こちらのブログが初めての方、ご訪問いただきありがとうございます!
「映画のタイトル+解説(感想)」で検索してくださってこちらにいらっしゃった方には大変申し訳ないんですが、できれば第1回目の記事をご覧いただいて、私の自己紹介と本ブログの趣旨をご理解いただければと思います。
Twitterもやってます!
今回公開する映画はこちら!
「麗しのサブリナ」
はい、最近Machinakaどうしたんだ!! と言われてもおかしくないですねw 昨日も「アパートの鍵貸します」の記事を書いたし
www.machinaka-movie-review.com
まぁ、普段は新作ばかり見てる俺ですけど、家だと名作を見ることが多いんですよ。
アパートの鍵貸しますを見たおかげで、完全にビリーワイルダー監督にお熱です。
しかし、ビリーワイルダー監督ほど有名な人が、動画配信サービスではあまり配信されてないんですよ。
そんな中、アマゾンプライムビデオで今作が無料で観れたので、早速鑑賞してまいりましたー。
目次
[あらすじ]
・オードリー・ヘプバーンが「ローマの休日」の翌年に出演した作品で、ビリー・ワイルダー監督によるロマンティックコメディ。大富豪ララビー家に仕える運転手の娘サブリナが、富豪の次男に恋をする。父親や使用人仲間は不毛な恋を忘れさせるため、サブリナをパリへ送り出す。2年後、サブリナは洗練された淑女となって帰国。その変貌ぶりに、次男やその兄は使用人の娘であることに気がつかず……。2013年、特集上映「スクリーン・ビューティーズ Vol.1 オードリー・ヘプバーン」にてデジタルリマスター版が公開。
Audrey Hepburn - Sabrina / 麗しのサブリナ 1954
[衝撃展開に備えよ!]
一応あらすじで紹介しましたけど、念のためもう一度おさらいを。
ラグビー家という大富豪の家庭があって、そこの次男デビッドに恋してしまったオードリー・ヘプバーン演じるサブリナ。なぜ彼女がそんな大富豪の息子に恋してしまったかというと、彼女の父がラグビー家の運転手をしてたんですよ。だから、普通の家庭ながらも大富豪の息子と接点があったわけですな。
いわば、「ロミオとジュリエット」で男女が入れ替わったような作品です。
オードリーで言うと、「ローマの休日」とも言えるかな。
さて、身分が違いすぎて叶わぬ恋に奔走するオードリー・ヘプバーンが見れる映画かなぁと思いきや、そうではないんですよこの映画!!!
すぐさま恋愛展開になると思いきや、サブリナは父のゴリ押しでパリに料理修行とマナー教室に行かされるんですよwww しかも2年ww
ラグビー家の息子デビッドとの恋を諦めさせるために、もっと現実的な恋をさせるために、熱を冷まそうとするんですよねw
で、それから2年後、サブリナは普通のギャル姉ちゃんから、誰もが認める品行方正な美女に変貌するのです。
オードリーの作品で言うならば、「マイフェアレディ」が近い作風だと思います。完璧な淑女(レディー)になるために、話し方から作法から全てを修行する映画でしたね。
完璧な女性になって自宅に帰ってきたサブリナ。その姿を、たまたまドライブしていたデビッドは一目惚れしてしまい、ドライブに誘って仲良くなります。速攻で仲睦まじく恋仲になるサブリナとデビッド。
見事にロミオとジュリエットの恋は結ばれかのように思えました。
しかし、デビッドには政略結婚する予定の女性が既にいました。デビッドの兄ライナスは、サブリナとの恋仲を破局に持っていくために、あれよこれよと策を練ります。
ようやく結ばれたサブリナとデビッド! しかし、兄ライナスが二人の行く手を阻む! 果たして、二人は幸せになれるのか!?
といったロマンスコメディなんですよ〜〜〜!!!
・・・と思いきや、全然そういう話じゃなくなってくるんですよ!!!
最初はサブリナとデビッドを別れさせようと、自らサブリナと話すことで諦めさせようとするのですが、そうこうしているうちにサブリナとライナスはすっかり仲良くなってしまうんですなw ライナスもサブリナのことを好きになってしまうんです。
で、サブリナはデビッドかライナスの間で揺れ動いてしまうんですw
兄弟でオードリー・ヘプバーンを愛してしまったんですよねw しかも、サブリナは結論がなかなか出ずにいるw
大富豪の兄弟から寵愛を受けるオードリー。まさに「麗しのサブリナ」というタイトルがぴったりです。
こんな展開になるなんて、夢にも思ってませんでした。。素晴らしい脚本だなぁ、、こりゃあ。。
[真の美しさは顔じゃないことを、最高に美しいオードリー・ヘプバーンが教える]
まぁ、この記事はネタバレありって書いてますから、もう結論から言っておくと。。。。
!!注意!! ここから重大なネタバレがあります!!!
サブリナは結局、兄であるライナスを取るんですよ。冒頭で、あんなにデビッドのことが好きだったのに。。。
あ、説明するの忘れてましたが、、、
兄のライナスはラグビー家の会社の跡取りで既に会社役員であるリアルな富豪。でも顔は冴えないオジさんw
弟のデビッドはどんな仕事してるか分からない、正直プー太郎的なやつです。でも若いしイケメンだし見た目は完全にこちらが勝ってる。
サブリナは、パリで料理修行や礼儀作法の勉強をするにつれて、真の美しさを知ったんですよね。
顔だけが抜群に良くても、見た目だけ良くても、歩く動作や話し方、話してる内容など総合的に判断して、人間の美しさが決まるってことを知ったんです。
そんな素晴らしい大人のリテラシーを持ったサブリナにとっては、顔だけ良くて話す内容はしょうもないデビッドは、魅力的じゃなくなってしまったんです。
その反面、デビッドは社会人経験が豊富で、会話も豊かで、礼儀作法もちゃんと知っている紳士。
キングスマンでコリン・ファースが言っていた名言「Manner makes man」=マナーは一人前の男を作る、という言葉通りですよ、これ。
この映画で面白い設定になってるなぁと思ったのは、少女から大人になったサブリナの精神的成長を、大人のデビッドと子供っぽいライナスで対比させることで表現しているのがとても巧みなんですよ。
精神的に成長し大人のリテラシーを持ったサブリナは、見た目だけのライナスを捨て、デビッドに行くわけです。これが大人の恋ってもんですよ!!!!
[顔面至上主義の日本だからこそ見るべき]
ちなみに、サブリナは、2年前と2年後で何も変わっていません。サブリナは元々顔が美しい(そりゃあオードリーですから、普通の格好してても可愛いに決まってますw)ですが、振る舞い一つ変わると本当に美人になるんですよ。
一番大きな変化は、笑い方。ってかオードリーの一番すごい演技って笑い方だと思うんですけど。
口元を大きく開けずに、微笑むように笑うサブリナを見てると、本当にこっちまで恋をしてしまいそうで、画面から離れられなくなってしまうんですよねw
後は姿勢。地面に対してぴったり90度なんじゃないかって思うほどピーンと佇むサブリナは、もう誰がどう見ても「洗練された女性」なんです。
面白いですね、顔は同じなのに。顔の表情や佇まいでこうも人間変わってしまうものかと、驚いてしまいます。
そんな大人の美しさが堪能できる映画を、ぜひとも日本人に見て欲しいと思います。
今の日本のドラマ・映画を見ていると、痛烈に感じるのが「顔面至上主義」
やたらと若くてカッコイイ男、やたらと可愛い女の子を起用して、演技力関係なしに映画を作ってしまうのが、今の日本の現状です。
ここからは映画老害の戯言として聞いて欲しいんですが、今の若い俳優やアイドルは話し方が汚い!!!! 佇まいが汚い!!!!
どんなに可愛いアイドルでも、女優でも、笑い方が汚いと俺ダメなんですよ!勃たないんですよ!!!!
真の美しさって顔なの? マナーや佇まいが凛としていてこそ、憧れる女性像/男性像になるし、それが看板俳優になるんじゃないのかよ!!!
オードリー・ヘプバーンは、確かに見た目は完璧ですよ!! でも、完璧なのは見た目だけじゃない!!! ふとした笑い顔や歩き方、所作の全てが美しんだよ!!!
日本もねぇ、、昔は高倉健の後ろ姿だけで感動を持っていく映画だってあったじゃないですか!? なんで今は顔面どアップでカッコイイ/可愛い俳優ばかり撮るわけさ!!
つくづく、日本は顔面至上主義だと思うんです!!!
この映画を見て、真の美しさとは何か、知っていただきたい!!!
以上、老害映画おじさんがお送りしました〜。