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映画「バービー」ネタバレあり感想解説と評価 箱入り娘と箱入り息子によるガチな自己変革映画

 
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この記事では、「バービー」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

今回批評する映画はこちら

 

「バービー」

(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.

待ってました!!!待ってました!!!待ってました!!!

ついに来たぞバービィィィィィィィ!!!!!

 

予告を見るたびに泣いてました(バービーとケンが横向きで車を走らせるシーンで)。

ウィル・フェレルがヴィランになってて泣きました(2000年代アメリカコメディの象徴)

 

ついにやってきました!!!!

 

まだ見てないけどこれは年ベス確定だ!!!!!!!

しゃっほーーーーー!!!!

 

それでは「バービー」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

あらすじ

  
世界中で愛され続けるアメリカのファッションドール「バービー」を、マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングの共演で実写映画化。さまざまなバービーたちが暮らす完璧な世界「バービーランド」から人間の世界にやってきたひとりのバービーが、世界の真実に直面しながらも大切なことは何かを見つけていく姿を描く。

ピンクに彩られた夢のような世界「バービーランド」。そこに暮らす住民は、皆が「バービー」であり、皆が「ケン」と呼ばれている。そんなバービーランドで、オシャレ好きなバービーは、ピュアなボーイフレンドのケンとともに、完璧でハッピーな毎日を過ごしていた。ところがある日、彼女の身体に異変が起こる。困った彼女は世界の秘密を知る変わり者のバービーに導かれ、ケンとともに人間の世界へと旅に出る。しかしロサンゼルスにたどり着いたバービーとケンは人間たちから好奇の目を向けられ、思わぬトラブルに見舞われてしまう。

「レディ・バード」「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のグレタ・ガーウィグが監督を務め、「マリッジ・ストーリー」のノア・バームバックとガーウィグ監督が共同で脚本を手がける。

バービー : 作品情報 - 映画.com

 
グレタ・カーウィグ、ノア・バームバックのコンビも注目すべきですが、個人的には2000年代を代表するコメディ役者の数々ですよ!
 
まずはウィル・フェレルですね!今や主演が多いですけど、昔はヴィラン役として少し登場するような役どころが多かったんですよ。
 
それにマイケル・セラ! 待ってました~~!!! 「スーパーバッド」でもおなじみ!また「スコット・ピルグリム」でも主演を張ってましたね!!
他にもケイト・マッキノン、ジョン・シナなど脇を固める役者も豪華!!!!
もうたまらんです!!!
観る前から笑いが止まりませんwwwww
 
 
 

「バービー」のネタバレありの感想と解説(全体)

 

 

箱入り娘と箱入り息子によるガチな自己変革映画

あのーー、、凄いのは分かります。

 

バービーという世界的に人気のある人形を使って、個々の人間の尊厳(アイデンティティ)を尊重する作りになっている。

MeToo騒動に始まり、ウーマン・エンパワーメントなど女性を主役に男性優位社会に立ち向かっていく映画は沢山ありますよね。フェミニズム映画と思う人もいるでしょう。

 

今作も近い分類ではあるのですが、グレタ・ガーヴィグ作品の違うところは女性が優位であると言いたいのではなく、性差を超えた「個人の尊厳」に重きを置かれているのがポイントなんですよね。

 

「レディ・バード」しかり「ストーリ・オブ・マイライフ」しかり、グレタ監督は常に「個人の尊厳」を描いてきたんです。今の時代はウーマン・エンパワーメント→フェミニズムの方向に走りがちですが、グレタ監督は決して男女の優劣を付けずに描いてきたわけですよ。

 

今作はバービーやケンなどをメタファーにして、(人形という商品上)量産型的な思考を持つキャラクターを描いたわけですよ。

 

最初はバービーだから全力陽キャで違和感なしなのですが、冷静に考えるとバービーを演じているのはマーゴット・ロビー、ケンを演じているのはライアン・ゴズリングで実際の人間なわけですよ。

 

量産型(同じ思考・価値観を持つ人たち)のキャラクター(人形)であると同時に、人間でもあるわけですよ。

 

ウィル・フェレルが「ポリコレ」という言葉を明言したように、今やハリウッドは言論統制のような、それこそ50年代のヘイズ・コードのようなものが敷かれていると思うわけですよ。

 

そんな時代に一石を投じた作品であるのは間違いありません。

○○を避けて、○○を強調して。

 

でも、そういう映画ばかりが「量産」されてしまうと映画の多様性が無くなってしまうわけで、つまらない世の中になってしまうわけで。

 

マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリングという美男美女が「箱に入れられた」バービーとケンを演じるのは、そういう意味を持つわけで。

しかし、その二人が「今の時代のらしさ」ではなく「自分らしさ」を追及したことに大きな意義があるわけですよね。

 

今作では「バービーの世界」と「現実の世界」と二分したわけですが、前者が今のハリウッドを映していて、後者が今のハリウッドに対する反応を映していると思ったんですよね。

 

バービーの世界は、公序良俗に従って、ポリコレな演出を増長させて、「女性活躍」が過剰に強調された世界なんですよ。

 

だからこそ、2回目のバービーのモーニングルーティンはどこか違和感がある描写にしたわけなんですよ。

 

この映画は今のハリウッドの風潮に対する問いかけでもあり、変革を促そうとする映画でもあるわけですよ。

 

非常に革新的で挑戦的なわけです。

「マーゴット・ロビーがいうと説得力がない」というセリフにもあるように、バービーの世界はハリウッドのメタネタが織り込まれているように思います。

 

この映画、序盤はノリノリでテンション高めなのですが基本的にはすごく真面目なんですよ。

 

特に中盤ですね。バービーが洗脳から解けた時があまりにもテイストが真面目になっていて、一種の自己啓発映画とも思ってしまいました。そして、バービーで遊んでいたお母さんが目覚めるのも、あまりにシリアスで違和感があったというか。

 

セリフと役者の表情だけで、「私は今まで間違っていたんだわ!」と自覚する瞬間、悪いけど俺らはどんなリアクションを取ればいいんやと。

 

その後、男たちを個別に洗脳から解放していくところは大好きなんですよ。

「ゴッドファーザー」を見せて雄弁に語っている男を騙したりさw

あとは投資話を自慢気に語っている男を騙したりさw

 

あそこは笑えたんですけど、メッセージ性が大きく表立ってしまったことが減点対象になってしまいました。

 

さながらスパイク・リーのような、エンタメ満載の劇映画に大真面目なメッセージを入れてくるような居心地の悪さというか。

 

今まで楽しく会話していた人が急に真面目になって「男とは、女とは〜」と語り出してきたような、「えー急にどーしたの・・・」と不安になる印象と近いというか。

 

劇映画の中にああいう現実的な独白があっても良いと思うのですが、急激なテイストの変化にこちらが対応できなかった、というのが本音ですかね。

 

面白いシーンも多々あり、それこそ序盤は年間ベストだっただけに非常に残念でした。。

 

 

 

コメディ映画好きとして見過ごせない場面も

気になったのは今作におけるコメディ演出ですね。

 

冒頭は100点です。さながら「レゴムービー」のように、仮想のキャラクターが朝起きて日常生活を送る描写は面白くて最高でした。

実際に水を飲んだりご飯を食べれず「おままごと」に終始する姿は卑怯でしたよねw w

 

でも、納得がいかないのがウィル・フェレルが登場してからですよね。

 

バービー人形を作ったマテル社の悪質CEOという役回りでしたが、あまりにも笑えるシーンが少ない。余談ですが「レゴムービー」でもおしごと大王の声を当てていて、ヴィランが似合うのでしょう。

実際に彼は2000年台のコメディ映画では多くの悪役を演じています。

なので違和感はないのですが、あまりにも笑いが少なすぎる。

ウィル・フェレルの真骨頂は辛辣な悪口と大きなリアクション、巨体を活かしたスラップスティックなギャグなんですよ。

どれも全く活かされていないんです。。。

 

2003年にジョン・ファブローが監督した「エルフ」という映画がありまして、ウィル・フェレル演じる妖精が、妖精の世界から人間世界に迷い込んでしまうんですよね。

子供向けクリスマス映画ということもあり、今のコンプラにも十分耐えうるゲラゲラ笑えるコメディなんですよ。バービーの世界に迷い込んだウィル・フェレルは、あまりにも無惨でした。。

それこそさぁ、、、ケン(ライアン・ゴズリング)がハリボテの波に激突するシーンがありましたけど、あれじゃあんまり笑えないんですよね。

細マッチョなイケメンが激突しても可哀想って思うだけなんですよね。

ウィル・フェレルが激突していたら、どれだけ面白かっただろうか。。。

腹筋崩壊もんですよ。。

 

 

あとはマイケル・セラですね。

アラン役として何度もクローズアップされていましたが、その後セリフが何もなくただ映るだけで終わる。

確かにマイケル・セラのキョトン顔はそれだけで笑える威力がありますし、クローズアップしたのもこうした狙いがあったのかもしれないですが、あまり笑えなかったのは残念でした。

基本的にですね、マイケル・セラはボケでもツッコミでもない受け身なキャラが強みなんですよ。

 

また、変てこバービーとしてケイト・マッキノンが登場しましたが、彼女にもお笑い的にもっと見せ場を作って欲しかったです。

今作はいわゆるコメディ映画的な演出は序盤だけにして、あとは控えていますよね。ケイト・マッキノンの持ち味である何かヤっているようにしか見えないハイテンションな演技はナリを潜めていたのが辛かった。。

足が地面にくっついてしまったバービーを見た時の大袈裟なリアクション。予告で使われていて何度見ても笑えたのですが、あれをケイト・マッキノンがやっていたらどれだけ面白かったのだろうかと、コメディ映画好きとしては悔しい気持ちがあるというか。

 

 

 

ケン(ライアン・ゴズリング)を除き、スラップスティックなギャグ(体を使った笑い)や悪辣な悪口がなかったのも違和感しかありませんでした。

ノア・バームバックが脚本に付いているので、ところどころのセリフで爆笑できるのは良かったんですけど、笑いの手段をもっと増やして欲しかったですね。

これだけ豪華キャストがいる中で、散々煽って煽って煽って、でも何も

 

ダチョウ倶楽部が「押すなよ!」ってお決まりのギャグをした時に、何も押さずに終わって滑った映画というか。。

説明が難しいですねw

 

 

あれだけ豪華なメンツが揃ったのに、ところどころ笑いがあったのに、上手く役者の特徴を活かせなかったのが残念ではありましたね。

 

グレタ監督の趣向もあると思いますが、あまりにも目につくところが多かったです。

 

  

 

 

まとめ

とはいえ、序盤は最高だったので駄作なんて言いません。

 

コメディ映画として期待していただけに、残念だったなぁ。。

 

91点 / 100点 

 

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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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