まえがき
今回批評する映画はこちら
「グランツーリスモ」
中学1年生。PS2が発売されて間もない頃でした。
ファイナルファンタジー10など王道RPGが目下話題になっていましたが、FFに負けじ劣らず人気だったレーシングゲームがグランツーリスモ(2)でした。
決して派手なゲームではなかったですが、PSに比べてグラフィック性能の劇的な向上や実在する車種やレースを使用していることもあり、当時最も没入感の高いゲームだったと記憶しています。
まさかグランツーリスモがゲームになるなんて夢にも思ってませんでした。
あの時の自分にそっと教えてあげたいです笑
それでは「グランツーリスモ」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・世界的人気を誇る日本発のゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話をハリウッドで映画化したレーシングアクション。
ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に熱中する青年ヤン・マーデンボローは、同ゲームのトッププレイヤーたちを本物のプロレーサーとして育成するため競いあわせて選抜するプログラム「GTアカデミー」の存在を知る。そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニーと、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいた。想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え、ついにデビュー戦を迎える彼らだったが……。
主人公ヤンを「ミッドサマー」のアーチー・マデクウィ、GTアカデミーの設立者ダニーをオーランド・ブルーム、指導者ジャックをデビッド・ハーバーが演じる。監督は「第9地区」のニール・ブロムカンプ。実在のヤン・マーデンボローがスタントドライバーとして参加している。
「グランツーリスモ」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#グランツーリスモ」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2023年9月15日
仮想から現実へ。絵空事が出来事に。
親にバカにされるのも無理はない"ゲーム"への没入。しかし彼の視座はモニターの向こう側に定められていた。
カーレースを通じ人生を"シミュレーション"し続けた男の波乱に満ちた破竹の成功譚。
これだから映画はやめられない。
年ベス。 pic.twitter.com/HBGRBhBCI3
自分との距離感が近すぎる
感無量です!!!!!!
以上ですwwwww
グランツーリスモと聞くと思い浮かぶのは「ゲーム」という言葉だと思います。
コントローラーを握り、快適な家で好きな時に好きなだけ。
確かにクオリティの高いゲームだと思ってました。グラフィックもさることながら、選べるパーツや編集の自由度の高さ。ゲームのようでゲームではない。まさにシミュレーションだな、と。
主人公のヤンは意中の人に対して、グランツーリスモのことをゲームではなく「シミュレーション」って言うんですよね。決してゲームとは言いたくないわけですよ。
eスポーツが認知された今では市民権を得たかのように思えるゲームも、TPOに応じては蔑称のようになってしまうわけです。特に将来の夢や進路を語る時には、「今頑張ってゲームしてるよ」なんて言えないんですよね。
父親や弟との関係にも表れているように、同じスポーツでもサッカーをやるのとグランツーリスモをやっているのとでは社会的な評価が全く異なってしまう。
自分の努力とは関係なく、ゲームというだけで父親から相手をされない。しかし、レース関係の仕事に就く夢は決して諦めていない。
彼はこのジレンマと戦っている訳です。
そこで彼が使った言葉は「シミュレーション」なんですよ。
シミュレーションという言葉は自分との距離が非常に近くてですね。。。
はい、言ってしまえば自分の仕事と非常に近いんですよねww
映画を見るたびに過去の案件が走馬灯のように蘇ってくる。。。
そんな映画ありますか!?笑
もう10年近く映画見てきてるけど、シミュレーターなんてチョイ役のチョイ役な訳ですよ。むしろ映画では、現場にはじめて赴いて大失敗するための「伏線」のように扱われることもある。
基本図式はシミュレーション=現場では役に立たない、というのが映画文法になっている気がするんですよね。
しかし、この映画は違う。むしろシミュレーションが主役なんですよ。
ゲームを超えたゲーム。現実に近づけようと数えきれないスタッフが毎日死ぬ気で働き、より高みを目指して仕事をする。
だからグランツーリスモはゲーム以外にも「シミュレーション」という言われ方をする訳です。
つまりですね、自分のやっているシミュレーションという仕事が映画によって初めて肯定された瞬間に立ち会えた訳ですよ。
私は営業職ではないので中々エンドユーザーの声というのは届きにくいのですが、製品に夢中になり人生を捧げ、自分の夢を叶えるまでに至った人なんて、、、
ここまでユーザーの人生を追いかけられて、シミューレーターに出会って、人生が良い方向に進むなんて・・・
基本的に家に引きこもっている主人公は外に出るように矯正されるんですよね。ヤンの場合はイギリス1位なわけだから、もはや仕事をしているわけですよ。でも、そんな努力も否定されて外で働けと指示される。
夢があるなら家を出ろ、環境を変えろ。しかしこの映画の場合は逆な訳ですよ。
そりゃゲーム機を販売するソニーが製作してますし、そういう筋書きなのは分かってますけど。
でも、ヤンが自宅で黙々とモニターに向かってグランツーリスモに没頭する姿は、家でシミュレーションの仕事をしている自分と重なって仕方ないんですよ。。
はい、感無量ですwwww
あまりにも自分との距離感が近い映画でした。
どのシーンが良かったというよりかは、常にスクリーンに自分の気持ちが乗っかっていたので、自分の話ばかりになってしまいますw
夢を掴もう。いまここで、どこまでも。
学校に行ったり、塾に行ったり、はたまた海外に行ったり。
夢を叶えるためには場所性と経済性が伴うわけです。
要は環境が整うかどうか。
ヤンのようにレーサーになりたい人は、レーシングカーと走行コースが必要なわけですよ。でも、そんなものを手に入れられる人なんて金持ち中の金持ちな訳ですw
ヤンに執拗に突っかかってきた金色のランボルギーニのレーサーは、ガチの金持ちでレーサーになる環境を現実的に整えられた人なんですよね。
ヤンの家庭はイギリスの労働者階級そのものです。
ヤンの自室は広かったですけど、夕食や父親の車は決して高いものとはいえません。
グランツーリスモに使うハンドルだって、必死にバイトして貯めたお金でやっと買えたわけです。
現実では絶対に実現できない環境を、仮想空間では構築できるわけですよ。
しかも世界中に大量に生産・流通している、「シミュレーション」ソフトとしては破格の安さのグランツーリスモで。
普通シミュレーションソフトはユーザー数が少ない&専門的な内容なので単価が高くなるわけですよ。数百万、数千万とかの世界もザラにあります。
ヤンにとって、グランツーリスモは最高のシミュレーションとの出会いだったんだなぁと、つくづく感無量なんですよねwww
ヤンみたいなユーザーがいれば何があっても仕事頑張れるわっていうwww
夢を叶えたい、目標を達成したい。でもやれる場所がないって諦める必要はないんですよね。
今作ではシミュレーションがフィーチャーされていましたが、それはあくまでメタファーで。
大事なことは、「夢があるなら、いまここで、どこまでも(努力を!)」というメッセージを受け取れるかどうかではないでしょうか。
まとめ
はい、何度も言いますが感無量ですwwwww
来週も仕事頑張りますwwww
10000000点 / 100点