はじめに
今回批評する映画はこちら!
「さよならくちびる」

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それでは「さよならくちびる」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!
あらすじ
・黄泉がえり」「どろろ」の塩田明彦監督が、小松菜奈と門脇麦をダブル主演に迎え、居場所を求める若者たちの恋と青春をオリジナル脚本で描いた音楽ロードムービー。インディーズ音楽シーンでにわかに話題を集めただけの2人組女性ユニット「ハルレオ」のハルとレオは、それぞれの道へ進むため解散を決める。2人はサポート役であるローディの青年シマとともに日本縦断の解散ツアーに出るが、レオはシマに、シマはハルに思いを寄せており、ハルもまたレオに友情を越えた感情を抱いていた。複雑な思いを胸に秘めながら、各地でステージを重ねていくハルレオだったが……。レオを小松、ハルを門脇、シマを「愛がなんだ」「ビブリア古書堂の事件手帖」の成田凌が演じる。「ハルレオ」が歌う主題歌プロデュースを秦基博、挿入歌の作詞・作曲をあいみょんと、それぞれ人気ミュージシャンが楽曲を手がけた。
ハルレオ -「さよならくちびる」 Music Video Long ver.
映画の感想
雑多でリアルな空気感。痛みが伝わる青春音楽ロードムービー
世界に絶望しているような、やりきれない表情の門脇麦ちゃんが実にハマリ役、小松菜奈ちゃんもふてくされてる表情がピッタリくる、二人の苛立ちが痛いほど伝わってくる青春音楽ロードムービーでございました。
音楽という世界で生きることの大変さをリアルに描き、昔バンドやってた人にはたまらない描写のてんこ盛りだったのではないでしょうか。これ、モンキーさんが見たらどう思うんだろうなぁ。。
今作で大事なテーマとして扱われるのは「痛み」。
ハル・レオのヒリヒリする人間関係は見てるだけで辛い。あんな関係になったら、俺嫌になっちゃう。。人間関係の痛みが、嫌でも伝わってきます。この二人に何があったんだ!? と色々妄想してしまいます。
ハルレオの代表曲「さよならくちびる」では、「痛みが愛だと知った」と表現してるんですよね。だからお互いを傷つけ会おうとしてるのは、実は愛を深めている行為なんだとも取れるわけです。全ては歌詞の論理に従ってるんです。
レオがDVを受けても男と付き合うのは、もしかしたら殴られた時の痛みを愛と感じてるのかもしれません。愛って何なんだろうね。
全国7都市ツアーに向かう3人の、痛くもあり切なくもあるロードムービーを、ずっと見ていたい自分がいましたのです。
素朴な演出が光るよね
会話のない、雑な2人のやりとりで伝わる
冒頭から何も会話がなく、ただただツアーの準備から始まるんですよね。ボロいアパートから荷物が投げられ、ごめんとも言おうともしない。これだけで、人間関係のギクシャクさを表現しているようにも感じました。
車に入ってからも、気まずい空気は変わらないまま。車内では飲食禁止、とレオに指摘するハル。車内では禁煙、とハルに指摘するレオ。ただただ見ていることしかできない、上島。それだけで3人の関係が、十分に伝わってくるんです。こいつらに何があったんだ?と心配する暇もなく、車を走らせていく。
ガソリンスタンドについても、どっちが先にトイレに入るかで、ハルとレオは揉める。謎の競歩大会が始まり、勝者レオ!!! なんちゅうもん見せられてるんだ、俺ww
物語に関係なさそうに見えて、これってすごく大事ですよね。ハルとレオはコンビでバンドやってて、上島が来る前からずっとやってたんですけど、お互いライバル関係にあるんですよね。
物語はハルレオの解散が決定したところから始まるんですけど、解散が決定した場面は一つも流さないんですよね。そりゃいろいろ理由があるんでしょうけど、決定的なシーンは敢えて取らない。
カレーが多く出る
食事シーンの中で、カレーが多く出てきましたよね。スパイスが効いて、辛くて、2人の思い出が詰まったカレーという意味だったのでしょうか?
にしても、最初に門脇麦ちゃんが作っていたカレーなんですけど、人参の皮、剥きすぎじゃないか?人参の実がなくなっちゃうよ
タバコの演出がいいね
ハルとレオはタバコ吸ってるんですけど、ハルのチェーンスモークっぷりには驚かされました。しかもアメリカンスピリッツ吸ってんですよねw 何というちょいす
アメスピは味濃すぎるのと、お金が高くに久しく買ってないですねぇ。。
小さいハコのライブって、なんだかいいね
今作のライブ会場は、ハルレオがインディーズということもあって、100人くらいしか入らない小さなハコが使われるんですよね。ギターとタンバリンと声だけ。素朴な演奏で素朴なハコのライブシーンは、何だか新鮮でした。無理やり盛り上げることはせずに、無用な演出はしない。特に小松菜奈ちゃんは映画に出るとやたら目立つように演出されるのに、今回はふてくされるばかり。スター度を極限にまで削ぎ落としてるんですよね。
そして、ファンの掛け声が凄く通るのも良くって。「ハル〜〜!!」と叫ぶ声がライブ会場に響き渡って、アーティストに直に届くんですよね。うん、こういったファンとの距離感が近いのも、良いですよね。
にしても、 楽屋とかポスターの荒さ。なんでライブハウスってあんなに荒々しいんだ?もっと清潔感出せないのかねww バンドのポスターも、すごく荒々しいですよね、赤色が多いというか。それだけ目立ちたいってアピールなんですかね。メジャーに引き上がるために、まずは見た目から勝負してるんでしょう。
こういったライブシーンを、モンキはどう感じたんでしょうかね。
女性同士の恋愛
女性のファンが集まる、と思ったら・・
ハルレオのファン、女性がすごく目立ちましたよね。しかも二人組。なんでこんなに女性のファンが多いんだろう、と違和感を感じました。
あんなに可愛い二人だったら、男ファンも増えるだろ!?
俺ならファンになるよ!
特に印象的だったのは、JC?の二人組ですよね。
あの二人、仲良いですけど、ただの友達には思えなかったような。。
ハルレオの二人が恋人だった頃を投影するかのような、あのJCの二人。良いグルーブ出してました。
百合シーンは、なんか切ない
小松菜奈ちゃんと門脇麦ちゃんの百合シーン、たくさんありましたね。
「くちびる」を意識した作りもあって、やたらとキスするシーンが多いんですけど。二人のキスしそうでしないシーンはドキドキしちゃって。
この映画、濃厚なキスシーンは出ないんですよね。くちびるから離れようとする人が多い。門脇麦ちゃんにキスしようとする小松菜奈。でも、キスしたらハルレオのバンド関係は終わってしまう。そんな危惧をしながら、レオとハルの関係を楽しんでいました。
音楽のチョイス
秦基博さん大尊敬!歌詞が刺さる
秦さんの作った「さよならくちびる」
人によって、誰のくちびるから離れるのか、思う人が誰かによって全く意味合いが変わってくる、とても良い曲だと思いました。
ハルにとっては、レオのことを思い浮かんだんでしょう。一方、レオはハルのことを思い出したんでしょう。
そして上島は、、誰を思い浮かべたんでしょう。
くちびるって表現がいいんですよ。どうしても「くちびる」って聞くと、キスを連想してしまって、恋愛関係を断ち切る歌に聞こえてしまうんですけど、僕はそれだけじゃないと思っていて。
くちびるから歌声も発せられるわけで、くちびるから声も出せるわけで、くちびるは人間そのものなんですよね。だから、くちびるにさよならしてしまうと、人間関係自体を断ち切らないといけなくなる。すごく切ない歌詞なんです。
なんという音楽番組だwww
ハルレオが脚光を浴びた時、奇妙な音楽番組に出てるんですけど、そこで出たケータリングが焼き鳥とビールというww なんて変な組み合わせなんですかw 居酒屋かよw
とてもじゃないけど、音楽番組とは思えないセッティングでしたよね。
小松菜奈がビール飲みながら焼き鳥ムシャムシャしてるの、珍しいですよw
どっちかというと、小松菜奈の方がおやじくさいんですよね。
その他、感じたこと
なんかゆったりした世界だなぁ
日々時間に追われ仕事をしてる身からすると、森林浴してるシーンとかすごくうらやましく感じて。
ライブツアーというがどれくらい忙しいのか分からないんですけど、弾丸ツアーとも思えない日程。ゆったりしてる時間が流れるからこそ、お互い衝突しちゃうんだろうなぁ。。
人間関係が、極端に狭い
今作のキャラクター、基本的に3人の話が中心で、人間関係が極端に狭い作りになってるんですよね。なんだかんだ単独行動も少ないようだし、ずっと一緒にいると疲れちゃいませんかねw
ライムスターの宇多丸さんは、メンバー同士で一緒に遊ぶこともなく、単独行動を貫くそうですよ。バンドもねぇ、ずっと一緒にいると争っちゃいますよ。本当jに。
シマ、、シーマン!? しーまん!?
小松菜奈ちゃんのファンは、さぞかし満足したのではないでしょうか?
上島(しま)を演じた成田凌は、やたらと小松菜奈ちゃんに好かれていて。
小松菜奈ちゃんに「しま!ホテル行こう!」と言われる成田凌。
この時、とある知り合いを思い出しました。
「しま?」
「しーま?」
・・・
「しーまん!?」
「しーまん、ホテル行こう!!!」
最近はユーチューブで活躍されているしーまんさんですけど、彼は小松菜奈ちゃんが大好きなんですよね。
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僕は普段しーまんさんって呼んでるんで、「オオゥ!しーまんさん、小松菜奈にホテル誘われてるじゃないですか!!!」って一人ワクワクしてましたww