- まえがき
- あらすじ
- 「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のネタバレありの感想と解説(全体)
- イルミネーションの「炒飯力」に感服
- 現実世界とゲーム世界を差別化することで見えてくるもの
- ゲーム経験のある人にとっては涙が出るほど嬉しい小ネタ
- 抜群のエンタメ性は80'sオマージュが下敷きに
- まとめ
まえがき
今回批評する映画はこちら
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」
それでは「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・世界的人気の任天堂のアクションゲーム「スーパーマリオ」シリーズを、「怪盗グルー」「ミニオンズ」「SING シング」シリーズなどのヒット作を手がけるイルミネーション・スタジオと任天堂が共同でアニメーション映画化。イルミネーション創業者で「怪盗グルー」シリーズなどを送り出してきたプロデューサーのクリス・メレダンドリと、マリオの生みの親でもある任天堂の宮本茂が製作に名を連ねる。
ニューヨークで配管工を営む双子の兄弟マリオとルイージが、謎の土管を通じて魔法に満ちた世界に迷い込む。はなればなれになってしまった兄弟は、絆の力で世界の危機に立ち向かう。マリオとルイージに加え、ピーチ姫、クッパ、キノピオ、ドンキーコング、ヨッシーなど原作ゲームシリーズでおなじみのキャラクターが多数登場する。
監督は「ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー」でタッグを組んだアーロン・ホーバスとマイケル・ジェレニック、脚本は「ミニオンズ フィーバー」のマシュー・フォーゲル。オリジナル版の声の出演には、マリオにクリス・プラット、ピーチ姫にアニヤ・テイラー=ジョイ、ルイージにチャーリー・デイ、クッパにジャック・ブラックら。日本語版ではマリオを宮野真守、ピーチ姫を志田有彩、ルイージを畠中祐、クッパを三宅健太、キノピオを関智一が務める。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー : 作品情報 - 映画.com
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#映画スーパーマリオ」鑑賞🍄
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2023年4月28日
面白すぎて夢見てるのかと思った🍄
ゲーム原作映画史上No. 1🍄
2023年映画満足度No. 1🍄
キノコ食べたくなる映画No. 1🍄
パンフ買いたくなる映画No. 1🍄
文句のない映画No. 1🍄
最高に美味いハンバーガー食べてる感じ🍔🍄 pic.twitter.com/J5tmdrcQLT
#映画スーパーマリオ は、時代を先取りしすぎて失敗したセガでもなく、クオリティを追求しすぎて一見さんお断り感のあるソニーでもなく、誰もが気軽に参加できて楽しめる正に任天堂そのものを表した映画になっているので1秒でも早く映画館に行くやる気スイッチを押してほしい。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2023年4月28日
イルミネーションの「炒飯力」に感服
こんなに面白い映画あるんですか。。
イルミネーション映画でも最高到達点間違いなし。
今年のGWを象徴する最高のエンタメ映画でございました!!
クッパに捉えられたピーチ姫を救うためにマリオが立ち上がる。
既に結末が分かっている状態で映画を見に行くわけですが、これが抜群に面白いんです。めっちゃ笑えるし泣けるし感動するんです。語彙力がなくなるほどですw
今作には「いつもの」というワードがピッタリきます。
いつものマリオ、いつものイルミネーション的エンタメ、いつものポップな音楽、いつものCG、いつもの上映時間。
評論家の評価が低いのも納得で、一目で分かる新規性はありません。
評論・批評という色眼鏡をかけても意味がないです。
だって、イルミネーションは「いつもの」手放しで喜べるエンタメ映画を目指しているのだから。
同時に、「いつもの」を目指してきたのはイルミネーションだけでなく、マリオも同じです。
グラフィックやシステムが進化しても、昭和になっても平成になっても令和になっても、いつものマリオが画面に映り続けています。星の数ほどあるゲームの中で、同じキャラクターが何十年間も第一線で活躍し続けることは並大抵のことではないですし、任天堂の努力の賜物です。
イルミネーションと任天堂、これほど相性の良い提携もないですよ!!
観客にとって「いつもの」娯楽を目指してきた2社がタッグを組んだのですから、エンタメ性には事欠きません。
これまでゲームでしか見てこなかったマリオの世界が映像化。それだけでも嬉しいのにイルミネーションによって抜群のエンタメに仕上がっていたんですよ。そりゃ、売れるでしょ!!
ざっくり言えば、今作は「炒飯力」だと思います。
イルミネーションは基本的にNYを舞台にして、最大公約数的に楽しめる音楽とキャラクターと物語で勝負してきたメーカーです。
正直、毎回新規性はないです。監督ではなく制作会社の方に作家性があるタイプです。
悪く言えば、寄せ集め・有り合わせで作った映画とも言えます。
良く言えば、会社の既存のノウハウやアセットを最大限活用して映画を作っている稀有な事例とも言えます。
今回はマリオという誰もが知っている素材を使って、いつもと同じ味で作った。
作り方は変えてない。でも、今回は素材があまりにも良かったし、相性が最高だった。
イルミネーションの作る炒飯っていつも美味いんですよ、本当に。。。
現実世界とゲーム世界を差別化することで見えてくるもの
新規性がないと言いましたが、ファンにとっては衝撃的な出来事の数々で、、、
まずはマリオとルイージが会話をしている、という点ですねw w
そして見る限り冴えない生活を送っているんですよww
これだけで俺たちにとっては十分新規性があるし、開始2秒でワクワクさせられる。
字幕で見たのですが、ピーチ姫思ったより声低いなとか(アニャテイラージョイだから仕方ないかw)、クッパの声優ピッタリだなとか(ジャック・ブラックて本当に自己中なオッサンの役が上手いw)、声を当てることでまるで新世界のようなマリオが楽しめます。
ゲームキャラクターとしてでなく、あくまで人間としてマリオのキャラクターを扱ってるんですよね。そしてクッパやピーチやピノキオを「異世界」のキャラとすることで、現実と差別化している。
このように、ゲームと現実を差別化することで見えてくるものがあります。
マリオはイタリア系の移民で、仕事がなくアメリカの富裕層にヘコヘコして犬以下の扱いを受けている、という点です。
ニューヨークのブルックリンという、移民が多く住むエリアが実家で、仕事が成功せずゲームをプレイしている。
日常に飽き飽きし別の世界へ飛び込むというのはイルミネーションのお家芸みたいなものですが、それを庶民であり移民であるマリオが行うことで、普遍的なアメリカンドリーム的展開になってるんですよね。
という意味で、今作はロッキーに近いものがあるんですよ。ピーチがエイドリアンなんですよ。流石にあんなに可愛くないけどw
ゲーム世界と現実世界を差別化することで、ゲームでは絶対に得られないマリオの境遇や環境を伝えて、(アメリカの)映画としてふさわしい作りになってるんですよ。
あえてゲーム映画でこのテーマに挑戦しているんです。
なぜ評論家はこの点に気づかずに評価しないのか、非常に疑問に感じます。
とまぁ、真面目なことはさておいて、ゲーム世界に入ってからのマリオは本当に最高ですw w
現実世界からゲーム世界に移動してきて一番感動したのは、「スクールウォーズ」の音楽に合わせてマリオが特訓するシーンですよね!!!
今作のマリオは現実世界から異世界に移動してきた立場なので、キノコを食べてどうなるかとか、パイプに入ったらどうなるかが未知の状態なんですよね。
だから死ぬほど同じことを繰り返すのですが、それがマリオのゲーム初心者にとっては分かりやすいチュートリアルにもなるし、ファンにとってはあるあるネタでもあるし、誰がどう見ても楽しめる名シーンが誕生したのではないでしょうか?
マリオが何者でもないし、何もできない状態=伸び代がある状態というのは映画の主人公としてピッタリですし、そもそもマリオのゲームを始めてプレイする人も同じです。
ここで観客とゲームプレイヤーとマリオの心情が完全に一致する。
ゲームプレイヤーでもあった自分は、今作にノスタルジーを感じると共に、取説のあらすじをザッと眺めて理解しているつもりでいたマリオの世界の深みを知ることができました。
ゲーム経験のある人にとっては涙が出るほど嬉しい小ネタ
今作は本当に小ネタの宝庫なんですけど、ゲームのネタが多すぎて書くのが困るw w
もちろん、今作のタイトルにもなっているスーパーマリオブラザーズのガジェットの数々ですよねw
大きくなるキノコとか、落下したりダメージを受けると元に戻っちゃうとか、ゲームで何度も見てきた状況が映画になるとこんなに面白いのかw
そして、ドンキーコングとの対戦ですよw
ここで際立つのは、2Dアクション的な美術設定ですよね。あえて一直線のブロックを用意してウェスアンダーソン的に見せるのも素晴らしいし、2Dゲーム的な見せ方も素晴らしいです!
そして何より、マリオカートじゃないでしょうか・・・!!
レインボーロードのショートカットコースを公式が見せるなんて、もう感動して叫んじゃいましたよwwwww
そうそう、あそこで右にハンドルを向けてジャンプすると行けるんだよなー、クッパだと重いから飛べないんだよなーとか色んなことを思い出しちゃいましたwww
抜群のエンタメ性は80'sオマージュが下敷きに
今回はかなり80年代オマージュがありましたよね。
まず、マリオとルイージが宣伝のために自身のCMを作るという展開は「ゴーストバスターズ」で見られた展開ですし、使われている音楽はスクールウォーズの「You are the hero」だったりA-haの「Take on me」だったり80年代のものばかり。
最後にはMr.Blue Skyも流れて、クリスプラットが声を吹き替えているのもあってガーディアンズオブギャラクシー味もありましたねw
そして、エンドロール直前に観客に語りかけてくるような演出も、「フェリスはある朝突然に」を彷彿とさせました。
抜群のエンタメ性があるのは、80'sオマージュを下敷きにしているのが大きいと思いますね。
まとめ
はぁ。あと2回3回は見たくなるわ。。。
GW公開の映画の中でも、ぶっちぎりに面白い作品なのではないでしょうか?
ニュースでは100億行くかが焦点になってましたけど、間違いなく行くと思います!
150億円も行くと思います!!
今マリオをプレイしたい気持ちでいっぱいですw w
では、お酒飲みながらマリオをプレイしたいと思います!
では皆さん、良いGWをお過ごしくださいませ〜〜〜!
99点 / 100点