ネタバレありで感想と解説を始めます
今回公開する映画はこちら!
「蜜蜂と遠雷」
松岡茉優、松坂桃李。この二人がいると絶大な信頼感があり、それだけでムビチケを買ってしまいました。
映画の予告もよくできていて、「音楽に人生捧げてきた奴には出来ない演奏だってあるんだ」ってセリフを松坂桃李くんが言ってたと思うんですけど、このセリフが妙に心に刺さってしまって。
それでは「蜜蜂と遠雷」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!
あらすじ
・直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の同名小説を、松岡茉優、松坂桃李、「レディ・プレイヤー1」の森崎ウィンら共演で実写映画化。ピアノの天才たちが集う芳ヶ江国際ピアノコンクールの予選会に参加する若き4人のピアニストたち。母の死をきっかけにピアノが弾けなくなったかつての天才少女・栄伝亜夜は、7年の時を経て再びコンクールへの出場を決意する。音大出身だが現在は楽器店で働くコンクール年齢制限ギリギリの高島明石は、家族の応援を背に最後の挑戦に臨む。名門ジュリアード音楽院在籍中で完璧な演奏技術と感性を併せ持つマサル・C・レビ=アナトールは、優勝候補として注目されている。そして、パリで行われたオーディションに突如現れた謎の少年・風間塵は、先ごろ亡くなった世界最高峰のピアニストからの「推薦状」を持っており、そのすさまじい演奏で見る者すべてを圧倒していく。熱い戦いの中で互いに刺激しあい、それぞれ葛藤しながらも成長していく4人だったが……。松岡が亜夜を演じるほか、松坂桃李が明石、森崎がマサルに扮し、映画初出演の新星・鈴鹿央士が塵に抜てきされた。監督・脚本は「愚行録」の石川慶。
映画の感想
「天才」、「神童」、「神の手」
印象に残りすぎる映像の数々
冒頭でいきなり、黒い馬が松岡茉優ちゃんの映像にフラッシュバックしてきて、いきなり「あれ?なにこれ?」と面をくらいました。
その後もやたらとシンメトリーな映像が流れるし、非常に印象に残る映像の数々で。本当にこれ日本人監督で東宝が製作・配給した映画なのか?と思うほどのクオリティで。
監督の演出手法によって、邦画でもここまで作風が変わるのかと思いました。そうですよね、細かい演出まで口を挟む人なんていませんもんね。
驚きの超自然演技
ナチュラルな演技にまず驚きました。日本では是枝裕和さんや、ミニシアター系で上映してる邦画とか。
ナチュラルな演技というか、もうドキュメンタリーに近いですよね。コンペの結果が発表された時のインタビューシーンとか、俳優の素が出てるんじゃないかと思うくらいリアルで。
特に松岡茉優ちゃんの演技とか演技じゃないみたいですよね。あの笑い方とか喋り方ねぇ、ラジオで話してる時と全く同じなんですよねぇ。
松坂桃李さんの自然な演技も納得だし、それに鈴鹿央士さんでしたっけ?あの天才の描写とかねぇ、まるで漫画みたいですよw
天才たちのキャラ描写が素晴らしい
数多くの天才ピアニストたちが登場するんですけど、特に主役の3人がすごいですよ。
まず名前がすごいよね。
松岡茉優演じる栄伝亜夜。
伝説に残るほどの天才ピアニストと言う意味も込めて「栄伝」と名付けられてるのでしょう。数ある天才の中でも、一番の天才はこの栄伝さんですよね。
今作は天才ピアニストの天才度合いを楽譜で示してるんですけど、オリジナルで作曲するパートの楽譜に関して、なんと彼女の楽譜のみ白紙。。
その場で即興的に思いついた演奏で、コンペを勝ち抜いていくんですよね!!
天才の演技をする松岡茉優ちゃんに驚かされっぱなしでした。そういや、「ちはやふる」でも天才かるたクイーンだし、製作陣には天才と思われてるのでしょうか。。
そして風間塵。「塵」と言う珍しい名前がついてるのも癖が出てる証拠。この子はちはやふるでいうとこの「新」的なポジションですかね。天才には違いないけど、あまりに天才すぎて審査員も簡単に気づけないくらいで。この子、人付き合い大丈夫かなぁと心配してしまうw
そして、、極め付けは森崎ウィン演じるマサル・カルロス・レヴィ・アナトールですよwww
なんかもう、名前からして天才っぽいですよねw 勝、とか大とかじゃないんですよwマサルなんですよww マサルなんて呼び方、「セクシーコマンドー外伝すごいよマサルさん!」の「マサル」くらいですよw
セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: うすた京介
- 出版社/メーカー: 集英社
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彼のキャラクターが本当によくって、だって話すとき「僕はねぇ〜」を連発して、いかにも育ちの良いキャラになってるんですよね。加山雄三かよwってツッコミを一人入れてましたw
そんな彼がコンペの覇者。才能もあるし、努力をするし、意欲的でスター性もあって。。彼が1位になる理由も納得なんですよね。
大人達の視点もお見事
大人のキャラクターも素晴らしい。
まずは審査員の斉藤由貴。。明らかに疲れた顔で、若者達のピアノを頬杖ついて見てる女。この人、審査員の中でも最も偉い審査委員長ですからねw
思った以上に覇気がないんですよねw 周りの審査員たちも、非常に冷めているというか、、今作の特徴なんですけど、大人に覇気が感じられないんですよねw
ピアノが楽しいって大人はまずいないんです。
大人なのに唯一ピアノコンペに参加してる松坂桃李くん演じる高島。彼もピアノが好きでしょうが、なんか使命感が優先してピアノを楽しむ余裕が持てなさそうに感じました。
自分のことを「生活者」って言って他のピアニストと差別化しようとするし。でも、大人はそうやって戦略を立てて観客に宣伝していくしかないんですよね。仕事もあるし、家庭もあるし。松坂くんの立場だとああやって渡り合うしかないんですよね。。
コンペでは残念な結果に終わりましたが、彼がインタビューでひたすら無言になるときで、泣いてしまいました。。