Machinakaの日記

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東京都心のコミュニティサイクルを使ってみた(千代田区・江東区・港区・中央区) メリットと課題

こんばんは! Machinakaです。

 

 

 

今回批評するのはコチラ!!

 

「コミュニティサイクル in Tokyo」

 

 

 

すいません。映画のタイトルではありません。今回は映画批評ではなく、コミュニティサイクルについて書きたいと思います。

 

更新頻度は少ないですけど、私のブログに「研究」ってカテゴリがあるんです。実は研究を仕事にしているので。。。

 

 

 

  • 自転車は、都心交通では一番の勝ち組

 

東京の、特に都心では自動車が非常に混雑しています。信号が多い上に、長い。歩行者も自動車も多いのですから、お互いの道を譲る時間も掛かるって事です。

 

幸いにも、東京は信号無視の文化がないので(名古屋と大阪は結構ひどい、、、という噂がある)、みんな信号を待ちます。

 

自動車でルート検索して、所要時間が出てきても、実際は渋滞と信号待ちで思ったより時間が掛かるって事ありませんか?

 

交通の業界では平均旅行速度と言って、ある区間の交通速度を信号待ちや渋滞の時間を含めて表したものがあります。

 

東京都区部では、平均旅行速度が20kmもありません。

http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/douro/gaiyo/images/kensetsu_zu02.jpg

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全国平均の半分以下です。

 しかもこれは東京都区部の平均値。都心の千代田区・中央区・港区などはもっと旅行速度が下がることが容易に想像つきますよね?

 

それじゃぁ、電車を使えばいいじゃないかと、電車を使えば勝ち組なんじゃんって人もいると思います。

 

でも、駅の間隔ってすごく広いですよね。JRでも1キロ程度あるし、地下鉄でも500mあるところもあります。しかも、都心の駅の場合は改札が何個もあって、電車のホームから遠く離れている場合が多いですよね。電車が来る時間も考慮すると、一駅、二駅だけ乗るって、何だか時間が勿体無い気がしませんか?

 

電車で行くには近すぎるし、歩くには遠い。。。その隙間を埋めるのが自転車なのです!!!

 

自転車の平均旅行速度は、ママチャリでは12−19km/hと言われています。頑張って走れば20km/hは出ます。

jitensha-hoken.jp

 

 

 

そう、都心では自転車は自動車よりも早い乗り物なんです!!!

 

都心では、自転車を乗る方が賢いんですねー。

 

 

 

  • コミュニティサイクルとは

 

コミュニティサイクルは、よくレンタサイクルと勘違いされます。

 

レンタサイクルは1箇所で貸し出し、戻さないといけないですが、コミュニティサイクルは複数の場所で貸し出し、指定の場所ならどこでも返却が可能なのです!!

 

通勤・通学でコミュニティサイクルが使えるというのは、この特徴があるからなんです。

 

 

 

  • 私が使用したコミュニティサイクル

 

私は東京都心の「千代田区」・「中央区」・「港区」・「江東区(臨海部)」で実施されているコミュニティサイクルを使いました。

普通なら一つの自治体内でしか自転車は使用できないのですが、日本で唯一の「自治体横断型」コミュニティサイクルとなっております。

 

東京・自転車シェアリング広域実験(千代田区・中央区・港区・江東区)

 

都心でやるってことは、上に述べた都心の交通渋滞解消も狙ったプロジェクトなんですかね。

 

 

こちらがコミュニティサイクルのポート(自転車を貸し借りできる場所)の地図です。

 

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かなり密集してサイクルポートがあることがわかりますよね。

 

運営主体が同じなため、どのポートで借りても、返してもOKなんです。

 

極論ですけど、港区の国立新美術館から江東区の東雲まで行っても、台場駅から船の科学館まで行っても、同じ料金なんです。

 

 

  • 個人的な交通の悩み

私は東西線の千葉方面に住んでいるのですが、職場が市ヶ谷にあります。

 

最寄駅から東西線で飯田橋まで行き、有楽町線に乗り換え、一駅先の市ヶ谷駅に着くようにしていました(料金が最も安いので)

 

しかし、飯田橋駅ってめちゃくちゃ広いんです。東西線から有楽町線って、普通に歩いて7−8分、頑張って歩いても5分かかります。

 

電車が来る時間も含めて、場合によっては15分以上待つこともあります。乗り換えするだけなのに。

 

そして市ヶ谷駅から歩いてさらに5分。 つまり、飯田橋の乗り換えから20分以上は掛かっている計算になります。

 

それなら歩けばいいじゃんって話なんですけど、歩くと25分以上は掛かってしまうのです。効率悪いですよね。

 

そこで着目したのが、九段下駅近くにあるサイクルポートと、市ヶ谷駅近くにあるサイクルポートの間を自転車で使えば、今より早くなるんじゃないか?

 

という仮説です。

 

 

 

 

  • 登録から走行、返却までやってみました

 

 

まずはネットで「コミュニティサイクル 千代田区」と検索。

 

トップ画面に出てくるのが、こちらのサイト

 

docomo-cycle.jp

 

 

ホームページのアドレスを見ると、「docomo」とあります。民間も協力しているのが、ちょっと驚きでした。

嬉しいのは、自転車は全て電動アシスト付きだということ。

 

 

まずは会員登録が必要です。

 

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次に利用規約に同意し、個人情報を入力してください。

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会員証登録が必要かどうか? とありますが、とりあえず登録しておきましょう。登録してもお金が発生することはありません。

 

 

無事に会員登録できたら、早速ログインしましょう。すると以下の画面が開きます。

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この状態まで行けば、もうあなたはどこのサイクルポートからでも、すぐにレンタルすることができます。もちろん、スマートフォンでもご利用いただけます。

 

ただ、これからが分かりづらいところ

 

自転車を借りる項目に、「駐車場から選ぶ」、「自転車を指定する」の2つがあると思います。

 

自転車を指定するとは、具体的には自転車の個体番号を入力することなんです。そう、実際に駐輪場に行き、自転車の個体番号を見ないと分かりません。

 

ここで大いに悩むと思います。だって、見てない自転車のレンタル予約をするのだから。

 

タイヤの空気の状況、電動アシストの充電度合い、そしてそもそも事故車ではないかどうかを、予約画面上では一切確認できません。

 

 

これはダメだよー、はっきり言ってね。自分が正直に思ったってのと、これは身内が書いたステマブログではないってことを証明したかったんですよ。一切コミュニティサイクル側からはお金、もらってませんからね。むしろ利用料金を払ってばっかりですよ。

 

 

 

ネットで予約できるなんて、今の時代っぽいなぁーーーと感じるし、なんでも出来ちゃうって思うんですが、借りるのは自転車です。

いくらなんでも、この目で状態を見ないと借りたくないでしょ!!

 

なので、自転車を借りる時は、まずは借りたい駐車場まで行って、借りたい自転車を見極めましょう。

 

というわけで私の場合は、市ヶ谷駅最寄りの公園に行って、しっかりブツを見てから、スマホでネット予約をしました。

 

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空気はどの自転車も大丈夫ですが、電動アシストのバッテリーが自転車によりマチマチ。フル充電のものもあれば、残り30%という不良品も。

 

これはネットじゃあ見れないんですよ。もし初めて利用する人が、この不良品に当たってしまったらどう感じるでしょう。さらに、長距離移動する予定だったら?

もう一度使いたいと思いますか?

 

再三言いますが、自転車を借りる時は実物を見て、その場でネット予約しましょう。

 

専用のFelicaカードを申し込めば、ネット予約は不要になり、タッチするだけで気軽にレンタルできます。

しかし、これは初めての人はできませんから、初回は黙ってネット予約です。

 

ネット予約の場合は、4桁の暗証番号を入力します。

 

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簡単なのですが、忙しい通勤・通学時にいちいちスマホで入力していたら面倒くさいですよね。ヘビーユーザーになる予定なら、お金は掛かってもICカードを購入された方がいいと思います。

 

 

自転車は赤と黒のシンプルデザインでとても好きなのですが、日本独特の欠点が、、、

 

 

 

過剰な説明が多すぎてダサい。

100歩譲って、使い方は乗せてもいいよ。でも、不要な宣伝なんていらないでしょ。

 

しかもなんでそれをハンドルの中央に載せるんだよ!!! どういう神経してんだ笑

 

 

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あと、赤色の自転車っていかにもママチャリなイメージでこれまたダサい!!

 

 

docomoのカラーが赤だからかな?って思ってしまいますね。自転車にもdocomoのマークがあるし。

 

自転車の色でコミュニティサイクルかどうかを区別してるわけじゃないから、色んな色があってもいいじゃん!!

 

個人的にはとか、茶色とかが好みです。アスファルトや土の色と合って、綺麗なんですよねー。

 

あと女の子なら薄いピンクもあっても可愛いかもしれませんね。

 

ちなみに広告を貼るって案もありますけど、東京都の条例で厳しく規定されているので貼れないみたいです。運営的には貼りたいでしょうけどね。

 

さて、この自転車を使って、九段下のサイクルポートまで向かいました〜。

 

靖国通りは車通りも少なく、スムーズに運転することができました。

なんたって電動アシストが入っているのがいいです。自分で充電する訳じゃないから、何のためらいもなく「アシスト強」設定にしました笑

 

さらに、時速が表示される機能もグッド!! 何だかアスリートの気分です。

 

 

 

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 スピードを計測しましたが、概ね20km/h前後を維持できました。 

 

所要時間ですが(わかりやすく言えば、九段下駅から市ヶ谷駅までの時間)、信号待ちを含めても5分以内で到達することができました。

なお、普通に歩けば20分以上はかかるため、15分以短縮することができる計算になります。

往復だと30分以上は交通時間を短縮できます。

 

 

歩けば20分って微妙な距離なんです。忙しいサラリーマンならタクシー使っちゃいそうな感じ? 地方の人なら絶対に歩きませんよね。

 

 

私的には、大いにアリな乗り物だと思いました!!

 

 

 

 

 

  • 自宅から自転車乗ればいいじゃん?ってツッコむ人へ

 

自宅から職場・学校まで20km以内であれば、電車より早く着く事があるかも知りません。

 

しかし、都心で通勤している人なら分かると思いますが、都心って本当に土地が空いてないんです。特に駐輪場なんて、自動車の駐車場より儲からないし、民間がやる訳ないんです。

そこで、公共性の高い鉄道事業者や公的敷地で運営しているんですけど、需要に対して供給があまりにも追いついていないんで、新規に駐輪場を利用しようとしても抽選になってしまいます。

 

市ヶ谷にも駐輪場あるんですけど、かなりの倍率で抽選があるとか。

 

そのため、都心でも放置自転車が目立ちます。

 

 

これは東京駅。

 

日本の首都の一大ターミナル駅で、こんなに自転車が放置されてるって、ありえます?

 

 

http://cdn.cyclist.sanspo.com/photos/2012/08/tokyo-station-347x250.jpg

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理由はいろいろあるんですけど、日本のママチャリ自転車は中国や台湾から仕入れてくるとても安価なもので、放置撤去料を払えと郵送が来ても、「また新しいの買えばいいや」ってなっちゃうみたいです。

例えば今のママチャリって1万円もあればいいの買えますよね。

でも、放置自転車の撤去料(自転車を取り返すために必要なお金)は2000円くらいするんです。それに、保管場所は決まって変な場所が多いんです。

 

保管場所までの交通量が往復500円くらいとして、2500円くらいのお金が発生するんです。さらに、休日の貴重な時間を潰して取りに行くぐらいなら、自宅近くのドンキなどで6000円くらいの自転車を買えば、新品になるし、いいことづくめですよね。

 

一方ヨーロッパだと、日本円に換算しても5万を超える自転車が多く流通しているので、とても大事にするんです。治安が悪い地域では、放置していると盗難に遭うため、そもそも放置自転車が少ないです。

 

 

以上のように、東京都心では自転車を置くためのスペースすらないのです。仮に登録できたとしても、年間で15000円が相場でしょう。

 

しかし、コミュニティサイクルなら、サイクルポートという大量の駐輪場を、自由に使うことができます。

 

ちなみに、駐輪料金は自転車の利用料に含まれているので、高い駐車料を払う必要がないのです。さらに、自転車の事故・自賠責保険も利用料金に含まれています。

 

 

私が使っている都心コミュニティサイクルの場合、1回の利用が30分150円(以降30分ごとに100円加算)、月額が2000円で乗り放題です(ただし、30分を超えた利用は同じく加算される)

 

ここでシミュレーションしてみましょう。

 

仮に私が月額会員になった場合です

2000円*12ヶ月で24,000円です。

 

支払うことで得られる対価として、、、

・自転車(電動アシスト付き)

・東京都心123ものポート=駐輪場を自由に使える権利

・自転車の無料メンテナンス(タイヤ、電気など。運営が全てやってくれます)

・自転車の保険

 

一方、コミュニティサイクルと同じ環境を整えて、自宅から都心まで自転車を走らせる場合。

 

支払うべきコストは、、、

・自転車(同じく電動アシスト付き):安い自転車でもアシスト付きは50000円。寿命を10年として減価償却を考えれば、年間5000円

・駐車料金:15000円程度(駐輪場によりけり)

・自転車の保険:年間5000円程度が相場

・自転車メンテナンスの手間:タイヤがパンクすれば1輪1500円くらい? 電気が切れたら1000円くらい? 仮に年間1000円としましょう。

 

そうなると、おおよそ26000円のコストが毎年かかります。

 

中央区の場合、区民以外の人が使うと年間22000円も支払う羽目になる駐輪場もありますから、場合によってはもっと高いお金を支払うことも。。。

 

もう一度まとめますね。

 

コミュニティサイクルの年間コスト:2000円*12ヶ月=24000円

自分で自転車を買って環境を整える場合:26000円

 

 

 

コミュニティサイクルの方が、安いんですよ!!!!!!

 

 

 

 

  • まとめ メリットと課題

 

メリット

・電動アシスト付き自転車が乗り放題(坂道でストレスを感じなくなります)

・利用すれば強制的に自転車保険がつく

・メンテナンスは運営に全てお任せ

・都心123の駐輪場を好きに使える(もちろんコミュニティサイクル限定)

・どう考えても、自分で自転車を買うより安い(電動アシストは10万以上がザラなので、年間コストが3万円を超える場合も十分ある)

 

課題

・いちいち予約するのが面倒臭い。ICカードで対応可能だが、有料だし初回は絶対に面倒臭い予約が必要。(余談だが、ロンドンのコミュニティサイクルではクレジットカード1枚あればできる)

・自転車にポートの位置をナビゲートする機能がないので、立ち止まっていちいちスマホで確認する必要がある。

・駐車場と違って小さいスペースなので、初めて使うポートは見つけるのに苦労する。

・自転車が過剰な説明がありすぎて、デザインを阻害している(邦画といい、本当に日本人ってセンスない人多すぎ)

・自転車の色が1色しかなく、選択肢がない。

 

 

以上、長くなりましたが、コミュニティサイクルを使うための参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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