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映画「愛にイナズマ」ネタバレあり感想解説と評価 付和雷同じゃ人生もうジ・エンド

 
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この記事では、「愛にイナズマ」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「愛にイナズマ」

 

(C)2023「愛にイナズマ」製作委員会
 
石井裕也監督最新作。
こないだ「月」を見て、石井裕也作品を観るのが怖くなってしまっていたのですが、今回はどうやらコメディのようでひと安心。。
 
愛にイナズマ、英語にするとLove, Thunder。
マイティ・ソー主演で「ソー ラブ&サンダー」って映画がありましたが、あれ以上に笑わせてくれるとありがたいですねぇ。

 

それでは「愛にイナズマ」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 
 

あらすじ

  
松岡茉優と窪田正孝が主演を務め、「舟を編む」「茜色に焼かれる」の石井裕也監督がオリジナル脚本で描いたコメディドラマ。

26歳の折村花子は幼少時からの夢だった映画監督デビューを目前に控え、気合いに満ちていた。そんなある日、彼女は魅力的だが空気を読めない男性・舘正夫と運命的な出会いを果たす。ようやく人生が輝き始めたかに思えた矢先、花子は卑劣なプロデューサーにだまされ、全てを失ってしまう。失意の底に突き落とされた花子を励ます正夫に、彼女は泣き寝入りせずに闘うことを宣言。花子は10年以上音信不通だった“どうしようもない家族”のもとを訪れ、父や2人の兄たちの力を借りて、大切な夢を取り戻すべく反撃を開始する。

花子の父・治を佐藤浩市、長兄・誠一を池松壮亮、次兄・雄二を若葉竜也が演じる。

愛にイナズマ : 作品情報 - 映画.com

 

 
 

「愛にイナズマ」のネタバレありの感想と解説(全体)

 

 
 
 
 
 

 

めちゃくちゃだけど目が離せない

とんでもねぇです!!!

 

予告からただならぬ雰囲気を感じていたのですが、良い意味で予想を裏切られました。

本当にめちゃくちゃでしたwww

 

予告通り、映画作りに勤しむ松岡茉優がプロデューサー達に裏切られて家族のもとに帰って何かトンデモないことをしでかそうとする、という話の筋はある。

ただ、筋があるだけで映画はあらぬ方向に進んでいく。

 

序盤のMEGUMI、三浦貴大との映画作り。かなりの尺を使ってはいたけども、その後2人は登場せず、映画作りでリベンジを果たすところまでは映らない。

・・・・一体何だったのでしょうかw

 

そして、松岡茉優と窪田正孝との仲が一気に縮まり、そこからラブラブな生活が始まる・・・ワケでもないw

実家に戻り、映画作りを再会するも全く上手くいかない。母の秘密を探る話に進むと思いきや、家族喧嘩になり全く母探しが進行しない。

 

・・・とにかく、映画の中で蒔かれたあらゆる目的やゴールが全く達成されないまま映画が進行していき、各々のシーンに意味性や理由が見出せなくなってしまう。

その場その場で見せ場を作るも、次の展開に必ずしも活かされるわけではない。

 

ひたすら物語の枝分かれを続けて、結局何の目的だったかよく分からなくなる。

まるで雷の閃光のような分岐を繰り広げていく。

どの方向にどれだけの長さで筋が広がっていくか誰も予想がつかない。

 

本来であれば嫌いな映画の部類なんですけど、どうも嫌いになれない。

・・・いや、むしろ好きな方でしたww

 

随所に笑いがあるとか、泣かせるところは泣かせるとか、場面場面の画の強さも魅力ですけど、今作はやはり「イナズマ」のような映画だったんです。

 

雷の閃光って、枝分かれした細い線だけを見てもそこまで綺麗じゃないですよね。

でも、雷全体を見れば何だか凄くて綺麗で畏敬の念さえ持ってしまう。

そして、よく見れば太い幹のような線が見えて、一つたりとも途切れてはいない。

 

・・・そんな映画ですww

  

 

付和雷同じゃ人生もうジ・エンド

映画に必ずしもロジックとか合理性は必要ないってことを、今作がよく表していますよね。

冒頭、三浦貴大が腹立つほど繰り返す「理由」とか「意味」というセリフ。今作では映画作りにおいて言及されるわけですけど、そもそも映画を見る理由とか意味って何かあるんですかね?

答えられる人はいますかね? 何のために2時間椅子に座り続けて映画を見ているんでしょうか、我々はw

 

映画を「観る」という行動ばかりに気を取られて、映画を見る「理由」なんて気にしない人がほとんどだと思いますし、それで良いと思いますw

でも、三浦貴大は許さないわけですw

 

私が知る限り、石井裕也監督はこれまでの映画でも今作と同様「イナズマ」のような映画を作ってきました。

商業映画デビュー作の「川の底からこんにちは」しかり、「アジアの天使」しかり。。

監督の中に見せたい画やシーンは完全に浮かんでいて確かな面白さはあるんだけども、理由や意味を客観的に説明することは難しい。

 

・・・三浦貴大にあれだけしつこく言われた映画における「理由」や「意味」への言及というのは、石井裕也監督自身が散々言われたことなんじゃないですかね笑

 

映画って出来る前にちゃんと説明しないといけない。そうじゃないと人は動けない。

撮りたい映画よりもまず、他人との協調や認識合わせが大切。

 

だから誰に対しても八方美人で、反抗してはいけない。

亀裂を生んではいけない。

松岡茉優が降板させられたことについて、MEGUMIは「上から言われて」としか言ってませんでしたが、あれは三浦貴大と揉めてしまったのが原因なんでしょう。

 

そりゃ三浦貴大とMEGUMI側からしたら納得いかないですよね。

引っかかる点は何個かあるけど、筋は良いし(おそらく)短編も良い評価を受けていて、ウィキペディアにも載っている若手監督。1500万の予算も引っ張って来れるレベル。

そんな中、監督が自分のこだわりを捨てきれず周りと仲違いを始めてしまう。

・・・プロデューサー側からしたら危険人物、となったのでしょう。とはいえ、話を盗んで映画を撮るなんて罰当たりですけど。。

 

あのまま八方美人と付和雷同を続けていたら映画が撮れていたかもしれない。

でも、監督はそれじゃダメだって言ってんですよ。

予算がなくたって、家族を出演させたって、自分が撮りたいものに拘れって言ってんですよ。

 

だからこの映画カッケーんですよ、泣けるんですよ。。。

 

ロジックはあまりない。いや、ほとんどない。

松岡茉優の母の行方は意外な展開で明らかになっちゃうし、佐藤浩市のガンもいきなり発表される。

そして何より、レストランでの食事シーンで聞こえる猥雑談にブチギレるシーンwww

映画作りにも家族の話にも何も関係ないのに、なぜか他人の悪事にこだわるwww

 

理屈なんてないんですよねw

冒頭の松岡茉優のように、目の前で何か酷いことが起きていたらとりあえずカメラを向けてそちらに注目する。

それらを繋いでいったものが映画なんですよ、監督的にはwww

 

決して適当とか、寄せ集めじゃこんな映画はできません。

だから「イナズマ」みたいな映画なんですよね。

 

 

 

まとめ

最近見た「月」があまりにも重苦しくて思い出したくもないのですが、今回は「アジアの天使」らしくユルいコメディがありながらも家族ドラマも重厚で良かったですねぇ。

 

主演の松岡茉優、窪田正孝も良かったのですが、ラストの佐藤浩市には泣かされましたよ・・・ あの笑顔はズルすぎる・・・・

 

それに、わずかな出演でしたが中野英雄、仲野太賀の親子出演もアツかったww

他にも芹沢興人のドジなバーテンも面白かったし、即興にも思える役者の演技合戦は最高でしたww

 

96点 / 100点 

 

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