まえがき
今回批評する映画はこちら
「1秒先の彼」
2年前ですかね。台湾映画の「1秒先の彼女」というラブコメ映画があったんですけど、そのリメイクに当たる作品です。
山下敦弘が監督、宮藤官九郎が脚本ということで、個人的には「怪物」の是枝裕和・坂元裕二より楽しみなコンビなんですよね!
一体どんな融合を見せてくれるのか、、、楽しみです!!
それでは「1秒先の彼」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・監督・山下敦弘と脚本家・宮藤官九郎が初タッグを組み、2020年製作の台湾映画「1秒先の彼女」をリメイクしたラブストーリー。原作の舞台を京都に移して男女のキャラクター設定を逆転し、周囲よりワンテンポ早い男性とワンテンポ遅い女性の“消えた1日”をめぐる物語を描く。
郵便局の窓口で働くハジメは、何をするにも人よりワンテンポ早い。ある日、彼は路上ミュージシャンの桜子に出会い、彼女のまっすぐな歌声にひかれて恋に落ちる。必死のアプローチの末にどうにか花火大会デートの約束を取りつけたものの、目覚めるとなぜか翌日になっていた。やがてハジメは、郵便局に毎日やって来るワンテンポ遅いレイカが“消えた1日”の鍵を握っていることを知る。
「ドライブ・マイ・カー」の岡田将生がハジメ役、「護られなかった者たちへ」の清原果耶がレイカ役で主演を務めた。
「1秒先の彼」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#1秒先の彼」鑑賞...
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2023年7月7日
タイミング合わないのはこっちのセリフや!!
体感時間は3時間。1秒先だったらまだしも10分先の展開が既に読めるのにチンタラチンタラとイライラ...
オリジナルだと何も感じなかったのに。
ただしクドカンおなじみのキャストやネーミングセンス、あとしみけんに笑った。 pic.twitter.com/x3CkyVN4EE
1秒で良いから上映時間削って欲しかった
ダルかった。。
公開前から非常に期待していた監督・脚本コンビだっただけに、非常に残念でなりません。
体感時間が異様に長くて、3時間くらいに感じました。
実際は119分なんですけどね。何だろう、何でこんなに長いんだろう。。
オリジナルを既に見ていてあらすじが分かってたから?
違う。話の問題じゃない。
完全に演出の問題だった。。
1秒遅い彼女と1秒早い彼の2つの視点で同じ時間軸を描いていて、時間や場所は重複しているんですけど、それはオリジナルでも同じ。
見せ方次第でどうにもなりますからね。「最後の決闘裁判」とか「怪物」とか同じ話を3回繰り返してるのに面白いですから。
要は視点が切り替わっても何も驚きがないんですよ。
2人の視点で語っているように見えて、全くそうではない。
重複しているシーンが多すぎるんです。
視点の切り替えによって画面をリフレッシュできてないんです。
だから単にリピートしているだけ。
特に郵便局でのやり取りが何度も何度も何度も出てきて、加えてシンガーソングライターの桜子のエピソードも加わって余計にイライラしてしまう。
桜子がハジメに何を与えたのか、何を学んだのか。単にレイカを怒らせるための、ハジメが好きだと説明するための道具だったのではないか、使う尺の割に役割があまりにも薄すぎる。
しかも、桜子は後半何も関係がなくなってしまう。。何を見せられてたんだ。。
同じシーンを何度も何度も何度も見せられて苦痛でした。
しかも余計な説明があまりにも多すぎる。
ハジメとレイカが全く噛み合わないのは設定上仕方ないんですが、後半でレイカのパートに。今まで何を想ってハジメと接していたのか語られるのですが、あまりにも説明&回想が長い。
好きな気持ちがあって、桜子に騙されているのを伝えたくて、色んな感情があるのは分かりますが、3分で説明すれば良いことを15分くらい使っている。
オリジナルはもっとスマートに説明していたはずです。
クドカンが脚本ですが、あまりにもテレビドラマ的な説明が多すぎて映画的ではなかったんですよね。
家で何か家事をしながら見ていればマシだったのかもしれませんが、集中して見ている環境だとどうしてもダルくなってしまいました。
連ドラの脚本経験も多いクドカンですけど、映画だとどうしても冗長的になってしまうんですよね。
・・・悪いことばっか書いてますけど、最初は凄く面白かったんですよ。
ハジメ演じる岡田将生の「顔は100点だけど次第に減点されていく」あの内面の感じw(劇中のセリフを参考に説明)。
せっかちというか、思ったことを全部言ってしまう性格のようで洛中・洛外の差別も酷いし、結局自分のことしか考えてないクズな将生が見れて面白かったんですよねw
あとネーミングセンスに関してはクドカン様様としか言いようがありません。
ハジメが郵便局の配達員だった時代のあだ名が「ワイルドスピード」とか、荒川良々演じる「ミクルベ」の漢字とかww
好きなところが多かっただけに、非常に残念な映画でした。
クドさとオフビートの相性は最悪
あと言及しておきたいのは、監督と脚本との相性ですね。
特にコメディの部分です。
クドカン脚本はキャラがとにかく濃い。感情むき出しにして、オーバーリアクションな演技で、変なセリフを大声で言ってみたり叫んだりして笑いをとる。
あるいは個性的な役者の一芸に任せてみたりする。という「笑わせてやろう」という勢いに溢れる作風なんですよね。
日常生活では絶対に見れない過剰な人間たちを見れるのがクドカン作品の特徴です。
一方の山下監督は「オフビート」の笑いですよね。
「リアリズムの宿」も「もらとりあむタマ子」とか、感情剥き出しにするのではなくて、ポロッと言ったセリフが爆笑を誘ったりする演出を得意としています。
「ハードコア」のような素っ頓狂な映画もありましたけど、基本的には過剰な演技演出は抑える人です。
日常生活にあるような些細な会話や行動を拾って笑いを作るのが山下作品の特徴です。
要は相性が悪いと思うんですよね。
もちろん笑わせてもらったシーンは沢山ありました。
しみけんが出るたびに笑わせてもらいましたし、ハジメにコンドームを渡すシーンは声をあげて笑いました。何で一箱分も渡すんだとかねw
荒川良々にも笑わせてもらったし、良いとこはあるんです。
でも、個人技が多いんですよ。映画全体が醸し出す空気や間で笑えなかった。山下監督の良い部分が見えてこなかったんですよね。
山下監督ならではのユルい展開も全くない。ユルくなりそうな展開も、クドカンと役者の一芸で崩れてしまう。
ここで山田孝之がいて妙な間で笑いを取らせてもらえるなら良かったんですけど、それもなく・・・
相性が悪いとしか思えませんでした。
んーー、本当に残念ですww
まとめ
本当に不思議な映画です。
あれだけ笑わせてもらったのに、いざ感想を書き始めたら悪いところしか出てこない。。
もっとしみけんのことを褒めたかったのに・・・ww
岡田将生、清原果耶のコンビよりも、しみけんとその彼女(片山友希)の話の方が見たかったよwww
サイコーじゃんこの2人wwww
特にしみけんの彼女、サイコーでしょwww
今もう令和だぞw 何でIWGPに出てきそうなヤマンバ出してんだよwwww
クセ強いキャラクターがいるのに、妙に真面目な展開になってしまって残念でしたね。
よし、これをサムネにしようw
はい、もう週末なんでね。合わなかった映画を気分を台無しにしたくないの!最後は笑って終わりです!!
あざっした!!!
69点 / 100点