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映画「ロング・ショット」ネタバレあり感想解説と評価 2020年を代表する傑作ロマコメ!

 
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この記事では、「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」のネタバレありで感想と解説(短評)

 
 

 

今回批評する映画はこちら!

 

「ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋」

 
 

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(C)2019 Flarsky Productions, LLC. All Rights Reserved.


セスローゲンという人物をご存知だろうか?

知らない人も多いのも納得。何故なら彼が撮る作品、出演する作品は総じて公開されず、DVDスルーが当たり前になっているからだ。

 

そんな彼の作品を、初めて映画館で観れることに感動している。

 

何より、作品のクオリティも素晴らしい。

2020年も明けて早々、騒々しいが、、

 

年間ベストはこれで決まり!!!!

 

と太鼓判を押せる作品であることは間違いない。

 

90年代はアダムサンドラー、00年代はスティーブカレル、ウィルフェレル、10年代はポールラッド。

そして2020年代はセスローゲンの時代になると確信できる傑作である。

 

 

 

 

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・才色兼備の国務長官とうだつのあがらないジャーナリストとの恋愛をシニカルに描いた、シャーリーズ・セロンとセス・ローゲン主演のラブコメディ。アメリカの国務長官として活躍するシャーロット・フィールドは目前に控えた大統領選の選挙スピーチ原稿作りをジャーナリストのフレッドに依頼する。常に世間から注目され、脚光を浴びるシャーロットと行動をともにするうちに、彼女が高嶺の花であることがわかっていながらフレッドは恋に落ちてしまう。しかし、この恋にはクリアしなければいけないさまざまな高いハードルが待ち受けていた。シャーロット役をセロン、フレッド役をローゲンがそれぞれ演じるほか、オシェア・ジャクソン・Jr.、アンディ・サーキス、アレクサンダー・スカルスガルドらが脇を固める。監督は、ローゲンとは「50/50 フィフティ・フィフティ」でもタッグを組んだジョナサン・レビン。

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セス・ローゲン&シャーリーズ・セロン共演『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』日本版予告

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 

セスローゲンの集大成!アメリカを代表するコメディ作家にステップアップ!

モテないヤツが美人でインテリな大統領候補と恋に落ち、見事成就する!

モテない奴らの魂を救済する、スッキリ爽快なアダルトラブコメである。

 

男性の私もドン引きするほどのど直球下ネタを全面に出しながらも、シャリーズセロントとの恋の駆け引きは丁寧に描き、最後は政治に対する風刺もチクリ。

 

セスローゲンのこれまでのフィルモグラフィーからは想像できない、恋愛も政治ネタも抜群なコメディ傑作であることは間違いない。本当に腹を抱えて笑ってしまった。

 

セスローゲンという作家は、自身の体験談を交えて物語を進行させるのが特徴であり、彼のモテないボンクラ感を全開にして、数々の名作と迷作を生み出してきた。

 

日本の漫画に例えるならば、「稲中卓球部」のような下ネタとモテない感が満載の、ダメンズムービーが彼の得意技だった。

 

ダメンズムービーは得意なものの、一方でラブコメに関しては全くと言っていいほど苦手。というか殆どラブコメを撮ってこなかった。

 

彼の師匠であるジャドアパトゥーが監督した、「無ケーカクの童貞男 ノックトアップ」でセスローゲンは主演を張っているが、たまたまナンパに成功して一夜限りの女性との間に子供が出来てしまう、というラブコメとは言いたくない程のクダらない設定である。

つまり、きちんとしたラブコメを演じるのも撮るのもこれが初めてではないかと感じる。

 

加えて、セスローゲンに足りてなかったのは「社会風刺ネタ」

 

彼は2014年に「THE INTERVIEW」という社会風刺のコメディ作品を撮ったが、なんと舞台が北朝鮮。

おまけに、アジア人俳優のランドール・パークに金正男を演じさせ、下ネタの限りを尽くしたオゲレツコメディを撮ってしまった。

 

この作品に激怒し、北朝鮮政府はTHE INTERVIEWの配給元であるソニー・ピクチャーズをサイバー攻撃。これにより作品がネットに流出し、劇場公開自体が無くなってしまったという大惨事を犯している。

 

日本でのDVD販売もなく、今は英語版のみが購入可能である。ただし、必ずしも見て満足する作品ではないことを強く推しておきたい。

北朝鮮が怒るのも納得できるが、サイバー攻撃を起こすほどのレベルかというと、そうでもない。実にしょうもない作品であった。

 

前置きが長くなったが、彼が苦手としてきたラブコメ、社会風刺の要素が今作では完全にレベルアップし、彼が唯一得意としてきたダメンズムービーから一皮もふた皮も剥けた作品になっているのだ。

 

「スーパーバッド」から見続けてきた私にとっては、セスローゲンもようやく立派なアメリカンコメディを撮れたのだなぁと感嘆するばかりである。

 

 

 

 

モテないヤツが主人公、もはやアメリカの伝統芸能

 

日本になくて、アメリカにはあるロマコメのカタチがある。

それは、主人公が圧倒的にモテないボンクラなヤツ、である設定。

 

90年代のアメリカのロマコメの主人公は、二枚目俳優が演じるのが当たり前だった。

リチャードギア、トムハンクス、イギリスだとヒュー・グラント。

ダンディだったり一途だったり、性格も二枚目なヤツが主人公だった。

 

しかし、今作は

 

・スーツなし

・下ネタ全開

・清潔感なし

 

の、そこら辺にいるオヤジが主人公なのだ。

スーツの代わりにパーカーとカーゴパンツ。アメリカでどこでもいそうな、観客にとって等身大なキャラクターが大恋愛をするコメディ映画は、もはやアメリカでは伝統芸能になっている。

 

今作のように下ネタ全開でモテない男が暴れまわる作品は、ファレリー兄弟の「メリーに首ったけ」が源流だと言われている。

今作で「ロングショット」をかました精液が体毛にまとわりつくシーンは、メリーに首ったけでキャメロンディアスが精液を被る名シーンに対するオマージュであろう。

 

しかし、今作がメリーに首ったけよりも強い影響を受けているのは、間違いなくアダムサンドラーの作品群である。

「50回目のファーストキス」や「ビッグダディ」でアダムサンドラーは、適度にダメな男性を演じてきた。服装は短パンとTシャツ。ビールを飲みながらスポーツ観戦。これがアメリカ男性のスタンダードなスタイルなのだ(偏見があることは承知)

 

周りが全員スーツの政界にひとり、マウンテンパーカとカーゴパンツで奮闘する彼は、紛れもない等身大のアメリカ男性。

 

どんな時でもフォーマルさを破壊し、ヒゲも剃らず、清潔感のない男性を演じるのは、一般的なアメリカ男性スピリットを貫くための「ユニフォーム」なのである。

 

 

また、モテないヤツが美人と大恋愛する作品には、これまでのお上品なロマコメに対するアンチテーゼの意味合いも含まれている。

 

ラストにセスローゲンの自宅玄関にて、マスコミに囲まれながらシャリーズセロンが熱愛報道に対して発言する場面があるが、これは「ノッティングヒルの恋人」でジュリアロバーツがヒューグラントの自宅玄関にてマスコミに囲まれるシーンを彷彿とさせる。

ノッティングヒルの恋人では、熱愛報道については拒否してしまうが、今作ではあっけらかんとイエスと答えるのだ。

 

時代はイケメンよりもフツメン。あるいはブサメンに流れが来ているのだ。

一方で、日本では王子が渋滞しているようだが、、

 


ドラマ「貴族誕生 ーPRINCE OF LEGEND-」主題歌トレーラー

 

 

 

 

まとめ

年始から大絶賛をしてしまったが、決して万人がウケる作品ではない。

 

精液やらケツやら早漏やら、人によっては聞くに耐え難いワードが炸裂する。

しかし、これがアメリカラブコメの潮流であり、世界基準なのだ。

 

モテるやつよりもモテないやつの方が絶対数が多いのは確実。今、モテないボンクラに熱視線が注がれているのだ。

 

50000 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
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