Machinakaの日記

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映画「パディントン2」ネタバレあり感想解説 家族で見るべき映画No.1シンメトリー画面の理由は?

 

 

 

 

こんばんは!

 

Machinakaです! 

 

今回ご紹介する映画はこちら!!

 

 

「パディントン2」

 

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2018年が始まってまだ一ヶ月も経ってないのに、

 

またまたまたまたまた、、、

 

またしても今年ベストが来てしまった!!!!

 

一体どうなってしまったんだ!? 俺にとって今年ベストとは何なんだ!?

 

間違いなく、映画人生の中で最高の1月を迎えている!! 

 

これほど幸せなことってないぜ!!!!

 

 

ということで、「パディントン2」批評、いってみよー!!

 

 

 

 

[あらすじ]

 

 

・1958年に第1作が出版されて以降、世界40カ国以上で翻訳され、3500万部以上を売り上げるイギリスの児童文学「パディントン」シリーズの実写映画化第2弾。

・ペルーのジャングルの奥地からはるばるイギリスのロンドンへやってきた、真っ赤な帽子をかぶった小さな熊のパディントン。親切なブラウンさん一家とウィンザーガーデンで幸せに暮らし、今ではコミュニティの人気者だ。

・大好きなルーシーおばさんの100歳の誕生日プレゼントを探していたパディントンは、グルーバーさんの骨董品屋でロンドンの街並みを再現した飛び出す絵本を見つけ、絵本を買うためパディントンは窓ふきなど人生初めてのアルバイトに精を出していた。

・しかしある日、その絵本が何者かに盗まれてしまう事件が発生し、警察の手違いでパディントンが逮捕されてしまい……。イギリスの人気俳優ヒュー・グラントが、新たな敵役フェリックス・ブキャナンを演じる。

http://eiga.com/movie/85858/

 

 

 

 

 

「パディントン1」の記事はこちら!

 

 

もうね、1から大好きだったこの映画。

 

1からどれだけ待ったことか、、、と言っても前作の公開からちょうど2年くらいなんですよね。

 

イギリスの児童文学=絵本が原作で映画化したこのパディントン。

 

俳優もスタッフも原作もイギリス。そして配給はStudio Canal、、、ってことで非常にヨーロッパ色が強い、イギリス色が強い映画となっております。

 

児童文学でクマさんが主人公ということで、子供向けに作られている気がするんですけど、、、

 

必ずしも子供むけじゃなく、大人にも老人にも、どんな人に見せてれも必ず「面白い!」って言ってくれる作品だと思います。

 

もうたまらない。。。いいよね大好き愛してる!!!!

 

 

児童文学の時は繊細な鉛筆のタッチと水彩画のような薄くて淡い色使いの画だったのに、可愛かったのに、、、

 

映画ではパディントンのリアクションが激しく、とにかく強調されたギャグ表現や食事の描写、、、

 

そして、歯磨きブラシで耳を洗うという、非常に清潔感のないパディントンを堂々と描くこの度胸、、、、

 

児童文学の時とは一線を画す、極めてポップでド派手なキャラクターになっているのがパディントン!

 

まるでユニバーサルのアニメのような激しいギャグ描写にずーと笑っぱなしなのが、パディントンの魅力なわけです。。。

清潔感がないって言っちゃいましたが、それが今作ではギャグになってるわけです。

 

画面の画作り的に似ている作品はですね、スピルバーグ監督の「BFGビッグフレンドリージャイアント」が似ていますかね、、、

 

 

 

 

 

予告を見る限り、今作もギャグが満載なようで、見る前から非常に楽しみにしておりました。。

 

ただ、最後は家族の絆を確かめてホロっとくる感動ものにもなっているのが、素晴らしい。。。イギリスにとって、いや全人類にとって異端者である喋るクマ=パディントンを巡って、人権とは何か?差別とは何か? について語っているのも、移民大国のイギリスの社会を反映しているようで深みがある内容にもなっております、、、、

 

って既に2の解説をしちゃってるじゃねぇかw

はい、お待たせしました!

 

 

それでは映画の感想でっす!!

 

 

 

[映画の感想]

 

 

今年ベスト超えて人生ベスト級!!!

 

テンポ良すぎて1秒たりとも無駄のない104分のワンダーランド!! 

 

今度はインチキ・ヒューグラントを相手に絵本を巡ったケイパーアクションムービーに!!!

 

ギャグも前回に比べてマシマシ!!

 

アクションもマシマシ!!

 

そして、前作にもあった美しい赤の描写、お母さんの赤を基調としたファッションセンスに感動!! ソファ、壁、郵便ポスト、建物、、、

 

周りを囲む赤の美しさ、、、非常に統一された色づかいに、2回泣いてしまった、、、、

 

そして、刑務所とピンクのコンビネーションはウェスアンダーソン監督「グランド・ブダペスト・ホテル」を彷彿とさせる素晴らしい画作り、、、製作陣絶対に、グランドブダペスト見てるよねww

 

ウェスと言えばシンメトリーな画面作り!今作もシンメトリー構図がバリバリにキマっていて、、、これでも感動して号泣。。。

 

ストーリーじゃなく映像で泣くって、俺、どういう神経してるんだww

 

 

いやぁ、、、この映画ね、本当に周りの評価も高くて、、、

 

アメリカの王手批評サイト「Rotten Tomatoes」では例題最高の得点をたたき出している、とのこと。

 

ちょっと待って!今までの歴代映画の中で最高得点なんだよ!?

 

スターウォーズも、タイタニックも、ロッキーも、、、色んな名作がある中で1位だよ!?

 

ただ、映画を見たから言えるけど、歴代最高得点を叩き出すのも納得です。

 

笑いがあって、驚きがあって、感動があって、1本の映画でどれだけの感情が動かされたか、、、、

 

今回の物語はですね、極めて単純なプロットで物語は進むんですよね。

 

それは「祖母へのプレゼントを巡る物語」。

 

今回は飛び出す絵本を巡ってパディントンチームとヒュー・グラントが対決するのです。いや、それだけなんですよw

 

 

でも、絵本を手に入れるまでの過程がきっちり描かれていて、意外と論理的である点も評価すべきです。

 

努力して手に入れた絵本を、ヒュー・グラントは奪ってしまう。パディントンは絵本を盗んだ濡れ衣を着させられて、裁判をするんですけど、、、、

 

この裁判のシーンがとても変でね、、裁判って中立公平なはずなのに、周りはヒューグラントに既に肩入れしていて、パディントンは何も立証できないまま、負けてしまうのですよね。

 

イギリスの裁判って原告側じゃなく被告側が真実を立証しなきゃいけないんですよね。イギリス映画の「否定と肯定」でもあったと思いますが

 

 

 

 

 

訴えられたパディントンが立証しなきゃいけないんですけど、裁判官はヒューグラントの言うことばかり聴いている。。。

 

これね、私の完全な妄想ですけど、パディントンを象徴として人種差別とかのメタファーを描いているんじゃないかと思いました。パディントンはまだまだイギリスでも異物中の異物で、彼を肯定している人は自宅の半径50メートルくらいですよ。

 

今作の特徴なんですけどね、パディントンが孤立し、差別される描写がすごく多いんですよね。楽しいだけの物語じゃないんですよ。パディントンは主役だけど、周りは全員イギリス人で、パディントンと身分を区別しようとするんですよね。

 

刑務所に入れられたパディントン。普通なら人生のどん底になってしまう、暗い画作りになってしまうはずが、、、ピンクを基調とした画作りになって、汚い刑務所が可愛くなる! 

 

どんな辛いことがあっても、終始底抜けに明るいパディントンにほっこりして、笑って、和んでしまうのでした。。

 

そして、刑務所に入れられ、色々苦労したパディントンは絵本を手に入れることが出来るのでしょうか?

 

うん、ラストはですね、言えませんけども笑

 

皆さんが期待している結末とは、少し違う内容になってますよ、多分。。。

 

やはりね、お婆ちゃんにとって最高のプレゼントは何か、を考えることですよ。お婆ちゃんが人生の中で、貰って一番嬉しかったプレゼント、ギフトは何なのか、、、、

 

うん、思い出しただけで泣けます!! とにかく、ラストは家族みんな見るのに向いている!!! ほっこり暖かい、そして切れ味鋭い素晴らしいラストになっておりましたっ!!!

 

 

また、今作の特徴は声を出して笑いたくなる圧倒的なギャグ!!

 

銀魂を彷彿とさせるようなあの理髪店での一連のギャグ、、お父さんのヨガネタ、、刑務所でパディントンが犯した重大犯罪?、、、どれもこれも映画的な笑いの撮り方で非常に非常に面白い!!!! パディントンはいたって真面目で、相手のためを思っての行為が全て裏目に出て失敗し、それが笑いになってしまう。

 

 

というわけで、もう説明不要でしょう。。

 

見るべき!!見るべき!!!

 

誰もが幸せになる映画でございます!!!! 

 

 

 

 

 

[美しい赤のファンタジー]

 

はい、あとは映画ファン向けの考察をしたいと思います。

 

テンポよし、ギャグよし、ストーリーよし、のパディントンですけど、一番評価すべきなのは色調なんですよ!!!

 

私が毎回言ってることなんですが、、映画を見るときは「色」を見ろ!と。

 

現実にはありえない画作りをする美しい映画。美しい映像には、必ず戦略的な「色」づかいがされている。色の統一感にノックアウトして欲しいんですよ。

 

ということで、久しぶりに書く「色で見る映画」の考察をしますね、、、

 

映画ブロガー界のパディントン(体型でなく、心)、ことモンキーさんにも考察が読みたいって言われてましたもんね。。お待たせしましたっ!久しぶりに読み解いてみますよ!!

 

 

パディントンには必ず「赤」の色が入るんですよね。パディントンの帽子もそうですが、特筆すべきは部屋の「赤」

 

階段が赤塗りになっていて、画面の大半を赤が占める素敵な絵作り。パディントンのコートが青で、赤と補色関係にあって、より赤と青が強調される作りになっている。。。

 

 

Paddington-movie-red-bedroom-headboard.jpg

 

 

もっと凄いのはパディントンのお母さん。服も赤、壁も赤、ベッドも赤、、この人は全て赤なんですよ。。

 

 

Paddington-movie-red-bedroom-headboard.jpg

 

 

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パディントンの家族も家もみんな赤色で塗られているんですyね。これが実に素晴らしい。。。

 

これですね、カラーピッカーで調べたんですけど、主に「赤べに」や「えんじ」という赤が使われてるんですよね。

 

 

http://pluscolorn.sub.jp/rgbseachtest.php

 

 

えんじ色とは、「黒みを帯びた深く艶やかな紅色」という色で、赤の割に目立ったり派手になったりしない、とても落ち着いて高級感がある色なわけですよ。

 

だから、画面いっぱいに出てきても目立たないし、まとまりがある絵作りができるんですよねぇ、、、

 

 

 

そして一方で、パディントンの宿敵、ヒュー・グラントの部屋を見てくださいよ!!

 

 

 

 

 

 

 

全部部屋が緑色でできている!!!

 

もうお判りかもしれませんが、パディントンの赤に対して敵は緑色をしている。色で敵か味方を判別できる作りにしているんですよね。

 

あと、パディントンの邪魔をする、パディントンの近所に住んでる元警官のおじいちゃんがいるじゃないですか!?

 

あいつも全身緑のパジャマ着てますからね!!!

 

つまり、この映画ではパディントンは赤、敵は緑と分かりやすい対峙を示しているのですよ!!

 

ね、わかったよねこの色使い、、たまらんですよ!!!!

 

 

 

[ウェスアンダーソン的描写]

 

さて、多くの方が気付いてるかもしれませんが、今作はウェスアンダーソン監督の作風と非常に近いと感じました。

 

予告編でこのシーンが映った時

 

 

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画面に中心線を引くと左右対称になるシンメトリーな構図、ポップなピンクの色使い、、、、そして濡れ衣を着せられて刑務所に行く、、、

 

どう考えてもグランドブダペストホテル!!!

 

 

 

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「グランドブダペストホテル」のオマージュか?

と思うくらい共通点が多すぎる。

 

特に刑務所は似ているところが多かった!

 

 

paddington2_weinstein-1280x600.jpg

 

 

ほら!! 

 

看守服がピンクに変わったのとレイフ・ファインズがクマになったぐらいで、構図は全く同じ!! 

 

 

20140610232207.jpg

 

 

 

フォオオオオオ!!!!! 

 

この一致!この鼓動!この感動!!!!

美しいこの構図、、、感動してるのは私だけですか? 

 

 

 

ちなみにですね、こちらもカラーピッカーを使ってピンク色を調べてみたんですよ。

 

 

 

 

完全な一致とまではいきませんが、こちらも黒みと深みがあるピンク色で、落ち着いてるんですよ。。。違う映画なのに同じ色使ってるんですよ!!

 

もう、この映画の色使いはどうなってるんだ!!

 

ちなみに、この色は「コロニアルローズ」と言って、建物の壁面色に使われているらしいんですよ。壁面でも使われているほど落ち着いた色なんですよね。

 

 

 

 

 

 

[シンメトリー構図の理由は?]

 

グランド・ブダペストホテルとの共通点は分かった。シンメトリーも色も同じ、、、

 

でも、分からないのは「なぜシンメトリーにしたのか」

 

「キングスマン」といいですね、「キューブリック作品」といいですね、イギリス映画って非常にシンメトリーな構図が多いですよね。

 

この画像も、真ん中の通路に線を引いたら、左右対象の画になるの、分かりますか? 囚人の姿勢もシンメトリーですからね

 


で本題。なぜ今作では「シンメトリー」にしたのか。

 

ウェス・アンダーソン監督だと「作家性」ってまとめることができるんですけど、今作はシンメトリーにした理由が分からない。

 

 

が、一つ思いついたことがあります。

それは、今回の「マクガフィン」が大きく関係していると思います。

 

マクガフィンとは、ヒッチコックによる造語で「物語上で登場人物の動機付けや話を進めるもの」を指すんです。今回だと、パディントンがお婆ちゃんにプレゼントしたい「絵本」ですよね。この絵本は、ヒューグラントも欲しがっている。つまり、この絵本がなければ物語が進まないわけなんですよ。

 

 

 

で、この絵本がシンメトリーとどう関係してるかって言うと、、、、

 

 

 

 

この線を引くと分かると思うんですけど、、

そもそも本って両開きにして中心に線を引くとシンメトリーなんですよね。

特に、この飛び出す絵本は船、ロンドンブリッジがシンメトリーになっていて、、、

 

 

つまり、マクガフィンである絵本を巡る物語だからこそ、絵本のシンメトリー構図を再現してるんじゃないか、と思うわけです。まるで絵本を開いてるかのような映画にしたんじゃないでしょうか。。だから色使いもピンクで可愛く!

 

あくまで考察ですので!!

 

 

 

 

 

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