まえがき
はい、こんにちは。Machinakaです。
今日批評するのはこの映画
「進撃の巨人 エンドオブワールド」
©進撃の巨人製作委員会
はい。では始めていきます。
いつも私のブログ観てる人は分かると思うけどね、もうね、凹みすぎて顔文字も写真も使う気力もないですよ。やたら馬鹿デカい文字で彩ることもしないですよ。何故なら私の心はいま、灰色だから。読者のみなさん、申し訳ないですね。できるだけ行間を空けて読みやすくしますからね。。。。
さて、前作はなんだかんだ楽しめた進撃の巨人。今の邦画であの残虐描写。PG-12指定の限界に挑戦した、とも言える作品でした。
前作の批評はこちらです。
www.machinaka-movie-review.com
「進撃の巨人 エンドオブワールド」
今回の感想を2文字で言います。
最悪
はい。もう全てこの言葉に集約されます。
全体の感想
何もカタルシスがない。
人間が巨人になるシーンも。
巨人を倒すシーンも。
エレンとミカサ、そしてシキシマの人間ドラマも。
言い換えると見せ場のシーンがことごく感動しない。心が動かされない。
フィギュアスケートで例えるならば、全てのジャンプに失敗して転んでる感じ。
私が「これは面白い映画だ」と感じる基準は、カタルシスがあるかないかです。
映画を観る環境・条件は最高でした。IMAXスクリーンのプレミアムシートにて、公開初日で興奮しながら劇場に足を踏み入れる。迷惑な観客はおらず、機材トラブルもなく、自分と映画がじっくり向き合えるチャンスがあった。もちろん、劇中に寝ることはなかったし真剣に鑑賞した。
しかし、それでもつまらなかった。これは言い訳のしようがない。
以下にダメだったところを箇条書きにします。
全体の感想
開始10秒で駄作と感じてしまった、超長尺の予習シーン。
本編開始直後のシーン。それはどんな映画でも非常に重要なシーン。観客の第一印象が決定づけられる。そんな中、今作は
「前作観てなかった人も大丈夫、これで復習して本編に臨めるよ! どう、俺たち優しいでしょ?」
と言いたくなるようなながーーーーーーーーーーーーーーーーーーい、前作の映像を使いまわした総集編が流れてきます。1分半程度だったかもしれませんが、私の体感時間的には5分くらいずっと前作の使い回しの映像を見せられたのです。
ボルテージ最高潮で続きを見に来たのに、そんな超々蛇足な過剰説明描写を、映画で、Motion pictureでされるなんて。
そりゃ勃つものも勃たんわ。
この瞬間、「あぁ、つまんねぇから早く新しい映像見せろ!」とイライラしてしまいました。分かります?映画の冒頭でつまらないと感じてしまったんですよ。こんな映画に、もう未来がないことなんて分かるじゃないですか?
過剰な説明描写はこの後の批評でも出てきます。そう、この映画をつまらなくした一番の原因は、過剰な説明描写です。
伏線回収の演出は誰がやった!? スーパーダサダサ演出に完全にノックアウト
巨人を倒すために、様々な伏線が散りばめられている。映画として見せる以上は、伏線を張ったら必ず回収するシーンがある。
邦画の特徴かもしれませんが、今作の伏線回収シーンは、、、、
最悪
この一言です。もしかしたら、NHKドラマ「まれ」に匹敵するかもしれません。
なにせ、キャラクターが伏線を思い出すシーンを
過去の映像をもう一回出し、行動に移るのです。
はいでました、また過去の映像使いたがり症候群です。
ハッキリ言いますが、伏線の回収シーンっていう体で説明しているけど、、、、
こんなの、伏線回収シーンでもなんでもねぇからな!! ただの過去映像の振り返りだ!
何故なら、伏線回収シーンには観客があっと驚く様な衝撃や感動がないと成立しません。しかし、今回はその感動がない。
面白くないんだよなぁー、これが。一番つまらないと思ったのはエレン(巨人)とシキシマ(巨人になります)の対決シーン。シキシマを仕留めるときに、秀才アルミン(本郷奏多)がシキシマを倒すための秘技を思いつきます。
そこで伏線回収シーンが流れるのですが、それも過去映像の使い回し。
特撮映画にあってはならないシーン
シキシマが巨人に変身するとき、これがつまらなかった。
特撮映画なら一番の見せ場ともいうべき、普通の人間からの変身シーン。
前作の三浦春馬の変身シーンは別。あれはよかった。しかしシキシマのシーンは別。
なんせ、変身のシーンで全体の映像、決めポーズがないのです。三浦春馬の場合は、ミカサ・アルミン・同僚を救うために、自分を奮い立たせるために力いっぱい咆哮する。自分が頑張らないとみんな死ぬ。そんな責任と巨人への憎しみを、その咆哮に込めたのです。そういうメッセージ性があるから観客は興奮するのです。
し・か・し、シキシマにはそんなメッセージ性がない。ただ唐突に変身したにすぎないのです。私が観る限り、シキシマが変身できるという伏線もあるわけではないし、、、、これは、、、、、
特撮の一番の見せ場、巨人VS巨人がやりたいからシキシマを変身させたのでは!? もしそうだったら、超ご都合主義ですよ、もうシキシマは何でもありになっちゃったよ!
もうこれで萎えました。萎え萎えです。
ただ、これについては監督の樋口さんに一番の責任を感じてもらうしかない。脚本を担当した町山智浩さんに、私はずいぶん肩入れをしているので言わせてもらうが、今回は脚本の改変が酷かった。
町山さんは普段はアメリカカリフォルニア州在住の映画評論家が本業。
しかし、映画の撮影は長崎県の軍艦島。
町山さんは1度も撮影に立ち会えなかったそう。アメリカに住んでいる人にお願いするのも元々無理があったのかもしれない。
町山さんは適宜映像をチェックし、脚本と大きく変更があるのは修正するように要望を出していたが、樋口監督はそれに応じることは少なかったみたい。
例えば、、、
「前作:後半での武田梨奈と渡辺秀のバカップルイチャつきシーン」では、
↓
町山脚本「抱き合っている」⇔樋口「抱き合ってからのー、キスしてからのー、S◯X!!」
前作:後半での巨人に見つからないように静かに喋らないといけないことを、普通に大きな声で会話&三浦春馬の暴走「おおおおおおおー!!!!」では、
↓
町山脚本「(シーン中はすべてささやき声で)」⇔樋口「わかりました、ウィスパーにしておきますー。⇒結局直ってない。」
<三浦春馬の暴走については、樋口監督は「劇団☆新感線」と仲が良いらしく、三浦春馬も同劇団で稽古をした経験がある。
劇映画の世界に演劇の演出を持ってきたのかが原因ではないかと、町山氏は語る(って語るくらいなら止めてくれ!!!)
今作:シキシマがエレンを連れ出し、白い妙な世界で過去の歴史を知らされる 町山脚本「実は地上は反乱軍によって全て監視されている。
↓
これを見せたいので大量のモニターを見せましょう」⇔樋口「APPLE TV一台で。」
< 参考文献 宝島社「映画秘宝」, pp.82-85, 2015年11月>
樋口監督、この罪は重いですよ。いくら町山さんがアメリカに住んでてこれないからって、大きく改変し過ぎかと。
今時の邦画で特撮映画を頑張って撮っているのは尊敬します。自分のやりたいことを貫き通し、映画に反映させること。これは名画である条件かとも思います。
しかし今回はダメ。だってこれだけダメな理由があるんだもの。まだご覧になってないみなさん、ハッキリ言って、、、、できません!!!!
明日はアントマンで、今日ついた傷を癒やしてもらってきます。
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