まえがき
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「アントマン&ワスプ クアントマニア」
それでは「アントマン&ワスプ クアントマニア」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・「アベンジャーズ」をはじめとしたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を構成する人気作品のひとつ、「アントマン」のシリーズ第3弾。未知の量子世界に入り込んだアントマンやワスプが、アベンジャーズの新たな脅威となる存在、カーンと遭遇する。
「アベンジャーズ エンドゲーム」では量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、アベンジャーズとサノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。ある時、実験中の事故によりホープや娘のキャシーらとともに量子世界に引きずり込まれてしまったスコットは、誰も到達したことがなかった想像を超えたその世界で、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーンと出会う。
体長1.5センチの世界最小のヒーロー、アントマンことスコット・ラング役にポール・ラッド、アントマンのパートナーとして戦うワスプことホープ・ヴァン・ダイン役のエバンジェリン・リリーをはじめ、マイケル・ダグラス、ミシェル・ファイファーらおなじみのキャストが集結。スコットの愛娘で大人に成長したキャシー役を「ザ・スイッチ」「名探偵ピカチュウ」のキャスリン・ニュートン、謎の男カーンを「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」のジョナサン・メジャースが演じる。シリーズ前2作「アントマン」「アントマン&ワスプ」を手がけたペイトン・リードが今作でもメガホンをとった。
「アントマン&ワスプ クアントマニア」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#アントマンクアントマニア 」
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2023年2月17日
フェイズ5の始まりのためか、フェイズ全体の世界観を説明するために1つの映画が利用された感も。
MCU全体に言えることだが、椅子に座りながら回想や説明をするシーンは退屈で、一つの映画の完成度的には「アントマン」がダントツ。
家族結束の要素が欲しかった。 pic.twitter.com/5aD6Cv8uhM
フェイズ5の命運を託された「新たなる希望」
いんやー、まさかあそこまでスターウォーズ味に溢れていたとは、、、
ひょんなことで量子世界に引き込まれたアントマン一家。
これまでも量子世界の描写はありましたが、「量子世界に住む人々」が描かれたのは今作が初めてではないでしょうか?
しかも、そのどれもがスターウォーズにゆかりがあるもので固められてるんです。
まるでスターウォーズの世界と言わんばかりの様々な容姿や文化を持つキャラクターたちが暮らしていて、宇宙人というか部族が集まっているというか。
要はカンティーナ酒場の世界観ですよ!!
加えて征服者カーンが作った「帝国」はスターウォーズそのもので、俗世とは隔絶された量子世界だからこそ、スターウォーズ味ある世界観を詰め込んだのかもしれません。
これも原作通りなんでしょうか?
ディズニーの政治が働いたのだとしたら、凄く嫌なんですけどw
そんな中、「新たなる希望」を託されたのはアントマンとワスプ、そして娘キャシーでした。戦闘力という点では秀でたものはないですが、ストーリーを動かすのは間違いなくアントマンなんですよね。
そして今回はフェイズ5のキーとなる「時間」を司どるヴィランが登場する。その名はカーン。最強の敵との呼び声も高く、アントマンたちはサノスのようにボコボコにされると思いきや、逆にボコボコにしてしまうとは予想だにしなかったですw
あれだけ強いと噂されていたカーンがアッサリとKO。
エンドロール後には多次元世界のカーンたちが集合して、我々の邪魔をする奴らを倒そうと画策する様子も描かれていますが、、、、正直怖くもなんともないよねww
単純な比較は難しいですが、サノスの方が恐怖感はより伝わったかな・・・
「宇宙を何個も壊してきた」という字面だけ見ても、あまり恐ろしさを感じないんですよね。それよりも「世界の人口を半分にする」というより具体的なジェノサイドの方が恐怖の想像を助長する気がするんですよ。
「アベンジャーズを何度も殺してきた」というセリフもありましたが、実際に殺す画がないんですよね。字面だけでは恐怖や強さは掻き立てられないんですよね。
名手であるペイトン・リードによる狂おしくも愛おしい量子世界は楽しめたんですけど、最強のヴィランと言われるカーンが非常に軽く見えてしまったのは私だけでしょうか。。
ただし、スターウォーズ的な世界観やアクションは楽しめましたし、何よりラストの「アリ地獄」はサイコーでしたねww
シリーズものならではのジレンマも
ただし、新たなヴィランであるカーンを映画に初めて登場させたことで、映画のバランスが少し悪かったようにも感じました。
2時間ある中で、想像以上にカーン視点のシーンや過去の回想が多く、もはや主人公はカーンだったんじゃないかと思うほど。
そりゃ味方側は1と2で登場してたから説明がいらないのは分かるけど、ここまでカーンの情報を出されても、こっちはどうして良いのやら。単に説明過多だなと思ってしまいました。
まぁ、これもフェイズ5の始まりだから仕方ないのでしょうか。カーンという人物を掘り下げておく必要があったのかもしれません。
でも、これによって大きなモノが犠牲になってしまいました。
スコット一家の人間ドラマです。
せっかく家族が一つの量子世界に隔離されてピンチなのに、それによって人間関係に亀裂が入ったり逆に結束が強まったり、そうした人間関係が動くシーンがあまり無かったのが手痛いところです。逆にカーンは人間ドラマめちゃあったんですけどねw
そもそも、量子世界に入るまでがテキトーすぎます。
スコットが買い物から帰ってきて、家族で団らんしてたら急に娘のキャシーが量子世界にハマってるってくだりがあり、そこから急に量子世界へ。。。
なんかテキトーじゃない!?
「スパイダーマンNWH」でも感じたんですけど、とてつもなく危険な世界に入るきっかけが超テキトーな気がするんだよなw
量子世界に入る前に、もう少しスコット一家の関係を深掘りして欲しかったんですよ。
スコット一家こそ、いろいろ語る必要はあるんじゃないですか!?
アントマンは好きだしこれからも応援したいですけど、どうにもこうにもスコット家族全体が好きかと言われると、微妙としか言えませんw
今回はスターウォーズ風味にしたかったせいか、あえて二手に分かれて帝国と戦ってましたけど、最初から一つになって一家団らんを描くこともできたはず。
それに、量子世界に入る前に何か仕掛けをして欲しかった。家族旅行をしてる最中に被害に遭うだとか、キャシーの刑務所の話をもっと膨らませるだとか、いろいろやりようはあったはず。
キャシーが刑務所に行く話、あんな簡単に済ませて良いの!?家族的には大事件じゃないの!?そりゃマイケル・ダグラスからしたら屁でもねぇって感じですけどw
1から見続けてる俺たちからしたら、あんな幼くて純なキャシーが大人になったかと思いきや急に刑務所に連れてかれて、なかなかのショックだよww
カーンの説明に時間を割くあまり、家族の話があまりに少なかったのが残念でしたね。
あとはジャネットのカーンの回想が長すぎる。腕の立つスタッフいくらでもいるんだから、もうちょっと同時並行で「時間を上手く」使ってほしいですわ。
スターウォーズで回想やってましたか? やってないでしょ?
これもシリーズもののジレンマなのでしょうか。。。
まとめ
いろいろ文句は言いましたが、基本的には大満足です!!
今後のフェイズ5に期待!!!!!
93点 / 100点