はい、こんばんは! Machinakaです。
今回批評するのはこちらの映画
「オデッセイ / The Martian」
http://3.bp.blogspot.com/-41ojMhFM2ac/VbyhpIW1zWI/AAAAAAAADsw/Ux2zwZZZKk4/s1600/martian.jpg
巨匠リドリー・スコットが監督、マット・デイモン主演という豪華な作品です。
まずは予告編をどうぞ!!
こちらの映画の感想、評価、レビュー、考察、解説をしていきます!
さて、火星探索に出掛けたマット・デイモンがひとりぼっちになってしまいました。
地球から救援隊を出しても、火星に着くまで1000日以上。一方水と食料は300日分。まず助かりません。
しかし、マット・デイモンは宇宙飛行士でありながら、生物学の博士号を持っていたのです。
そこで、火星で自給自足することを決意。生物学の知識を活かして、マット・デイモンは救援隊が来るのをひたすら待っています。
- 宇宙でのぼっちキャラが定着
マット・デイモンといえば、1998年のグッド・ウィル・ハンティング以降、常にハリウッド映画のトップ俳優に君臨し続けている凄い人。
そんな彼ですが、宇宙へ行くとぼっちになってしまう傾向にあります。
2014年のインターステラー(クリストファー・ノーラン監督)でも、本作と非常に似ている役柄を演じています。
Dr.Mannという役で、マシュー・マコノヒー隊より先に宇宙で暮らしていた先輩です。具体的には帰れなくなっていたのですが。
なのでマット・デイモンは孤独に宇宙を彷徨う役は2回目ということになります。
偶然なのか、インターステラーの活躍が光ったからなのか、どちらか分かりません笑
- SFとはいいつつ超リアル志向
マット・デイモンの制服を見ても分かる通り、NASAと刻字されています。
そう、あのNASAです。
今回はNASAが徹底的にサポートしております。
火星で農業をして自給自足するなんて、突拍子もない話に聞こえますが、NASAは実際に野菜を栽培するシステムを考えています。
水も、酸素も、宇宙服も、全てNASAの協力により作られています。
もちろん、現段階では火星で自給自足するプロジェクトは存在しませんし、無事に遂行する確率は低いかもしれません。
しかし、近い未来には出来るかもしれない。そんな可能性をこの映画に込めたんだと思います。
NASAは映画のために協力しただけでなく、自分たちの将来のためにもなると判断したのかもしれませんね。映画にしては、とてもリアルな志向です。
だって、定量的に水と食料の残量、火星に到達するまでの時間も示されているんですから。
テキトーなSFなら、絶対に数字は使いませんよね。
詳しくはコチラに書いてあります!
また、NASAとオデッセイのスタッフ・キャストがパネルディスカッションを行っている様子も確認できます。
- 気になる映画の中身は、、、、?
一言で言えば、
「明るいし、楽しい」映画です。おかしなこと言ってませんよ。観に行った人は絶対にテンション上がって帰れることを約束します!
火星で1人取り残され、迎えに来るまでひたすら待っている日々を撮っているだけなんですが、マット・デイモン演じるワトニーは終始冷静沈着です。
気持ち悪いくらいに笑
宇宙でひとりぼっちになる映画だったら、普通なら家族と電話するシーンが流れたり、泣きじゃくるシーンが入ると思いませんか?
100発100中、定石中の定石をリドリースコット監督はあえて外していきました。
そもそも、ワトニーはどうやら結婚しておらず、ご両親は健在みたいです。
しかし、家族の顔は一切出て来ないのです。
それに、地球との交信はe-mailのみ。徹底的にワトニーを孤立させるんですね。普通なら精神状態がおかしくなりそうですが、ワトニーは普通なんですよ。。
これも先ほど述べたリアル描写の追求が影響したんだと、町山さんがたまむすびで説明されていました。
感情で動いてしまう人は、そもそも宇宙飛行士には選ばれないと。
だから 、これを感動の超大作だと勘違いしないで観に行かないで下さい!!
アメリカ版宇宙兄弟だと言えば、分かりやすいかもしれません。あ、もちろん宇宙兄弟ってマンガの方ですよ!!
- セリフで語らず、音楽で語るニクい演出にみんな腰を振れ!!
最大の特徴は、劇中に流れるなんともお気楽な音楽です。
サバイバル中にも関わらず、 70年代ディスコヒットが、バンバン流れてきます。
オリジナルサウンドトラックではなく、こちらにディスコソングがまとめられています。
火星探索隊の館長がたまたま持ってきたCDが、ディスコヒットソング集だったんです笑
あれ、この演出どこかで見たことありませんか?
そう、昨年のガーディアンズ・オブ・ギャラクシーです!!
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」MovieNEX予告編
こちらの映画も、お母さんの形見として70年代のベストソングミックスが入ったテープを使って、懐メロをバンバン流してましたねー。
ガーディアンズ・・・で使われたこの演出は、アメリカで流行っているみたいです。
ってか、リドリースコットにも影響を与えたガーディアンズ・オブ・ギャラクシーすげー
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2015/01/21
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログ (54件) を見る
しかし、この映画の凄いところは、ヒットソングを流すだけでなく、歌詞の意味と映画の内容がリンクしているところなんですね。
少しだけitunesのリンクも貼ったので、タイトルや歌詞に注目して聞いてみてください。
HAPPY DAYS THEME
Written by Charles Fox and Norman Gimbel
Performed by Pratt & McClain
Courtesy of Reprise Records
By arrangement with Warner Music Group Film & TV Licensing
TURN THE BEAT AROUND (LOVE TO HEAR PERCUSSION)
Written by Peter Jackson Jr. and Gerald Jackson
Performed by Vicki Sue Robinson
Courtesy of RCA Records
By arrangement with Sony Music Licensing
HOT STUFF
Written by Pete Bellotte, Keith Forsey and Harold Faltermeier
Performed by Donna Summer
Courtesy of Island Records
under license from Universal Music Enterprises
ROCK THE BOAT
Written by Waldo T. Holmes
Performed by The Hues Corporation
Courtesy of RCA Records
By arrangement with Sony Music Licensing
DON'T LEAVE ME THIS WAY
Written by Kenneth Gamble, Leon Huff and Cary Grant Gilbert
Performed by Thelma Houston
Courtesy of Motown Records
under license from Universal Music Enterprises
STARMAN
Written and Performed by David Bowie
Courtesy of RZO Music
WATERLOO
Written by Benny Andersson, Bjoern Ulvaeus and Stig Anderson
Performed by ABBA
Courtesy of Polydor Records Ltd.
under license from Universal Music Enterprises
LOVE TRAIN
Written by Kenneth Gamble & Leon Huff
Performed by The O'Jays
Courtesy of Columbia Records
By arrangement with Sony Music Licensing
I WILL SURVIVE
Written by Dino Fekaris and Frederick Perren
Performed by Gloria Gaynor
Courtesy of Republic Records
under license from Universal Music Enterprises
参照元:http://www.soundtrack.net/movie/the-martian/
Star manとか、I will surviveとか、Don't leave me this wayとか、やたらとこの映画と関係ある感じがしませんか?
「星」とか、「生きる」とか、「置いてかないで!」とか!
もうこれは偶然じゃないですよね。 明らかに製作者側が意図的に選んでいます。
そして、これだけ意味があるってことは、ただ流行に乗っかって音楽を掛けたい訳じゃないって分かりますよね?
火星との通信手段はE-mailしかありません。それに、メールは映画の最後の方にしか使えず、数十日間は本当に誰とも喋れない環境にあります。
そんな中、唯一の地球との共通点が、ノリノリの音楽たちなんです。そしてそのCDは隊長が持っていたものだったと。
つまり、置き去りにされたワトニー(マット・デイモン)と、置き去りにした責任を感じている隊長との、コミュニケーションツールとして使っているのです。
この意味を知っているか知らないかで大きく映画の見方が変わるでしょう。
また、映画中は歌詞が出てこないので、あらかじめタイトルを知っておいたほうが良いかと思います。ただのノリノリな音楽ではありませんからね!
映画的に重要な意味を持っていますから!!
というわけで、意外や意外の面白い映画でありました。
もう一度言いますけど、この映画に感動とか、スペクタクルとか、勇ましいとか、そんな王道&大衆映画のようなものを求めてはいけません!!!!
気軽な気持ちで、音楽にノリノリにされてください。。
黙って見ていちゃもったいないですよ! 日本人らしさを忘れることも大事。だって、これはアメリカの映画だもん。
というわけで、大変オススメです!!!!!