こんばんは! Machinakaです。
今回批評するのはコチラの映画!
「殿、利息でござる!」
はい、阿部サダヲ主演の時代劇映画です。
1. あらすじ
「武士の家計簿」で知られる歴史家・磯田道史による評伝「無私の日本人」に収録されている一編「穀田屋十三郎」を映画化。時代劇では初主演となる阿部サダヲほか、瑛太、妻夫木聡、竹内結子、松田龍平ら豪華キャストが共演。物語の舞台となる仙台出身のフィギュアスケート選手・羽生結弦が、仙台藩の第7代藩主・伊達重村役で映画に初出演を果たした。「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」の中村義洋監督がメガホンをとり、時代劇に本格初挑戦。江戸中期、財政難のため民衆に重税を課す仙台藩では、破産や夜逃げが相次いでいた。寂れ果てた宿場町の吉岡宿でも年貢の取り立てや労役で人々が困窮し、造り酒屋を営む穀田屋十三郎は、町の行く末を案じていた。そんなある日、十三郎は、町一番の知恵者である茶師・菅原屋篤平治から、藩に大金を貸し付けて利息を巻き上げるという、宿場復興のための秘策を打ち明けられる。計画が明るみになれば打ち首は免れないが、それでも十三郎と仲間たちは、町を守るために私財を投げ打ち、計画を進める。
これ見たら、絶対にコメディだと思いますよね笑
私も絶対にコメディだと思って鑑賞しました。
しかし、その結果は、、、
2. めっちゃ真面目なヒューマンドラマだった!
これはネタバレしてもいいと思うんですけど、コメディと思いきやヒューマンドラマでした。しかも、かなり感動する映画でした。
阿部サダヲ主演で、絶対にコメディだと思ったのに、裏切られた! ビックリした!
ってのが皆さんの感想だと思います。 もちろん私もそうです。
制作側の明確な意図でしょうね。阿部サダヲでコメディ調の予告を作れば、絶対にヒューマンドラマだと思ってくれる。良い意味で裏切りたかったんじゃないですかね。
試しにGoogleで画像検索してみたら、「殿、利息でござる 感動」でも、それらしき画像は見つかりませんでした。恐るべし情報統制力。。。
3. みんなの評価は?
Yahoo!映画 3.8
ぴあ映画生活89
Yahoo!映画 4.36
全て高評価です。
4. 自分の評価は?
単刀直入に言いますと、、、
私はつまらないと思ってしまいました。
そして、インターネットで調べた後の評価に愕然しました。
世間の高評価とはかなりギャップのある印象でした。
「殿、世間と評価が違うでござる!」
あれ、俺周りとズレてる、、、 なぜ評価がここまで違うのか、、塞ぎこんじゃいました。今まで自分と世間の評価は合ってると思ってきたんですが、、、
詳しく説明しますね。
・予告編と本編のギャップについて
Machinakaの日記のヘビーウォッチャー(こんな人いるのか?)ならお分かりですが、私は予告編に非常に厳しいです。また、予告編と本編のギャップが違う時には、激昂します笑
ただ、この映画に関しては、良い意味で裏切ってくれたと思っています。
ヒューマンドラマの部分は後半になって叩みかけてくるんですけど、「つまらない」と言った割には、とても感動しました。本編を見て驚いてほしいので言いませんけど。
あと、最後のシーンには衝撃を受けたので、なんだかんだ楽しめました。
だから、今回の予告編については、「詐欺だ!!」と怒るようなことはしません。
新しい予告編のカタチとして、むしろ歓迎します。
ってか、こんな予告編の裏切り方って過去の映画にありますかね? ご存じの方教えて下さい、、、
では何故私がつまらないと思ってしまったのか、ご説明します。
・ナレーション多すぎ&説明描写多すぎ!
酷評する時に毎回このセリフ言ってますけど、ナレーション多すぎですよ、、、
江戸時代のお金の話なのでしょうがないかもしれませんが、
「1000両を現代の貨幣価値に換算するのは難しいが、、、」との前置きがあってからの、、、
お金の説明多すぎだろ!!!
換算が難しいとか言っておきながら、説明しすぎなんだよ!!!
そして、随所に出てくる
「1000両=3億円」
「100両=3000万円」
のテロップ
テロップが出てくるのは一個のシーンだけでいいよ!!
また、映画が急にストップしたと思ったら、
「当時の◯◯は、、、」
と時代背景を説明する始末。
勝手に映画を止めるな!! ってか、急にストップって、あまりにも雑な編集でしょって思ってしまいました。
・ヒューマンドラマでも笑いは入れていいじゃん!
実はこれが酷評の一番の原因なんですが、、、
あまりにも真面目に作っているため、面白いシーンがほとんど入っていません。
面白いシーンは予告編に全て入っているので、予告編以外のギャグパートはなかったんです。
つまり、笑いに関して新しい発見が出来なかったことが観ていて辛かったんですよねー。
予告編でコメディチックに仕上げるために、「本編から笑えるシーンを全部ぶち込め!!」って上からのお達しがあったんですかね。。
阿部サダヲが真面目な演技するのも良いんですけど、一回くらいは爆笑できるシーン入れてもいいじゃない、、、 監督は「ちょんまげぷりん」でコメディの時代劇やってるわけだし、こっちは期待してしまいますよ。。
・映画は意味の王国であるべき
笑いを入れる余地は何回もありました。テンポがあまり良くないんですよ。他の方も言及されてましたが。具体的に言えば、
シーンとシーンの間に「空白」が多いんですよね。
その空白の間に、何か笑いがあるんじゃないかと期待してるんですが、何もない。
空白→何もない、空白→何もない、空白→何もない
何のためのシーンなんだ!!! と思ってしまいました。
これは普段ディズニーとかマーヴェルとかの、超濃密度な映画を観ているからかもしれませんけど、なんだか勿体無い時間が多いなぁと思ってしまいました。
私の尊敬する映画評論家の高橋ヨシキさんが言っていたんですけど、「映画は意味の王国」という明言があります。映画の1カットには必ず意味がある、という意味です。
この映画には余白のあるシーンが多かった。意味の王国ではなかったのです。
だからテンポが悪いって言ってるんですけど。
・同じセリフを繰り返し過ぎ
ナレーションが多くても、セリフ回しが面白ければいいんですよ。
でも、セリフ回しが面白くなかった。。。
だって、同じセリフをずっと繰り返していたんですよ。
特に、大肝入の千葉雄大くんと武将が話しているシーンで、お上と交渉するように頼みますよね。そこのセリフがほとんど同じで、ちょっと飽きちゃいました。同じセリフなのに、省略がないんですね。
「映画は引き算の美学」といつも豪語しているので、そんな私にとっては苦痛の時間でした。
5. 最後は良かったよ!
酷評ばかりしてきましたが、良いシーンもたくさんありました。
ここからネタバレになるのでご注意!!!
・浅野屋の妻夫木くんが、倒産してまでお金を寄付するところ
ここにみなさん感動されたんだと思います。
特に、阿部サダヲさんが「酒蔵から歌が聞こえない」と急いで酒蔵へ走る。普通だったら作業員が歌を歌いながらお酒を作っている。
でも酒蔵には誰もいない。
そして阿部サダヲが酒樽を覗く、そこでカメラが移動して、どんどん酒樽の底を捉えていく、、、
樽には何も入ってない!!!
すると妻夫木くんが「今年は作りませんよ」
(;_;)
かなり感動しました。
とまぁ、酷評ばかりしてしまいましたけど、多分自分には合わなかったのでしょう。だから、この映画を観るな! とか過激なことは言いません。
私の映画観に近い人はオススメできません笑 多分、テンポが悪くて重複したシーンが多い映画は、私ダメなんだと思います。
でも、日本人は大体好きみたいなんで、観に行く価値はあると思いますよ。
基本的には、、、オススメです!!!