- まえがき
- あらすじ
- 「THE FIRST SLAM DUNK」のネタバレありの感想と解説(全体)
- 涙でスクリーンが見えなかった
- これぞアニメーションの新しい景色
- 「The First」の意味とは?
- まとめ
- 追記:僕とバスケ
まえがき
今回批評する映画はこちら
「THE FIRST SLAM DUNK」
それでは「THE FIRST SLAM DUNK」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。
あらすじ
・1990年から96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、現在に至るまで絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけ、高校バスケ部を舞台に選手たちの成長を描き出す。
湘北高校バスケ部メンバーの声優には、宮城リョータ役に「ブルーロック」の仲村宗悟、三井寿役に「ガンダムビルドダイバーズ」の笠間淳、流川楓役に「ヒプノシスマイク」の神尾晋一郎、桜木花道役に「ドラえもん」の木村昴、赤木剛憲役に「僕のヒーローアカデミア」の三宅健太を起用。1990年代のテレビアニメ版も手がけた東映アニメーションと、「あかねさす少女」のダンデライオンアニメーションスタジオがアニメーション制作を手がける。
ロックバンドの「The Birthday」がオープニング主題歌、「10-FEET」がエンディング主題歌を務め、作曲家・音楽プロデューサーの武部聡志と「10-FEET」のTAKUMAが音楽を担当。
「THE FIRST SLAM DUNK」のネタバレありの感想と解説(全体)
「#THEFIRSTSLAMDUNK 」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2022年12月3日
「First」の意味が分かった時、泣きすぎて途中でスクリーンが見えなくなった。
20年以上前、今は潰れた本屋で初めてスラダンに触れた頃を思い出す。
これぞスラダンの新しい景色にして、原風景。
ありがとう。
この作品に出会えたことに大感謝。
奇跡のようでした。 pic.twitter.com/bE9v9q1HXA
涙でスクリーンが見えなかった
たまげました。
公開前、最初の予告が流れた途端に批判殺到。
チケット販売後に声優交代が発表され、これまでの手書きではなくフルCGによる映像を受け入れられない人が多く、SNSでは罵詈雑言の嵐でした。
私も半信半疑でした。このクオリティで大丈夫なのか、と。
しかし、蓋を開けてみたら年間ベストを超えて心のベストとも言っていいほどの出来栄えでした。
本当に、ありがとうとしか言えません。。。
スラムダンク、サイコオオオオオオオオオオオ!!!!!!
一番作品を大事にしているのは、原作者である井上先生です。
その人が監督を務めているのですから、作品を蔑ろにするわけがありません。
これぞファンが求めているスラダンでしたし、誰も文句は言えないようなクオリティでしたよ本当に。。。
舞台は予想された通り全国インターハイ。もちろん、山王戦でした。
しかし、試合の前に宮城リョータが子供だった時代のシーンが描かれます。
沖縄にて、リョータの兄とバスケをするシーン。これは最初の予告で流れましたね。
映画ドットコムなどのサイトのクレジット順からも分かる通り、今回はリョータが主人公なんですよね。というか、もともとリョータを主人公にしていたのかもしれません。
リョータの兄は才能溢れるバスケットプレイヤーで、まるで中学時代のミッチーのような存在。
兄に憧れバスケに明け暮れるリョータ。
次に映るのは、白紙の状態から徐々に湘北のキャラクターが描かれていき動き出す映像が。湘北のメンバー全員が描かれた後は、山王工業のメンバーが動き出します。
そこから、即試合。説明描写なし。
96年の連載終了後に止めていたタイマーのボタンが再び押されたような感覚でした。
この演出が見事に光っていて、試合までの描写を描かずにジャンプさせることで最初のツカミが成立するんですよね。
見事にやられた私は、脳天に雷が落ちたような衝撃を覚えました。
そこから山王戦と各メンバーの過去を振り返るシーンが交互に描かれ、今と過去が交錯し、見事に一本の線で繋がるんですよ。
普段ならこうした演出は苦手です。過去よりも今の試合をストップせずに描いてくれよと文句垂れるんですけど、繋ぎ方に摩擦がないんですよね。
過去のシーンが今に活きているし、今のシーンが過去に還っている。
山王戦も興奮したんですけど、やっぱり昔のシーンが流れた時は涙を禁じ得ませんでしたね。
漫画の最初の最初、晴子さんが桜木に「バスケットは好きですか?」と言われて「スポーツマンですから!」と見栄を張るところ、ミッチーの不良時代、赤木の2年生時代、などなどなどなど名シーンの振り返りはもう泣くしかありませんよ!!
このシーンがあるからこそ山王戦で勝つモチベーションが上がってくるし、漫画ともアニメとも異なる見せ方に感激しました。
映画って時間の芸術なんだなと、改めて感じました。
試合の結果が分かってるのに、ストーリーがどうなるか分かってるのに、何故か涙が止まらない。
それは何故か?単純なことです。
俺たち(原作者とスタッフ)は強い!!!!
からです!!!
作品の強度が違います。1秒たりとも無駄のない映像、音響、とにかく全てが素晴らしかった。。。
作品を信じて、井上先生と東映アニメーションが全力を出し切った結果です。
またこれは余談ですが、山王戦を見ていると今話題のワールドカップのことを猛烈に思い出しました。
絶対に勝てないと言われていたドイツ戦、スペイン戦をリアルタイムで見ていたので、同じく絶対に勝てないと言われていた山王戦に勝った湘北メンバーが重なったんですよね。。。
特にスペイン戦で三苫選手がラインの際ギリギリでエリア内に戻す名シーンがありましたけど、後半に桜木がジャンプして外に出たボールを中に入れるシーンと重なってしまって。。
今まさに進行しているワールドカップと今作が繋がってくんですよ。
スラダンは過去の作品、なんかじゃないです。
今まさに生きている作品なんです。生き続けている作品なんですよ。
これぞアニメーションの新しい景色
予告で見ていたものの何十倍、何百倍も素晴らしいCG。スマホサイズではよく分からなかったのですが、漫画のような手書きの跡が鮮明に見えるんですよね。例えば髪のもみあげは手書きで、リョータのツーブロックなんか見るとよく分かると思います。
要は、井上先生の描いた漫画が本物の人間のようにヌルヌルと動き出すわけですよ。
最近のアニメーション映画にCGは必要不可欠ですけど、描く対象によって手書きとCGを使い分けてるんですよね。車や飛行機や海など物理現象に従うものはCGで運動計算をしてリアルなアニメーションを創り出す。一方でキャラクターは手書きで一枚一枚作る。
このように、手書きとCGで場合分けをしていることが多いんですけど、今作は見事にミックスしてるんですよね。漫画とCGの良いところ取りをしているんです。
普通のアニメーションなら省略しているリアルな人間の動きを見事に再現してるんですよ。この作品には細部が宿っている。
一番わかりやすいのは、人が座っているところから立ち上がっていくまでの動き。
ベンチコートにいる木暮やその他メンバーが座って応援していて、得点を決めた瞬間に立ち上がるシーンで鳥肌立ったんですよ。
まるで本物の人間が立ち上がるような見事な滑らかな動き。
このように静→動に切り替わる瞬間が、今作のCGの凄さが一番伝わるのかなと思います。
「この世界の片隅に」の冒頭で、すずさんが荷物を背負うために一度しゃがんでから立ち上がるシーンと重なりましたね。こちらも見事でした。
映画「この世界の片隅に」批評と感想と解説 「能年玲奈」・「のん」と主人公すずのシンクロ率200% - Machinakaの日記
もちろん、バスケットの動きも見事としか言いようがありません。ってか何回見事って言ってるんだ俺はw
特にドリブルさばきが凄くて、めちゃくちゃ手書きのバスケットボールが選手の手に触れて床についた瞬間、まるで生きているかのように動き出す。
ドリブルした時に動きを表す黒線は漫画の手法ですけど、それをCGのアニメーションであっても残すことで躍動感が出る。漫画とアニメーションの見事な一体感ですよ。
「The First」の意味とは?
ずっと気になっていたタイトルの「The First」。
山王戦なのに何でファーストなんだと不思議に思ってましたが、今作を見てその意味が分かりました。
これは、原作者である井上先生にとっての原点=Firstなんじゃないかと。
もともとバスケットに没頭していた井上先生。
赤木と同じように、決してバスケが強くない学校でバスケ部の主将を務め、その後漫画家の道へ。
その時は、漫画としてのバスケではなくリアルのバスケとしての経験の方が長かった。
漫画的な省略表現やエフェクトを付けるのではなく、等身大の人間が本当にバスケをやっている姿が井上先生にとってのThe Firstだったはず。
スラムダンクを終えて、「リアル」を描いてよりシリアスで実在する人間の動きに着目した井上先生。その経験があったからなのでしょうか。今作では千手観音のような桜木の鬼ディフェンスシーンはないし、頭身を下げてコミカルにキャラを描くこともない。
今作では自分がバスケを現役でやっていた時=原点に立ち返り、本当に描きたかったスラムダンクを描こうとしたのではないでしょうか。
仮にそうだとしたら、見事に原点を描かれていたと思います。
まとめ
もうね、この作品に点数なんかいらないですよ。
年間ベストとも違う。
心の中に深く刻み込まれた作品です。
またまた余談ですけど、鑑賞後に仕事のモチベーションが上がったんですよねw
のらりくらりと生きてちゃダメだと、赤木にゲンコツをもらったような感覚でした。
何度も何度も何度も鑑賞したい!!
本当に素晴らしい!!お見事でした!!!!
100,000,000,000,000,000点 / 100点
追記:僕とバスケ
はい、ここからは作品の感想とは切り離して、僕のバスケとの思い出を語ります。
ブログで昔話するなんていつぶりでしょうかねぇ。。
なぜこんなことを書くかというと、、、、
僕、昔バスケ部だったんですよ。
これまでブログで書いたこともないし、SNSのフォロワーさんには一言も話してない。