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映画「笑いのカイブツ」ネタバレあり感想解説と評価 だが情熱はある男の物語

 
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この記事では、「笑いのカイブツ」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「笑いのカイブツ」

 

(C)2023「笑いのカイブツ」製作委員会

 

いや〜〜新年早々めちゃくちゃ個人的に思い入れのある映画が拝めるなんてありがたいですよ。。。

新年早々ツイてます!!!

 

私は映画より前にラジオにハマっていて、特に「オードリーのオールナイトニッポン」を聞くのが一週間の一番の楽しみだったんですよね。

 

番組最後に流れるメール企画「死んでもやめんじゃねぇぞ!」にて、毎週のように読まれていた「ツチヤタカユキ」というラジオネーム。

 

さすがのオードリーもツチヤタカユキの異常性に気づき、若林さんがコンタンクトを取るも「人間関係不得意」という一行だけの返信が来たのはもはや伝説的なエピソードですよねw

 

ツチヤタカユキと若林さんが交流があったのは今から10年ほど前でしょうか。

若林さんのサポートもあって上京(上笹)して、作家見習いとしてアルバイトしながら働く日々。ANNで若林さんのトークテーマがツチヤ関連になったのは良い思い出ですw まぁネタの宝庫ですからねぇwww

 

私にとって今作は単なる映画ではなくて、当時ラジオリスナーとしてツチヤタカユキのエピソードに衝撃を受けた者として忘れられない作品になりそうなんですよね。

ちなみにツチヤ役を務めた岡山天音さん、ツチヤ本人にめちゃくちゃ似てます・・・ww


それでは「笑いのカイブツ」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 
 

あらすじ

  
伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキの同名私小説を原作に、笑いにとり憑かれた男の純粋で激烈な半生を描いた人間ドラマ。

不器用で人間関係も不得意なツチヤタカユキは、テレビの大喜利番組にネタを投稿することを生きがいにしていた。毎日気が狂うほどにネタを考え続けて6年が経った頃、ついに実力を認められてお笑い劇場の作家見習いになるが、笑いを追求するあまり非常識な行動をとるツチヤは周囲に理解されず淘汰されてしまう。失望する彼を救ったのは、ある芸人のラジオ番組だった。番組にネタを投稿する「ハガキ職人」として注目を集めるようになったツチヤは、憧れの芸人から声を掛けられ上京することになるが……。

「キングダム」シリーズなどで活躍する岡山天音が主演を務め、仲野太賀、菅田将暉、松本穂香が共演。井筒和幸、中島哲也、廣木隆一といった名監督のもとで助監督を務めてきた滝本憲吾監督が長編商業映画デビューを果たした。

笑いのカイブツ : 作品情報 - 映画.com

 

 

「笑いのカイブツ」のネタバレありの感想と解説(全体)

 

 

ツチヤタカユキの人生を胸に刻んでいただけたらと

しんどかった。

でも、見てよかった。

 

私にとってはあまりに距離感が近い物語でした。

あくまでラジオリスナーという立場ですが、10年以上前からツチヤタカユキという人物のパーソナリティを知り笑わせてもらっていたので、その男の半自伝的な映画となると客観視できないというか。

 

何もご存じない方に説明しておくと、ベーコンズというお笑いコンビはオードリーのことです。ツチヤタカユキが投稿していた番組は「オードリーのオールナイトニッポン」で、彼は毎週のようにメールが採用されていました。

 

ハガキ職人が毎週のようにメールを読まれることは珍しいことではないですが、そこからパーソナリティ(若林)と繋がり作家見習いになるのは今の時代では限りなく奇跡に近い。

当時リスナーの私も「ツチヤが上京するなんて本当か!?」と驚きを隠せませんでした。

 

ツチヤの常人離れしたエピソードは劇中に描かれていた通りで、コーヒー買ってきてと西寺がツチヤに頼んで全力疾走→足首をひねる話は本当にあったエピソードですねw

 

10年以上前から勝手に知った仲でいたツチヤタカユキの映画。

彼が笑いを通して人生四苦八苦する姿は、当時を思い出して笑えると同時に心が苦しくなる作品でした。

 

5秒に1度ボケる、デジタル大喜利に投稿することだけが生き甲斐。親がいなければ完全に破綻している人生。

事前情報がない人は、ただただ「何を見せられているんだろう。。。」と驚いたのではないでしょうか。

 

主人公が人間関係不得意で、誰ともコミュニケーションが上手く取れない。

菅田将暉や仲野太賀、松本穂香といった身近な他者が彼の気持ちを代弁するような補足があって成り立つ人間ドラマのようにも見えました。

 

ただ、岡山天音のツチヤ造形はあまりにも本人(のイメージ)に近く、特に不満を爆発させるシーンや本気で死のうと思っていた時期のシーンは、鬼気迫るものがあったというよりも本気で怯えていました。

 

ツチヤタカユキに特段思い入れがない人であっても、岡山天音に恐ろしさを覚えたのではないでしょうか。それほどツチヤタカユキの生き様は誰よりも孤独で、孤高で、真似できないものなのです。

 

 

だが情熱はある男の物語

私としては、やはりベーコンズの西寺とツチヤタカユキのエピソードが一番強烈でした。

 

以降、個人的な思い入れもあり、西寺のことは若林、ベーコンズはオードリーとさせて頂きます。春日は関係ないのでパスでw

 

・・・劇中で描かれていた通り、ツチヤは若林を通して作家見習いとなり、裏方として番組に参加するようになります。

しかし、若林に「人間関係不得意」とメールした通り、コミュニケーションが全くできないツチヤは自分のネタに手を入れられるのに激しい抵抗を感じ、ラジオ番組からフェードアウト。

自分の作った企画がオードリーの単独ライブで採用され、ここで起死回生かというところで大阪に戻ることに。

 

オードリーのオールナイトニッポンを聴いていた自分としては、ツチヤがなぜ番組を離れていったのか舞台裏が明らかにされて衝撃を受けました。

 

よくよく考えればスタッフと仲良くできる訳もなく、チームワークができるわけもなく、ただネタを考えていれば良かったデジタル大喜利時代とは全く異なる職場。

だからああいう展開になるのは映画を見ていれば予想できたのですが、当時ラジオを聴いている自分としては想像がつかなかった。。

 

オードリーのオールナイトニッポンでは、ツチヤカタカユキという人物は最初から最後まで爆笑をかっさらっていく男でした。

 

作家見習いになる前はハガキ職人としてオードリーにいじられまくったツチヤ。

メールの投稿時間が朝5時になっていた「お前どんな生活送ってんだよw」とつっこまれていた時代ですねw

 

そして若林と出会い上京。当時若林が住んでいた笹塚に「上笹」して、付き人のような存在に。ツチヤと一緒にいるとネタが尽きないようで、毎週のようにツチヤの奇人変人エピソードが飛び交っていました。

ホストクラブ見習いになったことも、カラオケでバイトしていたことも、酒に溺れたことも全て当時のエピソードから来ていますw

 

そしてついに、番組内のテレフォン人生相談という企画でツチヤタカユキがついに初出演。劇中では描かれていなかったのが残念でしたが、まるでAIロボットのような棒読みの音声と爽快にツッコむ若林に爆笑しっぱなしでしたww

 

・・・私にとってはツチヤは文字通り笑いのカイブツで、全て笑いに持っていくんです。。

そういう実績があったツチヤをずっと見てきた自分にとっては、ラジオのスタッフと揉める場面は現実というナイフを突きつけられたようでしんどかった。。

 

ちなみに、ツチヤが揉めた構成作家の氏家は佐藤満春(サトミツ)ですね。

 

僕みたいなラジオリスナーが「お笑い」として消費していたツチヤタカユキ。彼のリアルを知りたかったような、知りたくなかったような。。非常に複雑な気持ちになりました。

 

・・・うん、感想が非常に難しいです。

しかし、ツチヤタカユキの面白い部分だけを切り取ってしまうと、それは映画ではなくラジオになってしまう。シリアスな成分が多い今作を容易に受け入れることは難しいですが、心を締め付けられながら鑑賞しました。。

 

特に、単独ライブが終わって駐車場でツチヤタカユキと再会したシーンは見ていてしんどかった。。

 

若林も劇中で言っていますが、若林自身もツチヤタカユキのような時代があったんですよね。日テレのドラマ「だが、情熱はある」でも描かれていましたが。

 

だが、情熱はある|日本テレビ

 

若林も他人事ではなかったのでしょう。いくら自分がネタを書いても活躍できなかった時代。だからこそ南キャンの山ちゃんと出会い「足りないふたり」を結成して少しずつ人生前向きになったのですから。

 

今作では若林の昔の描写がまったくないので、是非とも「だが、情熱はある」をご覧になってからご鑑賞いただければと思います。

 

補足ですが、ツチヤタカユキについてもっと知りたい人は、下記の動画をご覧になってください。

非公式ですがよくまとまった動画です。「ツチヤタカユキ」→「ツチヤタカユキその後1~3」の順にお聞きいただければ。

キーワードで動画検索 ツチヤタカユキ - ニコニコ動画

 

また余談ですが、「人間関係不得意」というメールを若林に送ったのは、実際は若林とのファーストコンタクトの時ですw

初めてコンタクトをとった人間に「人間関係不得意」という返信が来たら普通ビビりますよねw

若林さんの許容力というか、優しさですよね。。。

 

まとめ

ツチヤタカユキを昔から知っている自分としては、客観的に見ることができませんでした。

 

当時、本当に笑いのカイブツだったツチヤのリアルな青春物語を喰らいました。

 

話は変わりますが、来月に「オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム」が開催されます。

おそらく出ないとは思いますが、、、

今作の宣伝も兼ねてツチヤタカユキが出演してくれたら本当にヒデキ感激です。。。

 

大ドカンアーイです。。。

 

95点 / 100点 

 

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