こんばんは! Machinakaです
今回批評する映画はこちら
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「聲の形」
はい、もう批評する前からいいますけど、この映画本当に傑作ですよ!!!
超が付くほど大傑作です!!!
大傑作!!!!!
大傑作!!!!!
大傑作!!!!!
大傑作!!!!!
大傑作!!!!!
もっと言えばね、邦画アニメでベスト1ですよ!!!
後で詳しく書きますが、アニメ界の大巨塔、、いや大聖堂の「京都アニメーション」がアニメ映画を作ったんですから!!!!!
ハッキリ言います、「君の名は。」を超えてます!!!!!!笑
それではさっそく行ってみましょー!!
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1.あらすじ
「週刊少年マガジン」に連載され、「このマンガがすごい!」や「マンガ大賞」などで高い評価を受けた大今良時の漫画「聲の形」を、「けいおん!」「たまこラブストーリー」などで知られる京都アニメーションと山田尚子監督によりアニメーション映画化。脚本を「たまこラブストーリー」や「ガールズ&パンツァー」を手がけた吉田玲子が担当した。退屈することを何よりも嫌うガキ大将の少年・石田将也は、転校生の少女・西宮硝子へ好奇心を抱き、硝子の存在のおかげで退屈な日々から解放される。しかし、硝子との間に起こったある出来事をきっかけに、将也は周囲から孤立してしまう。それから5年。心を閉ざして生き、高校生になった将也は、いまは別の学校へ通う硝子のもとを訪れる。
宝島社の「このマンガがすごい!」の1位に選ばれました! 女子編じゃなくてオトコ編なんだね、、、
原作が大人気&高評価のマンガのアニメ映画化、、、これは作る人も大変です。果たして天下の京都アニメーションは「聲の形」をどんなカタチに作り上げるのか?
期待です!!!
2.君は京都アニメーションを知ってるか?
アニヲタの方はこの章は飛ばしていただいて結構です。
さて、聲の形を観た人はどれだけ「京都アニメーション」の名前を知ってるでしょうか?
京都アニメーションとは、、、?
株式会社京都アニメーション(きょうとアニメーション、英:Kyoto Animation Co., Ltd.)は、日本のアニメ制作会社。略称は「京アニ」。
そう、アニメ制作会社です。今回の聲の形のアニメを制作したスタジオです。アニメスタジオなら、日本を代表する宮﨑駿のジブリ、細田守さんのスタジオ地図、庵野秀明さんのスタジオカラーなどありますけども、、、、
こと、TVアニメーションに関しては京アニの一人勝ちです!!!!
こちらの写真に出てるキャラは全て京アニのキャラクターですけども、貴方は何人知ってますか?
https://lohas.nicoseiga.jp/thumb/2953068i?
「涼宮ハルヒ」「けいおん!」「らき☆すた」この3つのアニメくらいはおじさんでも知ってるのでは?
特にけいおん!は社会現象になりましたし、オリコンチャートに衝撃を与えましたからね!
分かりやすく言うと、単にアニヲタが騒いでキャーキャー言ってるんじゃなくて、社会現象にもなるレベルのTVアニメ作品を大量に制作してきた会社です。
「京アニは世を動かす」
もはやこの一言で十分です笑
何故ここまで京アニは社会を動かすアニメを作れるのか?
単純に、アニメーションのクオリティが異常に高い、高すぎる点にあります。
もはや日本のディズニー・ピクサーと言ってもいい!! いや言い過ぎか?笑
京都アニメーションのクオリティは、ストーリーテリング・キャラの作画・美術背景・音響・・・・どれをとっても世界トップクラスなんですが、、、
あえて挙げるとすれば、「圧倒的なキャラの作画力」が京アニのアニメのクオリティの底上げ、そして他の製作会社との差別化を図れている要因でしょう。
良いアニメーションの条件や定義とは何か?
簡単に答えられる質問じゃありませんが、私が考えるに「生きてないものに命を吹き込む」ことが出来るのが良いアニメだと思ってます。
まるでキャラが生きてるみたい!→キャラへの感情移入→カタルシス!
の好循環が生まれるのかと。
また、その感情移入を促すのはキャラクターの作画、、、進言すればキャラクターの「瞳」の作画にあると思うのです。
個人的に、アニメで瞳を描かせたら京アニの右に出るものはいません。
どの瞳も光り輝いて美しく、目だけで可愛い、美しいと思える作画になってるのです。
https://cdn-ak.b.st-hatena.com/entryimage/248683688-origin-1430046335.jpg
もちろん、現実からはかなりデフォルメした「仮想の瞳」であることには変わりません。しかし、ここまで美しい瞳を描かれると、「仮想の瞳」ではなく「理想の瞳」に思えてしょうがないのです。
それがアニメのマジック、、、力とでも言いましょうか。
つまり、京アニの瞳の作画は「魔性の瞳」なのです!!
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3.アニメに留まらない京アニ
また、アニメ番組だけでなくゲームのオープニングも担当していて、なんと「実況パワフルプロ野球」のオープニングアニメ(8,9,10,11)も制作してきたのです!!!!
ただのスポーツゲームなのに、異常にクオリティの高いオープニングに驚きますよ笑
もう一度言います、「たかがパワプロのオープニングアニメなのに」このクオリティは異常ですww
個人的にはパワプロ9がベスト1! 次にパワプロ10,11ですかねぇ~。。
アニメに留まらず、ゲームのアニメーションも手がける京アニ。それがアニメ映画を制作するんです!!!
ちなみに、京アニは過去にアニメ映画を制作したことがありますが、どれもTVアニメ作品の延長で「劇場版」の名目で映画を作っているのです。
ただし、この「聲の形」はTVアニメの下地がなく、劇場版が初アニメとなります!!!
その出来栄えはどうだったのか?
面白かった? つまらなかった?
それでは映画の感想でっす!!!!!!
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4.映画批評
さすが京アニ!!! 日本の宝や!!!!!!!!
繊細かつ美しいキャラの作画、可愛すぎる女の子! 美術背景!!!!
これを百億点と言わずして何というか!?
最高だよ!!! 最高だよこのアニメ!!!!!!
「君の名は。」をもはや超える、本当に面白い作品でした!!!
本当に最高でした!!!
最高の作画を映画館のスクリーンで見れたことに感謝です!!!!
特に、作画では京アニの「瞳の作画力」が本領発揮しましたね!
主人公の西宮さんの瞳、、、すごく澄んだ瞳で、美しかった。まるで彼女の優しさを反映しているかのように。。。。
そして、彼女の涙の色は、透明でなくピンク色に着色されてましたね。これは、彼女の周りに立っていた桜の色を反射していたのでしょう。もちろん、現実世界では涙は透明です。当たり前です笑
実写映画でこんな演出をやったら、間違いなくダサいです。
しかし、これがアニメならではのデフォルメの力! 涙がピンク色でも「可愛い」と判断して高評価するのです。
でも、「可愛いは正義!」 この論理からは抜けられないのです笑
後は、驚いたのはストーリー。
はじめは聴覚障害者を主題にした24時間テレビみたいな感動アニメだと思ってたら、、、、
実は主人公は健常者の方で、誰にも普遍性のある話でした。
つまり、障害者をいじめた側の視点で描かれているので、多くの観客に向けてメッセージが伝わりやすい映画となっていたのです。
聴覚障害者のかわいそうなシーンを見て、感動してしまう。可哀想に思う? そんな映画じゃないんです!!!
むしろ、健常者に向けたごく普遍的な映画なんです!!
そして、「聲の形」とは言い換えると「声の形」
聲とは声の旧漢字らしいです。
声の形とは、つまり意思疎通の形でもある。
そう、この映画は青春時代の学生間での意思疎通の困難さを伝えている映画でもあるのです。
「聴覚障害者」、「青春時代の意思疎通の困難さ」のキーワードで考えると、フランス映画の「エール!」がとても似ています。ちなみに、Machinakaの昨年のベスト1に輝いた映画ですね。
www.machinaka-movie-review.com
私がなぜこの映画を年間ベストにしたのか、もちろん映画の質が良いのも要因ではあります。ただ、評価に影響を与えた一番の要因は、映画に自己投影が出来たからなんです。
自分が抱えている悩みを映画で表現して、「自分だったらどうする?」と考えることが出来て、感情が動かされたから、ベスト1にしたのです。
「聲の形」の批評に戻ります。
つまり、「聲の形」は「エール!」と同じく、着眼点が障害者にあるのではなく、障害者とのコミュニケーションを通して、意思疎通の困難さを描いた作品だと思います。
さらに、高校生のスクールカーストやいじめ・差別を描いた作品でもあり、実写映画だと「ブレックファストクラブ」や「桐島部活やめるってよ」と通じる部分はあるのかなと思いました。
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そして何より共通点があると思ったのは、同じアニメ作品の「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」!!!
https://i0.wp.com/animeapps.net/blog/wp-content/uploads/2015/04/bdabef7b.jpg?fit=1024%2C576
このアニメ、萌えキャラが1人の男性を取り合ってラブラブするハーレムアニメ、いわゆる萌えアニメと思って観ると、痛い目に遭いますww
学生時代に一度は経験した、いじめや差別、友人関係の構築と崩壊。そしてスクールカーストの上で高校生活を生きる大変さを描いた、とても苦く、苦しいアニメなんですwwww
そういう意味では、聲の形が描いた「意思疎通の困難さ」を描いていると思うんですね。
また、聲の形の主人公の西宮さんの声を演じたのは早見沙織さん。実はこの人、「俺がいる」でヒロインの声も演じているのです。ますます「俺がいる」との共通点が明らかになり、個人的には同一視してました笑
ちなみに写真真ん中の人です。
https://i.ytimg.com/vi/_7H_8ymllmU/maxresdefault.jpg
総括すれば、聴覚障害者を主役にして困難を乗り越えていくような24時間テレビ的な「お涙頂戴」なアニメではなく、 健聴者も含めた人間の意思疎通の困難さを伝えるアニメだったのです。
だから、どんな人でも見に行けるし、無理に感動を誘わないので、どんな人でも心に突き刺さります。映画のどこかのシーンに、少なくとも一つ以上は自分が経験したモノがあるでしょう。何故なら、いじめっ子、いじめられっ子、黙っていじめを見てる人など、あらゆる性格・行動パターンを持つキャラクターをそれぞれ満遍なく描いているからです。
つまり、メインキャラクターのこの8人の中に、必ず自分と似たキャラが入ってるから、感情移入が容易なのです。
https://image.eiga.k-img.com/images/movie/83287/photo/022a9f0adaeb2f9d.jpg?1467947821
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5.私なりに考えた「声の形」。あなたはどう考える?
はい、映画批評はこの辺にして、ここでは自分の話をしますね。
映画のみに興味がある方は、読み飛ばして頂いて構いません。っていうか、この章が最後だから、興味ない人はブラウザ閉じてもいいよ笑
私はこの「聲の形」の映画について、なるべく前情報は入れずにみにいくようにしました。
しかし、それでも「聲の形は特別だ、絶対に観に行こう」と腹に決めているところがありました。
何故なら、私が「喋りに関して意思疎通が困難な人が主役の映画」に関して非常に興味があるからです。
何故興味があるかというと、私自身が喋りに関して多少の障害を持っているからなのです。だから、そういった映画を他人事として見ることができず、あたかも自分自身のように感じてしまうからです。
私が持っている障害とは、「吃音症」です。
吃音症とは、特に緊張してなくても発声が上手くいかないところがあり、「あ、あ、あ、あの、、、」と同じ単語を繰り返したり、酷い場合が発声すら困難になる症状のことを言います。
また、言えて当たり前の言葉ほど、吃音症では言えなくなる傾向にあり、例えば自分の名前、電話番号、生年月日などです。
人種や年齢に限らず、100人に1人は吃音だと言われています。ただし、吃音症の人は自分の症状に非常にセンシティブになっているので、私のように自らカミングアウトする人は稀です。
吃音症は、日本人の例だとこんな感じです。ただ、この人はおそらく吃音+テレビ出演の緊張もあり、かなり言葉が出にくい状況にあったと思われます。
また、吃音症の人同士の集会はアメリカで活発で、大きなスピーチ大会を開いて吃りながらも発表するのを動画で公開してたりします。
ハリウッド俳優にも吃音症・元吃音症の人はたくさんいて、こちらの動画では吃音症の大会に「サミュエル・L・ジャクソン」「ブルース・ウィリス」などがいます。
他にも、多くの有名人が吃音症です。100人に1人の割合で吃音症の人がいるのですから、有名人にいてもおかしくない。
本題に戻りますね笑
私なりに「聲の形」、もとい「声の形」を考えると、やはり自分の吃音症を第一に考えてしまいます。
つまり、喋るだけで相手に意思を伝えられるか、非常に不安になります。
自分の価値観が「声の形」だけだと、すごく不安になります。上手く発音できるだろうか、私が言葉に詰まっているのを見て、相手はどう思うだろうか?
つまるところ、相手に馬鹿にされないか?
言えて当たり前の言葉ほど、意識しすぎて言葉に詰まります。だから、そういう意味では私の「声の形」は不安定だし不自由です。
しかし「声の形」を、この映画のテーマである「意思疎通の形」と拡大解釈すれば、吃音症の私でも不自由を感じなくなるんですね。
つまり、喋り以外で自分の意思を伝えたり表現する方法があるということです。
吃音症でも活躍している人は、喋りを「音楽」や「アート」、「スポーツ」などに置き換えて自己表現している人ばかりです。つまり、「喋り」だけでは自分の価値は決まらないんです。そう考えると、心がすごく楽になります。
私自身、活躍しているかどうかは分かりませんが、映画評論を「喋り」ではなく「文章」に置き換えていることで、多くの人に自分の意思を伝えられるようになれてるんです。
だから、そういう意味では私の「声の形」って、そこまで悲観的にならなくてもいいと思うのです。
これを読んでいる同じ吃音者の人も、辛いことがあってもこの言葉を思い出してください。人は喋りの能力だけでは価値が決まることはないし、今は色んな表現方法があります。「喋り」を自分に最適な「何か」に置き換えて、自分の伝えたいことを積極的に表現してもらえれば、日頃抱えている悩みは軽くなるはずです。
はい、何か辛気くさくなってしまいましたが、つまり言いたいことは、、、、
あなたは自分の「声の形」→「意思疎通の形」についてどう感じますか?
他者と意思疎通することに、何か悩みや問題を抱えてませんか? 改善したいことはないですか?
少なくとも、誰でも一つは問題ってあると思います。聴覚障害者や吃音者に限らず、誰でもです。
・相手の主張を否定して、「いや、、、」からトークを始めてしまう。
・女の子と話せない
・自分の話ばかりしてしまう
以上のことも、広義の意味で「聲の形」だとMachinakaは考えます。
自分なりの「聲の形」をこの映画で探してください。そして、自分を変えるきっかけにしてください。
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おまけ.おすすめの聴覚障害・吃音映画/ドラマ
私が一番印象に残ってるのは、「星の金貨」
酒井法子が主演で、全盛期のノリピーが観れる作品ですね。
https://vod.ntv.co.jp/program/drama/hoshikin1/pc/images/mainVisual.jpg
特に、主題歌の「碧いうさぎ」は強烈な印象に残ってます。
あと、これは短編映画ですが、「Stutterer」という作品。Stutterというのが吃音という意味なので、吃音の人という訳が出来ます。
実はこの映画、今年のアカデミー短編映画賞を受賞した映画です。
また、これは王道ですけども、2010年の「英国王のスピーチ」ですね。
単に吃音者が頑張ってスピーチするのではなくて、ちゃんとした社会的意義がある映画でした。
第二次世界大戦下のイギリス。吃音症のジョージ6世はイギリス国民を奮起させるために、ラジオでのスピーチに挑戦するのです。
当時のイギリスが敵対していたのは、ナチスドイツ。ナチスドイツにはスピーチの天才がいました。そう、アドルフ・ヒットラーです。
この映画は、吃音症の英国王とスピーチの天才のヒトラーとの対決なのです。そういうフィルターで見ると、アカデミー作品賞・主演男優賞を取った理由がわかると思います。
以上でっす!!!