まえがき
今回批評するのはこちらの映画
劇場版ガールズ&パンツァー
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はい、私のブログでは珍しいアニメ映画の批評になります。
監督について
監督は、水島務さん。長野県出身のアニメ監督です。
クレヨンしんちゃん映画の最盛期を、原恵一さんとともに支えた実力者。クレヨンしんちゃんでは演出・絵コンテを担当しました。
アニメ作品では、本作のアニメ版ガールズ&パンツァーをはじめ、「呼んでますよ、アザゼルさん」、「侵略!イカ娘」のコメディーものから、「Blood-C」「Another」などのサスペンス・ホラーものまで手広く手掛けています。
また、最近では「監獄学園」の監督を務めています。
この作品キャリアを見る限り、彼の印象は、、、
「とにかく、ブッとんだ画作り&過激なネタを好む監督」
この人の前ではR指定もBPOも関係ないのでしょうか。
BLOOD-Cでは、民放アニメ描写の限界に挑戦したんじゃないかと思えるくらい、グロ描写のオンパレード。
特に最終話では、映像のほとんどがモザイク処理されたまま放送されるという前代未聞の事件が起きました。だってゾンビ映画並みに血みどろなんだもの。。。
あらすじ、ストーリー
「戦車道」と呼ばれる、「華道」、「茶道」に次ぐ女性の嗜みとして、戦車の扱いが尊ばれる日本。
大洗学園(女子校)に通う西住みほは、西住流と呼ばれる戦車使いの第1人者の家系に生まれる。親から家業を継ぐように強制されたが、これを拒絶する。
そんなある日、ひょんなことから体育の選択科目が戦車道になってしまい、本人の意思とは裏腹に戦車と触れ合っていく・・・
西住本人は、戦車嫌いなのですが、子供のころから戦車に親しんできたため、戦いの才能はある。しかし、周囲から頼られ、戦いを評価される度に自分の才能を認め、自信を取り戻していくのです。
今回は戦車道の全国大会優勝後、大洗学園にまた廃校の危機が押し寄せます。それを解決するために、今度は大学選抜と戦うというのが本筋です。
廃校の危機を救うために少女が立ち上がるというストーリーは、アニメ「ラブライブ」でも用いられていましたね。最近の流行りなのでしょうか。とにかく、まだ高校生のキャラクターに大義を押し付けて、戦車道という一見バカっぽい部活動に大きな意義を与えようとしているのは明白です。
アニメとは思えないリアルな画作り
アニメ版でも評価されていますが、改めてガルパンの作画の凄さを・・・
徹底した戦車のディティール!!
これまでアニメでも戦車が出てくる描写はたくさんありましたが、ガルパンではとんでもなくリアルな戦車が描かれています。
どうでしょう。萌えキャラとは対照的なリアルな戦車!!笑
戦車好きなアニメーターが集結し、細部までこだわった作画を徹底させたのす。さらに、アニメとしては珍しく、自衛隊ともコラボしています
イベントの際には、ガルパンの聖地である茨城県大洗町まで実際の戦車を持ち出すなど、積極的な協力をしています。
これはメカデザインや作画に多大な影響を与えたのではないかと思います。
町おこしの協力で得られた、リアル大洗町のトレース!
アニメの撮影ロケ地は、茨城県の大洗町で行われています。アニメなのに「ロケ地」と言うのはおかしいですか? ではこの映像を見てください!!
もはや遠目で観たら実写なんじゃないかと思うくらい、綺麗な背景!
「たまゆら」の尾道市や「あの花」の秩父市、「夏色キセキ」の下田市などでも話題になりましたが、最近のアニメは架空の街を作り上げて作画するというよりは、実際にある街をロケハンして資料収集→背景の作画(ほぼトレース)を行うというのが主流になっています。
また、今回の大洗町では町役場はもちろん、観光協会も全面協力!!
いろんなお店がガルパンのフラッグを立てています!
我々アニオタが聖地巡礼で押し寄せた効果もあってか、なんと観光庁の「若者の旅を応援する観光庁長官賞」として奨励賞を受賞しました!
写真はなんと、国土交通省の敷地内!
国からも評価されるアニメ、しかも萌えアニメでなんて、、、
どうかしてるぞ! ガルパン!!
単なるアニメに終わらず、実際の町を巻き込んだ巨大なプロジェクトになっているといえるでしょう。
下のサイト画像は町役場の公式ホームページですからね笑
映画の感想・レビュー
やはり、文句なしに作画が素晴らしい! 大画面で戦車が動き回り、もはや戦争映画と思うくらいリアルな挙動。
今回の戦地は演習場のみでなく、遊園地の敷地内で行うシーンもあります!!
戦車がジェットコースターを駆け下りる描写や、観覧車のギミックを使った戦法など、普通の戦車描写とはかけ離れています。
もちろん戦車の重量では現実的に不可能だろうというツッコミもあるかもしれませんが、そこはアニメということでご容赦を笑 おそらく、軍隊を持たない日本だからこそ、戦車ギャグとして描けるのでしょう。
アメリカでは10000%不可能だと思います。
そして、一番良かったのは音響! 戦車の挙動や砲弾、爆発音。もうね、音が凄すぎて振動がビンビン伝わってきました!
単に大きな音ではありません、実際にそばに戦車がいるような、耳が痛いほどの爆音で
楽しめました。 映画館で観ないと凄さが分かりませんから、是非とも劇場で足を運んでいただきたいと思います。
おススメです!!