芽生えてしまう。

 

もうここからは、どうなったって東山目線で見てしまいますよ笑

 

用意周到な東山の計画に見入ってしまい、次はどの女の子に仕掛けるのかドキドキしてしまう。。

 

ラストがどうなるかは内緒ですが、最後まで息もつかせぬ展開に拍手したくなることでしょう。

 

城定監督、ぜひ今後も商業映画にチャレンジして頂きたい!!  

 

 

映画の鍵を握る河合優実の魅力

田中圭のことばかり話してしまいましたが、標的にされる女子高生のキャラクターたちも非常に魅力的で。

 

まずは南沙良さん演じる佐々木真帆ですね!

 

スクールカーストは低めながらルックスはトップ級、顔も良しスタイルも良し性格もおおしとやかな印象で、下品にゲラゲラと笑うキャピキャピなクラスメイトとは一線を画す美女。とあるシーンで佐々木さんの魅力が裏付けられるシーンがあるのですが、是非そこも共感して頂きたいと思います笑

 

彼女が最終的にどんなキャラクターになるのかは内緒にしておきますが、序盤に関しては彼女の「受身な姿勢」が「攻め」の東山と相性抜群で、この子はどんな目に遭ってしまうのかと心配にさせるのです。

「俺が、俺が守ってやらんとどうなるのだ!!」と妙な防衛反応が生まれてしまうんですよね。

 

そして脇役的なポジションではありますが、最も東山にメロメロになっている君島京子演じる莉子さん。

文化祭の出し物として戯曲を書いているところを東山に見つかってしまい、「エミリーの恋人」という映画化された戯曲を書いてみることを提案される。

その時、東山が京子の膝と自分の膝をくっつけ合ってスキンシップを図るのですが、その時の「・・・えっ♡」と言わんばかりの表情、その後の台詞回しがたまらん!!

もうどっからどう見ても好きじゃないですか東山のこと!!

 

そして何より、佐々木の親友を演じる小杉あおいを演じる河合優実ですよ。

役的には助演なのですが、彼女が映画の鍵を握っているような力強さを感じました。

彼女は誰よりも寡黙で、挙動不審で、何故か自信を予知できる能力を持っていて、東山にも負けないほどヤバい人に見える。

 

最初、東山は誰に殺されたいのか分からない状態なのですが、小杉のキャラクターによって誰が標的にされているのか、分かりづらい状態になってしまう。

観客は小杉に色々期待してしまうんです。

そもそも、東山が狙っているのは小杉なんじゃないかと、小杉が東山の全てを知っているのではないかと。小杉が全ての謎を握っているのではないかと。

しかし彼女はミステリアスな雰囲気を最後の最後まで身につけたまま、映画全体のエキゾチックな空気感を作り続ける。

 

謎が謎を呼ぶ展開が維持できるのも、小杉がいるからこそ成立するもの。

 

河合優実は過剰な演技では決してないけど、内面から滲み出るスピリチュアルな雰囲気作りが抜群だったんですよ。少し下を向きながらずっと一点を見つめてる感じとか、顔の震わせ方とか、1秒間に何回演技してるんだってレベルで。

俳優全体の中でも、河合優実がダントツに凄かったです。

 

彼女、ハリウッドに進出してくれないかなぁ。あんまり話題にならないですけど、男はハリウッド行けても女でハリウッド進出したのって限られてるんですよ。

 

今のところ菊地凛子と芦田愛菜(子役)くらいじゃないですか!?

山崎紘菜はノーカンでw

 

  

 

昔は教師になりたかった僕

良からぬことを思い出してしまいました。

 

実は私も、高校教師になりたかったんですよ!!!!

 

と言っても、自分が現役の高校生の時であって、東山みたいに大人になってからじゃないですよ。信じてくださいね。

 

高校生の自分は、当然のように同い年の女子高生が大好きで、ずっと女子高生に囲まれて仕事したいなと思ってました。だから進路志望にも「高校教師」と書いていたし、実際に教育大学を志望したりもしてました。

 

担任の先生にも相談してましたが、とにかく教師はやめとけと言われました笑

今教師の労務環境が話題になっていますが、そういうことも影響してなのかな。

とにかく教師になることに否定的な意見ばかりで、別の業種になったんですけどね。

 

今となっては女子高生なんて若すぎてどんな対象にも入らないですが、いまだに制服好きは根強いですからね。なぜみんな女子高生に憧れてしまうのでしょうかね。。。

 

今となっては私には全然分かりませんが!!

 

 

 

まとめ

 

やってくれました城定監督!!

 

いつもの邦画のようにナレーション多めではあったんですけど、話自体の吸引力と城定監督ならではの画力によって特に気にすることもなく、最後まで楽しむことができました。

 

女子高生モノで、しかも派手な濡れ場も見せずにここまでやれたのなら、どんな商業映画であっても行けるんじゃないですかね!!

 

どうしたって未だに女子高生モノがウケる。これは日本映画の文化なのかもしれません。作りやすいのは事実ですし、一種のフォーマットのようになっています。

 

派手な濡れ場が見せれないなど、色々制約があると思いますが、城定監督にはもっと積極的に女子高生の商業映画を撮ってほしいですね!

 

興行的にも品質的にも日本映画を引っ張る人になってほしいです!!

 

95点 / 100点 

 

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