Machinakaの日記

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「まつもtoなかい」第1回放送で感じたテレビにおける「緊張と緩和」の必要性

 
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まえがき

 

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会社員の私もその恩恵に預かり、平日にも関わらずお休みを頂いています。

 

普段は週末に新作映画の感想を書いている者ですが、昨日見た「まつもtoなかい」に感銘を受けて、平日にも関わらずブログを更新したくなりました。

 

長々と書くつもりはないので少しばかりですが、お付き合い頂けると幸いです。

 
 

10年ぶりにフジテレビにクギヅケになった

  
私は1988年生まれで、主に90年代にテレビっ子だった世代です。
物心ついた時にSMAPがデビューして、果敢にバラエティに挑み始めていた時からテレビを見ています。同時に、ダウンタウンの「ごっつえぇ感じ」に影響を受けた世代でもあります。今思えば、「ポンキッキ」と「リアルポンキッキ」の両方を見れたのは人生の大きな財産だったと思います。
 
朝起きてから夜寝るまでテレビを見続けていました。最近はあまり聞かなくなりましたが、私が子供の頃は「テレビは1日1時間まで」と説教を垂れる大人がたくさんいました。
今では「YouTubeは1日1時間まで」になってしまったのでしょうか。
 
自分は一生テレビを見続けて死んでいくのかな、とさえ思っていました。
しかし、そんな楽観的な将来予想は杞憂に終わりました。
 
これもフジテレビ関連になってしまうのですが、「めちゃイケ」で人気を博していたナインティナインの岡村さんがうつ病でテレビから離脱し、その後地デジに移行してからというもの、全くと言っていいほどテレビを見なくなってしまいました。
なぜこのタイミングで見なくなったのか、その理由を全て文章に書くのは難しいのですが、単に「見たい番組が無くなった」という点に尽きると思います。
 
あれだけテレビに、特にフジテレビにハマっていた自分にとっては今のテレビの現状は耐え難いものがありました。ただ、大阪の関テレ制作の番組(ドラマ・バラエティ)については例外的に面白く、時たまにフジテレビにチャンネルを合わせていることもありますが、フジテレビ制作の番組については好きな番組は皆無です。
 
最後にフジテレビ制作の番組にクギヅケになったのは、「笑っていいとも」の最終回でしょうか。しかし、それも一回限りの特番。慣習的にフジテレビの番組を見続けることはありませんでした。
 
そんな中、昨日の「まつもtoなかい」には笑い、泣き、ドキドキハラハラさせられました。こんな経験は10年ぶりです。
 
SMAPという日本のエンターテイメントの代表格であり一つの「文化」でもあったメンバーの中居くんと香取くんが6年ぶりの共演を果たした感動もありましたが、あくまで番組として面白かった点を以下に書いていきたいと思います。
 
ちなみに、私はSMAPのファンではなく、ただの映画好きです。
 
 

香取くんの無言は6年もの空白と「緊張」を表現した

 
香取くんがゲストとして呼ばれ、椅子に座って数分間は無言を貫きました。
普通、ゲストであれば最初から元気よく「よろしくお願いしまーす!」と愛想よく挨拶をするものですが、香取くんはあえて無言でMCを拒絶するかのような態度でした。
 
放送前、視聴者は一つ打算していたことがあったと思います。中居くんの番組に出るということは、少なくとも中居くんと香取くんには良い関係性が生まれている→だから共演した、という点です。
二人ともエンターテイメント界の最前線を走っている方々です。どんな状態であっても、テレビの前では仲睦まじいところを見せてくれるに違いない、と。
 
しかし、中居くんと松本さんが喋るばかりで、何度も話すよう促されているにも関わらず無言。
これはあくまで考察ですが、6年間共演しなかった分の長い長い空白を、香取くんは表現していたのではないでしょうか。自分はテレビにほとんど出演しなかった、できなかったという想いが無言だからこそ伝わってきたと思います。
 
また、無言は番組に「緊張感」という大きな効果を与えてくれました。香取くんが何を話すのか誰もが気になっている番組の冒頭で無言を貫くことで、「やはり二人の仲はあまり良くないんじゃないか。。」と良い意味で視聴者に「不安」を与えると同時に、一言目は何を話すんだと「期待」を持たせる。
総じてバラエティ番組にも関わらず「緊張感」たっぷりな映像が出来上がったのです。
 
冷静に考えれば、本当に関係性が破綻していたら共演するはずがありません。
しかも生放送ではなく収録なので、収録後も関係性が続いていないと放送できません。
 
言ってしまえば約束されていたふたりの関係性ではあったのですが、無言によって予定調和を破壊しどちらの方向に進むか分からない展開に持っていけたのは見事としか言いようがありません。
 
また、細かい点ですが字幕が少なかったのも「先読みできない展開」に大きく貢献していたと思います。
 

 

緊張後のほっこりトークによって「緩和」が生まれる

 

無言を終えた後は、不貞腐れた態度で話し始めた香取くん。

ギクシャクする会話と眉間に皺を寄せる中居くんと松本さんが印象的なオープニングトークでしたね。

 

ここで番組出演するに至ったきっかけが話されますが、中居くんに関する感謝は一切ナシで松本さんの番組でお世話になったからの一点張り。

無言の緊張状態から解放されたと思いきや、なかなか中居くんの懐に入ろうとしない香取くんの態度に何故か笑いが生じる。中居くんに無関心な態度を取ることで笑いが生まれ、ブラックユーモアが炸裂していたと思います。

 

そして、我々は6年ぶりに二人のキャラを思い出すことになります。

そうです。香取くんは末っ子感満載な自由人キャラで、中居くんは頼れるアニキだけどイジられまくるキャラだったんですよ。

二人の関係性を改めて伝えるためには、中居くんに無関心な態度を取ることが最適な手法だったのではないでしょうか。

 

加えて、松本さんのアシストも絶妙なスパイスになっていて、黒胡椒たっぷりの高級ステーキを食べているような感覚でした。松本さんがSMAPのことについて鶴瓶師匠に相談した時のエピソードトークは爆笑しました。

 

徐々に打ち解けていく中居くんと香取くん。

ホッと一安心と思いきや、番組はもう一つサプライズを用意していました。

なんと中居くんが病気で療養中に香取くんから連絡があり、「会いたいです」とメッセージを送っていました。その後、2ヶ月以上やりとりが続き、新年早々二人で会っていたことが明らかになったのです。。

「最初の無言、何やったんや。。」とツッコミを入れる人も多くいると思います。

私も同じです。

 

その後はエモいエピソード話の連続で、実は香取くんのライブ会場に中居くんが見にきていたとか、「8割そばと10割そば、どっちか悩んでます」とかどうでも良い話がかえって笑いと安心を生む展開になりました。

 

無言の状態、その後のギクシャクした関係によって「緊張感」が出た後は、ほっこり話で「緩和」が作られました。

最初にこのトークをしていたら、単に「やっぱ仲良かったんだねー!嬉しいー!!」とただ喜ぶだけの展開になっていたのですが(もちろん、これだけでも良いのですが)、緊張と緩和を出すことによって番組、いや「作品」として良い作用が生まれたのは間違いありません。

 

 

 

テレビにおける「緊張と緩和」の必要性

 

タイトルにも書きましたが、改めて今のテレビには「緊張と緩和」が足りないと思っています。

 

特に、「緊張」があまりにも少ない。どのチャンネルをつけても、バラエティ番組は和気あいあいと仲良くする芸人とタレントたち。常に一本調子で「喜」の感情しか伝えられない。

笑顔しか映らない番組を見ていても、面白いはずがありません。

そして実力でその座を掴んだMCが絶妙な舵取りで番組を良い方向に盛り上げていく。

順風満帆なツアーです。でも、テレビには順風満帆なんて必要ないです。

最終的には安心安全な旅路であったとしても、どこかで一波乱欲しいんです。

 

「めちゃイケ」の学力テストと「呼び出し先生タナカ」の比較をすると分かりやすいと思います。後者は明らかに前者に影響を受けた(というかオマージュ的な)番組であり、基本骨子が同じだからです。

 

「めちゃイケ」の学力テストは「真面目に正しい答えを書いてください」という雰囲気があり、美術も一般的な地味な教室で演出も控えめでした。また、光浦靖子など優等生の優秀な回答をうまく挟む事で緊張と緩和が高回転できていたのです。

あの演出があったからこそ「三角すい(水)」が爆笑を生んだのです。

 

しかし、「タナカ」の方はタイトルに「呼び出し」とあるように、「間違えた回答をすること」ありきで番組が構成されています。そんな番組に緊張と緩和なんてありませんし、クソほどの面白みもありません。何よりポップな演出で間違えた回答をするなんて便所の落書き以下です。

 

昔は(今の基準に照らせば)セクハラパワハラや差別誹謗中傷がメインとなって「緊張」を与えていた部分があると思います。昔はダウンタウンの浜田さんがカメラに映るだけで「いつ松本を殴るんだろう」とドキドキハラハラできましたが、今ではパパ活不倫で

 

今の時代にはそれが出来ないのでつまらなくなった、という図式になっていると思いますが、実際は手法を変えればいくらでも緊張を与えられるのです。

 

・不平不満、愚痴をネタじゃなく本気で言う(ように見せる話し方をする)

・美味しい店だけでなく、「マズい店」も取材する

・ワイプで抜かれても笑顔を見せずムスッとしてみる

・途中で番組を退出してみる(もちろん、嘘でいい)

 

などなど、いくらでも出来ることはあるはずです。今番組で香取くんが見せた無言は、今の時代のコンプライアンスに全く抵触せずに緊張感を与えることに成功しているのです。

 

昔と比べて、分かりやすく緊張感を与えることはできなくなりましたが、香取くんのような手法も使えるのです。

脈絡がない話で恐縮ですが、Mr.Childrenの「しるし」という曲に、「今、微妙なニュアンスで君は示そうとしている」という歌詞があります。

無言だと言語化が出来ないので明確なニュアンスは伝わりづらいですが、微妙なニュアンスであっても香取くんの心情が存分に伝えられたのではないでしょうか。

 

コンプライアンスの改善やターゲット層の変化など、テレビには多くの変化が求められていますが、実はそんなことは大した問題ではないのです。

 

今のテレビに香取くんは十二分に通用する存在だと、微妙なニュアンスによって伝えられたのではないでしょうか?

 

緊張と緩和、これからも今のテレビに合った手法で作り出して頂けたらなと思います。

僕はそういう番組が大好きです。

 

 

 

まとめ

短く書くつもりが、長々と駄文を続けてしまいました。。

 

SMAPの不在は心にぽっかりと穴が空いたようで、ずっと不安だった何かが今番組で解消されて心が晴れやかになったような気がします。

 

何より、ファンの方は大歓喜でしょう。実は一番泣いたところは、番組後半で中居くんと香取くんを見た観客が泣いているのを見た時なんですよね。

 

一応ザキヤマMCの音楽番組というていで集められた観客なので明確にSMAPのファンだったかは分かりませんが(それも演出の一部かもしれませんが)、SMAPの二人がテレビに出るという衝撃と喜びに涙した観客を見て私ももらい泣きしました。

 
来週は上沼恵美子さんが登場するとのことで、香取くんの何倍も「緊張」を与えられるゲストなので今から楽しみで仕方ありません!
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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