Machinakaの日記

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【未知との遭遇】ウズベキスタンに行って率直に感じた5つの不思議

 

こんにちは! 

 

Machinakaです!! 

 

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今回は映画ではなく、先日旅行に行ってきたウズベキスタンについて書きたいことがあり、筆を取った次第です。

 
画像
 
 目次
 

ウズベキスタンとは何ぞや

ウズベキスタンは中央アジアの一部であり、カザフスタンを挟んでロシアと近い地理関係にあります。

はるか昔、あのシルクロードの中心として栄えた地域です。地政学的に優れた立地であるが故に、他国からの侵略が絶えず続いた歴史があります。

 

もともと旧ソビエト連邦に属しており、90年代初頭にソ連崩壊と同時に独立。

 

主要産業は農業が圧倒的、次いで機械製造。もちろん観光産業には力を入れていて、宿泊飲食小売業などのサービス業もさかんですが、GDPの最も多くを占めているのは農業です。

 

首都タシュケントは人口240万で大阪市と同じくらい。とはいえ国全体の人口は3500万なので、日本と比べると社会経済的にも小さい国です。

 

 

自分からウズベキスタンに行きたいとは思ってなくて、ひょんなことから提案を受けて行ってみることにしました。

日本からの直通便は少ないので、韓国経由で7~8日間ほど。

 

タシュケント

寝台列車

ヒヴァ

飛行機

ブハラ

電車

サマルカンド

電車

タシュケント

 

の順で回りました。

 
 

観光にはうってつけの国には違いない

ウズベキスタンは、こと観光に関しては最高の国です。

どれだけ円安だとしても、ウズベキスタンはそもそもの物価が非常に安い。

 

YANDEXというUBER的なアプリをタクシー代わりに使えば、30分乗っても200円。

別にハッピーアワーでもないのにビールが200−300円。

炒めご飯300円。サイゼリアもびっくりです。

ホテルも1人5000円払えば日本のリゾートホテルに泊まれるレベルです。

 

 

観光スポットもこと欠かさず、世界遺産は国内に6つ。日本とは異なり、街自体が世界遺産に認定されていることが多く、まるで夢の国のセットのような街を堪能できました。実際に「アラジン」の実写版のロケ地にもなったとか。

 

ブハラのカラーンモスク(1枚目)やヒヴァの街並み(2枚目)も素晴らしかった。個人的にはヒヴァが落ち着いてて華美な感じもなく好みでした。

 

 

 

東南アジアよりは少し遠いけど、欧米よりは遥かに近い。物価も安い。観光も良い。

あと言い忘れてたけど、治安も抜群に良い。

本当に素敵な国でした。

 

・・・ただ、日本に長く住む者としては不思議なことがたくさんありました。

ありすぎました。

 

 

不思議その1:ロシア語とコーランが鳴り響く国

ソ連から独立して30年以上経ち、ウズベク語が公用語になっているのですが、いまだにロシア語が多く飛び交ってます。

 

テレビもロシア語が多く、道案内や看板もほとんどロシア語が併記。

ロシア後しか喋れないドライバーもいました。

 

道行く人もロシア系が多く、独立してもなおロシア文化が色濃く残っています。

駅や道路などのインフラは旧ソ連時代に建設されたものも多いので、その影響もあるのかも。

実際の交通量に見合ってない巨大な駅前広場(おかげで歩くの疲れた)。

ショッピングセンターの前にはライフルを持つ警備員が。

タシュケントでは、暗く素っ気ない店員や人もちらほら。

ホテルから滞在証明書を貰わないと高い罰金を払う羽目になる(旧ソ連時代の名残)。

 

今は民主主義なのですが、どこか社会主義国によくある抑圧された空気感も感じ取れました。

2016年までカリモフ大統領が政権を握っており、非常に権威的な政治だったそうです。だから滞在証明書やライフルを持つ警備員が残っているのかも。

 

2016年から新しい政権になり、抑圧的な風潮はかなり緩和されたようですが、いまだにロシアと親密な関係にある国には変わりありません。

日本人だからといって危険なことは一切ありませんでしたが、多少なりともそういった意識を持ちながら行動していました。

 

また、ウズベキスタンを語る上で欠かせないのがイスラム教です。

国民の90%以上がイスラム教スンニ派であり、イスラム教の中でもメジャーな宗派。

お昼や夕方など、決まった時間にはコーランが流れます。街中はもちろん、都会のショッピングセンターでさえも。

 

ただ、その場でお祈りを捧げる人はほとんどいません笑

女性はスカーフを巻く人はまちまちで、3割もいなかったように感じます。

昔はもっと厳しかったのかもしれませんね。

イスラム教の国というと非常に厳格な印象を持つかもしれませんが、ウズベキスタンはそうでもない。

 

ざっくりいえば、ロシア語が飛び交いながらBGMにコーランが流れているような不思議な国。

かつてシルクロードには世界中から多様な人種が集まりましたが、その縮図とも言えるような雰囲気でした。

 

ロシアとイスラム教、日本からすると少し近寄りがたい感じですが、今回身をもって両方味わえたのは貴重でした。

 
 

不思議その2:ゴミ一つ落ちてない街

これも旧ソ連の名残なのか、イスラム教の教えなのか、それともウズベキスタン独自の文化なのか。

街にゴミがないんです。

道がピカピカしてるんです。

 

日本もかなり綺麗な部類に入ると思いますが、よくみるとホコリっぽかったり、空き缶やガムの跡がありますよね。

 

ウズベキスタンは全くないんです。少し怖いレベルでゴミが落ちてない。

実際にご覧いただくのが早いでしょう。こちらの写真をどうぞ。

 

 

落ち葉があればすぐに掃く。石畳の道は光が反射してキラキラ(ホコリが少ない証拠)。

ちなみにいずれの写真も世界遺産の内部ではありません。誰もが生活道路として使う道ばかり。

街に設置してるゴミ箱もたくさんあり、中心部では100mに一つくらいある。

灰皿もゴミ箱の上に設置されている=火消し後ゴミ箱の中に捨てる。なのでポイ捨てもない。

 

日本よりも路上に座っておしゃべりしている人が多い。確実にゴミは出やすい環境にあるのに、全くゴミが落ちてない。

道全体を水拭きしてるんじゃないかってくらい、ピカピカに磨かれた(ように見える)街がそこにありました。

 

不思議その3:画一的すぎる食文化

ウズベキスタンは外国料理の店が少なく、自国の料理を扱った店が中心でした。

特にプロフというチャーハンのような料理は店に行けば必ずメニューにありました。

 

 

このプロフ、500年以上前から食べられている料理で、直径1m以上の超大鍋で100人分の量を一気に作るのが伝統なんだとか。

 

プロフの有名店に行って調理風景を見ましたが、本当に100人食べれるようなサイズの米と野菜を炒めていました。

 

あとはスープとナン、そしてトマトとキュウリのサラダが一般的。

素朴で良い構成だとは思うのですが、、、

 

どの店に行っても同じなんです。

日本で言うところの、お味噌汁と卵焼きと魚とご飯みたいな。定番のセットがどこの店に行っても同じ内容、ほぼ同じ味で出てくる。

 

特に驚いたのは、サラダと食器。

 

サラダはどの店に行ってもトマトとキュウリだけ。ドレッシングはなし。

これを1週間以上続けたので、流石に飽きました笑

レタスやキャベツは出てこない。たまにオニオンスライスが混ざっていたりすると、嬉しくなっていました。

 

食器に関しては、上の写真にある通り、金色で縁取られた青と白の模様の食器が印象的でした。

どの店に行っても、どのホテルに行っても、同じ柄の食器なんです。

本当です。

お椀やマグカップ、平皿などあらゆる形状の同じ柄の食器が並んでいるのです。どの店でも、どの街でも。

 

綿花を模したデザインらしく、ウズベキスタンのイメージを代表するような食器には違いないのですが、あまりのシェア率の高さに驚きを隠せませんでした。

 

 

不思議その4:レイトショーばかりのシネコン

タシュケントで映画を見たのですが、上映時間を観るとレイトショーばかり。

ショッピングセンター内に入ってる、日本でもよく見かけるようなシネコンなのですが、昼間にやってる映画がほとんどなかったです。

コーランの影響? 大作映画がない? 閑散期? スタッフ不足? 清掃時間?

理由は分かりませんが、20時〜23時はじまりばかり。どうやって運営してるのでしょうか。

 

不思議に思いながらも、せっかくならとウズベキスタン制作の映画を購入。

奇跡的に15時にやっているのを発見し、ネットで予約できなかったのでチケットデスクで購入の意思を伝えました。

 

「ウズベキスタン語だけど大丈夫か?」

「字幕はないけど大丈夫か?」

 

と散々言われて、ようやくチケット購入。

いざ劇場に入って写真を撮ってると、スクリーン前のスタッフが

 

「ウズベキスタン語だけど大丈夫か?」

「字幕はないけど大丈夫か?」

 

と再度確認され、おまけにスクリーンはここだと案内を受ける。それくらい分かるのに笑

さぞかし珍しい客だったのだろう。わざわざ日本から来た映画ファンをもてなしたかったのか、非常に好意的な印象を受けました。

 

そして着席。

 

 

しかし、そこでも

 

「ウズベキスタン語だけど大丈夫か?」

「字幕はないけど大丈夫か?」

 

...大丈夫だって!!

 

「アイアムジャパニーズムービーファン!」

「アイウォントゥーウォッチイット!」

 

と伝えて、鑑賞の許可を得ました。

 

観た映画は「Bahodir Yalangto'sh」というサマルカンドの創始者の半生を綴った伝記モノ。

https://m.imdb.com/title/tt29431025/

 

時代は1600年代。まだウズベキスタンという国が存在しておらず、周りの都市と戦いを続ける日々。加えてモンゴル侵攻や明(中国)の企てもあり、サマルカンドは窮地に追いやられていた。

 

主人公は弓で負傷し九死に一生の状態になるも、サマルカンドを身を持って守るストーリー。

 

...結論から言うと、少し退屈でした笑

劇場の8割が会話シーンで、ウズベク語が分からないこと関係なく辛かった。

背景美術や衣装はすごかったけど、あまりにも画が動かなくて。。

 

ただ合戦シーンは非常に好みでした。

なんと、ラストの戦いはザック・スナイダーの「スリーハンドレッド」のごとく超スローモーションで汗しぶきが飛び交う内容に!

 

まさかウズベキスタンでザック・スナイダーを観ることになるとは、思ってもみなかった。

 

エンドクレジット前には、現在のサマルカンドの街並みが描かれる。特に世界遺産の神学校が中心に映るので、映画に関係があるとはいえ、観光映像のようなクオリティだったので少し戸惑いました笑

 

国の協力というか、介入があったのかもしれないですね。

 

 

不思議その5:学校に行けない子供たち

違和感はヒヴァの街から始まってました。

平日昼間にもかかわらず、学校に行かず遊んでいる子どもたち。

 

今日は学校が休みなのかな?

 

きわめつけは、ブハラのレストランだった。

夜10時すぎに入ったレストランに、なぜか小学校5〜6年生くらいの子供が客の注文を取ってました。

 

どっからどう見ても小学生。イガグリ頭で可愛らしい。まだ声変わりしてない。

ひゃ、100歩譲って就労体験なのかな?

それとも、お店の子どもでお手伝いをしてるのかな?

と思いたかったですが、何とその子供がホールのリーダーのような振る舞いをしているのです。

また、もっと小さい子供も働いていました。

 

完全に従業員でした。

子供が子供に指示を出し、子供が子供に報告をしている。

 

観光客用のレストランなので、客は外国人ばかり。私と同じく不思議に感じながらも、次々とオーダーを子どもに伝えていました。

子供をじっと見つめる旅行者。

 

なぜ働いてるのか、大人は何も言わないのか。

そんな事を聞く人は誰もいませんでした。

常に小走りで、ハッキリとした受け答え。

きちんと仕事をしていたのです。

 

ウズベキスタンは、昔から児童労働が問題になってまして。

特に綿花栽培の要員として多くの子供が強制労働に駆り出されており、国連が問題視して注意勧告をしたほど。

 

昔に比べて幾分かはマシになったはずですが、まだまだ児童労働の問題は根強く残っていると感じました。

 

 

 

まとめ 西側の視点では分からない国

日本でウズベキスタンというと、観光名所の綺麗なモスクばかりが映るでしょう。

 

しかし実際に現地に行くと、思った以上にロシア文化が広がっていて、ちらほらとモスクワの影が見えました。

 

イスラム教とロシアというと、西側の視点に立つ日本ではネガティブなイメージを持ってしまいがち。

ウズベキスタンはその双方を合わせた国でもあり、今まで体験したことのない出来事の連続でした。

 

ウズベキスタンは観光には最適な国。

人も良い、飯も美味い、物価も安い。

 

しかし、それだけでは片付けられない、不可思議な国でもありました。

 

以上です! ご覧いただきありがとうございました!

 
 
 
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