まえがき
今回批評する映画はこちら
「ライトハウス」
「A24にハズレなし」というのは、もはや映画好きの共通認識になってると思う。
外れがない、良作ばかりを配給する会社というのは、数少ないが存在する。
個人的には、ブラピが経営する「PLANB」やディズニー傘下となった「サーチライトピクチャーズ(旧フォックスサーチライト)」など。
これまで多くのA24作品を見てきたが、今回はどのような良作を見せてくれるのか。楽しみで仕方がない。
※A24作品の鑑賞履歴
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それでは「ライトハウス」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・「ウィッチ」のロバート・エガース監督が、「TENET テネット」のロバート・パティンソンと名優ウィレム・デフォーを主演に迎え、実話をベースに手がけたスリラー。外界と遮断された灯台を舞台に、登場人物はほぼ2人の灯台守だけで、彼らが徐々に狂気と幻想に侵されていく様を美しいモノクロームの映像で描いた。1890年代、ニューイングランドの孤島。4週間にわたり灯台と島の管理をおこなうため、2人の灯台守が島にやってきた。ベテランのトーマス・ウェイクと未経験の若者イーフレイム・ウィンズローは、初日からそりが合わずに衝突を繰り返す。険悪な雰囲気の中、島を襲った嵐により、2人は島に閉じ込められてしまう。
「ライトハウス」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#ライトハウス 」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2021年7月11日
孤島の灯台に2人きりで働く男たち。
台風のため巡査船🚢が来ず気が狂い、酒に溺れるうちに人生の5W1Hが行方不明になっていくホラー映画。
2人だからこそ改めて気付かされる人間関係の難しさ、人間の脆さ。
基本はホラーだが、酒を飲んでて陽気になってる時の2人には爆笑する。 pic.twitter.com/22PN2f6y8X
灯台を活かした不気味な演出が光る
実に勘弁してほしい音響設計
2人だからこそ改めて感じる、人間関係の難しさ
なにより今作で目立ったのは、上司と部下の関係ではないだろうか。
分かりづらいかもしれないので言い換えると、上司トーマスと部下イーフレイムの関係が次第に悪化していくのは、見ていて非常に現実味があったのだ。
偉そうに雄弁を垂れ、部下を犬としか思っていないトーマスは、本当に最悪な上司の典型である。19世紀が舞台のため、まだ浸透していないかもしれないが、「パワハラ」以外の何物でもない。
映画には描かれなかったが、イーフレイムが外壁の塗り直し中に落下した時、トーマスは絶対に謝らなかったはずだ。
ダメダメ上司 であるトーマスにしびれを切らし、ぶちぎれるイーフレイムは、全サラリーマンが共感し泣いたはずだ。
クトゥルフ神話や神秘的な灯台など抽象性の高い今作だが、人間関係だけはリアルさが残っていた。つまるところ、今作のあの結末に至ったのも人間関係が全てだろう。
トーマスは灯台でイーフレイムより上の場所で働いているというのも、イーフレイムのルサンチマンを溜めた原因だ。
イーフレイムが何を話しても、まともに取り合ってくれない。口から出るのは自身の自慢、イーフレイムの悪口だけ。酒を飲んだ時だけは仲良く振る舞ってくれるが、あの時は一緒に歌を歌っているだけ。イーフレイムの主張や言論を受け止めてはいない。
こんな地獄の現実がずっと続いたからこそ、イーフレイムは気が狂ったのだろう。
まとめ
スリラー映画において灯台は抜群の効果を発揮するのだと、改めて感じた映画だった。
これから、灯台映画にハマりそうな予感がしてならない。
92点 / 100点