- はじめに
- あらすじ
- 福澤克雄作品は安定している
- 映画の感想
- 全国のサラリーマンに刺さる、痛快下克上エンタテイメント!と思いきや
- 半沢直樹と八角が違いすぎる
- 後にドラマ化する予感がビンビン
- 友人で会社員の中村くんは感激していた
- ぼやき
はじめに
今回公開する映画はこちら!
「7つの会議」
それでは「7つの会議」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!
あらすじ
・テレビドラマ化もされた池井戸潤の同名企業犯罪小説を、野村萬斎主演で映画化。中堅メーカー・東京建電の営業一課で万年係長の八角民夫は、いわゆる「ぐうたら社員」。トップセールスマンで、八角の年下である課長の坂戸からは、そのなまけぶりを叱責され、営業部長・北川誠が進める結果主義の方針の下、部員たちが必死で働く中、八角はひょうひょうとした毎日を送っていた。そんなある日、社内でパワハラ騒動が問題となり、坂戸に異動処分が下される。坂戸に代わって万年二番手に甘んじてきた原島が新しい課長として一課に着任するが、そこには想像を絶する秘密と闇が隠されていた。八角役を自身初のサラリーマン役となる萬斎が演じ、香川照之、及川光博、片岡愛之助、音尾琢真、立川談春、北大路欣也といった池井戸ドラマ常連俳優が顔をそろえる。監督は「陸王」「下町ロケット」「半沢直樹」など、一連の池井戸ドラマの演出を手がけた福澤克雄。
福澤克雄作品は安定している
「私は貝になりたい」も、「祈りの幕が下りるとき」もTBS出資の映画なんですよね。TBS映画といえば、、、ねぇ、、、、
予告 VIDEO 映画「ROOKIES 卒業 」 映画「ROOKIES」製作委員会 オフィシャルチャンネル
はい、もうこれ以上何も言いません!!!
みんなTBS映画が大好きだと思います!!!
いろんなイメージがあると思うんですが、福澤克雄さんの作品は本当に面白いんですよ!!
TBS映画のくせに・・・
福澤監督はリテイクの鬼らしく、自分が気にいるまで何度も何度も何度もリテイクを要求するらしいんです。今の映画監督じゃあ珍しいですよね。
そのおかげもあってか、TBS映画ながら非常に洗練された映像とストーリー。そして最後にスカッとする展開、勧善懲悪で濃すぎるキャラクターが特徴で、幅広い世代が「面白かった!」と言える作品だと思います。
今回も「半沢直樹」に出ていた香川照之さん、石丸幹二さん、香川照之さん、北大路欣也さんetc.が出演し、もう福澤組が完成しつつありますよね。正直、デジャヴ感はあるんですけども、そこは主人公の野村萬斎さんが「半沢直樹」感を見事に中和してくれるんですよね!!
こういう商法、うまいよなぁ、、、。
はい、邦画ながら、TBS映画ながら非常に期待する作品です!
映画の感想
全国のサラリーマンに刺さる、痛快下克上エンタテイメント!と思いきや
はい、ただいま鑑賞を終えたMachinakaでございます。
まだ映画を見てない人にはネタバレにも何にもならないと思いますが、まさかラストが「検察側の罪人」だったとは、、、
これを言っても何のこっちゃって思うかもしれませんが、とにかく言えるのは「半沢直樹」的な展開を期待してる人は、今作をみると「えっ!?」と裏切られるような気持ちになること間違いなしだと思います。
確かにですね、サラリーマンの大変さが凝縮され、野村萬斎さん演じる八角さんを中心として次第にミステリー・サスペンスにつながる内容になっていくわけで、中間管理職が役員に下克上していく痛快さは確かにあるんですが、半沢直樹のような結末にはならない、とだけ言っておきましょうか。
なぜなら勧善懲悪な物語ではなく、結局誰が犯人であったか明確にならないような話であるからです。
確か半沢直樹の時は、香川照之さんが完全に悪役で、堺雅人さんと最終対決して終わるような内容でしたよね。
ただ今作はそうではない。一応黒幕はこいつだ、っていう特定はできるんですが、ハッキリしないんですよ。半沢直樹みたいに。
勧善懲悪でない理由は明らかです。それは、今作のテーマが「働くとは何か?」「日本の企業の正体とは?」という非常に抽象的で根本的な問題を扱っているからです。確か予告編でも「働くとは何か?」というテロップがあったような。。。
今作のラストで、その問いに対する回答が出るんですが、「それを知ったところで・・・」という違和感を感じざるを得ないのです。
半沢直樹と八角が違いすぎる
一応擁護したいんですが、半沢を見た人なら確実に楽しめる要素は満載ですよ。だってキャストが半沢と変わってないんだものw
ただし、主人公の八角というキャラは半沢とはかなり異なるキャラで、とてもじゃないけど最初から八角に感情移入できる人はまずいないはず。
本質的には、「真実を追求する」求道者として通底しているキャラクターではあるんですよ。ただ、八角さんはどこか狂人じみてて、とてもじゃないがこんなサラリーマンいねぇよっていう感じ。
一応ですね、中盤から八角の過去が明らかになって、昔も八角は、、みたいな展開になるんですが、それが非常に薄っぺらい描写しか出来ていないため、感情移入できないんですよね。
演技は素晴らしいですよ。いいですよ。でも、あれだけ多くのキャラクターが活躍する群像劇にしては、描き方が上手じゃないためテンポが悪い。どのキャラクターも消化不良になってしまう。
どのキャラも消化不良だから、観ている方も半沢直樹ほど感情移入できないと思います。
半沢直樹と比較して、伝えたいメッセージや作風も違うし、八角は半沢ほど感情移入できないし。。
あと半沢直樹で比較して面白いところといえば、半沢直樹で敵だった俳優が今作では全員味方になっていくんですよねw あ、これ何気にすごいネタバレですけど。まぁ気にしないでください。
後にドラマ化する予感がビンビン
結論としては、「これドラマでやったら絶対に面白かった」というツッコミをせざるを得ないのです。
だってねぇ、どう考えてもキャラの描き方が雑ですよ!ってか短すぎますよ!!
なんでこれ、ちゃんと作らないんですかねぇ。。。
2時間の映画にしては、いろんなキャラクターをたくさん描いて広げようとしてるんですよ。
最近公開した映画だと「マスカレードホテル」みたいな感じでした。これも、ドラマのような作り方で失敗した例なんですけど。
www.machinaka-movie-review.com
正直、八角さんの過去の話なんて描写が弱すぎますよ。あんな描き方で八角さんに感情移入しろだなんて、無理ですわ!!
福澤監督は、キャラクターの背景を描くのは本来ならばすごく上手いはずなんですよ。
だって「祈り幕が下りるとき」で松嶋菜々子の過去を描くのが本当にうまかったもの。
尺が足りない割に、キャストは本当に豪華なんですよ。半沢直樹のときにお馴染みだった、石丸幹二さんや香川照之さんはもちろんのこと、土屋太鳳ちゃんとか吉田羊さんとか、溝端淳平とか、立川談春さんとか、春風亭昇太さんとか、鹿賀丈史さんとか。
なんか新しいドラマでも始めるような・・・
え・・・
まさかなぁ・・・
なんか変なんですよ。本当にチョイ役でしか出ない人がすごく豪華だし、著名俳優たちの描き方すごく短くて雑だし、まるで映画用に短く編集したような印象がビンビンなんですよ。
これはあくまで予想ですけどね、これ映画の興行成績が良かったらのちにドラマ化するんじゃないかなぁって思うんですよね。
半沢直樹が成功して、すっかり日曜午後九時はサラリーマンものが多くなったTBS。そりゃ池井戸潤の原作はドラマ化したいでしょうよ。
でも、いきなりドラマ化は難しい。だって飽きられるかもしれないじゃない。
だから映画でやってみて、成功したらドラマ化するんじゃないですか?
いや、はっきりとした根拠はないですけども、だってそう考えないと福澤監督の力量、ドラマのような描き方、豪華なキャストを用意した説明がつかないでしょう!
今から言っておきますよ! これ、映画当たったらドラマ化するよ!?
友人で会社員の中村くんは感激していた
はい、今作をこんなに言いたい放題言ったあとに白状するのも申し訳ないんですけど、私はサラリーマンじゃないんですよ。
肩書きですか?
まぁハイパーメディア・クソニートとでも名乗っておきましょうか。俺、普段はハイパーメディア・クソニートとして活動してんすよ。
毎日朝のニュース番組をすっ飛ばして爆睡し、ブランチの時間帯にやってるようなワイドショーを見て「日本はクソだな」ってぼやいてる生活を繰り返してるんですよ。
暇すぎてブログやって、毎日毎日アナリティクス画面とアドセンスを日経平均株価に見立てて、「これは買いだ」だなんてごっこ遊びしてる野郎なんですわ。
でもね、そんな私とは違って、毎日平日働いてる「中村くん」って会社員の人が友達なんですよ。
で、中村くんが珍しく「この映画見たい!」って言って、見に行ったわけです。
普段はお昼に見に行く私ですが、中村くんに合わせて夕方に見に行きましたよ。
中村くんにラーメンとビールを頂戴しました。本当に素晴らしいですよ彼は。
今週もお疲れ様でしたー pic.twitter.com/XW5QQIEr80
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年2月1日
↑写ってる手は中村くんです。
で、中村くんと見に行ったわけですが、横に座っていた会社員の中村くんは、最後のあのシーンで号泣してましたよ。。。
以下、中村くんの感想です↓↓
「社会に歯車になるなんて嫌だね」とかほざいてるクソニートたちに見せてやりたいよ。
働いてることの大変さが描かれてる反面、働くことの面白さややりがいが詰まっている作品だった。確かに会社は嫌なことが多い。
自分のやりたいことが出来るとは限らない。でもみんなで働くってのは面白いしやりがいがあるんだよ。今作は「ネジ」が重要なキーワードになっていくけど、あのネジは会社員のメタファーが込められていると思う。
たくさんのネジで作られた椅子が、会社役員を象徴している。役員はふんぞり返って椅子に座って、それをネジという社員が支えている構造になってるんだ。
確かに一本一本のネジは商品価値に影響しないかもしれない。でも、ネジがないと椅子は壊れてしまうんだ。ネジの強度がないと、椅子は壊れる。つまり、社員一人一人を大切にしないと、会社は回っていかないってことを示しているのさ。その象徴が、ミッチーが壊してしまった椅子の下りに込められていると思う。
さすがは会社員の中村くん。うまい例えを話してくれると思ったら、いきなり会社の愚痴を始めた。
映画でも描かれてたけどさ、会社内のゴタゴタってよくあるのよ、本当に。
特にBtoBでは、お客さんの方がお利口なことも多くてね。逆に社内ではギスギスしてたりするんだよ。今作は部署間の対立が目立ったけど、これ本当によくあることなんだよ。特に営業側と経理側のやりとり。経理にとっては無駄遣いだと思っても、営業にとっては重要な投資なんだよ。
あと、お偉いさん方の横暴がすごいリアル。親会社と子会社の力関係とか、親会社の偉いさんである鹿賀丈史さんの、香川照之に対するあの口調。。
だからもう僕にとっては、他人事じゃなかったよ。。。
特にねぇ、社長や役員が口癖のように言ってる「管理がなっとらんぞ!」って言葉。あれで何でも叱責できると思ってるんだよなぁ!!!!!! もおおおおお!!!!! うおおおおおおお!!!!
缶チューハイ(9%)を片手に、中村くんは次第に語気を強めていった。
あとねぇ、オープニングの営業ミーティング、あれ映画の話だと思ってるでしょ? あれマジであるから!マジだよ!マゾだよ!?
部下が説明してる最中に割り込んできて怒鳴り散らして、自分の気に入らないことはすぐにぶった切って、陥れる。あれマジだから!!!!!
法律には違反してないかもしれない。でも、日本にはさぁ、基本的人権の尊重ってのが憲法には定められてるでしょ?
でもね、あれはあくまでも憲法なんだよ。会社の中では憲法が通用するかわからないんだよ。最後に野村萬斎さんが言ってたでしょ?
「日本は武家社会だった。だから会社は藩なんだ。」って。
会社に背くのは、日本だと藩に背くってことなんだ。それは武士にとってはご法度。会社に反発し、一揆を起こすなんて「忠臣蔵」の世界じゃないんだからさぁ、マジで!!!!!!
でも、野村萬斎さんは見事にやってのけるんだよ忠臣蔵を。ありゃあいいねぇ、、。サイコーだよ。。 あんな係長いたら俺ついてくよ。役員が同期にいて、確かな実力があって、その上心は正直で、、、ああいう真実を追求する上司がいたらなぁ、、
あと細いところだけどね、ネクタイの緩め方がまぁリアルだったね。これ俺の経験上間違えないんだけどね、社内だからってネクタイを緩めてる奴に限って仕事できない奴が多いんだわぁ、、、、。だから元営業一課で今はクレーム係の人のネクタイの緩め方、あれ末期の人だね。本当に。
会社は絶対に社員をクビにできないんだよ。法律で社員は守られてるから。でも、異動は自由にできるんだ。だから行きたくもない地方に飛ばされて、やりたくもない仕事をさせられるってのは当たり前なんだ。
で、最終的に何を狙ってるかって、異動先が嫌だから自分で退職願を出させるって策略さ。これずるいよねぇ、、。でも、よくあることなんだよなぁ、リアルだわぁ、、。
その後も中村くんは花金の勢いに任せて会社とは何か、働くとは何かを語っていった。
が、ハイパーメディア・クソニートな俺はちんぷんかんで理解できず。俺は終電で帰り、中村くんはタクシーで帰っていった。。
やはりこの映画、会社員にとっては刺さるのでしょうかね?
中村くんのように熱い気持ちを持った人がみれば、この映画は刺さるのかもしれない。
ぼやき
七つの会議、面白かったんだけどさぁ、、
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年2月1日
北大路欣也さんがどアップになるたび、頭に「くら寿司」が浮かんできて集中できなかったのは俺だけかな? pic.twitter.com/IB6Ifsj6jG