- ネタバレありで感想と解説を始めます
- あらすじ
- 私と京アニの13年史
- 映画の感想
- 心温まる、素敵な言葉のお話
- キャラデザ的解像度の高さは劇場で体感すべき
- 鑑賞中に思い出した映画
- 本編も号泣。エンドクレジットでさらに号泣。
ネタバレありで感想と解説を始めます
今回公開する映画はこちら!
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形」
捜査1課によると、青葉容疑者は7月18日午前10時30分ごろ、1階玄関からスタジオ内に侵入し、バケツに移したガソリンをまいて火をつけ、35人を殺害し、ほかの35人を殺害しようとした疑いがある。青葉容疑者は全身やけどを負ってなお重篤な状態が続き、逮捕するめどは立っていない。
10年前、自分が在学していた大学の教授が言った。「Wikipediaなんて参考にするな、新聞を読め」と。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年9月4日
当時10代の私はこれに従った。
しかし今の時代、そんな新聞がWikipediaを大いに見習うべきだと思ったページがこちら。#京アニ #PrayForKyoani pic.twitter.com/AVDjFXwHAy
論文調で少し理解が難しい議論ページではあるが、犠牲者の公表をWikipediaでどう捉えるかについて、複眼的に議論されている。科学には良心を、是非じゃなく是非を決めるための議論を。そして今後の京アニに幸を。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年9月4日
それでは「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝 永遠と自動手記人形」、感想・解説、ネタバレありでいってみよー!!!!
あらすじ
・京都アニメーション制作の人気アニメで、2018年にテレビ放送およびNetflixで世界配信された「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の新たな物語を描く外伝。愛すること、愛されることを知らずに育った主人公のヴァイオレット・エヴァーガーデンが、「自動手記人形」と呼ばれる代筆業に就き、さまざまな依頼人からの思いを手紙にしたためていく中で、次第に愛を知っていく姿を描く。外伝となる本作では、良家の子女のみが通うことを許される女学園を舞台に、未来への希望や期待を失っていた大貴族の跡取り娘イザベラ・ヨークと、彼女のもとへ派遣されてきたヴァイオレットとの出会いから生まれる物語を描く。監督はテレビシリーズで演出を担当した藤田春香。新登場キャラクターのイザベラ・ヨーク役に寿美菜子、テイラー・バートレット役に悠木碧。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』予告
私と京アニの13年史
涼宮ハルヒの憂鬱 ブルーレイ コンプリート BOX (初回限定生産) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2010/11/26
- メディア: Blu-ray
- 購入: 30人 クリック: 881回
- この商品を含むブログ (118件) を見る
正直、アニメを見るのは90年代以来。アニメ黄金期に育った私にとっては、ハルヒのような作品は初体験。
大きい目、妙なタイトル。そして何より、時系列通り放送されないというキテレツな構成。全てが「違和感」でしかない映像体験の連続に、打ちのめされました。
ハルヒのあまりにも自己中な発言や行動、何故かそれを許容するキョン。実は、この時杉田智和を初めて認識しました。
妙な展開であっても、ハルヒの可愛さやキョンのニヒルな態度、何より朝比奈みくるのみ、み、みらくる!みっくるんるん!!!!なキャワいさにやられました。
この作品をきっかけに京都アニメーションを認識し、はたまた「深夜アニメ」なるジャンルを知った高三の夏だったんです。
それからというもの、後追いするように京都アニメーションの作品を鑑賞しました。
「フルメタルパニック」でこんな笑えるアニメがあるのか、と感激し。そこから「瀬戸の花嫁」などコメディアニメにハマったり(京アニ作品じゃないですね)
「AIR」の冒頭シーンからオープニング曲へ繋ぐピアノの旋律に毎回ドキドキしたり。
「らき☆すた」でパロディの面白さに気づき、頭文字Dのシーンは百回以上見たり。
・・・どうでもいい話ですが、院生の時フランス旅行に行って、現地での窃盗・強盗やカツアゲ被害から必死に逃げ、カルチャーショックを感じていた私を救ってくれたのは、スマホに保存していたらき☆すたでした。フランス国内で見てもらき☆すたは最高の作品でした。
「けいおん!」でようやくリアルタイム視聴し、大学の友人と毎週「あずにゃんは俺の嫁だ!」と喧嘩したり、「あずにゃんを最後の後輩にして部活の存続を危うくさせたのは如何なものか!」と議論したり、本気で友人とぶつかり合えた作品でした。
「日常」では各エピソードの面白かったシーンを取り上げ、俺の中で博士の可愛さがリアル幼女を超えた瞬間だったり。
「氷菓」、「中二病でも恋がしたい」あたりで私のアニメ熱が最も上昇し、毎週末にはアニメイトに通いグッズを買いあさりました。また、各シーズンの個人的推しアニメ番組表をイラストレーターで作成し、研究室のプリンターで光沢紙・A3サイズで印刷して大学の掲示物の横に貼ったり、今考えると暴走していたと思います。
でも、そんなの今考えればいい思い出です。
そして「Free!」「境界の彼方」を見て、それ以降(2014年)からは京アニをはじめアニメを見なくなってしまいました。
ちょうどそこから、映画にハマってしまったので。
ただ、最近ではヴァイオレットエヴァーガーデンや劇場版で「聲の形」を鑑賞したりと、京アニに触れてはいたのです。
www.machinaka-movie-review.com
ここまで京アニを紹介しておいてあれですが、私が一番好きな京アニ映像作品は「パワプロ9のオープニング」です。このゲームは高1からやっていたのですが、その時は京アニという言葉もわからず、ただただオープニングに見入っていました。。
諦めないで 明日へ 繰り出そう
憧れの 瞳は 勇気 見つけてる夢を掴み取れ僕らの 目指す未来の
光が どんなに遠く見えても
ありったけの勇気で to the Sky
越えて行こうよ 夢に 向かう 翼信じて
映画の感想
Netflix版と変わらぬハイパークオリティ!
Tジョイ品川にて「ヴァイオレットエヴァーガーデン外伝」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年9月6日
相変わらずのキャラデザ解像度の高さ、意表をつく展開、王道の結末。これまでの京アニに感謝、これからの京アニも応援したい。
そして、一番泣いてしまったのは本編でなくエンドロールだった。#ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝
心温まる、素敵な言葉のお話
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは、Netflix版では後半戦争シーンやアクションが多くなるんですけど、今回はアクション成分は薄めでしたね。
その分、女性同士の繊細な心理描写がメインなのか、、と思いきや、そうではなく。いちばん大切にしていたのは、「言葉の大切さ」「言葉を文字にすることの大切さ」「思いを形にすることの大切さ」など、作品の根本的なテーマに物語が追従していて、全くブレのない仕上がりに。
今回90分なんですけど、あまり大きなアクションなく飽きずに見られたのも、キャラクターの魅力があってこそですよね。
また、3幕構成を意識されたのか、ちょうど30分、30分、30分くらいに話を区切り、大変分かりやすい構成になっていっと思います。
まずは、メルヘン街道を思わせるような美術背景で始まり、いつもとは違う風景を見せていただきました。昔、ドイツ旅行に行った時に目にした風景とすごく似ていて、アニメであの風景を表現することの難しさったらないですよね。毎回毎回、美術背景には驚かされます。
そんな思いにふけっていたら、エヴァーガーデンのおきまりの無表情が移り、いつも通りのエヴァーガーデンに。ただ、今回は単に手紙を書く依頼ではなく、名家の娘の侍女になってしまうエヴァーガーデン。
普段とは異なるアプローチに、映画ならではの特別感がありました。いつ手紙に結びつくんだろうな、とドキドキしながら見れましたからね。
男子禁制の女学院の中で、友好を育むエヴァーガーデンとイザベラ。この2人を見てるだけで、もうセリフとか入らなくて1000億点っていうか。美人っていつまでも見ていたいじゃないですかww
で、ここまでで手紙を書く話はなし。いったいどこで手紙が出てくるのかなぁって、思ってたら・・
1幕目の最後で、出てきちゃいましたよ。。
ネタバレありって言っときながら、ネタバレできないんですけど、、
あそこは泣けるよぉぉぉぉぉ泣けるにキマってるよおおおおおお!!
言えないんですけどね、言えないんですけど、、
そっちの方かぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!
ってなっちゃいますよww
おきまりの結末かのように見えて、実は別のキャラだった、みたいなね。よく考えれば、髪の色とか見てれば、どっちがどっちか分かるんですけどw
もしかしたら僕の勘違いが大きいのかもしれませんけど、そっちの方かぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!
って叫びながら泣いちゃいましたね笑
キャラデザ的解像度の高さは劇場で体感すべき
京アニは、とにかく圧倒的な作画力で日本アニメを牽引してまいりましたが、今回もやられました。。一枚一枚に、どんだけ時間かけてんだってくらい、一度見たら忘れられない絵ですよね。
少しマニアックな話ですけど、エヴァーガーデンって頭身が高く設定されていて、エヴァーガーデンなんて9頭身くらいありますからねw
まるでモデルのようなキャラデザにしたこともあり、顔の一個一個のパーツが細くて描かれてるんですよ。
どう表現するのが良いかわかりませんが、私なりの言葉で表現するならば、「キャラデザの解像度が高い」と思っています。
・髪の毛の分け目の細かさ、線の数
・輪郭の頂点数
・まつげの本数
など、とにかく今回は線が多く細かい!! これ、原画はもちろんのこと動画にする人も大変だったろうなぁ。。
何より、京アニならではなんですけど、瞳の美しさですよね。一番解像度が高いのは、瞳かもしれません。
普通の瞳よりも、黒目周辺にある水晶の数が多く、微妙にですが色も使い分けられてる。そして先ほども言いましたが少しだけ線が引かれている。
普通ならべた塗りで「面」にしてしまうところを「線」を増やし、文字通り「繊細さ」を表現したキャラデザでございました。こういう作画だと、もう見るだけでキャラクターの心理も繊細なんだろうなぁって思わせる力があるんですよ。。
鑑賞中に思い出した映画
▲あの宅急便映画と似てる
・郵便配達員の仕事がメインで、ヨーロッパのような街並み。パリがメインになってるんだろうけど、傾斜が多くてギリシャのカラフルな街並みもある。
・おばあちゃんからのプレゼントを届ける新人の配達員
・新人の配達員が、小さな女の子で、赤いリボンをしている
多くの人が感じたと思いますが、「魔女の宅急便」とすごく共通点があるんですよね。
ちなみに魔女の宅急便はジブリの中でも一番好きです。ジブリ作品を買うなら、海外逆輸入の方が安くて英語字幕や特典映像も豊富なのでオススメ!!
▲少佐と聞いたら、あの映画が・・
エヴァーガーデンが侍女って言うもんだから、最初は「ハンドメイズテイル」のような抑圧された女世界が描かれると思ってたんですよ。
古い映画ですけど、「黒水仙」のようなシスターたちのドロドロバトルとかねw
ただ、そんなドロドロ女子バトルは全くなくて。エヴァーガーデンとイザベラが徐々に友好を深めていき、舞踏会で2人だけの世界に。。
恋愛感情とかはないにしても、あんなモデルルックな2人が近く寄って踊ったら、何か想像しちゃうじゃないですかww
今回の外伝のプロットを見ていて、一つ思い出した映画があって。
それは1942年に公開された「少佐と少女」というアメリカ映画。今回のプロットと、エヴァーガーデンの過去とすごく似てるなぁと。
ひょんなことから軍の施設に入った主人公の女性。ルームメイトになったのは、主人公と同じくらいの女性。2人は徐々に仲良くなり、舞踏会で憧れの少佐と恋に落ちた主人公。しかし、少佐と離れ離れになってしまい、最後はルームメイトの女性と2人っきりに。
主人公は少佐との思い出を捨てきれないまま、前へ進んでいく。。
単に「少佐」って共通点から浅はかに思いついてしまいましたが、何かしら影響を与えたのかもしれませんね。。もちろん、少佐と少女も大変おすすめです!!
本編も号泣。エンドクレジットでさらに号泣。
もちろん本編もいいんですけど、何よりエンドクレジットで泣いてしまいました。
そういう泣き方していいのかな?って思ってしまったんですけど、涙が溢れてきて止まらないので、もうどうしようもなかったんですよね。
なぜエンドクレジットで泣けるのか、もう言わずとも分かると思います。ちなみに、何か特殊なクレジットの作り方はしてなくて、普通のクレジットなんですけどね。
とにかく、作ってくれてありがとう、本当にお疲れ様でした、と感謝の気持ちを伝えたいです。僕らは普段から、クレジットはちゃんと見た方がいいに決まってるんです。でも情報量がいかんせん多くて、クレジット見ながらブログのこと考えてるってのが正直なところで。。
マスコミも今だけは、あれやこれやと騒いでいますが、新聞は毎日新しいものが更新され、いずれ古紙として捨てられてしまう。
そういう一過性のもので知るよりも、僕は映画というカタチの中で誰が作品に関わってるかを知りたいんです。もちろん、あの事件とは関係なく、純粋な製作者として。
ちなみに、こういうことも言いたかないですけど、誰が被害に遭われたかは、全く調べていない状態での鑑賞です。調べておくと、絶対にエンドロールでフィルター掛かっちゃうから。被害者を知った上でエンドロール見て泣いてしまっても、感動ポルノのようになってしまうから。
調べようと思えば何でも調べられてしまう時代ですが、純粋に作品として楽しむためにも、あえて何も調べないことを推奨しておきます。
こういうこと書くこと自体、不謹慎だとか言われかねない世の中ですけど、実際に涙してしまったんです。この思いを言葉にして書いておかないと、映画ブロガーとしては失格なんです。
クレジットは手紙と同じように、永遠にこれからも残るものだと思っています。
手紙と京アニよ、永遠なれ!!