Machinakaの日記

新作映画の情報・批評を、裏ネタ満載で包み隠さずお届け




映画「FALL フォール」ネタバレあり感想解説と評価 上に登れても前へ進めない人生のジレンマ

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
Twitterもやってます!
 
 
 
この記事では、「FALL フォール」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「FALL フォール」

 
 

(C)2022 FALL MOVIE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

いやぁー、投資をやってる私からしたらホント縁起の悪いタイトルですね!!

 

こないだ爆損しましたけどね!!!! 人生ドン底や!!!!

 

はい、もう映画にかけるしか無いんですよ。たった1900円の投資で10倍100倍のリターンが返ってくるのが映画の良いところなんですよね!

 

これ以上フォールしねぇように、ある意味ゲン担ぎで観に行ったろか!!!!

 

それでは「FALL フォール」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

あらすじ

  
地上600メートルの超高層鉄塔に取り残された2人の若者の運命を描いたサバイバルスリラー。
山でのフリークライミング中に夫を落下事故で亡くしたベッキーは、1年が経った現在も悲しみから立ち直れずにいた。親友ハンターはそんな彼女を元気づけようと新たなクライミング計画を立て、現在は使用されていない超高層テレビ塔に登ることに。2人は老朽化して不安定になった梯子を登り、地上600メートルの頂上へ到達することに成功。しかし梯子が突然崩れ落ち、2人は鉄塔の先端に取り残されてしまう。
「シャザム!」のグレイス・フルトン(グレイス・キャロライン・カリー)とドラマ「マーベル ランナウェイズ」のバージニア・ガードナーが主演を務め、2022年版「スクリーム」のメイソン・グッディング、ドラマ「ウォーキング・デッド」シリーズのジェフリー・ディーン・モーガンが共演。「ファイナル・スコア」のスコット・マンが監督を務めた。

FALL フォール : 作品情報 - 映画.com

 

 

「FALL フォール」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 

 

最後までハシゴを外されずに楽しめる

言ってしまえば、調子に乗って友達と塔に登ったら、頂上で見事にハシゴを外された話。

でも安心してください。俺たち観客は最後までハシゴを外されずに楽しめます!

 

塔に登る前に強烈なフックがありまして。

  

主人公ベッキーは旦那のダンと友人のハンターと共に山に登っているシーンが冒頭に映ります。まるでMI:2のオープニングみたいです。しかし、トムのようにラクラクと上には登れません。

恐ろしい悲劇が起きてしまいます。

その後、ベッキーは酒に溺れて人生ドン底の状態に。そんな中、友人のハンターがテレビ塔に登らないかという突拍子な提案をし、とあるミッションをベッキーに課す。

 

今作のようなシチュエーションスリラーは、危機的状況に入る前のドラマパートって大概つまらないんですよね。クソ序盤です。

名指しで言いますけどディズニーじゃない方の「フローズン」なんてクソ序盤の代名詞みたいなもんで、リフトに乗るまで早送りして良いです。断言します。

ほら、素人モノのAVってホテル入る前にご飯食べたりカラオケ行くシーンあるじゃないですか。アレと全く同じです。

 

フローズン(吹替版)

フローズン(吹替版)

  • ケヴィン・ゼガーズ
Amazon

 

どうしたってシチュエーションに入る前は退屈になりがち。でも、それを逆手に取った優れた作品もありまして。「リミット」や「ソウ」なんかは冒頭から危機的状況に入って、後から何故閉じ込められたか明らかになっていく作りなんですよ。

僕の大好物ですね。ほら、素人モノのAVだって最初からホテル入ってた方が良いでしょ?アレと全く同じです。

 

[リミット] (字幕版)

[リミット] (字幕版)

  • ライアン・レイノルズ
Amazon

 

ソウ (字幕版)

ソウ (字幕版)

  • リー・ワネル
Amazon

 

 

・・・とまぁ、こうしたジャンルでは避けがたい前半のドラマパートを、今作は見事に面白くして見せた点でジャンル映画としては優勝なんですよ!!

まずここを評価したい。

冒頭からエクストリームな山登り、からの悲劇。からの塔上り。からのハシゴ落下。

絶妙な尺でテンポよく進んでいき、「早く塔に登れよ!」とツッコむこともない。

前半がまず完璧なんですよ。

 

そして本番、貫く棒のごとき巨根・・・ではなく巨塔にたどり着いた彼女たち。

予告の通り、見事にハシゴが壊れて空の孤島に放置されることに。

 

全高600mのうち、頂上から60mのハシゴがほぼ全損。なんという悔やまれる状況。

単なる偶然ではなく、彼女たちの行動や決断一つ一つがハシゴのネジに作用する様子を適宜描いているのが見事で、自己責任による大惨事への階段、、、いやハシゴを1つずつ丁寧に積み重ねている様に見えるんですよね。この時点で全く同情の余地なし!!

 

ハシゴが落ちてからの脱出劇を描くのもお見事で。

ドローン、自撮り棒、紙、化粧品など一見使えなさそうに見える道具が、話が進むごとに見事に確変していく様を見ているのも楽しかったです。

特に、「指輪」の使い方が非常に上手かったですね!!!!

さすがに声出ましたww

 

また、電気と電波が常に発生している場所を最大限活かし、脱出への希望と絶望を作り出しているのも面白い。

 

テレビ塔という場所性がシチュエーションスリラーの面白さを倍増させてるんですよね。ただの密室じゃここまでの面白さは出ない。そこに(閉じ込めている)人間の驚異などは微塵もなく、ただ塔と向き合うのみ。人間との駆け引きに映画の重心がスライドしていかないんですよね。

これによって、シチュエーションスリラーの面白さが一点集中で天まで届くほどに高まってるんですよね。

 

ラストはネタバレ出来ませんが、きっと最後までハシゴを外されずに楽しめる作品になっていました。はい、気に入ってるフレーズなので二回言いました。

 

上に登れても前へ進めない人生のジレンマ

ただの優れたシチュエーションスリラーに見えて、実は深い意味があると思ってます。

こう思わせるのも塔に登る前のパートが良く出来てるからなんですけどね。

ベッキーはとある悲劇の後、山登りもせずに酒に溺れて何もせずにいる。

なんだかんだで再び高い場所に登ろうとする。言い換えれば高みを目指すんですけど、それじゃ上に登るだけで結局前には進めない。

まるで彼女の人生を例えたような設定になってるんですよ。

 

もちろん塔に登ることで自己肯定感を高め、過去との決別のために登るのかもしれない。しかし、その結果待ち受けてるのは絶望的状況です。

登っても幸せは返ってこない。むしろ悲劇が待ち受けている。それは序盤の山登りでも反復されていたことで、今作はこれに代表されるような反復の描写が効いているのが特徴です。

 

 

 

 

 

※ここから重大なネタバレします!ご注意を!!!

 

 

 

 

 

 

 

ベッキーが塔から降りた結果、彼女は初めて父の元へと歩を進めることになる。初めて時間が前に進むんですよね。

塔に登っている時は、結局は冒頭にあった山登りを反復しているだけ。時が進んでいるように見えて進んでないんですよ。

塔に降りてやっと、彼女は前に進めるんです。遺灰を撒いたら終わり、じゃないんです。

 

加えて、高いところに登る行為自体が実は死に近づいている点も面白いです。

仮にあの世が空の上にあるとして、天に近づけば近づくほどあの世へとの距離が縮まる=死に近づくんですよ。

人間は昔から、天に近づくと神様の逆鱗に触れて罰を受けることを教訓として生きてきました。バベルの塔なんかが良い例です。そういう意味では、現代の物語に見えて古典的な題材でもあります。

 

フォールについてここまで真面目な考察をするのもアレですが、個人的には深いところまで考えたくなるんですよね。それほど今作が気に入った証拠です。

 

俺の考えた脱出方法はコレだ!!

今作の脱出方法もアリだったんですけど、個人的にはもっとファンタスティックな結末も良いんじゃないかなぁと思いまして。。

 

俺の考えた脱出法はズバリ、、、

 

ハゲワシに飛び乗ってハシゴがある場所まで辿り着く方法です!!!! 

 

ただハゲワシに飛び移るんじゃないですよ。ちゃんとダンからもらった指輪がハゲワシの目に留まり、何度も何度もベッキーを襲う。ベッキーは指輪が狙われていると気付き、指輪=ダンを守ろうと必死に抵抗する。しかし、戦いの中で気づく。。

 

「指輪でハゲワシ釣れば良いじゃん!!!」

 

見事にハゲワシの翼を掴み、気分はまるでパラグライダー!!!!!

 

どうですか!?サイコーでしょ!? 

フォオオオオオオオオ~~~~ル!!

 

 

 

 

まとめ

いやぁー、予想以上に楽しめました。

 

友達ともカップルとも、1人でも楽しめる映画ですね!

 

120分未満でサックリと見れるし、僕はこういう映画が大好きです!!

 

ありがとうございました!!!

 

95点 / 100点 

 

f:id:Machinaka:20210716010226j:plain

 
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
© 2015,machinaka.hatenablog.com