- あらすじ・ネタバレありで感想です!
- あらすじ
- 新海誠の作風:赤い糸ディストピアから赤い糸ユートピアへ
- 映画の感想
- 新海監督が新たな挑戦を見せた、抜けの良い青春ファンタジー!
- 雨を降らせ続ける演出は挑戦的
- 天の川ファンタジーによる、現代的七夕伝説!
- 天気という運命に抗い、織姫様(陽菜)と出会う彦星様(帆高)
- 追記:雨が降り続ける理由と七夕伝説との関係
あらすじ・ネタバレありで感想です!
今回公開する映画はこちら!
「天気の子」
待ってました。この時を。
今さっき、「君の名は」を見たばかりなんですけど、もう胸がキュンキュンして悶えてます。
何というキュンキュン。。 あの階段のシーン。もう、もう、、、、
「君の、名前は・・」
キャァァああああああああああああ!!!!!
ああああぁぁぁぁああああああ!!!!!!!!!
いいいいええええええええええいいいいいい!!!!!
ずうぇんずうぇんずうぇんせくぅあらぼっっくぁぁぁぁぁああああああぁぁぁぁぁ!!!!それでは「天気の子」ネタバレあり感想解説と評価、行ってみよー!!!
あらすじ
・「君の名は。」が歴史的な大ヒットを記録した新海誠監督が、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄されながらも自らの生き方を選択しようとする少年少女の姿を描いた長編アニメーション。離島から家出し、東京にやって来た高校生の帆高。生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく手に入れたのは、怪しげなオカルト雑誌のライターの仕事だった。そんな彼の今後を示唆するかのように、連日雨が振り続ける。ある日、帆高は都会の片隅で陽菜という少女に出会う。ある事情から小学生の弟と2人きりで暮らす彼女には、「祈る」ことで空を晴れにできる不思議な能力があり……。「兄に愛されすぎて困ってます」に出演した醍醐虎汰朗と「地獄少女」「Last Letter」など話題作への出演がひかえる森七菜という新鋭の2人が、帆高と陽菜の声をそれぞれ演じる。そのほかの出演に小栗旬、本田翼、平泉成、梶裕貴、倍賞千恵子ら。「君の名は。」に続いて川村元気が企画・プロデュース、田中将賀がキャラクターデザイン、ロックバンド「RADWIMPS」が音楽を担当。RADWIMPSが手がける主題歌には女性ボーカルとして女優の三浦透子が参加。
新海誠の作風:赤い糸ディストピアから赤い糸ユートピアへ
109シネマズ木場にて新海誠監督「君の名は」鑑賞
— Blog_Machinaka🐻@告知・宣伝垢 (@Blog_Machinaka) August 28, 2016
エンドロール終了後に一人全力拍手、パンフを求め全力疾走。
この映画の感想に余系な言葉などいらない。まだ観てない人に紹介するだけだ。
早く観ろ!
早く観ろ!
早く観ろ!
オールタイムベストを超えた最高の映画体験でした
netflixにて新海誠監督作品「秒速5センチメートル」を鑑賞。
— Blog_Machinaka🐻@告知・宣伝垢 (@Blog_Machinaka) August 29, 2016
おいおい! これ「君の名は。」まんまじゃねぇか!! 縦に割れる光、赤みがかった雲、そしてすれ違いの恋!
特に第1話がやばかった。ちくしょおおお!! 俺も新しい恋がしてぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!
それでは映画の感想でっす!!!
映画の感想
二人だけのセカイ、二人だけの新宿
リアルな新宿を描きながらも物語はファンタジー!!
とにかくキュンキュン!だけじゃない!
少年なら誰しも抱く好きな子との大スペクタルなラブ・ファンタジーを描き、みんなの心は晴れ晴れすること間違いなし!!!
赤い糸ファンタジーの呪縛から解き放たれ、新たに天の川ファンタジーに挑戦した深海監督!!
なぜ雨ばかり描かれるのか? なぜ瀧の様な雨が?
配色と七夕伝説から考察します!!
新海監督が新たな挑戦を見せた、抜けの良い青春ファンタジー!
はい、ただいま鑑賞を終えたMachinakaでございます!!
いやぁ、18時上映の回に参加したんですが、それでも満席でしたね! 映画館の状況を見ると、もっと遅い時間の方が混んでいたみたいですね!
ざっと劇場を見渡す限り、若者がたくさん! スポーツバッグを持った高校生から、カップルつなぎをしている男女まで、まぁ青春を謳歌している人たちばかりで!!
まぁ皆さん、さぞかしリア充なんでしょうねぇ、、
そんなリア充たちを満足させる、「君の名は」とはまた違った青春ファンタジーでございました!!!
これ、好きな人にはたまんないんだろうなぁ。。
舞台は新宿で、「君の名は」や「言の葉の庭」と同じ。
ただし、上記二作品は新宿御苑や新宿南口・西口が舞台になっているんですよ。
今回は同じ新宿でも、まさかの歌舞伎町を舞台にしている点で、むしろ新規性を出してるんですよね!!
深海監督で歌舞伎町、、あんまりイメージがつきませんw
せいぜいヤマダ電機までしか描かれなかったんですけど、今回は歌舞伎町の中の中までちゃんと描いていて、ホストクラブが密集している歌舞伎町2丁目・3丁目まで映像に収まっていたのが驚きました。
一見すると歌舞伎町って汚かったり怖かったり、良いイメージがないかもしれないんですけど、終始雨が降っている歌舞伎町は、どこか瑞々しく、艶っぽく、僕らが知ってる歌舞伎町とは違う顔を覗かせていました。
そんな舞台で描かれたのは、これまでの「赤い糸ファンタジー」とは異なり、「天気という運命に争う少年冒険ファンタジー」になっていたのも特徴で。
どうしてもこれまでの深海作品って、恋愛がメインになることが多かった様な気がします。
特に、「赤い糸」=「運命で結ばれた男女」をめぐる恋愛物語というイメージが強いです。深海作品において、二人の出会いは運命的・必然的であることが多いんですよ。
「君の名は」でも、最初から二人は入れ替わっていて、そこに理由や背景がない。運命的な出会いをメインにしている。
しかし今回の主人公である帆高が陽菜と接近し、結ばれるのは、あくまでも帆高の意思によるものなんですよね!
いかがわしいスカウトに立ち向かうのも、運命でも何でもなく、帆高の勇気によるもの。実銃というチートな後押しはあったものの、帆高の意思がそうさせたんですよね。
そして二人が恋愛的な方向に進むのか・・と思いきや、今回はあまりキュンキュンする描写は非常に少ない。
帆高と陽菜の二人だけの物語ではなく、陽菜の弟も加え、3人で行動するという展開になるんですよね。
もちろん、最後の最後には天空の城ラピュタ的な、二人だけのセカイ系に入るんですけど、今回は少年の冒険というイメージが強くて。
二人が再開してラブラブするっていうよりは、二人が再開するまでの話になっていて、出会うまでの物語なんですよね。
雨を降らせ続ける演出は挑戦的
ずっと雨を降らせるという展開に少し驚かれた方もいらっしゃると思います。
基本的に雨は、映画では悲しみを表す表現として描かれています。
しかし今回は、雨であっても楽しいシーンや微笑ましいシーンを描き、通常の映画文法とは逆説的な表現であったと思います。
冒頭、帆高が船に乗っているシーンで、豪雨に喜ぶ帆高がいるんですよね。もうあそこの時点で、雨=陽菜を好意的に見ていることが伺える。
そして、陽菜がいると東京は雨になる、だから陽菜を遠ざける、というスピリチュアル設定、深海監督大好きですよね。
雑誌ムーは、「君の名は」でも描かれてましたけど、本当にああいう要素が好きなんでしょうね。ただ、都市伝説的だったり胡散臭いものとは言わずに、「ファンタジー」として捉えているところが若者にウケるんだと思います。
小栗旬が演じた須賀が、ムーの記事を「これはファンタジーだ」と言っているのは、深海監督が切に願ってることなんじゃないでしょうか?
正直、陽菜がいるとなぜ雨になるのか、については科学的な根拠もないですし、帆高の思惑通りにいってるとも思いません。
ただ、帆高と陽菜の中で閉ざされたセカイ系では、天気の変化はファンタジーのように見えてくる。なんだか爽やかなんですよ。
深海作品の美しい美術背景も、ファンタジーに説得力を与えていて、見事な雨演出だと思います。
天の川ファンタジーによる、現代的七夕伝説!
さて、今回の「天気の子」、何を伝えたかったのか、何をしたかったのか?
言語化するのは凄く難しいと思います。
もちろん、単純に「あの二人にキュンキュンする!!」「ははは!少年よ、大志を抱け!」的な感想でもいいんですけど、もっと色んな観点で見て欲しいとも思っていて。
私なりに今作を表現するならば、『「天気の子」は七夕伝説を現代に蘇らせた作品』であると思っています。
・・・はい、突然言われても意味わからないですよねww
まずはこちらのツイートをどうぞ!
#天気の子 を一言で説明するならば、"七夕伝説を現代に蘇らせた"のだと思う。
— Blog_Machinaka🐻@映画ブロガー、ライター (@Blog_Machinaka) 2019年7月19日
深海作品の特徴である、青とピンクの強烈な光彩は、天の川の配色と似ている。
陽菜と帆高は、織姫様と彦星様に投影してると感じた。赤い糸ファンタジーの呪縛を乗り越え、天の川ファンタジーに挑戦したのである。 pic.twitter.com/2DZ3zmKGWL
私、映画を色で見る癖があるんですけども、深海作品ということで水色とピンクの配色が強烈な印象を残すんですよね。
「君の名は」でもありましたけども。
配色的にも、織姫様と彦星様をイメージした水色とピンクの構成は、深海作品の象徴でもある燦々と輝く太陽の色と共通しています。
この手をつなぎ合うシーン、陽菜と帆高が再会するシーンと似ている。。
これだけじゃ全然ピンとこないと思うんで、ここからは七夕伝説のあらすじを使って考察したいと思います。
その昔、天の川の西に住む織物が得意な織女と、天の川の東に住む牛飼いの牽牛がいました。
星空を支配する神・天帝は、美しく働き者であった織女に目をかけており、彼女に見合った結婚相手を探しておりました。
天帝は働き者の好青年の牽牛のことを知り、織女との結婚を申し付けます。牽牛はすぐに心惹かれ恐縮しつつ受諾。織女と牽牛は晴れて夫婦となり、織女の住む天の川の東に暮らすようになりました。
「スピリチュアルコネクト」より抜粋
七夕伝説では、織姫は天帝の娘として描かれています。
つまりこれは、タイトルの「天気の子」=「天気の娘」と符合するものだと思います。
「天気の子」は織姫、つまり陽菜であると思いました。
そして彦星は帆高ということになります。
皆さんご存知のように、織姫と彦星は天の川の西と東に分断されている。普通じゃ絶対に会えない二人。
深海監督の作風は、運命的に出会い、運命的に引き裂かれていく男女の物語を描くことにあると思っているんですけど、これってまさに七夕伝説のプロットそのものですよね。
今回は「天気の子」というタイトルを付け、「七夕伝説」や「天の川」との親和性を高めていると感じました。
よくよく考えると、深海監督は「星」をテーマにしている作品を作ってるんですよね。
今回は最終的に織姫と彦星は再会することになりますが、「ほしのこえ」とは対照的な作りになってますよねw
他にも、「君の名は」で描かれた彗星でも、水色とピンクによって美しく描かれています。これ、実際の天の川の写真と酷似してるんですよね。
瀧と三葉も、織姫様と彦星様のように天の川によって出会うことを阻まれたんですよね。映画では「かわたれ時」と描かれてましたが、七夕の日だったのかもしれません。
天気という運命に抗い、織姫様(陽菜)と出会う彦星様(帆高)
以上の文脈を踏まえると、深海監督はずっと「天の川」ファンタジーをやりたかったのかもしれません。
「君の名は」では彗星の衝突を「天の川」に見立て
「ほしのこえ」では地球と星の距離が、「天の川」の障壁にも思える
そして今作の「天気の子」は、「ほしのこえ」よりは距離が縮まってはいるものの、地上と空の物語になっている。
天気というものは人の力ではどうすることもできない。天に逆らうことはできない。天気自体が、運命のようにも思える。
帆高と陽菜は、天気によって出会い、天気によって別れる。これはもう、七夕伝説の織姫様と彦星様だと思うんですよ。
しかし、今作と七夕伝説の違うところは帆高(彦星)が天の川に抗っていくんですよね。
帆高が須賀や警察官を振り切って、陽菜がいる(であろう)鳥居に触れにいくシーンは、あれは天の川を逆らって泳いだようにも感じます。
運命に逆らうという意味では、もう一つ印象的なシーンがあって。
帆高がJRの線路を走り抜けるシーンがあるんですよね。線路といえば、深海作品に確実に出るシーンであって、覚えている方も多いと思います。
「君の名は」でも、山手線で瀧と三葉がボーイミーツガールするシーンがありますよね。
電車というのも実は、「運命」のメタファーなんですよね。
車とは違って、自分で出発を決められない、自分の意思が介入しない交通手段なんですよ。だから深海作品には電車が多く登場すると思うんですが。そして線路は、そんな運命の電車が走る運命のレールとも言えます。
しかし、今回のラストでは線路は見えても、電車は見えない。
線路を帆高が走るラストになっている。誰にも邪魔されずに、自由に走る帆高。
これはつまり、運命に抗って陽菜に会いに行くことのメタファーになっていると思うんです。
そして最後は陽菜と帆高が手を取り合い、ゴールイン・・・
チキショオおおお!!! もう最高かよ!!!!
七夕伝説という観点でも、ぜひ「天気の子」をご覧になってくださいね!
追記:雨が降り続ける理由と七夕伝説との関係
今作では終始、雨が降り続けてますよね。そしてラストで明らかになりますが、東京にひたすら雨が降り続き、止むことはない。
ついに東京は臨海部が水によって沈没し、水かさが増してしまう。
この異様とも思える設定は、なんで作ったんでしょうか。
七夕において、雨が降るという現象は彦星と織姫と重ねて、下記のような考察がなされています。
7月7日のこの日、雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫は牽牛(彦星)のもとへ行くことが できません。
織姫が悲しんでいると、それをかわいそうに思った「かささぎ」という鳥たちが翼を 広げて橋を作り、2人を会わせてくれる・・・。
広く知られているお話ですが、地方によっては内容に微妙な違いがあるようです。
☆ 晴れたら、かささぎが橋と なって、2人を会わせてくれる。雨だと水かさが増えて かささぎも橋渡しができない。
☆ 七夕に雨が降るのは、久しぶ りに牽牛に会えた織姫が流す嬉し涙。
☆ 七夕に曇るのは、会えた二人 が周囲に見られないように隠れてしまうから。 ・・・などなど。 また、七夕は農業とも密接なかかわりがあり、農耕のおまつりとも結びつきがあります。 稲に実が付き、夏野菜の収穫を控え雨も少ないこの時期、農家では七夕に雨 が降るよう願うこともあったとか。 「七夕の雨は織姫の嬉し涙」は、そんな事情からうまれたのかもしれませんね。
「七夕のあれこれ その2」より抜粋
帆高が雨を迎合しているのは、単に陽菜に会えるからじゃない。織姫が流す嬉し涙=雨を喜んでいるのかもしれませんね。
だから、上映中ずっと雨が降っているのは、悲しい演出でなく嬉しいシーンなんですよ。
水かさが増して東京が昔の姿に戻るのは、昔の地球=昔から流れる天の川のメタファーにも感じるんです。