まえがき
今回批評する映画はこちら
「ソー ラブ&サンダー」
それでは「ソー ラブ&サンダー」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・クリス・ヘムズワース演じる雷神ソーの活躍を描いた、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の「マイティ・ソー」シリーズ第4作。「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界を舞台に、「神殺し」の異名を持つ悪役ゴアとの戦いを描く。サノスとの激闘の後、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々とともに宇宙へ旅立ったソー。これまでの道のりで多くの大切な人々を失った彼は、いつしか戦いを避けるようになり、自分とは何者かを見つめ直す日々を送っていた。そんなソーの前に、神々のせん滅をもくろむ最悪の敵、神殺しのゴアが出現。ソーやアスガルドの新たな王となったヴァルキリーは、ゴアを相手に苦戦を強いられる。そこへソーの元恋人ジェーンが、ソーのコスチュームを身にまとい、選ばれた者しか振るうことができないムジョルニアを手に取り現れる。ジェーンに対していまだ未練を抱いていたソーは、浮き立つ気持ちを抑えながら、新たな「マイティ・ソー」となったジェーンとタッグを組み、ゴアに立ち向かうことになる。前作「マイティ・ソー バトルロイヤル」から引き続きタイカ・ワイティティがメガホンをとり、主演のへムズワースやヴァルキリー役のテッサ・トンプソンらが続投。ジェーン役のナタリー・ポートマンが、シリーズ第2作「マイティ・ソー ダーク・ワールド」以来、およそ9年ぶりに本格的にMCU作品に復帰した。ゴアを演じるクリスチャン・ベールや、ラッセル・クロウといった豪華キャストも新たに参戦。
「ソー ラブ&サンダー」のネタバレありの感想と解説(全体)
「 #ソーラブアンドサンダー」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2022年7月8日
おふざけの臨界点を完全突破。ヒーロー映画の名と予算を借りてコメディ映画の道に突き進んだ。が、一寸先は闇だった。
マーベルファンの神経を逆撫でするような展開や難アリなクオリティにも文句はある。
しかし、俺はこの映画が好きだ‼️
死ぬほど笑ったぜ🤣🤣🤣🤣🤣 pic.twitter.com/TgMHBpbOZg
おふざけの臨界点を完全突破
今年イチ笑ったかもしれません。
笑い疲れました。
今作を見たのは本日19時ですので、あまりにも悲惨すぎる事件があった後です。
テレビを付けたら目を背けたくなるような映像の連続。日本の安全神話は終わった。
気が狂いそうになります。
でも、そんな時は日常に徹するのが一番いい。
こんな時こそ笑えばいい。
そう思って劇場に臨んだのですが、見事に私の期待に応えてくれましたね!!!
タイカ・ワイティティに会ったら言いたいね。
「バカヤロウ!!」ってww
ソーの前作「バトルロワイヤル」もワイティティ監督。
これまでのマーベル映画よりも笑い多め、というか「おふざけ」の方向に持っていったことが今でも記憶に残っています。
そして今作はワイティティ自身が更新したおふざけの基準を上書きしてしまいました。
マーベル映画史のおふざけの臨界点を完全に突破してるんですよ!!!
コメディ映画というのは、色んなものを犠牲にして成り立っています。
ギャグを入れる時間のせいで話の進みが悪くなったり、真面目なドラマがギャグのせいで効果半減したり。コメディに特化すると色んなものが台無しになります。
諸刃の剣のようなものです。しかも、犠牲にしたその先にあるのは「笑い」この一点のみ。コメディ映画というのはハイリスクローリターンです。
でも、人間にとって笑いって大事です。ローリターンに見える笑いこそ、実は大きな魅力なのです。
基本的にコメディ映画はハイリスクローリターンだと思っていて、映画から享受できる様々な魅力が犠牲になりやすいです。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2022年7月8日
犠牲の先にあるのは「笑い」のみ。
でも、僕は笑いの力を信じたい。
だからこそ、「 #ソーラブアンドサンダー 」はこれからも大切にしたい作品です。
笑い転げました。 pic.twitter.com/QlGB8JfJVv
僕はコメディ映画が大好きです。笑っている時だけは、日常を忘れて心と体が動かされるから。強制的にポジティブになれるから。
少し概念的な話になってしまいましたが、コメディ映画として完全に舵を切った今作を褒めるにはこうした言葉が必要だと感じて書きました。
全体的な評価としては、年間ベストやオールタイムベストに入る余地がありません。
エンドゲーム後、ソーが自分探しの旅に出かけるという展開になると思いきや、彼の内面の変化はほとんど描かれない。ソーは何も変わってないと確信しました笑
久しぶりに会ったジェーンとも非常に軽いノリで始まり、いきなり中盤で重い展開に持っていく。正直この構成は微妙だなぁとも思います。
とまぁ色んな文句はありながらも、序盤のソーの生い立ちエピソードのアホらしさにやられて、その後の新アスガルドでの吉本新喜劇的なギャグの乱れ打ちで死ぬほど笑いましたww あそこにアメリカンコメディの笑いが凝縮されてるんですww
笑いの貯金によって満足度が相当上がった結果、後半微妙でもトータルで満足度が高かったんですよね!!!
さぁ、私がどこで笑ったのか、これから書いていきますよーーーー!!!!!
ザ・アメリカンコメディの乱れ打ち
今作の笑いは完全に「ザ・アメリカンコメディ」でした。
アメリカンコメディは何かというと、簡単に言ってしまえば「やりすぎ」な点に尽きるでしょう。
日本のコメディ映画は「間」とか「緊張と緩和」で笑いを取る印象ですが、アメリカの笑いは日本と比べるとやりすぎですw
オーバーリアクション、現実的にはあり得ないスラップスティックなギャグ、ドン引きするレベルの下ネタ、などなどをふんだんに取り込み笑いに持っていく。
アメリカと日本では笑いのカルチャーギャップが大きいので楽しめない人もいたかもしれないですが、僕は大好きなんです!!!!
マーベル映画のコメディといえば基本的に日本映画のような「間」を使うことが多くて、特に「エンドゲーム」のハルクは間の使い方が抜群でしたね!!
そういう路線でマーベル映画はコメディを刻んできたので、今作のようにやりすぎなコメディが来るとウッと来てしまうのかもしれません。そこは認めます。
だけど、私にとっては最高だったんですよ!!
まずは序盤のソーの生い立ちエピソードですね!
初期作「マイティ・ソー」と比べるとまー雲泥の差ですww 酷いですww
そこには弟ロキや父オーディンとの関係性も何もなく、いかにソーがアホに暮らしてきたかが描かれていて、今まで見てきたものは何だったんだよって感じですよねw
特に腹の出た状態から筋トレ&ダイエットするシーンが最高ですよww
飛行機に綱を付けて走るシーンは最高www
冒頭、ネクロソードを手に入れたゴアが神殺しを犯してしまいますが、作品全体に対するメタファーだと感じました。
これまで神と崇めてきた、別格の強さと風格がある雷神ソーを徹底的に壊してやるという宣言でもあるように思えます。その後ラッセル・クロウ演じるゼウスをボッコボコにして、神を美化する描写はありません。
ここでもう、全てのバランスが壊れてるんですよね。並大抵の映画じゃないぞこれは、と。
そして、一番笑ったのは新アスガルドでの一幕です!!
エンドゲーム後、街並みはすっかり変化して地球の文化が多分に取り入れられています。地球にあるような船もあるので、貿易も活発なのでしょうか?
そこで大勢の人が集まってとある舞台を見ています。「マイティ・ソー」で出てきたシーンを再現しているようです。
舞台のシーンはドラマ「ホークアイ」でも各キャラクターのそっくり役者が演じてましたけど、今回は全くテイストが違います!
とにかく笑えましたwwwwwww
腹抱えて笑いましたwwwwww
ソーを演じているのはクリス・ヘムズワースの弟であるルーク・ヘムズワース!
どうりで似ているわけだ!一瞬本物かと思って頭がグシャグシャになりましたw
そしてロキを演じたのはなんと、、、なんと、、、、
注意! ここから今作の笑いに関する大きなネタバレがあります。
なんとマット・デイモンがロキをやってるんですよwwwwwww
顔見た瞬間腹抱えて笑いましたww
IMAX音響に負けてなかったと思いますwwww
アカデミー賞俳優の無駄使いとはこのことwww
一体何やらせてんだっていうねwww
こうした笑いの取り方もザ・アメリカンコメディならではです!
日本じゃあまりやってくれないですよね。。
その後もマット・デイモンはロキを象徴するような性悪なキャラを演じ切って、子供が誘拐されても「これ舞台にしますか?陛下!?」と全くナンセンスな質問をする始末ww
それを言った後にマット・デイモンに寄せたショットになって、そこがまた笑いを誘うwwww
今思い出しただけでも笑うwwwww
アメリカのコメディ映画はよくやるんですよ。こないだ公開した「ロストシティ」もブラット・ピットをチョイ役で出して笑いを取るし、「トロピックサンダー」でもトム・クルーズをハゲのプロデューサーにして踊らせるしww
実績のある有名役者にこんなことやらせて・・・もう最高ですww
そしてヘラを演じたのはメリッサ・マッカーシーですよww 大御所です!!
女性版「ゴーストバスターズ」に出てた人ですね! この人もまぁ外さない!
明らかに糸で引いていてヨロヨロと移動するムジョルニアを手で受け止めて「ハッハッハー!効かぬわ!!」と言って跳ね除けるww
ほんのチョイ役なのに大御所な芸人を使う、最高の贅沢ですよね!!!
この劇だけもう一回、いや何度でも見たいですねww
そして、子供が誘拐され敵と戦った翌日のシーンですよ。これからどうしようかと国民が混乱している時にソーがやってくるところですよ!!!
事情を聞いたソーは急いで飛び立ち、ストームブレイカーによって空を飛ぼうとしますが、、、、屋内で飛んじゃうんですよねwww
だから屋根も完全に破壊してしまって、それが影響してか分からないですが、外にあるアスガルドのモニュメントを破壊してしまうwwww
いやー、ここは笑ったwwwww
モニュメントに向かって一直線に突き進み、完全破壊w
かなり引き目のショットによってアホらしく見せるのもザ・アメリカンコメディの見せ方ですよねwww
人によっては「何やってんだ」と思うかもしれませんが、こういうの大好きなんですよwwww
ここまで突き抜けたスラップスティックってのはマーベル映画でもあったかな?
いや、無いんじゃないかなww
この時点で僕の笑いの貯金はイーロン・マスクの年収くらいまで積み上がりましたwww
もうねぇ、これだけ笑ったら映画全体を否定するなんて出来ないよww
笑わせてもらった恩があるものww
その後ラッセル・クロウ演じるゼウスが出てきてギャグをかましてましたが、ぶっちゃけゼウス登場シーンがピークであとはダダ滑りでしたねwww
まぁ、あのスベり具合も愛せるんですけどねw
はい、まぁ簡単ですが以上です!!!
不満に感じた人の気持ちもよく分かる
これだけ笑わせてもらったんですが、不満に思った人の気持ちもよく分かります。
先ほどお伝えした、コメディ映画は色んなものを犠牲にすることが今作で大いに発揮されていましたね。
まず大きな点がギャグの乱れ打ちのせいで話の進みにブレーキが掛けられていること。
前作「バトルロワイヤル」でも笑いに舵を切ってたんですけど、今回とは映画の目的が大きく異なってるんですよね。
バトルロワイヤルではスタジアムで優勝して脱出すること、この一点だったと記憶しています。
しかし今作の目的は「敵に囚われた子供たちを救出する」こと。ヒーロー映画として弱き者を助けるのは何よりも優先される事項です。ふざけてる場合じゃありません。
それなのに今作はふざけまくりで、それどころじゃないって話。
ギャグやってる場合じゃないよ!と憤慨した方もいらっしゃるのではないでしょうか。
誘拐したという重みが効いてなかったですよね。遠隔で子供たちとコミュニケーション取れるなら、なぜ脱出するための相談をしなかったんだって感じですし。
次に、ジェーンの重病について。
こちらもワイティティの非常に軽いノリのせいなのか、ガンを患っているジェーンにあまり重みが感じられなかったですよね。あまりにも都合良くムジョルニアを思い出して、急に元気になってヒーローになって気付けばソーと会っている。。
最初に出したジェーンの衰弱した姿はどこに行ったんでしょうか。今まで見たものは何だったんだ。かなり違和感があります。
そして、元気になって大丈夫だと思って見続けた結果、中盤になってガンの件をソーに告白する。これ、コメディ映画的にかなりキツいです。その後かなり笑いづらいです。
重病を抱えたメインキャラが存在するコメディ映画もあるんですよ。
セス・ローゲンとジョセフ・ゴードン・レヴィットの「50/50」とか、「ファンボーイズ」とか、余命わずかのキャラがコメディ映画に出ることだってあるんです。
でも、こうした映画のほとんどは重いシーンを最初に描いておいて、後は最後まで病気の件は描かないことが多いです。理由はさっき述べた通りです。
コメディ映画に舵を切ったのに、ちゃんと笑わせてくれるシーンもあるのに、途中で意気消沈させるようなシーンはコメディ映画としては大きなマイナスです。なぜあそこで出してしまったんだ。。
とまぁ、書けばキリがないですが、悪い点はいっぱいあります。
ここは映画好きとしては言っておかなければいけませんね。
まとめ
はい、序盤で笑いの貯金が貯まりに貯まり、中盤から後半に掛けて首を傾げるシーンもありましたが、トータルで非常に満足できた作品になります。
僕にとって、映画を評価する要素の中でも「笑い」のウェイトがかなり大きいんですよ。
映画館でもめちゃくちゃ笑います。無理に笑ってる訳じゃなくて、本当に面白いと思ってるから。
人間の感情には「喜怒哀楽」があるって言いますけど、そのうちの「喜」と「楽」が刺激されるんですよね。ドーパミンとセロトニンがドバドバ出て、最高に幸せな気分なんです。
テレビではあまり笑わないんですけど、映画ではつい笑ってしまうんですよね。特にザ・アメリカンなコメディは大好物で。
おそらく、人によってはマット・デイモンが出たところで笑うに笑えないって感じだと思いますけどね。でも、あの意外性がいいんですよね。虚を突かれたようなww
コメディ映画って非生産的であればあるほど優れていると思うんです。
普通ならスイスイ進む映画でも、ギャグのせいで中々進まない。
全世界を感動に包める名優が、アホなことをして笑わせる。
潤沢な予算を優秀なスタッフを使って、しょうもねぇ笑いを取りに行く。
実に非生産的です。でも、これがいいんですw
人間は、機械のように生産性だけを突き詰めれば良い訳じゃありません。
人間の最大の美徳はユーモアです。他の生き物にはない、かけがえのないギフトです。
だからこそ、笑いに舵を切った今作は否定できないし、爆笑した思い出を大切にしたい。
本当に面白かったです!!ありがとう!!!!!
94点 / 100点