まえがき
「母と暮らせば」
さて、日本の現存する映画監督で最も有名な、山田洋次監督の最新作となっております。
説明するまでもありませんが、「男はつらいよ」や「学校」シリーズで大変有名な方です。「たそがれ清兵衛」ではアカデミー賞外国映画賞にノミネートされております。
主役は吉永小百合さん、嵐の二宮和也さんです。
起きてしまった、大事件
二宮君が主演をしているということもあり、上映前から大変話題となりました。
特に舞台挨拶のチケット争奪は熾烈を極めたらしく、もしかしたらスターウォーズのチケットより入手が大変かもしれません。
そこで気になる話題をひとつ
サイゾーウーマンさんの記事です。
まぁ、とんでもないニュースです。これを見たとき、非常に悲しくなりました。映画は二の次で好きなファンを追いかけていればそれでいいのか、と。
そういうことをして一番悲しむのは二宮さんを初めとした映画スタッフなのに。そしてプロの俳優として活動されてる二宮さんが、自分のファンのせいで映画に泥を塗られることをどう感じるでしょうか。 おそらく相当な責任を感じてらっしゃるはずです。
ましてや山田洋次監督、吉永小百合さん共演という、現行の日本映画で最高級のブランド力を持つ映画です。
とはいえ、これを機に多くの方が映画館にお金を落としてくれたことは事実。嵐ファンの方がどれだけ映画館を訪れるかわかりませんが、今年が初めて、という方も大勢いらっしゃるかもしれませんね。
映画ファンとしては、映画館が少しでも潤って、設備が整ったり公開映画が増えてくれればこれほどうれしいことはありません。そういう意味では、二宮さんのファンには感謝の面もある、というのが、100歩譲った考えです。
一番いい方法は何なのかというと、やはり一般ファンとの住み分けが必要だと思うんです。
舞台挨拶のライブビューイングにも多くの観客が詰め寄ったのですから、その日の午前中だけシアターを増やしてライブビューイング専用席を多く作って、一般観客は午後から見ていただくとか。二宮さんのファンと一般ファンがお互い楽しく作品を堪能できるようにできたらいいですね。
映画館の方、頑張ってください!
観客はみんな嵐ファン、、、と思いきや、、、
さて、私は舞台挨拶を避けて鑑賞したのですが、観客の方はどこを見ても高齢者ばかり、、、、 一組嵐ファンのご家族がいらっしゃったぐらいですかね。公開初日にも関わらず、ガラガラでした。
私はIMAXを除いてシアターの最前列付近(B・C席)の真ん中に座るようにしているのですが、私の席の二個隣にご婦人が座っていたのがとても印象的でした。 私とそのご婦人以外前の席にはだれもいませんでしたから、ちょっと不思議にも感じつつ、珍しい映画体験ができました笑
映画の特徴
故・井上ひさしさんが書こうとしていた小説「母と暮らせば」の映画作品。原作といっても、タイトルと舞台設定のみで、具体的なストーリーは元々書かれていませんでした。そのため山田洋次監督と共同脚本家が書き上げたみたいです。
芝居は、とにかく二宮さんが目立つ目立つ!!!
渡る世間は鬼ばかりのえなり氏も驚きの超長尺のワンカットセリフ回しは、非常に印象に残りました。 原爆で亡くなっているのに非常に楽観的で、ひょうひょうとしているキャラ設定は山田洋次監督の作風が影響しているのでしょうね。
基本的には自宅での吉永小百合さんとの会話が8割を占め、特殊な演出も一切なし。俳優の演技力が問われます。また、アメリカ映画のテンポいいストーリー運びや日本映画の過剰説明描写&くどい演出に慣れていると、かなり違和感を感じるのではないでしょうか。
映画の感想
「感動作」との呼び声高しでしたが、私はそこまで感情移入できませんでした。
ただし、高齢者の観客には効果バツグンのようで、終始おえつを漏らしていた(もしくは咳か)ご老人や、ウンウンと頷きながら泣きじゃくるご婦人が大勢いらっしゃいました。
俺は場違いか? と若干の違和感を感じつつ、考察をいくつか挙げまーす。
良い点
・史実に基づいて厳密に戦時中の生活を描いた。特に「食べ物」を使って時期や心理を説明する描写は圧巻。
・控え目ながらも強烈な演出。厚生省の復員局にて職員の小林念持の左腕のみで見せる戦争の爪痕。これには血の気が引いた。
悪い点
・CG演出がとにかく下手。興ざめするシーンが多々あり。特にエンドクレジットに入る直前のシーンは、、、、超安っぽいしなんか無難にまとめた感じ。
・二宮さんがどうしても吉永小百合さんの死神にしか見えない。なので感動というか、絶望感しか感じない。。。
以上、人を選ぶ映画かもしれません。
そして、感動作とうたっていますが、、、、
私は感動しませんでした!!!
高齢者の方には、、、、おすすめ、、、
なのかもしれません!!(観客の反応より)