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映画「劇場版SHIROBAKO」ネタバレあり感想解説と評価 アニメがリアルを超えたとき、生きとし生けるものとなる

 
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この記事では、「劇場版SHIROBAKO」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「劇場版SHIROBAKO」

 
 

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(C)2020劇場版「SHIROBAKO」製作委員



今年最も期待しているアニメ映画と言っても過言ではない。
 
テレビアニメ版は恥ずかしながら二周しかしていないが、この作品が2010年代を代表する屈指のアニメ作品だと信じて疑わない自分がいる。
 
アニメを作るという非常に地味な作業がメインではあるが、数十人いるアニメ製作関係者をキャラクター化し、どんなモブキャラでさえも生きてる人間のように見せられる手腕は、ただ事じゃない。
 
アニメを作ってるアニメだから珍しい、だから面白い、というわけではない。
SHIROBAKOの個性溢れるキャラクターにアニメ以外のものを作らせても、確実に面白い。それほどキャラクターの描き方が上手く、他のアニメとはズバ抜けて優れている点である。
 
・・なにやら鑑賞前から大絶賛しているのだが、これはあくまでテレビアニメ版。
 
万が一、映画が駄作だった時のことを考えて、べた褒めするのはこれくらいにするが、最も期待しているアニメであるのは変わりない。
 
最高潮にハードルが上がった状態で、、

 

それでは「劇場版SHIROBAKO」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
・アニメーション業界の日常や実情、実態を描いて話題を集めたテレビアニメ「SHIROBAKO」の完全新作劇場版。監督は「ガールズ&パンツァー」などの人気作を手がける水島努。いつか必ず一緒にアニメーション作品を作ろうと約束した、上山高校アニメーション同好会の5人。卒業後、アニメ制作会社「武蔵野アニメーション」の制作進行として働く宮森あおいをはじめ、アニメーター、声優、3Dクリエイター、脚本家など、5人はそれぞれの場所や役割でアニメーション制作に携わり、「第三飛行少女隊」で夢に一歩近づくことができた。アニメーションの世界に自分たちの居場所を見つけ、少しだけ成長した5人の前に、新たな苦悩や試練が立ちはだかる。タイトルの「シロバコ」は、映像業界で使われる白い箱に入ったビデオテープを指し、作品が完成した際に制作者が最初に手にすることができる成果物の意味。

eiga.com

 

 
 
 
 
 
 

「劇場版SHIROBAKO」のネタバレありの感想と解説(全体)

 
単なるアニメ、では済まさない!なんとなくのお仕事映画、でもない!! 
 
アニメの作り手が作り手を描くメタ構造が、最高のアニメ映画を誕生させた!! 
 
テレビアニメを見てない人にも刺さるはず!見てる人にはもっと刺さるはず!! 
 
誰もが抱えているお仕事。人生嫌なこともある。
好きなことかどうかも分からない。
 
ただいつか、夢を叶えるために、目の前の仕事を片付けていくしかない!! 
 
これは夢を叶える映画でない。
夢に近づくための映画なんだっ!! 
 
アニメがリアルを超えたとき、生きとし生けるものになる!
 
 

 
 
 
 

 

働くアニメシリーズの大傑作

 

主人公の仕事に着目し、リアルな労働を描く「働くアニメ」のジャンルが、多かれ少なかれ日本のアニメには存在する。

 

働くことを主題にした作品としては、「働きマン」が菅野美穂主演のドラマとなり話題になったが、ドラマではなぜかそれなりに大きい企業で、主にホワイトカラーの女性社員が主人公となることが多い。

 

しかしアニメのジャンルでは、中小企業でスーツを着ない人にスポットライトを当てており、サービス業やブルーカラーの人にスポットライトを当てている作品が多い。

「花咲くいろは」では小さい温泉旅館、はたらく細胞は人間の体内、WORKING!ではファミレス、サーバントサービスでは公務員が舞台になっている。

 

 

 

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今作はそんな働きアニメものの中でも「アニメ製作」を取り上げた作品であり、アニメを作る人達がアニメを作るアニメを作る、といったような非常にメタ的な構造になっている。

 

テレビアニメ版では群像劇を描き、アニメの企画・製作から放送にこじ付けるまでを素朴に、そしてドラマチックに描いた。

 

そして、アニメ映画を作る人がアニメ映画を作るアニメ映画を作るという、これまたメタメタな作りをして見せたのである。

 

 

 

感想:テレビから映画へ!現代アニメの苦境を反映している

  

テレビがテレビアニメを作る作品なら、映画は映画を作れば良い。ただそれだけ。

と思うかもしれないが、SHIROBAKOがテレビから映画に製作の場を写したことは大きな意味があr。その意味を分からないと、納得できないかもしれない。

 

SHIROBAKOが放送された時は2014年であり、今ほどスマホの性能も低くネット回線も低かった。そのせいかどうかは分からないが、今よりはDVD, Blue-rayの売り上げが高かった。

 

しかし今や動画配信サイトが隆盛し、テレビ局出資のアニメも低予算に次ぐ低予算が続き、同じやり方ではアニメを作れない状況が続いている。

 

SHIROBAKOの今はアニメの今。

2020年のアニメの最新事情がアニメとして描かれている。

 

もちろん辛い出来事もある。いつになってもムサニはピンチの連続。こんな悲惨な状況を描いておいて、それでも配給は「アニメ作りは面白い!」と肯定しているのだから、本当にアニメ業界は末恐ろしいとさえ感じる笑

 

そんな今作だが、テレビファンを見ていた人にとっては文句なしの大傑作だったと胸を張って言いたい!!

 

冒頭、いつも通り交差点で信号待ちをしている宮森。

ラジオは1134で、もちろんこの周波数は文化放送!聞いてる番組は、どうやらA&Gか!? とアニメを知っている人なら思わずニンマリする描写がある。ここに気付けるかどうかで、今作のリアリティラインが大きく変化するだろう。

現実にも文化放送があり、映画を見ているその瞬間にも文化放送は放送し続けているのである。

映画の中でラジオを流す、しかも実在するラジオの周波数を表示させることは、アニメにリアルさを提供してくれるツールなのかもしれない。

 

そしていつも通りムサニに出勤する宮森。いつもの活気が、いつもの賑わいがスクリーンで見れる、、、と思いきや、冒頭5分似て我々の希望は見事に打ち砕かれる。

 

普通、テレビアニメの劇場版であれば、キャラクターや物語に大きな変化がないまま始まるものが多い。

ましてやSHIROBAKOは、最初からムサニで働く宮森とその仲間たちがたくさんいる状態で働いている。テレビでも失敗に次ぐ失敗、遅延に次ぐ遅延でまさしく万策尽きた!状態であったのだが、劇場版では万策が尽きたその後を描いていると言っていいだろう。

 

とにかく、絶望しかない。既にとある惨事が起こった後のため、キャラクターはそこまで悲観的になっていない。また群像劇のため、一人のキャラクターをじっくり描かず、感情がいまいち分からないところがある。

しかし、観客はそうはいかない。

冒頭に起こる衝撃は、テレビアニメをぬくぬく見てきた我々を突き放し、映画の世界へと誘ってくれる最高の起爆剤だろう。

 

起爆剤と同時に、今回の設定はアニメ業界の現状を映す鏡であると考える。

 

テレビの予算が下りず、放送中止をくらい、路頭に迷ったアニメ製作会社はムサニだけではないはずだ。調べたことはないが、現実の製作会社はどれだけ自転車操業なんだろう。

 

今作を手がけたP.A WORKSも、あの花を放送していた時とは状況が大きく違うはずだ。アニメを劇場で流すこと自体が珍しくなくなった今の時代、劇場興行が貴重な収入源になっていることは、説明しないといけない。

 

 

これぞ作り手の等身大! ありのままのアニメ現場が作品として昇華

 

実は、アニメ制作がアニメになるというメタ構造を持つ作品は、これまでなかったわけじゃない。

どんなアニメーション作家も、作品の一部に自身の経験や想いを投影することが多いだろう。

 

少し乱暴な結びつけかもしれないが、宮崎駿監督の「風立ちぬ」が最たる例だと思う。

 

ゼロ戦の設計者を主人公にした映画ではあるが、机に向かってペンを持ち、白いキャンバスに図版を書いていく作業は、作画をする宮崎駿自身の投影だったに違いない。

 

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 しかし、これはあくまでも比喩的であり、アニメを作るアニメというメタファーのメタファーである。

「アニメ」ではなく「アニメーション」を作る事に情熱を燃やし、常に高尚な作品を作り出そうとしていた東映動画出身の宮崎駿監督だからこそ、アニメを作るアニメは描かなかったのかもしれない。

 

また、おもちゃ=子供を楽しませるクリエイターのメタファーとして作り上げた作品が、「トイストーリー」になっている。

 

 

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しかし今作はアニメを作るアニメとなっており、メタファーの反対であるシミリ的なで作られているのが特徴的だ。

 

メタファーではなく、作り手の等身大をキャラクターそのままにして、自分や身内の業界人をモデルにして描く。

こんな身内感あふれる作品が、これまであっただろうか? マニアックなアニメ製作のアニメを見せる事は、作り手にとってこれ以上気はずかしい事はないだろう。同時に、作り手の手の内を明かすことにもつながり、諸刃の剣でもあると感じる。

何より、アニメ製作という地味な目的で映画が面白くなるのだろうか? もっと派手な目的を持った方がいいのではないか?

 

しかし、今の時代を生きる我々にとっては、快く受け入れられる。

 

昔のアニメであれば到底作れなかったものが、アニメ・漫画の多様化によってSHIROBAKOに特段違和感を感じなくなっているからだ。

 

単に内輪ネタを振りまくのではなく、アニメ好きにアニメの作り方を教えるためではなく、立派に作品として面白いのは見事だとしか言いようがない。

キャラクターの目的が現実的で、リアルだからこそ微細な演出力が問われる。突拍子もない設定よりも、今のアニメはリアリズムを求めている。

 

 

まとめ

単なるテレビアニメキャラの全員集合! 的な物語ではなく、劇場映画をゼロから作りテレビ版とは全く新しい世界を提示してくれた。

 

細かすぎて詳しくは語れなかったが、今作で一瞬映るアニメーターのプロの仕事っぷりは目を光るものがある。

 

わずか数十秒でキャラクターの特徴をつかみ、監督の意向通りに演技をする声優のプロ根性にも驚いた。

 

製作進行からプロデューサーとなった宮森の成長はたくましくもあり、そして寂しくもある。。

 

慌てふためくのは監督だけ。しかし、監督ならではな気もするし愛を感じる。

 

何より、子供達相手に開催したアニメ教室のシーンでビックリするくらい号泣してしまった。。

 

アニメーターたちが等身大の自分を投影し、自分の半径3メートル以内にいる人たちを描いた作品。こんなにもリアルなキャラクターを、これまで見たことがない。

 

85点 / 100点 

 
関連画像

 

 
 
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