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映画「ザ・メニュー」ネタバレあり感想解説と評価 笑いと恐怖を混ぜたヤミツキ珍品料理

 
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この記事では、「ザ・メニュー」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「ザ・メニュー」

 

(C)2022 20th Century Studios. All rights reserved.
2022東京国際映画祭、一発目に鑑賞する映画!!!!!
 
いやー、景気良いねぇ。
 
配給されるか分からないマニアックな映画じゃなくて、配給確実な作品で東京国際映画祭を始められるなんて!!
 
アニャちゃん!!待っててねー!!!

 

それでは「ザ・メニュー」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

あらすじ

  
レイフ・ファインズ、アニヤ・テイラー=ジョイ、ニコラス・ホルトの共演で、孤島にある高級レストランに隠された秘密が明らかになっていく様を描いたサスペンス。HBOのドラマシリーズ「メディア王 華麗なる一族」で注目されたマーク・マイロッド監督がメガホンをとり、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」「ドント・ルック・アップ」のアダム・マッケイがプロデューサーを務めた。

有名シェフのジュリアン・スローヴィクが極上の料理をふるまい、なかなか予約が取れないことで知られる孤島のレストランにやってきたカップルのマーゴとタイラー。目にも舌にも麗しい料理の数々にタイラーは感動しきりだったが、マーゴはふとしたことから違和感を覚え、それをきっかけに次第にレストランは不穏な空気に包まれていく。レストランのメニューのひとつひとつには想定外のサプライズが添えられていたが、その裏に隠された秘密や、ミステリアスなスローヴィクの正体が徐々に明らかになっていく。

「クイーンズ・ギャンビット」「ラストナイト・イン・ソーホー」のアニヤ・テイラー=ジョイと、「マッド・マックス 怒りのデスロード」「女王陛下のお気に入り」のニコラス・ホルトがカップルを演じ、謎に包まれた名シェフのスローヴィクを、「グランド・ブダペスト・ホテル」「キングスマン ファースト・エージェント」のレイフ・ファインズが演じた。

ザ・メニュー : 作品情報 - 映画.com

 
 
 

「ザ・メニュー」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 
 
 

 

アダム・マッケイ&ウィル・フェレル制作による超刺激的なブラックコメディ

こんなコメディ、、、アリか!?アリなのか!?

 

昨年公開されたアダム・マッケイ監督作「ドントルックアップ」は年間ベスト1でしたが、また今年もアダム・マッケイに王冠を上げてしまいそうです・・・

 

映画「ドント・ルック・アップ」ネタバレあり感想解説と評価 隕石が落ちる確率くらいドンピシャなマイベスト映画!! - Machinakaの日記

 

今作の特徴を一言で伝えるならば、笑いから恐怖への転調、でしょうか。

 

高級料理を美味しく食べるだなんてのは真っ赤な嘘で、まんまと連れてこられた客たちの前に立ちはだかるのは地獄の料理人。

最初こそミシュラン三つ星みたいな超オーガニックな料理が出てくるが、次第に雲行きが怪しくなり、完全に一線を超える出来事が起きる。

 

料理店に来る客たちのほぼ全員が鼻持ちならない富裕層や有名人ばかりで、権力者を皮肉って笑いにしてきたアダム・マッケイ制作ならではの展開。

こりゃいつものブラックコメディかなと思って見ていて笑ってたのですが、、途中から笑えなくなるんですよ、これ。。。

 

「ドントルックアップ」でも沢山人が死ぬし、シリアスな展開もあります。でもあくまでジョークの範疇として認識していたし、戦慄が走ることなんてほとんど無かった。ディストピア世界の中で何が起こっても恐怖は感じないわけですよ。

しかし今作は現実に本当にありそうな超高級料理店を舞台に、血飛沫飛び交うスリラー展開になってしまうんです。

 

予告からだいたい想像がつくと思うのですが、本編でも今後の展開を予兆させるシーンが映ります。料理店のある島行きの船を待つ間、アニャテイラージョイがつまらなそうにずっとタバコを吸ってるんですよね。彼氏のニコラス・ホルトから料理が不味くなるからやめろよと言われて渋々タバコを消す始末。何処か浮かない顔をしてタバコを吸うアニャが全てを物語ってるんですよねー。で、見事に煙に巻かれてお店に入ってしまうw

 

これまでアダム・マッケイ制作作品の中でスリラー展開を感じた作品はひとつもありません。もちろん監督のマーク・マイロッドさんの演出もありますが、笑いを断ち切ってまでスリラー味を出す決断は誰にもできるものではないですよ。。。

 

ここだけの話、とある一線を越えるシーンで「ヒャッ!」って声を出しましたからねw

ただ、今まで笑っていた分、普通のスリラー映画を見てる以上に驚きと恐怖が増長するんですよ。予想だにしなかった展開には誰も勝てません。

例えですが、ヒッチコックの「北北西に舵を取れ」で主人公が道路を歩いてると急に飛行機が低空飛行で襲ってくるみたいな。

 

まさしく笑いと恐怖は紙一重、を狙っているような作品で、一度で二つの味が楽しめる作品でございました。

ただし、黒胡椒がたっぷり効いたヤミツキになる逸品ですww

  

役者陣も素晴らしい仕事をしていました。

まずは主人公マーゴット。他のレストランの客とは違って、明らかに怠惰で何事にも興味ない様子。ツレのニコラス・ホルトとは対照的で、無理やり連れてこさせられた感が満載。基本は美味しくなさそうに食べるんですけど、最後とあるものを出された時の食べ方が最高でしたね。肉の脂が唇に掛かり、何とも言えぬ妖艶さ。。。

大きい瞳も(レストランに対し)疑惑の目を向けるには相性抜群で、キーパーソンにはうってつけの人材でした。

 

そして料理長レイフ・ファインズ。ここまで傲慢で威圧的で怖い役も珍しいんじゃないでしょうか? 島に集めた客たちは、実は彼が私怨を持っていた人たちばかり。料理を借りて復讐を行うのですが、今作は彼の一挙手一投足に掛かっていると言えるでしょうね。次第に明らかになっていく過去、料理を紹介する時の掛け声、説明、そして残忍なある行動。。物語は全て彼が起点となって動きます。

芸達者と言うんでしょうかね、笑みは浮かべているけど全く目が笑ってないんですよね。スタッフに指示する時はそこまで声を荒らげない、でもノーと言わせない圧力がセリフから感じ取れるんですよね。スタッフが「イエス!シェフ!」と異様に大きな声でリアクションするのも納得。

いやー、絶品でした。

 

他にも料理長をサポートする不気味なホールホン・チャウ、落ちぶれたムービースターで周りへの配慮が明らかに足りないジョン・レグイザモ、偉そうな料理評論家ジュディス・ライトなど、脇も完璧な布陣。誰に理不尽が訪れても100%のリアクションで返してくれるんですよね。

料理は一癖も二癖もあるけども、役者陣は最高級のフルコースですからねw

 

 

俺は一生マックで良いと思うシーンの数々

最初こそ高級感のあるレストランに見えるのですが、後半はもう地獄絵図。

 

今作で出る料理は7品目あるのですが、美味しそうに見えるのは3品目くらいまでw

 

最初は前菜が出てきて普通に思えるのですが、何故かアニャは気に入らない様子。

一方の彼氏のニコラス・ホルトは料理長のレイフ・ファインズを敬愛しており、すんごいアホヅラでパクパク食べているのが最高でww ここは今作の中でも一番笑えるところだと思いますw

 

二品目以降から早速違和感バリバリです。

主食としてパンが出てくるのですが、何故かテーブルに置かれるのはパンにつけるスープのみww スープ自体はすごく美味しいいんだろうけど、めちゃくちゃもどかしい気持ちマックスですよねww

料理長は「ソースにも小麦は入っています」の一点張りで、一向にパンを出そうとする気がないww

どんどん不信感が募っていくわけです。レストランの客はもちろん、観客も不信感しかありません。

 

そこから次第に嫌がらせはエスカレートしていきます。ようやく出てきたパンの表面に、客しか知り得ない機密情報が刻まれていたり、客をキッチンに呼び寄せては料理を作ってみろと言ってみたり。

 

もはや後半は料理が出ませんwwww

その代わり、とんでもないサービスが待ち構えていますww

 

これ以上はネタバレできませんねww

 

ただ、最後の最後にちゃんとした料理が出てくるんですよ。高級料理店には似つかわしくないある料理が。

一番その料理が美味しそうだったんですけど、これ見た時に「俺は一生マックでいいなぁ」って思いましたねww 

あれ、マックの時点でネタバレしてるかなww

  

 

 

まとめ

はい、これほどジャンル分けが難しい作品も珍しいのではないでしょうか。

コメディでもあるし、スリラーでもあるし、ホラーとも言える。

 

まだ1回見ただけでは完全に理解できません。もっと味わいたい。。。

これは年間ベスト級に入ります。是が非でも入れます。

 

コメディからホラーへの転調、是非とも味わってください!!

 

98点 / 100点 

 

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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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