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映画「ルース・エドガー」ネタバレあり感想解説と評価 真実から目を背けることの恐怖を描いた社会派ホラー映画!ルースの正体とは?

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
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この記事では、「ルース・エドガー」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「ルース・エドガー」

 
 

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(C)2018 DFG PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.



 

皆さま、、、

 

お久しぶりです!!!!

 

 

都内居住者には長すぎる冬休み。。もはや春休みとも言える長い映画館のお休みが、ようやく解けました!!!

 

都内での上映が開けた当日に旧作を見たりはしたんですけど、完全新作を映画館で見れるのはこれが初となります!!

 

「ルース・エドガー」はまだコロナによる休業前、映画館で予告が流れた時から気になっていました。

アメリカの実態を暴く映画ということで、今アメリカ全土に広がっている大暴動につながる作品なのかもしれません。

 

映画の内容もきになるんですが、何より新作を映画館で見れるというこの喜び。

 

当たり前の幸せが帰ってきて、もうそれだけでお腹がいっぱいです。

 

もう、100点でいいでしょ。点数つけなくていいでしょ。

はぁ、、もう映画見る前から幸せでございます。

 

それでは「ルース・エドガー」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・17歳の高校生ルース・エドガーの知られざる内面に迫り、人間の謎めいた本質とアメリカの現実に鋭く切り込んだサスペンスフルなヒューマンドラマ。バージニア州アーリントンで白人の養父母と暮らす黒人の少年ルース。アフリカの戦火の国で生まれた過酷なハンデを克服した彼は、文武両道に秀で、様々なルーツを持つ生徒たちの誰からも慕われている。模範的な若者として称賛されるルースだったが、ある課題のレポートをきっかけに、同じアフリカ系の女性教師ウィルソンと対立するように。ルースが危険な思想に染まっているのではというウィルソンの疑惑は、ルースの養父母にも疑念を生じさせていく。「イット・カムズ・アット・ナイト」のケルビン・ハリソン・Jr.が主演を務め、教師ウィルソンを「ドリーム」のオクタビア・スペンサー、養父母をティム・ロスとナオミ・ワッツがそれぞれ演じる。監督は「クローバーフィールド・パラドックス」のジュリアス・オナー。

 

eiga.com

 

 
 
 
 

「ルース・エドガー」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
1人の黒人青年に向けられた疑惑をきっかけに、真実よりもイメージや先入観で行動してしまう人間の愚かさと恐ろしさを暴いた社会派サスペンス! 
 
 
映画で起きたことは今アメリカで、そしてこの日本で、全世界で起きていることのメタファー。コロナ禍のアメリカで今起きている大暴動のさなかに日本で公開されたことに大きな意義がある。
 
黒人:白人のような人種差別でなく、黒人:黒人という「人種内差別」を問題に挙げているのも新鮮!
 
新進気鋭のケルビン・ハリソン・Jr演じる黒人青年と、ベテランのオクタビア・スペンサー演じる教師との演技合戦も見逃すな! 
 

 
 
 
 

あえてジャンル化するなら「ホラー」

はい、久しぶりに映画館で新作を鑑賞した私でしたが、久しぶりの新作が恐るべきクオリティで驚いております。

 

予告編を見ていた時は黒人の人種差別や現代のアメリカを憂う社会派ドラマのような印象を持っていたのですが、鑑賞後にはイメージが180度変わってました。

 

これ、ホラーだよ!!

  

ヨーロッパからアメリカに養子として生きてきた主人公のルース・エドガー(ケルビン・ハリソン・Jr)。成績優秀で弁論部に属し将来を渇望される好青年。

大人からは絶大な信頼を勝ち取っており、「卒業」で騒動を起こす前のダスティン・ホフマンを思い出しました。

 

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しかし、そんな養子のルースが実は危ない人物なのではないかと「疑惑」の目を向けてしまう教師のハリエット(オクタビア・スペンサー)。

 

ハリエットは養子のルースの闇を暴き罰を受けさせようとするが、逆にルースに返り討ちにあってしまうという、プロットだけを見たらまるで「エスター」のような映画が今作なんです。

 

「舐めてた奴が殺人マシーンだった」系映画よろしく、「褒めてた奴が実は◯◯だった」系の映画というか、、

 

まさか今作とエスターが結びつくとは、思ってもみませんでした笑

 

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ルースを始めとした高校生たちの不気味な演技も非常にホラー的で。

 

絶対に何か隠してるし怪しい雰囲気がビンビンなんですけど、大人の前ではやたらと笑顔を振りまき、良い子に振舞う姿は不気味で仕方がありません。

 

特にルースの彼女を演じたステファン・キム(アンドレア・バン)の怖さは一級品でして。基本的には穏やかでほがらかな女の子なんですけど、ルースの話になると急に声を荒げて「ルースは悪くないのよ!!」と声を荒げるシーンや、ルースとイチャコラしてる時にルースの母であるナオミ・ワッツと目があった時、白目がなく黒目で睨みつけているシーンなど、なぜここまでルースに身を捧げているのか分からない不気味さがありました。。

 

あとはハリエットの妹であるローズという人物が途中から登場してくるのですが、まぁこの女性が奇怪としか説明できないような行動や言動を繰り返す。これがまた本作の怖さを助長させる。

さすがにネタバレは避けますが、彼女がルースの学校で衝撃の行動に出るシーンがあるんですけど、、、私の目に狂いがなければ、、、モザイク掛かってなかったよね?

 

はい、何も言えませんが、とにかくローズを演じたマーシャ・ステファン・ブレイクさん!本当にお見事でした!!!

 

ここまでルースとステファン、そしてローズの怖さを伝えてきましたが、この3人に共通することがあって。

この3人には壮絶な過去を経験しており、心に傷を追っていることはまちがいないのですが、実際に何が起きたのかは詳しくは伝えられず、セリフで軽く伝えられる程度なんですよ。。

 

養子になる前のルースの過去については具体的な出来事が全く分からず、ルースの人格を決定付けた事件等の詳細が見えてこない。

ルーズについては、病気ということだけは分かっているが、何の病気で何の症状があるのかは全く伝えられない。

 

 

この得体の知れなさも相まって、社会だ政治だという言葉を抜きにして何も考えずに見ると、ホラーとしか思えない作品でありました。。

 

 

 

証拠がないことで「真実」が消え、「疑惑」だけが残る

 

 

本作の特徴は、ルースが犯したと思われる数々の犯罪や校則違反の証拠の一切が見つからないこと。

 

一応、今作の全てのきっかけとなった校則違反の「花火」は物的証拠として見つかるのですが、その花火が隠されていたロッカーを不特定多数の人間が使えるように設定したことで、ルースが犯人であると決定づけることができない。

 

 

しかし、花火を見つけてしまった以上、ルースに過失を認めさせるまで糾弾を止めないハリエット。ハリエットがルースを糾弾するロジックの中に証拠はなく、決して真実を求めることができない。

 

このロッカーの設定が巧い!巧すぎるんです!!!

 

これによって映画の中から「真実」が消え「疑惑」だけが映画に漂う結果となるのです。

 

この「疑惑」こそが本作のテーマであり、決定的な証拠なしに犯人だと決めつけ正義が暴走してしまうという今のSNS時代に警鐘を鳴らすようなメッセージが今作には込められていると思いました。

ファクトチェックもせず、ファボとリツイートで賛同&情報拡散し事態が悪化していく。。現代を生きる私としては、今作で起きたことがSNSで今起きていることと繋がっているように見えて仕方ないのです。

 

そして、今のアメリカでは黒人が白人警官に殺害されたことによる大暴動が起きており、まさしく今作のルースのように証拠なしに「疑惑」だけで犯人と決めつけられているのです。

今作のアメリカでの公開は2019年ですが、くしくも日本の上映スケジュール的にはタイムリーな映画となってしまったんですよね。おそらく、このタイミングで今作を見なければ現在のアメリカに繋がっていることに気付けなかったかもしれません。

 

疑惑によってルースを追い詰めたことにより、逆に返り討ちにあってしまうハリエット。この構図は一種の寓話にも見えますし映画ならではの悲劇とも捉えられますが、今のアメリカ大暴動で起きていることと原理は同じなのです。

 

真実から目を背け、疑惑だけで人を見定めることの恐ろしさを、今作で是非堪能していただければと思います。。

 

あなたのそばにも、ルースはいるかもしれません。ヒィッ・・・

 

 

 

考察:名前から辿るルースの正体

 

非常に謎多き主人公ルース。彼は一体何者だったのでしょうか。

 

劇中では、ルース=Luceとは「光」という意味があるとルース自身がスピーチで話していましたね。ちなみにLuce=光とはイタリア語での意味らしいです。

 

まぁ、文字どおり光だらけのルースなら映画成立してないんですけどね。

映画の内容を考慮すると、どう考えてもLuceの意味は光だけではないように思えて仕方がないのです。

 

一方、IMDBの情報によるとLuceとはLucifer=ルシファー=サタンの略称であり、悪魔や嘘の父と言う意味合いもあるのだそう。

 

https://www.imdb.com/title/tt7616148/trivia?ref_=tt_trv_trv

 

つまりですよ、ルースは悪魔的な存在として捉えることも可能ということなんです。

 

「銃で解決する」という強烈なレポート課題を出し、花火を持ち込み、疑いの目を向けたハリエットに復讐をしたルースは、単なる不良や若気の至りというレッテルだけでは片付けられないものがあります。

 

飛躍した考察かもしれませんが、、、

 

そもそもルースは悪魔として生まれてきたんじゃないのか? 

と勘ぐってしまいます。

 

どうしても腑に落ちないルースのとある発言が頭に残って仕方ないのです。

 

何故ルースの両親は、養子にもらった時に改名をしたのでしょうか?

 

ルース自身は発音が難しいなどと言って理由をつけていましたが、ひょっとして・・・

 

ルースの元の名前は、Lucifer(英語)やLucifero(イタリア語)など、直接的にルシファーを彷彿とさせる名前だったのではないでしょうか?

 

真実はわかりませんが、私としてはルシファーが元の名前という「疑惑」が消えないのです。。

 

 

色めがね映画評論:ターコイズブルーのロッカーと彩度なき衣装

こちらはおまけの考察になるのですが、私は映画を見てる時一番気になるのは物語でも役者でもなく、「色」なんですよね。

 

とにかく映画の中で印象的に使われている色から物語や作り手の意図が汲み取れないかと思い、常に注意深く見ております。

 

今作は基本的に彩度が低い絵作りが特徴で、現実ではありえないような、白黒に近いほど色味が薄かったです。

それに呼応して、空も常に曇っていて。

 

どこか現実離れしていて、虚無的な世界観を描くためにも、低彩度のコントロールは重要だったと思います。まさしく灰色の生活というか、この映画で起きていることに彩りを与えるのは矛盾する行為なんですよね。

 

一方で目立ったのはターコイズブルーのような青緑の色。これが教室の壁やロッカーに塗られており、彩度は薄いものの非常に目立つ配色でした。

 

 

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ターコイズブルーは「感情の抑圧」や「隠された不安や心配」の意味が込められている色なんですよね。

ターコイズブルーは安心やクールを示す青色と、不安や危険を表す黄色を混ぜて出来る色。一見すると青色にしか見えないけど実際は黄色が内包されている。

これぞ「隠された不安や心配」を表すターコイズブルーの意味に繋がってくるのです。

 

これを踏まえると、危険材料である花火の入っていたロッカーがターコイズブルーに塗られているのも、納得がいくのではないでしょうか?

単なる白やベージュでロッカーが塗られても、ごくごく当たり前というか、ありふれたロッカーにしか見えません。

 

本作で重要となるロッカーの存在感を増幅させ、加えて花火という危険が内包されていることを色で伝えているのではないでしょうか?

 

また、気になるのは主要キャラの衣装のカラーリング。ルース一家は基本的にモノクロの服装を基調とし、ハリエットはターコイズブルーのような青緑色の服を着ている。

 

つまり、ハリエットは服装でルースに対する不安や心配を表していたのではないか?

と考えることもできるのです。

 

真意のほどは定かではありませんが、今作のターコイズブルーは非常に印象的でメタ的な色使いだったと思いました。

 

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(C)2018 DFG PICTURES INC. ALL RIGHTS RESERVED.

 

 

 

まとめ

久しぶりの劇場での新作映画でしたが、今作が劇場自粛開けの新作一発目として鑑賞できたことが本当に嬉しいです。

 

今のアメリカにも、日本にも、世界にも通じる話だと思いました。

 

ぜひぜひ劇場でご覧になってください!!

 

95点 / 100点 

 
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 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 

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