- はじめに
- あらすじ
- 昔ながらのカラフル・ディズニーがまた!
- 映画の感想
- 王道すぎる展開だが
- 世界一時間のかかった続編
- 全員パリコレ!実写とアニメの間を補完する恐るべき服飾デザイン
- メリーポピンズ=ドクターストレンジはちっとなぁ、、
はじめに
今回公開する映画はこちら!
「メリー・ポピンズリターンズ」
それでは「メリー・ポピンズリターンズ」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!
あらすじ
・アカデミー賞5部門に輝いた1964年公開の名作ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の20年後を描いた続編。大恐慌時代のロンドン。バンクス家の長男マイケルは今では家庭を持つ父親となり、かつて父や祖父が働いていたロンドンのフィデリティ銀行で臨時の仕事に就いていた。しかし現在のバンクス家に金銭的な余裕はなく、さらにマイケルは妻を亡くしたばかりで家の中も荒れ放題。そこへ追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家まで失う大ピンチに陥ってしまう。そんな彼らの前に、あの「ほぼ完璧な魔法使い」メリー・ポピンズが風に乗って舞い降りてくる。主人公メリー・ポピンズを「プラダを着た悪魔」のエミリー・ブラントが演じるほか、共演にも「キングスマン」のコリン・ファース、「マンマ・ミーア!」のメリル・ストリープ、「007 スペクター」のベン・ウィショーら豪華キャストが集結。前作でメリーの親友バートを演じたディック・バン・ダイクも出演する。監督は「シカゴ」「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」といった大ヒット映画のほか、舞台演出家・振付師としても活躍するロブ・マーシャル。
昔ながらのカラフル・ディズニーがまた!
今作は1964年の「メリーポピンズ」の続編、リブート、リメイク?らしいんですが(どっちだよ)、私が見て思うのはカラフルで夢のような世界感を、現代にやってくれることがすごく嬉しいんですよね。
1950〜1960年代って、映画がモノクロからカラーになりたての時代なんですよね。で、今までモノクロに慣れていた人は、色がついた映画をどうやって撮るか慎重に慎重に考えたわけです。
そのため、専属のカラーリストさんをつけて、とにかく派手に見栄え良く色を見せるように、発色の良い色をつけてたんですよね。
「ララランド」でも色の濃いドレスが印象的でしたが、あれは監督のデミアン・チャゼルが60年代のフランス映画が大好きだからなんですよ。「ロシュフォールの恋人」とかね。
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予告でもエミリー・ブラントとその仲間たち(調べてないのが露呈してますね)がアニメのような背景を映してる画面が印象的で。
普通だったら超浮いてますよww これww
多分俺がやったらただのグロ画像ですよw
エミリー・ブラントと、愉快な仲間たち(いい加減調べろよ)だからこそ、そしてアニメ的背景にぴったりなコスチュームだからこそ、映える映像になってるんですよ。
最近のCGって何でもできるんですよ。本当に。CGの目的って、より現実に近づけるためにやってるのが多いんですけど、今作は現実に近づけるためでなく、非現実的な世界に近づけるためにCGをふんだんに使ってるのが素晴らしくて。
もしかしたら、CGでもなく絵を直で挿入してるかもしれないですが。
とにかく、普通に考えたらミスマッチな実写とアニメの融合をやってるわけですな。
これ、ディズニーランドの世界そのまんまですよね。夢の世界を作るためには、アニメや漫画的な絵も入れていいって。そう判断したわけですよ。
普段は絶対に見ないような、自分も着ないようなカラフルな衣装、そして世界観を堪能したいと思います。
映画の感想
64年から早55年、、、半世紀以上前の作品を見事にアップグレード!! 超豪華英国キャストと世界のディズニースタジオが贈る、不可能を可能にする素敵なマジック・ムービー!! お風呂に入ってから、一度もまばたきするな!!!!
王道すぎる展開だが
はい、上映時間120分を切り、すっきり爽やかな王道のディズニームービーでございました。
実写ディズニーの特徴といえば、不自然なくらい分かりやすく典型的な3幕構成が特徴かと思われます。
みんなで仲良く→ピンチ→ラスボスやっつけてハッピーエンド!
的な、すごく単純な作りなんですよね。いつもいつもいつも。
今作もメリーポピンズと子供達が仲良く遊んでるかと思いきや、途中でベン・ウィショーの金策の手助けをし、最後はコリンファースを打ち破る! といったすっきり爽快な話なのであります。
もうこんなの、見る前からわかってます。メリー・ポピンズが途中で死ぬわけがありませんもの。
見え透いた物語とは別に、映像や音響、、特に今回はダンスも際立ってたんですが、個々の芸術点の高さが際立った作品だと思いました。
まるで「美女と野獣」の実写版のようでした。 主題歌にジョン・レジェンドとアリアナ・グランデって、もうズルいだろそんなの。。。
メリーポピンズを演じるエミリー・ブラントのダンスや歌もすごかったんですが、まぁ驚いたのはガス灯の交換員を演じたおじさん(リン・マニュエル・ミランダ)
あんた、もっと有名になっていいよ!!! すごいよ!! なにあのダンスwww
私も最近ダンスかじってるんですがね(と言ってもゲームしてるだけ)一個一個のダンスのキレがすごいんですよ。手足を動かすあの速度!
そしてガス灯から炎を灯しながらのパフォーマンス! あれ、CGじゃないよね多分。
あまりの動きの早さに、メリーポピンズと子供も「ぼーーーー」と見ることしかできない、あのテキパキとした動き。
ディズニーのパフォーマーって、世界でもトップクラスの人だけしか勤めらないって言いますけど、今作はひときわ際立っているように感じました。
世界一時間のかかった続編
はい、最近ただでさえディズニーはリメイクやリブートが多いのに、まさかの続編を、このメリーポピンズでやるということは不思議ではありませんでした。
50-60年代にやったディズニー映画を、どれだけリメイクしてきたか、数え上げたらきりがありません。近々あの「ダンボ」も実写化するみたいですし。
しかし、今作はただのリメイクではありません。
なぜかというと、今作はリブートでもリメイクでもなく、単なる続編だからです。
それがすごいんです。
前作「メリーポピンズ」は1964年。。東京オリンピックが開催された年ですよ!? どれだけ前作が古いか、お分かりでしょう。
そして今作「メリーポピンズ リターンズ」が公開されたのはアメリカでは2018年。
54年もの年月を経て、続編が作られてるんです。
だから、今作は「世界一時間のかかった続編」とも言えると思います。
正直ね、リメイクならいくらでも自由にできるわけですよ。でも、今作は続編。あくまでも続編。
物語の続きから始める。でも、人間の寿命を考えたらスタッフや俳優は前作と今作では全く別物であるに決まってるわけです。
しかし、今作は極力1964年に近づけようと、当時流行したテクニカラーの発色良いドレスや昔ながらの手書きアニメーションを加えることにより、1964年と2018年の映画技術の差を可能な限り補完してるわけです。
新しすぎても前作ファンに怒られる。古すぎても若者に呆れられる。古さと新しさの両方を兼ね備えた、温故知新的な映像芸術が際立った作品だと思います。
今作はアカデミー賞に多くノミネートされ、見る前はその理由がよくわからなかったんですよ。え、ディズニー映画でこんなに多くノミネートされるのかって。
でも、みれば一目瞭然でした。明らかに個々のレベルが高すぎます。高杉晋作です。
アカデミー賞は作品賞や監督賞を除き、大多数は個々の映画技術に対して賞を贈るもの。個々の芸術点が高すぎる今作には、十分にアカデミー賞ノミネートされる可能性があったんですよね。
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全員パリコレ!実写とアニメの間を補完する恐るべき服飾デザイン
そして、今作で最も芸術点の高さが際立ったのは服飾デザインだと思います。
おじさんのダンスもよかったよ。エミリー・ブラントも可愛かったよ! でも今回一番感銘を受けたのは服飾です!
映画を見た方ならお分かりでしょうが、メリーポピンズの特徴は実写の世界からアニメの世界へ入り込んだ時の表現なんですよね。実写?アニメ?
普通なら絶対に避けるべき実写とアニメの融合を見事に実現しているわけです。
で、この画像だけではよーくわからないんで、もっとズームしてみます。
これ
間違ってもエミリー・ブラントのおっぱ◯に注目してほしいわけじゃありません。
土屋太鳳ちゃんのおっぱ◯で僕は満足してます。
わかります? これだけ綺麗でたかそうな服を着てるのに、リボンはイラストなんですよね。しかも、すごくズームしてみると結構ダサいw
子供達の服を見ても、蝶ネクタイはどうやらイラストのようです。
なぜ? 途中で予算が尽きたのか?
私的には、これはアニメーションの絵と合わせるためだと思っております。
アニメーションと実写の最も大きな違い、それは3次元か2次元か。そこに尽きると思います。
アニメーションである以上、どうしても平面的である必要があり、我々はどう見たって平面的な絵がアニメーションだと思うわけであります。
それはキャンバスという平板に絵を描くというアニメーション特有の作業方法に起因してるかと思うんですが。
ただ、今作では実写とアニメの融合が必要なわけで、実写とアニメの補完が必要なわけで。
そのため、実写=3次元、アニメ=2次元の差を極力埋める必要があるんです。
で、話は戻りますが、なぜネクタイやリボンはイラスト=平面的なデザインにしたのか?
それは、あえて服飾をイラスト=2次元に落とすことでアニメーションとの親和性を高めたかったんだと思われます。
リボンや蝶ネクタイって、どうしても出っ張っちゃうし、動くしね。影もつく。
そんな立体感を極力なくそうとしたんじゃないでしょうか?
あと、凄いと思ったのは服にやたらとチェック柄が多かったりあえて黒い線を入れてるんですよね。
これ、アニメーションでキャラクターを描くために、輪郭に黒くて太い線を描くことが定石になってるんですが、これを俳優の着てる服にも施してあると思うんですよ。
やたらと子供の着てる服、線太くない?
現実にはすごくありえない服なんですけど、これアニメだと違和感がないんですよねぇ、、、
すげぇよディズニー。。。
コスチュームデザインは「女王陛下のお気に入り」で確定かもしれませんが、俺はあえてメリーポピンズを推したい! そう思わせてくれる映画でございました!!1