- まえがき
- あらすじ
- 「シング ネクストステージ」のネタバレありの感想と解説(全体)
- 全世界が盛り上がれる抜群のポップ感
- 前作の展開を継承しつつ、作品全体の強度を向上
- 究極のローカライズ!こんな吹き替えを待っていた!
- まとめ
まえがき
今回批評する映画はこちら
「シング ネクストステージ」
いやっほーーー!!!!
映画「SING シング」感想とあらすじと解説 名曲ズラリ 劇中のサントラを徹底解説! - Machinakaの日記
今作も楽しみでございます!!
それでは「シング ネクストステージ」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・「ミニオンズ」のイルミネーション・エンターテインメントが手がけ、誰もが知る名曲やヒットソングを満載して描いたミュージカルコメディアニメ「SING シング」の続編。コアラのバスター・ムーンが再建に成功した「ニュー・ムーン・シアター」は地元で人気となり、連日満席の活気にあふれていた。しかし、バスターには、世界的なエンタテインメントの中心地レッド・ショア・シティにあるクリスタル・タワー・シアターで新しいショーを披露するという、さらなる夢があった。そのためには、クリスタル・エンターテインメント社の冷酷な経営者ジミーのオーディションに通過しなければならない。どうすればジミーの気を引くことができるか考えたバスターと仲間たちは、伝説のロック歌手で、今は隠遁生活を送っているクレイ・キャロウェイを自分たちのショーに出演させることを思いつくが……。声優にはマシュー・マコノヒー、スカーレット・ヨハンソン、タロン・エガートン、リース・ウィザースプーンら前作同様の豪華キャストが集い、伝説のロック歌手、ライオンのクレイ役は「U2」のボノが務めた。日本語吹き替え版もバスター役の内村光良をはじめ、坂本真綾、斎藤司、MISIA、長澤まさみ、大橋卓弥、大地真央、田中真弓と変わらず、クレイ役で「B'z」の稲葉浩志が声優初挑戦した。
「シング ネクストステージ」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#シングネクストステージ 」吹替版で鑑賞 傲慢局長にB'zの出演交渉を命じられた紅白プロデューサー。一度は失敗するも、総合司会のウッチャンを連れて再び交渉に挑む! ...と妄想する程に吹き替えキャストが見事にハマり、ディズニーの… https://t.co/HidewGrK5z
全世界が盛り上がれる抜群のポップ感
いやぁぁぁああ!!
テンション上がるうぅ!!!
ビリー・アイリッシュ、BTS、ジャスティン・ビーバーなど今が旬のアーティストの楽曲を惜しみげもなく流し!
エルトン・ジョン、そしてU2はボノが声優として登場!!
全世界が盛り上がれる楽曲を盛り込んで可愛らしい動物たちが歌う最高のライブ映画!
ユニバーサル配給・イルミネーション制作の映画はずっと大好きです。
基本的に明るくライトな展開や、ミニオンが象徴するように特定の言語に頼らずにアクションで伝える話法、そして最大公約数的に好まれるキャラクター造形や画面全体に滲み出るイケイケな作風!
そんなイルミネーションの楽しさ・面白さが凝縮していたのが今作でございました!
もう一度見たい!楽しい!
冒頭、ロジータが森の中で彷徨うシーンが描かれて、途端にみんなが登場しライブが始まる。カメラが引くとそこがライブ会場だったことが分かり、楽曲の盛り上がりと共に「SING 2」とデカデカとクレジットが。
最初から爆上げですよね!!アゲアゲふぉおおお!!!!
何でしょう、カラ元気とはこういうことなのでしょうか?
特にBTSのダイナマイトが流れてきた時に「景気良いねぇ〜w」と思って一人笑っておりました。これ世界中の人がノリノリになれるんだろうなぁって。
相変わらずお調子者なムーンの性格も相まって、大手スカウトに冷遇されてもへこたれずに前に向かってひたすら突っ走る!
もちろん悲しいシーンもちゃんと含まれているし、特にロジータやクレイのシーンは泣けて仕方ないんだけども、あまりのテンポの良さにずっと泣いていられない。
気づけば次の展開へ次のトラブルへ、そして最後のライブで大カタルシスが・・・
体感時間は80分くらいでした!
もう一度見たい!!
前作の展開を継承しつつ、作品全体の強度を向上
前作が成功しただけに、今度は何を見せてくれるのか!? 作風がガラッと変わるのか?
・・・変わっていなかった!!
前作「シング」と同じように、一世一代の大勝負(ライブ)を成功させるために奮闘するムーン一行を描いた今作。
最初は見ず知らずの他人同士。しかもムーンの軽薄とも感じられる誘いで寄せ鍋的に集まったメンバーたち。
しかも今回初登場のクレイに関しては、ムーンはさほどピンと来ていない様子・・・
しかし、「とにかくデカいことがしたい」という共通点で興行主と仲良くなり、引退したクレイを連れてくることを条件に過去最大規模のライブを託される。
・・・というプロットをわずか15分程度で描き、残り時間はライブを成功させるために各メンバーが特訓したり、クレイに出演交渉したり、ライブの準備期間がメインに描かれる。
これ、実は前作と同じ展開です!前作も潰れかけた劇場を立て直すための準備期間がメインになってるんですよね。
このように前作と同じ展開は継承しつつも、より作品の強度が増したのが評価すべきところ。
ムーンやロジータやジョニー、そしてクレイ。
力量不足や過去に引きづられて思うように力を発揮できない人たちが集まり、群像劇的に成長を描いていくんですが、キャラクターたちの有機的な結びつきは今作の方が1枚も2枚も上手でした。
例えばクレイとアッシュのロックコンビですが、単なる音楽性ではなく、長らく愛していた恋人と別れたという点で親和性が高い。
あとはムーンと興行主のジミーも「何かでっかい事」をしたくて無茶な行動をする点で実は共通していたり。
前作のように寄せ鍋的なメンバーの集まり方ではなく、ちゃんと親和性のあるキャラクター同士が結びつくようになっている。
群像劇だけど、ちゃんと連続性があって有機的にキャラクターが繋がっていて、突拍子もない印象はありませんでした。
そして、何より今回はU2・稲葉さんが出演してお祭り感がパワーアップ!
これみんなも同じだと思うんだけど、、、
テンション上がりすぎて泣いちゃったよ!! 感動に打ち震えたよ!!!
だってラストのライブはズルいでしょう!あんなのズルいでしょう!?
・・・ただ、一つ意識して欲しいのは、このビッグゲスト起用は単に話題作りためのだけでなく、作品の最も大きなカタルシスを更に高めるための手法だってこと。
・・・もうネタバレしちゃうよ!?ってかネタバレじゃないよね!?
ラストでU2のボノ(日本版ではB'zの稲葉さん)が歌うシーン、よく考えれば前作でMISIAが初めてちゃんと歌えたシーンと対応してると思うんだよ!
だから前作と同じ展開というよりも、カタルシスのベストタイミングはここしかないって決めていたのかもしれない。
前に出ようと思っても出れない大物アーティストが、映画の最後の最後で大トリを務める。観客が待ちに待った歌声が、映画を締めくくるにふさわしい。
どんな音楽映画・ライブ映画だって、アーティストの声がカタルシスになるのは当然のこと。
でも、「シング」シリーズは歌声を発した瞬間にカタルシスが訪れる。そして、加速度的に心が高揚し、まるでライブ会場にいるような感覚さえする。
歌うべき人、歌って欲しい人を最後の最後まで温存させる。
大トリを最後に出すのはライブでは当たり前ですが、それを映画であっても同じことをやってのける。
映画とライブのカタルシスが同時にやってくる。これが「シング」シリーズ最大の魅力ではないでしょうか?
もう、最高でした。。。
国によって吹き替え声優(アーティスト)が変わるから、他の国だとどんな人が声を当てているのか気になって仕方ないです。
究極のローカライズ!こんな吹き替えを待っていた!
あと、言及しなければいけないのは、吹き替え版の完成度の高さです!
前作「シング」も素晴らしかったのですが、今回改めて凄さを噛み締めました。
前作に引き続き、
・坂本真綾、山寺宏一、井上麻里奈などのアニメ声優陣
・ウッチャン、トレンディエンジェル斉藤さんなど芸人声優
・長澤まさみなどの俳優発の声優
・MISIA、スキマスイッチの大橋卓弥などのアーティスト声優
この4タイプの声優陣が見事に融合し、「シング」でしか成し得ない見事な化学反応を起こしているのが凄いんですよね。
まずはアニメが主戦場!というか「声優」という職業として生きている、アニメ声優人の方たちの素晴らしさですよ。
特に今回は坂本真綾さん演じるロジータが光っていました。
ライブの最初から最後まで出続ける主演に抜擢されたロジータは、土壇場で高所から飛び降りれなくなって、興行主ジミーの娘であるポーシャに主役を奪われてしまう。
しかし、ムーンはロジータのために書いた、ロジータじゃなきゃダメなんだと訴える。
これ、普通に考えれば仲間であるロジータが主役じゃなきゃダメだってことなんですけど、もう一つ大きな理由があるんですよ。
主役が一番演技力が必要なんですよ。
数々の惑星を旅していく主人公は、宇宙を漂流する役柄をちゃんと表現しないといけない。ダンスや歌唱力だけではなく、声の演技力が最も必要とされるキャラクターなんですよ。
もう一度、ライブ出演側の主要メンバーをおさらいしておきましょう。
ミーナ:MISIA
アッシュ:長澤まさみ
ジョニー:大橋卓弥
グンター:斉藤さんだぞっ
ロジータ:坂本真綾
ポーシャ:アイナ・ジ・エンド
ダリウス:木村昴
クレイ:稲葉浩志
この中で、誰が宇宙を漂流する役柄が上手いですか!?
坂本真綾さん一択でしょう!?
みんな声の演技が上手いから気付きにくいけど、あの役は坂本真綾さん=ロジータしか出来ないんですよ!!
声優にしか出来ない演技を最大限尊重した上のキャスティングだったと思います。
そして、最後のアーティスト声優。MISIAさんが声の演技だなんて!最初は驚いたのと心配もあったのですが、もう完璧としか言いようがないですよね。
そんな前作の信頼もあって、今回の稲葉さん出演も安心していたのですが・・・
安心なんてもんじゃないよ! むしろ良い意味で裏切られたよ!!
稲葉さん、めちゃくちゃ演技上手いじゃないですか!!!!!
アーティストの方、しかも日本トップのロックバンドのB'zのボーカルということで、稲葉さん側も音響演出側も相当なトレーニングと準備をしてこられたのでしょう。
今一度、プロの凄さを感じました。。
そして、ライブの最後でアッシュと一緒に歌う「I Still Haven't Found What I'm Looking For」ですよ。U2ですよ。
U2の名曲を日本語の歌詞に置き換え、あのB'zの稲葉さんが歌い上げる。。。
なんてカタルシスだよ。。。
もちろんクレイのキャラクターも大好きだし、元はU2のボノが歌ってるって分かってるんですけど、吹き替え版を見ていると日本の超豪華ライブのようにしか見えなくて。。。
ムーン役をウッチャンがやっていることも相まって、まるで紅白歌合戦のように見えてきたんですよね笑
諸所の理由で紅白出演が非常に難しいB'z。
「なんとかしろ!」と傲慢な局長から命じられた紅白担当プロデューサーが交渉を持ちかけるも、あえなく撃沈。
すると総合司会のウッチャンが「俺がやってやるよ!」と稲葉さんに直々交渉に向かう。
なんか、いきなり世界規模では無くなってしまいましたが、僕にはそう見えたんですよ笑
B'zが出る紅白があれば、最高だなって!!
まとめ
はい、思った以上に評価の高い作品。
とにかく最初からテンションが爆上がりで、あまりの面白さと歌曲の素晴らしさに震えながら泣いてしまいました。本当です。
普段映画を見ていても泣きやすい私。そこにライブならではの盛り上がりが映画の魅力として加わって。もう普通の感動ではなくなってるわけですよ。二倍、いや三倍の感動が押し寄せてるわけですよ。
自分でも驚いてますが、、、
年ベスト5候補です!!!
98点 / 100点