はい、こんばんは!
Machinakaです。
今回批評する映画はこちら
「ディストラクション・ベイビーズ」
はい、柳楽優弥くん主演の映画です。久しぶりの映画だと思ったら、こんな役に当たるなんて、、、
「ディストラクション・ベイビーズ」の意味ですけど、「ディストラクション」は「気晴らし」という意味です。
つまり、「気晴らしの赤ちゃんたち」
・・・良く意味が分かりませんね笑
おそらく、ベイビーズは「未成年」って意味なんだと思いますよ。
あらすじ
柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎ら若手実力派キャストが集結し、愛媛県松山市を舞台に若者たちの欲望と狂気を描いた青春群像劇。「イエローキッド」「NINIFUNI」などで世界的注目を集める新鋭・真利子哲也監督が商業映画デビューを果たし、「桐島、部活やめるってよ」の喜安浩平が共同脚本を担当。愛媛の小さな港町・三津浜の造船所で暮らす泰良と弟の将太。いつもケンカばかりしている泰良は、ある日突然、町から姿を消し、松山の中心街で強そうな相手を見つけてはケンカを売るようになる。そんなある日、裕也という青年から声を掛けられた泰良は、裕也と一緒に通行人に無差別に暴行を加え、車を強奪。その車に乗りあわせていた少女・那奈も巻き込んで松山市外へと向かう。
あらすじの文字を見てもわかるのですが、かなり暴力的な映画です。地方の高校生や若者を舞台として、喧嘩ばかり続ける泰良(柳楽優弥)を軸にストーリーは進んでいきます。
キャストは柳楽優弥くん、菅田将暉くん、小松菜奈ちゃんと、現代の日本映画を牽引する若手俳優たち。
そして監督は真利子哲也監督、初めて拝見する方です。それもそのはず、商業映画はこれが初めてなんです。東京都出身だそう。
東京芸大の修士課程まで進み、修了作品の「イエローキッド」で第1回ビバリーヒルズ映画祭ジャパン長編部門でグランプリを獲得。
今期待の新人映画監督です。
さて、映画の感想は、、、?
映画の感想
地方の若者の破壊衝動を捉えていて、とっても面白かったです!!
思ったより暴力的で、柳楽くんは殴りまくるし殴られまくる。血糊だと分かっていても、痛さが伝わってきました。また、直接的な暴力ではなく、言葉の暴力も凄いです。よく2chなんかで「基地外」って隠語で使われてる単語も、平気で使われたりします。テレビだと放送禁止用語として自主規制されているので、滅多に聞けない単語でしたねぇ。
暴力表現マシマシで、人によっては嫌いな映画になるかもしれませんが、地方出身者の私にとっては、非常にリアルな映画でもありました。あそこまでオープンに喧嘩してた人はいないですけど、柳楽くんみたいな危ない人はいっぱいいたので笑
東京やその他の大都市に住んでる方はあまり実感わかないと思いますけど、田舎だと「アイツには手を出すな」的な危ない人がいるんですよ。特に中高生の頃は、よく噂なんかになったりして。
だから、柳楽くんみたいな粗暴で何考えてるか分かんない人って、結構居るんですよねぇ笑
あとは、かなり笑えるシーンも入っていたので良かったです。いわゆる「ヤバい奴」の柳楽くんが奇人変人っぷりに爆笑してしまいました。
一方で、ヒョロくて及び腰の菅田将暉くんが、柳楽くんと対峙するシーンも最高で、菅田将暉至上で一番のヘタレっぷりが見れるんではないでしょうか。
確かに、ヒョロいし喧嘩弱そうだもんなぁ、、、
ただしツッコミポイントも多数
まだ若い監督ですから、色々ツッコミポイントはありましたね。特に脚本。
ネタバレでもないと思うんですが、この映画って青春暴力映画なのに、結構人が死ぬんですね、しかも簡単に。
あまりにも「死」の扱い方が酷いんですよ。。
ちょっとネタバレになるので、ここからご注意を!!!
以下、ネタバレ
結構主要キャラも死んでいったりするんですけど、死んでもキャラクターが何も変化しないんですよね。
柳楽くんは「サイコパス」なんで、通常の精神状態じゃないとして、、、。
須田くんも、小松菜奈ちゃんも、人を殺しても何も心情の変化がないんですよ。
18歳や19歳で、身近に人が死ぬだけでもショックなのに、自分が加害者になって人を殺したら、頭の中の何かが壊れませんか?
セリフで須田くんが「捕まったらゲームオーバーや!」「お前経験値ナンボや!」って言ってるんですけど、まさしくゲームのように人が死んでいっても、主人公たちは何も感じてないんですよ。
映画だし、フィクションだし、人が死んでも本当に死ぬわけじゃない。だけど、映画で「死」に対する扱い方がゲーム的だと、萎えちゃいますよ。。。
あとはねぇ、なんたって小松菜奈だよ!
二人も人を殺しておいて、「女の涙は武器」と言わんばかりに泣きじゃくって、刑事に被害者アピールをする。それで話は終わっちゃうんだよ! これってあまりにも記号的な女性像だし、前時代的。本当に恋愛したことあんのかって思っちゃう。
この描写は女性の方、イラっとした方多いんじゃないでしょうか?
人を殺しても何の罪にもならなくていいのか?
佐藤浩市にマジギレされるぞ!!
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以上、ネタバレ
あとは、愛媛の中心部で喧嘩してるのに、警察が全く来ないっていう、あまりにも「都合の良い治安づくり」にもイラってくるものはありました。東京出身だから分からないかもしれないけど、警察呼んだら東京並みに早いよ。ってか、みんな周囲の変化に敏感だからすぐに警察に通報するよ!
柳楽くんと須田くんの暴力を際立たせようとして脚本が都合をつけたみたいな、そんな計算をしているようにしか見えませんでした。
別に警察が弱い世界を作ってもいいんですけど、それはそれでリアリティラインが下がるからね。
柳楽くん主人公でよかった
彼の映画を全て見ているわけではありませんが、柳楽くんって普通の人とは違う「サイコ」感みたいなものが漂ってるんですよねぇー。
デビュー作の「誰も知らない」では華々しいデビューを飾ったものの、その後は体調不良で仕事ができなかったり、精神安定剤を飲みすぎて病院に運ばれたり、色々苦労してる人なんですよね。
NHKドラマの「まれ」では、フラフラしてるけど頭は良くて、何を考えてるか分からない不思議な人を演じてたり
もちろん、超イケメンだし主人公キャラでもいいんですけど、やっぱ彼って白より「黒の服」が似合うんですよねー。
心の奥に闇があるっていうか、どこか謎めいてる感があるんですよね。敵か味方なら、間違いなく敵役の方がしっくりくると思います。
ただ、この映画にはピッタリな人だと思いますね。かなりサイコ感出してましたよ!
類似している映画や漫画
全体的にネタバレなんで、ご注意を!!
エンディングで柳楽優弥くんが、頭を坊主にしてサングラスを掛け、警察に立ち向かうシーンがありますよね。彼が初めてチンピラではなく「政府の組織」に立ち向かいます。
あれは間違いなく、タクシードライバーのエンディングのロバート・デニーロを模倣してますよ!!
坊主で頭を丸めて、組織に立ち向かっていく姿、タクシードライバーだ!と思ってしまいましたが、皆さんは如何でしょう?
また、柳楽くんと菅田将暉くんが車を盗んで、小松菜奈ちゃんを拉致するシーン。そして須田くんが小松菜奈ちゃんをやっちゃうシーン。
気が狂った若者二人が女を拉致して車を運転する。これって「ザ・ワールド・イズ・マイン」じゃないですか!!
この漫画は、若者二人が「世界を潰す」という大きすぎる目標を掲げて、悪事の数々をこなしていく青春暴力モノの映画です。