こんにちは!
Machinakaです!!
Twitterもやってます!
最近映画ブログを全く更新しなくて申し訳ないです。。
今回は非常にプライベートな記事となりますが、どうかご容赦ください。
目次
まえがき
私事ですが、3月末に入籍しました。
色々とバタバタしている時期なのですが、妻の協力もあり何とか結婚にたどり着く事ができました。
結婚をする際、もっと具体的に言えば婚姻届を記入する際に、一つのチェックボックスにチェックを付けると思います。
夫か妻、どちらの苗字にするか。
私は妻側の苗字を選択しました。
最近増えているとはいえ、絶対数的にも世論的にもマイノリティな妻側の苗字。
何事もトラブルなく終われば良かったのですが、決して平坦な道のりではありませんでした。
忘れないうちに、妻側の苗字で入籍に至るまでの準備、話し合い、合意に至るまでのプロセスを書いておきたいと思いました。
これから結婚を考えている方、まさに婚姻届を記入しようとしている方に届けば幸いです。
決して好んで苗字を変えたい訳ではなかった
生まれた頃から自動的に付いていた苗字と名前。
好き嫌いはさておいて、自分では絶対に変えようのない、自分が自分であるために絶対に必要な、最も大切な文字。
特に苗字は家族を代表するものであって、個人が勝手に動かすと家族にも影響が出る。
家族内で苗字が変わると、今まで守られてきた何かが崩れそうな気がする。
自分と家族の共通項が一つ無くなっていく気がする。
墓の苗字と自分の苗字が変わってしまう。
できれば苗字は大切にしたい。結婚しても変えたくない、というのが本音です。
友達からも苗字で呼ばれる事が多くて、珍しいけど気に入ってる苗字ではありました。
とはいえ、日本では結婚したらどちらの苗字かを選択しないといけない。
別姓は認められない。
結婚後の苗字を元に戻すには、離婚するか裁判所で苗字を変更するかの2つしか選択肢がない。でも、そんなものは現実的な選択肢とは思えなくて。
当然ながら、夫婦別姓が実現するまで結婚を延期しようとも思わなかったし、どちらかの名字にするしかない。
一般的な考え方であれば、世帯主の夫の苗字にすれば無難。世間も当たり前すぎて何も思わないですよね。家計を支える稼ぎ頭である夫の方にすればいいと。
私の周りにも妻側の苗字にしている人はいなくて、世の中の主流に合わせれば、何も考えなければスムーズに事が進んだかもしれません。
しかし、ここで大切な確認事項があります。
妻はどちらの苗字にしたいのか。
夫側にしたいならそれでも良い。
自分の苗字を残したいなら、妻側の苗字に変えてもいい。
とにかく、妻の意向を確認することが絶対に必要だと思いました。
結婚には数え切れないほど決めることが多くて、今も四苦八苦しているのですが、一番確認しておくべきことだと感じました。
誰かに言われた訳でもありません。しいて言うのであれば、これまで沢山見てきた映画の影響かもしれません。
特定の映画を挙げることは出来ないですが、男女の権利平等を訴える映画も多く見てきました。女が男に虐げられる映画も沢山見てきました。
なぜ男が優位でなければいけないのか、不思議でしかない。
夫の苗字に変えるのはあくまで世間的な慣習であり、そこに夫婦の意向は介在しない。
私は夫婦の意向を尊重することにしました。
妻の意見
プロポーズした後すぐにゼクシィを買って、結婚の段取りについて話し合いました。
残念ながらゼクシィには苗字の決め方に関する記事が載ってなかったので、率直に質問を投げかけるしかありませんでした。
「苗字、どっちにする?」
妻は「できれば私の苗字にしたい」と答えてくれました。
妻も自分の苗字がとても気に入っていて、女性の友人同士でも苗字をもじった呼ばれ方をすることが多いようで。
とはいえ、私の親の気持ちを考えると申し訳ない気持ちもあったようでした。
私もできれば残したい方でしたが、妻の意見を尊重しようと思いました。
- 妻の苗字がとても珍しいこと
- 妻に兄弟がおらず従兄弟も苗字が変わってしまったこと
- 私が変えなければ苗字自体が滅びてしまう可能性があったこと
などなど理由を挙げて、妻側の苗字に変えた方が良いなと思ったのです。
妻の両親の意見
妻側の両親との挨拶の際、苗字を変える意向を伝えました。
向こうの両親は「無理してやらなくても良い」「別にどちらでも良い」との答え。
私が両親の立場でも、絶対にそのように答えていると思います。考えてると言われても、答えに困りますよね笑。
ただ、事前のすり合わせが絶対に必要なので、後からではなく挨拶の時に伝えようと決めていました。
今まで生きてきて妻の苗字には出会った事がない、私でよければ残したい旨を伝えました。
ここまで来たら絶対にやり抜くしかないと心に決めました。
私の親の意見
最悪のタイミング
親には結婚すると前もって伝えてはいたのですが、苗字に関しては軽く話す程度でした。
「もしかしたら妻の苗字にするかもしれない」と、あくまでifの話で。
その時は親も「そんなに珍しい苗字なのか」「よく考えて」くらいの返答しかなくて、決して否定的な意見ではありませんでした。
プロポーズと妻の両親の挨拶も終えて、妻が私の親に挨拶する予定を考えていた時のことです。
親が救急車で運ばれました。
自宅で転んでしまい、頭を強打して立ち上がれなくなってしまったのこと。
幸いにも後遺症はなく、1週間程度で家に戻る事ができました。
悪いことは続くもので。もともと足が悪かったのですが、整形外科で診断された結果、変形性股関節症になってしまい、満足に歩くことが出来なくなってしまいました。
親にとっては、息子の結婚どころでは無くなってしまいました。
仕事があるため実家にすぐに戻ることはできず、毎日電話して状況を確認することに。
とにかく痛い痛い痛い痛いと毎日苦痛の言葉を口にしていました。
親の病状を聞きながら、辛いとは分かっていながらも、結婚の段取りを止めるわけにはいきませんでした。
考えうる限り最悪のタイミングでした。
当初とは真逆の返答
挨拶の日程はもちろん先延ばし。それは仕方ないとして、かねてより懸念していた苗字について相談したいと、電話で伝えました。
「今は自分の苗字にしたら良いのではないか」
事前に話していた内容とは、真逆の返答でした。
とはいえ、妻にも妻の両親にも変えると言ったので、ここで折れるわけにはいきませんでした。
親の言いなりになるのを嫌ったのかもしれません。
普通に話すと意見の対立が起きるので、なぜ妻の苗字に変えるのが嫌なのかを深掘りしていく方針にしました。
色々と言われたのですが、
「どうやって(親の)兄弟や周りに伝えればいいか分からない」
「苗字を変えた理由が説明できない」
「自分の苗字に変えた方が安心する」
「お墓のことも考えなければいけない」
などなど、確かに親からすると難しい問題のようでした。
「もし説明に困ったら、自分から説明するから安心してほしい」
「苗字が変わったら厄介ごとが増える訳ではない」
と、親の懸念点について一つ一つ丁寧に答えていったのですが、聞く耳を持たず。
「今は何も考えられない」
「神経がおかしくなる」
「気が狂いそうになる」
と非常にネガティブな意見を言われました。
そして「私はもう先は長くないかもしれないから結婚式も出られない。好きにして。」
と、自分の死期を悟るような発言まで。
正直、ここでかなり心が揺らぎました。
結婚に関する親の心配事は、息子が想像する以上に多いようで。
ここまで親が苦心するとは思ってもみませんでした。
直接的には、親の病状と結婚後の苗字は関係がありません。
しかし、当時の状況的には、1つでも不安要素があると心理的に苦しかったのかもしれません。苗字というよりも、結婚自体が親にとってはストレスだったのかも。
つまるところ、結婚により親を苦しめていたのかもしれません。
幸せの絶頂にいた私と、不幸せの深淵にいた親。
この溝を埋めるのは思ったよりも大変なことでした。
事態は思わぬ方向へ
まずは親に元気になってもらう
結婚についての話は一度中断して、まずは親の病状について毎日電話することにしました。
結婚よりも親の体調を最優先にして、妻側の両親には親の体調を適宜報告するようにしていました。
電話内容は、
- 自分から結婚の話はしない
- どれくらい歩けたか確認する
- 介護スタッフの感想を聞く
- 通院の予定を聞く
などなど、日々の状況を確認することに努めました。
時たまに、母親の方から結婚のことについて話すこともありました。ただ、私は聞かれたことを回答するだけに徹して、すぐに母の体調を確認することに努めました。
そんなやり取りが何十回も続きましたが、さすがに実家に行って直でサポートが必要な状態になりました。
職場に相談して実家で仕事できるように調整してもらい、月2回10日程度で実家での勤務を始めました。実家は地方で近くには何もない、買い物はイオン。そんな街です。
歩けるうちは病院にも行けたようですが、足が悪化すると病院にすら行けない状態になっていました。人間、足がダメになると何もできなくなります。
誰も代わりがいないので、私が半休をとって一緒に病院に行ってました。
しかし、病院に行っても問診までに1時間や2時間待つのは当たり前。
手術も半年先まで埋まっているようでした。
余談ですが、変形性膝関節症は特に高齢女性に多いらしく、急増しているようです。治療に関して完全に需要と供給のバランスが合ってない。
すごく失礼ですが、まだ歩けるおばあちゃんが歩けないおばあちゃんを車椅子で運んでいる様子を何度も目にしました。老老介護といえばスマートに説明できるのですが、私がその時見た印象ベースで話すと、おばあちゃんを主語に置くのが適切だったのです。
(上記を鑑みると)私の母はまだ先で良いのではないかと思うこともありましたが、問診で母の様子を見た医者は、半年以上先の予定を前倒しして、2ヶ月先まで短縮してくれました。
あの時の医者の顔が忘れられません。心の中では赤信号が出ていたと思います。
その時は軟骨がすり減って皆無の状態だったらしく、関節の骨同士が直接衝突することで、尋常じゃない痛みが生じていたようです。
なるほど。それは結婚どころではない訳だ。ましてや苗字を変えるなんてややこしいこと、考えている間にも骨がぶつかり合って激痛が走る。
親が電話で言っていた
「今は何も考えられない」
が医者の説明によってようやく理解できました。
手術日になるまで安静にしていれば良いかというと、そうでもなくて。
頭のてっぺんから爪先まで、細菌がいないことを証明するために検査を行わなくてはいけないのですが、足が悪いため病院に直接行くことは不可能に近い状態でした。
総合病院でも全ての検査を行うことはできず、一部は自宅診療で診察を受けないと行けないとのこと。
「外部の人が来るから掃除はしたいが足が悪いからできない、介護スタッフにも細かいところをお願いすることはできない。だからストレスが溜まる。」
そんな話をひたすら聞き、時には身の回りの世話をして、手術当日までサポートし続けました。
苗字と全く関係ない話で申し訳ありません。
ただ、結婚の準備をしているときに親の態度や体調が急変することは起こりうると思います。
そんな時は、まずは親の体調を最優先にして、親からのコールバックを待ってください。親を信じてください。
そうすればきっと、親から結婚について前向きな回答が得られると思います。
自分の主張を聞き入れて欲しい時は、まずは相手の問題事を解決する。
親に限らず、交渉事の基本かもしれません。
足の回復は心の回復だった
手術は無事に終わり、親の体調が心身ともに回復してきました。
プロポーズして、妻の両親に挨拶して、親が救急車で運ばれて、親の介護をして、親の手術が終わるまで、約半年。
長いようで短い期間でした。
手術前より確実に元気になった親。まずはリハビリの状況を確認して、どこまで回復したのか、どこまで歩けるようになったのか確認する日々。
ここまで長引くとは思いませんでした。
両家顔合わせなしで婚姻届をすることも一般的には増えているようですが、私の場合は事情が事情なので、親と親が直接顔を合わせることが重要だと考えていました。
何より、親が元気なうちに会わせておきたいと思いました。
残念ながら、親がずっと元気でいる確証はありません。人は明日どうなるか分からない。
「元気になったら、また会えば良い」「今は安静にした方が良い」という意見もありましたが、先延ばしは万が一の後悔に繋がります。死んだ後では、顔合わせはできません。
手術後も毎日電話を繰り返し、両家顔合わせの日程は決まりました。
それまで、リハビリと苗字についての交渉の日々が始まりました。
愚論は気にするべからず
元気になった母親は、夫が妻の苗字を名乗ることについて、自分なりに調べていたようです。
親戚や友人に事細かく話したようですが、やはり「なぜ妻の苗字にするのか?」を知りたがっているようでした。
そして、親が明確な理由を答えられなかったのか、もしくは話した相手が邪推したのか分かりませんが、
「よっぽどの名家なのか」
「お金持ちなのか」
などなど、2人の関係性を超えて家系の強さに興味関心がいったようでした。
何も関係ありません。冒頭でもお伝えした通り、「どっちにする?」と妻に質問して、話し合った結果が全てです。
そこには家の経済力や地位や名誉は介在していません。ただ2人の話し合いの結果にすぎません。
親は半ば笑い話のように報告するも、私がそれを受けて考えを変えることはありませんでした。
そんな愚論に影響されてたまるかと。
残念なことに、人は自分には関係ない出来事に対しては、いくらでも非情になれます。
我々の考えや、想いも全てないがしろにして、軽口を叩きます。
それを聞いた時は内心かなり怒ってしまいましたが、親には「そんなの関係ない。2人で話し合った結果だ。」と伝えるだけでした。
それ以上でも、それ以下でもないから。
なぜ妻側の苗字に変更したのか、相手はとても気になることのようです。
そして、勝手に考察するのも好きなようです。
色々と事実に反したこと、勝手なことを言われるかもしれませんが、そのどれもが愚論だと思うしかありません。
気にせずに、2人で話し合った結果だけを尊重するのが良いです。親には最大限の敬意と注意を払いますが、他人の意見などどうでも良いです。
他人に影響される程度の結婚なら、やらない方が良いです。
第3者の意見は偉大
そんな愚論も受けながらも、妻側の苗字に変更した知人を発見したようです。
その人は次男だったらしく、他の名字に移っても影響が少なかった、とのことでしたが、かなり安心感を得たようでした。
第三者の意見がどれほど影響したかは分かりませんが、半年以上にも及ぶ話し合いの末、やっと苗字を変えることに肯定的になってくれました。
あれだけ自分が説明したのに。。セカンドオピニオンがいかに大切か、よく分かる結果になりました。
親の知人を調べ上げて、妻側の苗字になっている人を探してアポを取ることは至難の業。たまたま見つかって良かったと思います。
とはいえ、この偶然と出会うまでに、絶対に折れない心が大切かと思います。
その後は平穏無事に
無事に両家顔合わせを済ませた後、その翌日に妻側の苗字で入籍届を提出しました。
1日でも早く届出を出したくて笑
苗字を変更してからが大変だと聞きますが、個人的には変えるまでがピークでした。
リストアップしたら、氏名を変更する必要のある項目は50項目以上になりました。
気が遠くなりますが、言ってしまえば単なる事務作業です。
粛々と作業していきます。
おわりに
ここまで骨が折れるとは思いませんでした。苗字とはいえ、数文字を数文字に変更するだけで、半年以上も掛かってしまうとは。
色々と書いてきましたが、予想もつかぬトラブルにも遭いましたが、
きっかけは、「どっちにする?」と妻に聞いたことでした。
これがなければ、妻側から苗字変更を提案することは無かったそうです。
妻から話すのは難しいと思います。
よほど平等意識のある人だったり、意思がある人でないと異議を申し立てられないです。
すごく珍しくて誇りにしている苗字がある場合でも、入籍するときに夫に伝えられなくて今だにモヤモヤしている人もいるようです。
苗字に限らず、マイノリティ側から意見を出すのがいかに難しいことか。今回の件でよく分かりました。
思った以上に親の反発だったり、親戚や知人からの奇異な視線を浴びるかもしれません。
が、あくまで結婚は夫婦2人で行うものであって、夫婦の意見が最も尊重されるべきであることを伝えておきたいです。
結婚後は離婚か裁判を起こさないと苗字が変えられません。
その前に、妻になる予定の人に一言だけ聞いてください。
「どっちにする?」と。
そうすれば、より平等な結婚に近づくはずです。
この記事が婚姻関係を結ぼうとする全ての人々に届けば幸いです。
長文失礼しました。