まえがき
今回批評する映画はこちら
「ザ・バットマン」
全米では大ヒットスタートの今作。試写会に行った人からも評判の声を聞いています。
正直、バットマンにはずっと興味がなかったんです。多分「バットマンvsスーパーマン」のトラウマが大きいんですけど、超能力も生まれながらの才能も特になしのダーティヒーローの活躍をどうやって楽しめば良いのかと思ってたんですよね。
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でも、30代になってから見方が変わってきて。
バットマンは人間以上でも以下でもない。他のヒーローに比べて限界があるんです。
自分の能力には限界がある。誰かと協力しないと大きなことを成し遂げられない。
昔は自分一人で何でもできると思ってましたが、歳をとった変わったんですよ。バットマンと同じように、自分の力は無限じゃないと認めつつも、出来ることを全力で自分の正義を貫いていく。
決して綺麗なやり方じゃないかもしれない。でも、絶対にやらなきゃいけない時がある。
バットマンって理想の男のシンボルです。憧れです。
特に、ザック・スナイダー版の「ジャスティスリーグ」を見てそう感じました。
かなり期待値が上がっておりますが、、、
それでは「ザ・バットマン」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・クリストファー・ノーランが手がけた「ダークナイト」トリロジーなどで知られる人気キャラクターのバットマンを主役に描くサスペンスアクション。青年ブルース・ウェインがバットマンになろうとしていく姿と、社会に蔓延する嘘を暴いていく知能犯リドラーによってブルースの人間としての本性がむき出しにされていく様を描く。両親を殺された過去を持つ青年ブルースは復讐を誓い、夜になると黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、悪と敵対する「バットマン」になろうとしている。ある日、権力者が標的になった連続殺人事件が発生。史上最狂の知能犯リドラーが犯人として名乗りを上げる。リドラーは犯行の際、必ず「なぞなぞ」を残し、警察や優秀な探偵でもあるブルースを挑発する。やがて政府の陰謀やブルースの過去、彼の父親が犯した罪が暴かれていくが……。「TENET テネット」のロバート・パティンソンが新たにブルース・ウェイン/バットマンを演じ、「猿の惑星:新世紀(ライジング)」「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」のマット・リーブス監督がメガホンをとった。
THE BATMAN ザ・バットマン : 作品情報 - 映画.com
「ザ・バットマン」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#ザバットマン 」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2022年3月10日
確かにこれは未だかつてないバットマン。
心身共に発展途上なブルースウェインが復讐を原動力に連続殺人犯に挑む。
推理と偵察によってヴィランを追いかけていく展開には興奮しワクワクが止まらない。
確かに凄い。確かにアガる。
けど、終わった後の妙な疲労感が拭いきれない pic.twitter.com/iQnhQiFGUL
未だかつて見たことのない新たなバットマンがここに!
まず一言いいたいです。
長ぇぇぇえええええええ!!!!!
もう、四時間くらい映画見てるかと思いましたよ。どんだけ引っ張るんだって感じでもう後半は少し眠気さえ・・・
鑑賞したのは木曜の前夜祭。まだ金曜日ではないし、明日もあるし、体が勝手におやすみモードに入ってしまいまして、後半は少しウトウトしてしまいました。。。
が、鑑賞して本当に良かったと思っています。
はい、結論から言いますと面白かったです!!!
・・・ただし、途中までは。
この気持ち、見た人ならわかってくれるかなぁ・・・
リブート版「猿の惑星」のマット・リーブスが監督で、ロバート・パティンソンやポール・ダノ、コリン・ファレルなど豪華キャストも相まって最高に贅沢な映画でバットマンを作ってくれた。まず、このことに感謝したい。
宣伝などで色々言われていると思うんですが、今回はバットマンとしては珍しい推理サスペンスモノ。
まだバットマンを名乗って長くなくて、まだ警察や市民からの信頼も薄い。
そんな若いバットマンがゴッサムシティの連続殺人犯に挑んでいく、という話なんです。
バットマンと推理モノってだけで珍しくて興奮したんですけど、予想の遥か上をいく犯人探しに大興奮でした!!
冒頭、とある権力者が殺されるシーンから始まり、刑事ゴードンと共に事件の真相を推理していくバットマン。
そこには「バットマンへ」と書かれた手紙が置いてあり、執事アルフレッドと共に手紙の解読作業を始めていく。
そして、意外な場所でゾーイ・クラビッツ演じるセリーナと出会い、協力して犯人を炙り出していく展開になるんですが、まぁこれが最高で最高で。
最初に殺される被害者からも分かる通り、犯人はゴッサムシティを牛耳る権力者ばかりを標的にしているんですね。しかも、分かりやすいマフィアやギャングではなく公権力を持つ人たちばかり。
セリーナを使って、権力者が集まる秘密クラブに潜入する場面があるんですが、ぶっきらぼうなバットマンでは絶対に集められない情報をセリーナが見事に回収していくところは本当に面白い。
同時に美人な女性だから何でも言えるような一種の「女を舐めている」男たちの嫌な感じも抜群に見えていて、何とも言えない気持ちになるのもgood。プロミシングヤングウーマン思い出したね。
映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」ネタバレあり感想解説と評価 知らぬ存ぜぬは許しません - Machinakaの日記
そこのクラブで数々の公権力者たちがセリーナを舐め回すように見てるんですけど、警察や検事など悪を取り締まる側の人間たちが違法ドラッグに手を染めている始末。
さすがはゴッサムシティだね、バットマンがいないと終わりだなって一瞬で思わせてくれるのが良かったんですよね。
その後も犯人からの指示に従って、謎を解決していくバットマンとセリーナ。
ここは推理モノの良いところなのですが、一つの謎を解決するたびに幾ばくかのカタルシスが得られて、次の謎が出てくる間に派手なアクションが見れるものだから、映画の面白い部分が凝縮されたかのような印象さえありました。
ピークは中盤にやってきた
徐々に明らかになっていく犯人とその目的。
なぜ犯人が権力者ばかりを狙うのか、そして何故バットマンに固執するのか。
ピークは、その理由が明らかになる前にやってきました。
まずは、最初に殺されるとある権力者の追悼式のシーン。
件のクラブで捕まえた汚職公務員を使って、追悼式に車を突っ込ませる。
爆弾に身を包んだ公務員に迫るバットマン。犯人の命をかけてクイズをするシーンは緊迫感マックスで常にドキドキハラハラさせられる。
これ、ジョーカーでも思いつかなかったんじゃないか?と思うほど衝撃がありました。見せ方が上手いんですよ。これ見よがしに車が突っ込んでくるんじゃなくて、徐々に外がザワザワして異変に気づき始めるブルースと追悼式参加者って構図が良いんです。
そして、秘密クラブの従業員オズとのカーチェイスがベストでしたね!
まだバットモービルと呼ぶには拙い高級改造車。ニトロエンジンのような青い炎を吹かせてオズを追いかけるシーンは最高!
オズが完全勝利を確信した直後にバットモービルが空を舞い、炎に身を包みながらオズに突進していく。なんてカッコいいんだ・・・・!!
もうね、このシーン見るだけで最高ですから!!
犯人が判明してからの急速な失速感
まぁ、これまで犯人を伏せてきましたけどね。分かるでしょ、犯人?
そう、リドラーですよ。
正直、映画を見る前から分かってましたよ。でも謎解きの過程が面白いのとアクションシーンも素晴らしかったので見れていたんですよ。
でも、この映画3時間弱あるじゃないですか?
2時間くらいで犯人とバットマンが対面するんですよ。
そこから地獄なんすよ。
推理モノは犯人が明らかになったら10分くらいで殺人理由とかを述べていってチャンチャンってことが多いじゃないですか。
でもこの映画、それを1時間やるんですよ。
ありえないっしょ?
東尋坊で船越英一郎と犯人が一時間会話してたらどう思います?
寒そうだなって思いませんか!?
リドラー演じるポール・ダノがあらわになって、バットマンと会話し始めてから、一気に失速感があったんですよね。
カットバックの単調なカメラワークも増えるし、リドラーのみならずセリーナとの会話シーンも増えるし。
どんな映画でもそうなんだけど、ずっと単調な会話シーンが出てきても面白くないんだわ。どれだけ中身のある話でもね。キツイのよ。
しかもリドラーがなぜバットマンに恨みを持っているのかって理由も、、うーん。
あまりに取って付けたような理由で弱いというか、もっとリドラーの幼少期を掘り下げて描いてくれた方が良かったと思いますね。
あの描き方だったら、別にリドラーじゃなくて別の孤児でも良かったと思えてしまう。
まとめ
謎を解決していく過程や解き方、そしてバットマンのキャラクターに惚れ惚れしたのは事実です。
今回のバットマン、本当に厨二病なんですよ。
「レゴバットマン」でも散々いじられているんですけどね。今回のバットマン=ブルース・ウェインは本当に酷く厨二病をこじらせていて、冒頭と最後に自分の心情をナレーションしていくんですけど。
「俺の手でこの街を守る」とか、「この街は腐ってる」とか、
とにかく「俺の手で」ってワードばかりが出てきてクスクス笑っておりましたwww
まぁ、でもそれくらいの気概と激しい思い込みがあるバットマンは好きでしたね。
90点 / 100点