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映画「黄金のアデーレ」ネタバレあり感想解説と評価 絵画が単なる美術品でなくなる瞬間 ミケランジェロプロジェクトとはまた一味違う!

 
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この記事では、「黄金のアデーレ」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次

まえがき

 

 

今回批評するのはこちらの映画

 

「黄金のアデーレ」

 

黄金のアデーレ 名画の帰還(字幕版)

黄金のアデーレ 名画の帰還(字幕版)

  • 発売日: 2016/05/27
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

はい、ミケランジェロ・プロジェクトに引き続き「戦争×美術」モノの映画でございます!

 

まずは予告編をどうぞ

 


黄金のアデーレ 名画の帰還 予告編


黄金のアデーレ 名画の帰還 予告編

 

 

映画のみどころ

年齢なんて関係なく、とても美しいヘレンミレンさん!

  

主役はヘレン・ミレンさん。イギリスのベテラン女優です

 

なんと今年で70歳!! そうは見えませんよねー。女優さんだから? 若作りしてるから? いえいえ、もう画像から魅力的な女性のオーラが出ているではありませんか!! 

 

なんと、偶然にも日本の大女優、吉永小百合さんと同じ年齢だそう。

 

吉永さんといえば、二宮君との共演が話題になっている、明日公開の「母と暮らせば」での主演を控えています。

 

同じ70歳ベテラン女優での熱い女の戦いが、映画館で繰り広げられるのです(勝手なこといって、すいません)

 

 

 

いやぁ、70歳といえば立派な「おばあちゃん」という印象ですが、間違いなくこの二人は「美しい女性」ですよね、というかMachinaka的には女の子ですよね!!

 

そこらへんの若いだけの女の子より、ずっと「女子力」高いです! 間違いない!!

 

 

さて、ヘレンミレンさんですが、2006年のQueenにてエリザベス2世を演じ、アカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

 

彼女のキャリアからいくと非常に遅咲きだと思うのですが、息の長い大器晩成型の女優さんともいえます。申し訳ないのですが本作を見ていないので、お正月を機に鑑賞してみたいと思います。

 

 

類似したテーマを扱う「ミケランジェロ・プロジェクト」の相違点とは?

美術品奪還と戦争を描く本作は、ジョージクルーニーがフルコントロールした映画「ミケランジェロ・プロジェクト / The Monuments men」と類似しています。日本的には公開時期がほぼ同じだったので、「また似たような映画が、、」とお感じの方もいらっしゃるかもしれません。

 

ミケランジェロ・プロジェクトに関してはこちらのブログでも取り上げておりますので是非ご一読ください。

 

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

以下、簡潔に比較してみます

 

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米国では公開時期が1年ずれまして、ミケランジェロ・プロジェクト」の方が早いですね。しかし日本では公開時期がほぼ同じです。

 

ミケランジェロ・プロジェクトは”大人の事情”で公開時期が大変遅れたというのは有名な話です。敗戦国ドイツに対する美術品の奪還というテーマが、同じく多くの占領地から美術品を奪取した(と言われている)日本に何か影響するのではないか? という懸念が権力者に知れ渡ってしまってこんな結果になった、、との噂まであります。果たしてどこまで本当かウソかわかりませんが。

 

ただ、Machinaka的には公開時期がここまで同じなのは、配給会社の都合ではなく「公開の許可権限者」側の都合によるものだと感じてしまうのです。

 

だって、同じジャンルを同時期に被せたくないでしょ!? ドラえもんとクレヨンしんちゃんは毎年時期を「ずらしてる」よね! ポケモンと妖怪ウォッチも「ずらしてる」よね!

 

真実は謎のままですが、何か知ってる方、コメントください笑

 

さて、映画の内容ですけども、アデーレは主演がヘレンミレンで、戦後の1990年代を描いています。美術品が奪取されてから、すでに約50年経過していることになります。美術品の持ち主である叔母も亡くなっており、テーマになった黄金のアデーレ絵画は叔母をモデルにしたということですから、ミケランジェロ・プロジェクトに比べて非常に個人的な心情が込められた映画だといえます。

 

ミケランジェロ・プロジェクトはジョージクルーニー率いる、おじいさん学者たちが主演ですし、美術品奪還の目的は学術的な意味合いが大きいです。

 

以上を踏まえると、黄金のアデーレは「叔母への想い、戦争体験のトラウマの清算を美術品奪還に置き換えた感動作

 

ミケランジェロ・プロジェクトは「第二次大戦中の隠された重大ミッションをコミカルに描いた偉人伝映画」

 

 

映画の感想

ミケランジェロ・プロジェクトとは違い、マリア(ヘレンミレン)個人の生い立ちや戦争のトラウマに重きが置かれています。

そして何より重要なキーは絵画ー黄金のアデーレとマリアの関係

 

叔母を助けられなかった後悔の念が、オーストリアから奪還できない絵画と重なって、映画表現的に非常に巧い作りとなっています。

 

戦争から50年経っても、かつて自分が殺されかけた土地を訪ねるのには耐え難いものがある。それを観客にも実感させるために、マリアの過去回想シーンが多用されます。回想シーンといっても、上映時間の半分は過去のナチス占領地時代の話です。

 

そういったトラウマを抱えるマリアは、美術品奪還に対して葛藤します。当時の戦争を知らない弁護士ランドルは、自らの正義感を彼女に押し付けて何度も衝突する。これも戦争を経験しているかしていないかの心身ストレスの違いを強調させるため、マリアの戦争体験の辛さが引き立つのです。

 

 

裁判の結末はネタバレになるので書きませんが、エンディングシーンは強烈な感動を私に与えてくれました。

 

大事なことはセリフで伝えず、あくまでも映画的表現(映像・音楽)で伝える。その重要性が、私の体に染みわたってきました。言いたくても、言えない!

 

 

というわけで、ミケランジェロ・プロジェクトより数段上手だった映画でした。

 

 

お勧めです!!!!

 

 

 

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