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映画「ナイチンゲール」ネタバレあり感想解説と評価 ここは、地獄か?オーストラリアの真実を抉る、バディ・リベンジムービー!!

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
Twitterもやってます!
 
 
 
この記事では、「ナイチンゲール」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「ナイチンゲール」

 

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(C)2018 Nightingale Films Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Screen Tasmania.

 

ないチン毛〜が!

 

という、まさしく不毛な親父ギャグが、なぜか小学校時代に大流行した。

 

ちらり〜ん、鼻から牛乳〜〜

と似たような パンチラインで、同時期に流行っていた。

 

あの頃は下の毛も生えておらず、他人事のようにじゃれ合っていたが、まさか生え揃った今になって、またぶり返してしまうとは、、

 

 

・・・

 

・・・

 

 

まえがきは以上。

 

 

 

それでは「ナイチンゲール」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・イギリス植民地時代のオーストラリアを舞台に、夫と子どもの命を将校たちに奪われた女囚の復讐の旅を描き、2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査員特別賞ほか計2部門を受賞したバイオレンススリラー。19世紀のオーストラリア・タスマニア地方。盗みを働いたことから囚人となったアイルランド人のクレアは、一帯を支配するイギリス軍将校ホーキンスに囲われ、刑期を終えても釈放されることなく、拘束されていた。そのことに不満を抱いたクレアの夫エイデンにホーキンスは逆上し、仲間たちとともにクレアをレイプし、さらに彼女の目の前でエイデンと子どもを殺害してしまう。愛する者と尊厳を奪ったホーキンスへの復讐のため、クレアは先住民アボリジニのビリーに道案内を依頼し、将校らを追跡する旅に出る。主人公クレア役はドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のアイスリング・フランシオシ、ホーキンス役は「あと1センチの恋」のサム・クラフリン。ビリーを演じたオーストラリア出身のバイカリ・ガナンバルが、ベネチア映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞。監督は「ババドック 暗闇の魔物」のジェニファー・ケント。

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『ババドック』監督のリベンジ・スリラー『ナイチンゲール』予告編

 
 
 

「ナイチンゲール」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
 
男女バディのリベンジムービーは満足度も2倍!疲労度も2倍!! 
 
カンヌ二冠に嘘偽りなし!今まで見たことのない復讐劇、是非とも覚悟してご鑑賞を!!
 
是非とも体調を整えてから劇場でご覧ください! 
家だと、一人分の復讐すら持たないぞ!!
 
今年ベスト級のクオリティに、もう平静を保って感想を書けませんっ!! 
 
俺の中の感受性の器が溢れて仕方がない、、、感情爆発で感想を書いてまいりますっ!!!!
 
 

 
 
 
 
 

2人分の復讐劇はボリューム満点

 
 
最初に言っておきます。
 
殺す気ですか?
 
リベンジものだという情報は事前に仕入れていて、ある程度覚悟はしてたんです。
 
だけど、二人分の復讐劇ってのは聞いてない!
 
しかもまぁ一人一人の物語が深くて実に重い。上映時間2時間16分。冒頭から目を背けたくなる愚劣な行為に逢う主人公のアイルランド人クレア、そして黒人のビリー。
 
詳しくはこれから話しますが、絶望的な状況から立ち上がり各々の尊厳を取り戻すために復讐を果たす人間ドラマってのは、一つ一つが骨太なんです。
 
しかもカンヌ2冠、復讐も2人分。これが一本の劇映画になっているなんて、、
 
もう一度言いますが、
 
殺す気ですか?
 
これほどまでに心を揺さぶられた映画ってのはそうそうない、ないんです。
 
鑑賞後の途方もない疲労感は、あまりにも重い復讐の怨念によるものだと確信しています。1人でも十分辛い話なのに、、、
 
リベンジものといえば、基本的には主人公は1人。1人でいいんです。それだけで十分満足しますから!
 
本作はサービス精神全開ですよ、まぁよくぞ、ここまでやってくれました!! 
今日はよく寝れる気がします笑
 
 

男女バディとして素晴らしい出来!

 
 
開拓中の土地で起きた復讐劇、馬を使い現地民と交流する人間ドラマという点では、ある種本作は西部劇とも言える内容になっております。
 
男女バディで進んでいく西部劇は「真昼の死闘」って映画が昔、イーストウッドとシャーリー・マクレーンでありましたね。

 

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  • 発売日: 2012/05/09
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でも、本作はこの映画とは全然違うんです。この作品は「死闘」って言っておきながらも本当の死闘は最後の最後で、基本的にはコメディタッチである種観光映画のようにも見える、娯楽作品なんですよね。
 
随所にコメディリリーフはあるんですけど、冒頭の陵辱シーンでもう笑えない体質になってますから、俺たち観客は!!
 
2時間超、ずっと死闘!ずっとサバイバル! 
息つく暇もないという言い方があるけど本作にはこの言葉がぴったり。絶えず殺されるか否かのドキドキを味わえる作品なんです。
 
凄惨な事件が終わった後、クレアは復讐の鬼に。彼女を止めるものは誰もいない、、と思うのですが、簡単に復讐をさせないのが本作のニクイところ。
 
開拓中の土地で、かつ自動車も地図もない時代ですから、犯人を追いかけるためにはガイド役が必要なんです。
 
主人公が現地ガイドとして雇ったのはオーストラリア先住民の黒人ビリー。先住民と言っても、彼はイギリス軍に利用されることに慣れている様子。200年前の人物というのを思わせないほど、言い方が合ってるか分からないけど、アメリカのバーにいそうな飄々としたキャラクター造形になってるんですよね。
 
復讐に燃えるクレアと、そんな彼女をクールダウンさせるかのように軽いノリでガイドをするビリー。
 
この水と油のコンビが、バディものと称するに相応しいんですよ!! 
 
ただ皆さん、覚悟しておいてください。
 
最初は陽気なビリーですが、クレアと旅をする途中で、また彼も復讐に駆られてしまいます。。
 
クレアは冒頭から怒り狂い復讐の鬼になる一方で、ビリーは徐々に徐々にイギリス軍への復讐を確固たるものにしていきます。
 
映画の進行を横軸、復讐心を縦軸にするならば、2人の復讐心がどこかで交わるんですよ!!
 
そのマッチポイントを是非ともその目で確かめてください!!
 
 
 

社会問題の提起とエンタメ性の両立

 
ここであらすじや時代背景を話しておきますと、本作の舞台は1820年ごろのオーストラリア。その当時は今みたいに白人が大量に住んでいるわけでもなく、先住民アボリジニが主として住んでおりました。
 
教科書にはアボリジニとの交流とか歴史とかは当たり障りのなーいように描いてますけども、それじゃあ本当の歴史って伝わらないですよね。
 
本作は当たり障りのない描写など皆無! 
「地獄」という表現がふさわしい、開拓の恐ろしさと愚かさを凄惨に描いてくれています。
 
当時、イギリスからオーストラリアに移住するのは、開拓するために駆り出される軍隊がメイン。主人公のクレアは軍隊に属しておりませんが、軽犯罪を犯してしまい、罪を軽くするために旦那と共にオーストラリアに送られてしまうんですね。
 
現地でイギリス兵の世話役を買うっていえば聞こえはいいんですけど、軍隊がメインの場所に送られるわけで、立場も低いわけですから、まぁ買うっていうより「飼う」って表現が正しいわけですよ。ちなみに当時、オーストラリアにおける男女比は8:2らしく、圧倒的に男性が多かったようです。
 
ここまで書いたら、分かるかと思うんですが、、彼女は映画冒頭、口に出すのもはばかれるような凄惨な事件に巻き込まれてしまいます。
 
このシーンが冒頭にあることで、観客の心を試すというか、「こういう描写ばかりですけど大丈夫ですか?」と作り手が確認しているようにも感じました。
 
まぁ、酷いですから。酷いです。
 
IMDBによると、役者の負担を軽減するために臨床心理学者もロケに参加させていたという徹底っぷり。いくら役者とはいえ、あまりにも酷い役をする時には心のケアをするのですね。
映画を見た後なら、ここまでフォローするのもうなずけます。
 
役者には罪がないけども、あのシーンを見ている時は「お前ぇぇぇぇ!!!!!」って怒りの感情しか湧いてきませんから。もうねぇ、俺はどうなってもいいから誰かこいつを成敗してくれ!!頼む!!と願うばかりでした。
 
 
歴史モノで、オーストラリアの隠された真実をあぶり出すという社会的に重いテーマにも関わらず、エンターテイメントとして完成度が非常に高い!! 
 
エンタメとして成立してるからこそ、私もここまで陽気に書いているんですよ。普通にただただ重い作品だったら、こんなテンションになってないですよ。
 
「アボリジニとアイルランドの白人女性という、双方とも社会的立場の低い2人が、地獄と形容するに相応しい未開のオーストラリアで生き抜き、互いの復讐を果たす大傑作である」
 
みたいな堅苦しい表現になってしまいますからねww
 
 
この社会問題の提起とエンターテイメント性の両立、そして起こる惨劇のジャンル的に、「ウインドリバー」が一番近いと感じました。
私Machinakaの年間ベスト、そして「#おれなら」の年間ベストですから、ウインドリバーも是非ともご鑑賞ください!!

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

 

男は男、女は女の復讐のカタチがある

 
 
本作はリベンジムービーであることに変わりはないんですけど、簡単に復讐をさせてはくれません。さらに、復讐できるかどうか最後まで「?」を感じずはいられない、なんとも奇妙な作りになっているのが特徴で。
 
復讐心に燃えるクレアは、死に物狂いで犯人を追いかけるも、なかなか追いつけません。山道に慣れていないのももちろんのこと、そもそも長旅の心構えが全くできていないんですよね笑。
 
本作は徹底的にリアルな時代考証とキャラクター造形がウリで、それを証左するかのようにクレアを等身大の女性として描いている。スーパーガールでもワンダーウーマンでもない、普通の女性として描いているところが絶妙なのです。
 
力でもサバイバル力でも男に劣る、銃の使い方もままならない。冒頭の復讐心はなんだったのか!?もちろん銃の訓練はしてるんだろうな?とリベンジムービーを見ている人であればあるほど、クレアのあまりにも不用意な準備に、少し戸惑ってしまうんですよね。
 
ただスキル的には男には劣りながらも、犯人を殺したいという欲求は誰よりも強いはず、、、なんですけど!ここでまたクレアは悩んでしまうわけです。
 
それもそのはず、クレアは人を殺した経験などなく、一児の母として生活していたのですから。。
 
映画的なご都合主義の一切を排除し、等身大の女性としてのステータスを維持したまま物語が進行していくんですよね。ステータスの飛躍が全くないわけです。
 
この作りによって、何をするにも男性のビリーに頼り、互いに必要とする関係になっていく。男を憎み、黒人を蔑みながらも、彼女は次第に成長していく。
 
単に復讐して万々歳!って映画じゃないんです。男を憎みながらも生きるためには男を必要とする描き方が、実にリアルで、生々しいのです。
 
 
ただ、最後はリベンジムービーと呼ぶに相応しい、見事な復讐劇を描いてくれています。
 
ここで特徴的なのは、これまでずっと一緒に行動してきた男女バディが、復讐するときは単独行動に移るという構成になるんです。
 
どんなカタチで復讐をするのかは本編でご確認いただきたいんですが、男と女でここまで復讐のカタチが違うのかと、改めて男と女の違いについて考えさせられたなぁと。
 
2人のそれぞれの復讐のストーリーを描き、復讐のカタチも別々にすることで、男女どちらの観客も楽しめる内容になっていて、こういう作りも斬新だなぁと思うのです。
 
 
 
 

まとめ

 
ここまで陽気に書いてはきましたが、見た目によっては非常に重苦しく、重厚な社会ドラマとしても見ることができます。
 
物語だけを追いかけていると、そう感じるかもしれません。
 
しかし、本作は山の中の撮影環境もあってか、ロングショットやミドルショットで画面が構成されることが多い。加えてクレアとビリーの掛け合いが妙にコメディリリーフで、気をつけてないと笑ってしまいそうな演出になってるんですよね。
 
なぜあんなに凄惨なシーンを描いているのに、ここまでコメディのように見せていて組んだ、と不思議に思う演出でもありました。ただ、2時間超の尺でひたすら重苦しい内容になっていると、まぁ映画としては鈍重で単調になりがちですよね。
 
何度も言っていますが、社会問題を取り上げた作品であるにもかかわらずエンターテイメント性も両立した素晴らしい作品でございました!
 
  

95点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 

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