こんにちは! Machinakaです。
今回批評するのはこちらの映画!
「ボーダーライン / Sicario」
アカデミー賞ノミネート作品です。アメリカでは昨年公開された映画で、1年くらい遅れての公開となりました。本当に公開遅くて嫌になっちゃいますねーー。。
1.あらすじ
「プリズナーズ」「灼熱の魂」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、「イントゥ・ザ・ウッズ」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントを主演に迎え、アメリカとメキシコの国境地帯で繰り広げられる麻薬戦争の現実を、リアルに描いたクライムアクション。巨大化するメキシコの麻薬カルテルを殲滅するため、米国防総省の特別部隊にリクルートされたエリートFBI捜査官ケイトは、謎のコロンビア人とともにアメリカとメキシコの国境付近を拠点とする麻薬組織撲滅の極秘作戦に参加する。しかし、仲間の動きさえも把握できない常軌を逸した作戦内容や、人の命が簡単に失われていく現場に直面し、ケイトの中で善と悪の境界が揺らいでいく。共演にベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリン。
メキシコの麻薬戦争に介入するFBI捜査官のエミリーブラント。しかしとあるミッションの遂行中、マフィアの爆撃に遭い仲間を失ってしまう。そんな時、CIAを名乗るグレイヴァーをリーダーとした麻薬撲滅作戦チームに加入することに。チームの初ミッションは、世界で最も危険な都市であるフアレスでメキシコの麻薬王を探すという、最も困難なものだった。
2.キャスト
男だらけの世界の中で、紅一点はこの方、エミリーブラントさん!
http://moviehole.net/img/sicario-emily-blunt.jpg
私の印象では、オールユーニードイズキルにて主人公トム・クルーズのヒロインを務めた人です。あー、もっかいこの映画観たいなぁーーー。本当に面白かった! Yahoo!映画で批評していた時代は、「今年No.1のSFだ!!」って喚いてましたからねー。
http://www.cinemablend.com/images/news_img/82297/emily_blunt_82297.jpg
そして、物語の鍵を握る謎のコンサルタントを演じるのは、ペニチオ・デル・トロさん。ユージュアル・サスペクツなど多くの出演歴がありますが、あまり印象なかったなぁ。。 今回は超重要な役ですよ!!
https://samepageteam.files.wordpress.com/2015/10/del-toro.jpg
3.世界トップクラスに治安の悪い街でロケ
2009年には2575件の殺人事件が発生しており、メキシカンマフィアが多く住む恐ろしい街です。
以下のリンク先で確認できますが、イラクのバクダッドの次に治安が悪いとされています。。。
ちなみに、人口10万人あたりの殺人件数を計算すると、日本が0.3件/10万人なのに対して、フアレスはおおよそ200件/10万人
なんと、日本平均の666倍くらい治安が悪い街なんです!!!!
666って縁起悪いですねええ。
本作はフアレスを中心に物語を動かすため、フアレスでのロケハンが行われました! ハリウッド俳優たちが、こんな危ない場所に行ったらどうなるか分かりますよね? 間違いなく拉致監禁や殺人の対象になるんですよ!!
公式ホームページに、かなり詳しく情報が書いてあるので、ぜひチェックしてください。
全体的に、公式ホームページ良いですね!
良質なパンフレットレベルに情報がたくさん書いてあります。今年でも1,2を争う、良ホームページだと思います。
公式ホームページさん、ありがとう!!
4.映画の感想
暗くて重くて、とってもシリアスな映画でした!!!
ハッピーエンドではないので、かなり人を選ぶ作品だと思います。間違ってもカップルとかで見に行かないでください。盛り下がってホテル行けなくなっちゃう感じの映画ですww
と言っても、現在のメキシコ麻薬組織VSアメリカ国家を非常に丁寧に描いているので、大変勉強にはなりました。
タイトルにも書きましたが、「正義とは何か?」 を考えるにはふさわしい映画だと感じましたねーー。そこについてはまた後で詳しく書いていきます。
シリアスで真面目なのはいいんですけど、日本人には受けないかなぁーーと感じました。
そもそも日本人の何%が、メキシコの麻薬組織のことを知ってるんだろうと。アメリカで流通している麻薬のほとんどがメキシコからで、政府がどんな施策をしてるのか分からない人には、単なる「潜入捜査モノ」として観るしかなくて、あまり面白くなかったと思います。
だから、この映画はある程度リテラシーが必要なんだと思います。
メキシコ麻薬とアメリカとの関係。メキシカンマフィアがどんな連中なのか? 普通のマフィアとどう違うのか? それを知っておかないと、よく分からないでしょうねぇ。いわゆる「アウトロー」についての知識や興味がある人は、オススメできる作品です。
私の場合は、昔から「危険な都市」とか「犯罪組織」にすごく興味があって、今TBSで大人気放送中の「クレイジージャーニー」の大ファンなので、物語自体は好きな映画でした。
しかし、あまりにも真面目に作りすぎていてエンターテイメント作品としての出来は低いと思いました。
特に、銃撃戦がない中盤の下りは、正直言って眠かったです。セリフばかりで、何も銃撃バトルがない。
あと、話の伏線を張るためのキャラクターの演出があまりにも稚拙すぎる。
マッド・グレイヴァーはCIAと名乗っているくせに裸足で会議に参加してるし、善悪の「ボーダーライン」を象徴するようなキャラクターのアレハンドロは、どう考えても最初から挙動不審だし、最初から裏切る気満々なんですよね笑
最初からネタが分かってるのに、長々と見せられるのは正直苦痛でしたね。意外性が何もない。せっかく劇映画撮ってるんだから、もう少しトリッキーに見せられなかったのかなぁーと、観客としてはとても残念でした。
まぁ、これはそもそも論ですけど、男ばかりの捜査チームに女一人だけが入るって、最初からおかしい匂いがプンプンしてんだよ笑
しかも若くて美人な捜査官だよ! ボンドガールに選ばれてもおかしくないようなエミリーさん。オファーするシーンは、「君は007見たことあるか?」ってジョークくらい飛ばしてくれるといいんだけどねー。でも話自体はとっても真面目だから、一切ジョークなかったんですよねー。
超美人がチームに入ってきたのに、他のメンバーは誰もナンパしたり、からかったりしないんだよね、そこが本当に不自然。俺なら「彼氏いるの?」くらい聞きますよ!!
撮影とか銃の音とかにはこだわってリアルを追求してる割に、肝心の物語は論理破綻しているところがとってもマイナスポイントでした。
ドキュメンタリーにした方が良かったんじゃないかと思いました。
5.麻薬は悪か?
この映画を見て最も強烈に思ったのは、麻薬を合法化するのも一つの麻薬撲滅の道なんじゃないかと。
日本では「法律で禁止されているから」と、大麻や麻薬が禁止されてますね。有名人が使用していたりなんかしてたら、大ニュースになってお茶の間が麻薬ニュースでいっぱいになってしまいます。
最近なんかは、清原選手が相当大きくニュースになってましたけど、私は昔からある疑問がありました。
「誰が麻薬やろうと、迷惑掛けなかったら問題なくね?」
清原選手の案件もそうですけど、何が社会的に悪影響与えたんですかね。何であんなに責められなきゃいけないんですかね。清原選手が麻薬やってても、同じく都内在住の私には全く影響なかったですよ。
何となく、「麻薬は悪だ」っていう刷り込みがあるから、みんなこぞって「麻薬やってる人なんて最低!!!」「麻薬やってる人は死ね!!」なんて騒いでるだけなんですよ。麻薬がきっかけで殺人があったり、強盗があったりしたら問題ですよ。
麻薬より、酒の方がよっぽど危険な中毒物だと思いますけどね、私。
ちなみに、外でアルコール飲み放題の国なんて日本くらいですからね。ニューヨークだと公共の場でお酒飲んだら捕まっちゃうんで、お花見とはすごく違和感あるみたいですよ。
麻薬を違法にするせいで、裏組織が麻薬を商品として売ってしまう→裏組織があるから、取り締まる組織も出来る→そこで戦争が起こって、関係ない民間人が死んでしまう。
麻薬が取り締まりの対象であるがゆえ、恐ろしい被害が起こっていることをこの映画は教えてくれるんですよ。映画を見た以上は、是非これを覚えて頂きたい。
最近はアメリカの多くの州で、麻薬が合法化になっています。また、大麻産出国のジャマイカでも、合法化する動きが来ています。今や世界では大麻や麻薬を合法にする流れが出来ているんです。
日本では「麻薬、ダメ絶対」って風潮があるし、使用した人は「人間じゃない」みたいな目で見られて、社会復帰できないですよね。繰り返しになりますが、そんなに悪いことしたのかなって思っちゃうんですよ。
「麻薬死ね!」って思っている人は、麻薬のせいで何か被害受けたんですかね。。
マスコミの情報や世論に流されるだけで、思考停止するのって本当に愚かですよ。もっと考えてください!!
麻薬を防ぐ方法として、合法化って全然アリだと思いますね、私は。
それより、公共の場で酒飲むのをもっと厳罰化した方がいいよ!!
一人で気持ちよくなっている麻薬中毒者より、集団の酔っ払いの方がよっぽどタチ悪いって!!! 電車とかで酔っ払ってる人見ると、本当にイライラするんだよ!!!
というわけで、勝手に「常識」を作ってギャーギャー騒いでいる人達には是非とも観ていただきたい映画だと思いました。
以上です!
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