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映画「ソウルフル・ワールド」ネタバレあり感想解説と評価 男の終活、そして中年の危機を謳った「魂」の叫び

 
こんにちは! 
 
Machinakaです!! 
 
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この記事では、「ソウルフル・ワールド」のネタバレあり感想解説記事を書いています。
 
 目次
 

まえがき

 

 

今回批評する映画はこちら

 

「ソウルフル・ワールド」

 
 
 
 

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(C)2020 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

 
 
時は来た!!!!
 
ハリーポッターのスピンオフながらも、原作者による脚本とエディ・レッドメインによる主演で、非常にクオリティの高い映画だった「ファンタスティックビーストと魔法使いの旅」の続編がついに公開です!!!

 

 

 

それでは「ソウルフル・ワールド」ネタバレあり感想解説と評価、始めます。

 

 

 

 
 

あらすじ

  
ディズニー&ピクサーによる長編アニメーション。「インサイド・ヘッド」「カールおじさんの空飛ぶ家」を手がけ、ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーも務めるピート・ドクター監督が、人間が生まれる前の「ソウル(魂)」たちの世界を舞台に描くファンタジーアドベンチャー。ニューヨークに暮らし、ジャズミュージシャンを夢見ながら音楽教師をしているジョー・ガードナーは、ついに憧れのジャズクラブで演奏するチャンスを手にする。しかし、その直後に運悪くマンホールに落下してしまい、そこから「ソウル(魂)」たちの世界に迷い込んでしまう。そこはソウルたちが人間として現世に生まれる前にどんな性格や興味を持つかを決める場所だった。ソウルの姿になってしまったジョーは、22番と呼ばれるソウルと出会うが、22番は人間の世界が大嫌いで、何の興味も見つけられず、何百年もソウルの姿のままだった。生きる目的を見つけられない22番と、夢をかなえるために元の世界に戻りたいジョー。正反対の2人の出会いが冒険の始まりとなるが……。Disney+で2020年12月25日から配信。当初は劇場公開予定だったが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大により劇場公開を断念し、Disney+での独占配信に切り替えられた。日本語吹き替え声優は浜野健太、川栄李奈。

eiga.com


 

 


ディズニー&ピクサー新作『ソウルフル・ワールド』本予告編

 
 
 
 
 
 

「ソウルフル・ワールド」のネタバレありの感想と解説(短評)

 

 
 
 
 
 

映画館で観たかった、「中年志向」アニメーション映画

 

はい、ただいま鑑賞して参りましたが、予想の遥か斜め上を行く作品でございました。

 

色々言いたい事があるんですが、まずは今作が「子供向け」ではなく「大人向け」、むしろ「中年向け」であったことに、驚いております。

 

予告編で羽、ジャズミュージシャンを志す男が魂の世界に入ってしまい、人生にリベンジを掛ける。そんなサクセスストーリーみたいな作りに見えますけども、、

 

全っ然、違うから!!! そんな作品じゃないから!!!

 

魂の世界というファンタジーな設定と、可愛らしくカラフルな絵から、子供向けに見えますが、そうではありません。

 

クリスマスである本日に公開ということもあり、全国のファミリー達がフライドチキンをむさぼりながら観ていると思うんですが、一体どんな気持ちで観ているんだろうと心配になります笑 これ、どうやって子供に説明するんだろうって。

 

何故なら、今作で描かれる魂の世界やキャラクター自体は可愛らしく、物語の筋も「現実世界に戻りジャズミュージシャンとして成功する」という明確な目的があって分かりやすく見えるんですけど、端々に非常に難解な心理学・哲学用語的な表現が出てくるんですよ。

 

特に、主人公のジョー・ガードナーの相棒となるソウル(魂)である22番が、「俺は生と死の途中駅の理論的構成概念だ」と言い放つセリフがあるんですが。

 

・・・は? 何を言っているのかと。 

こんなの大人でも意味不明だわって、耳を疑うような難解な言葉を言い続けるんですよ。

 

思い出したのはネットフリックスの「ミッドナイトゴスペル」という作品ですね。本当に難解だった。


『ミッドナイト・ゴスペル』予告編 - Netflix

 

 

この22番というキャラは何前年も魂の世界で教育を受けてきて、アリストテレスなど著名な哲学者から授業を受けているので、難しい言葉を知ってるんでしょうけども、、にしても、あまりに難解すぎる。決してこの言葉が映画の本筋に関係する訳ではないんですが、非常に独特な言葉遣いでした。

 

まとめますと、今作は非常に大人向けな作品であり、決して家族で一緒に観る作品ではありません。

 

ピクサーお得意のテンポの速さもあり、映画館で観たかったなぁと嘆いてしまうのは、私だけではないはず。

 

色々言ってきましたが、私としては大満足でございます。

 

映画のテーマや本質については後で触れますが、我が道を行くピクサーに敬礼したい気持ちでいっぱいです。本当に自分の作りたいものを作ってる感じっていうか。。

 

はい、そんな作り手の気持ちが込められた良作なんですが、なんと今作はディズニープラスに加入していれば無料で観れる作品なんですよね。

 

細かい事なんですが、言わせてください。

 

ムーランには追加料金払って、今作は無料なんてありえねぇ!!!
www.machinaka-movie-review.com

 

ムーランに金払うなら、この作品に追加料金を払いたかったなぁ。。

 

 

あと、映画館で観たかった理由がもう一つありまして。

これはネタバレしてもいいと思いますが、本編鑑賞後にとあるキャラクターが「Hey!, movie is over. Go Home」ってセリフが流れるんですよ。

・・・え、もう家ですけど?

というのが私の率直な感想です笑

 

おそらく映画館で観ている人向けに、「早く家に帰れ!」ってギャグを言ってるシーンかと思います。「デッドプール」にもあった(元をたどれば「フェリスはある朝突然に」)ネタですね。

 

元々映画館で見せるために作ったので、こうしたネタが残ってしまったんでしょう。。なんとも寂しい、そう思える瞬間でした。

 

www.machinaka-movie-review.com

 

 

とにかく、この作品は映画館で観たかったと、本当に感じるところでした。

 

 

 

 

まさかの明石家さんまオチ

 

先ほど「中年向け」の映画だと言いましたが、具体的にどう「中年向け」なのか、説明したいと思います。

 

以降、大きなネタバレが含まれるのでお気を付けください!!

 

 

 

 

 

 

今作の主人公はジャズまっしぐらで、子供の頃からジャズミュージシャンを目指して、夢中になって生きていた。ジャズ命の男なんです。

 

予告では現実世界に戻りジャズミュージシャンになる、というのが目的に見えるんですが、実はその目的は本筋ではないんですよ。

 

主人公は無事に現実世界に戻り、望み通りジャズを演奏して目的を達成するんですけど、なぜか冷静なんです。普通の映画であれば、ジャズを演奏することが目的で、それを達成することが映画のゴールになっているはずが、そうなっていない。

 

もっと言えば、ジャズの演奏にカタルシスがないんですよ。

 

その証左に、いかに現実世界に戻るかのロジックやミッション感が後半では希薄になっているんです。こちらの予想を裏切る展開が、待っているのです。

 

むしろ、今作は魂の世界で描かれた「人生の目的を見失う」ことへも焦点が合ったように感じます。

 

魂の世界では、人生の目的を見失い現実逃避をしている魂たちがうごめいており、現実を前向きに捉えられない人たちが集まっています。

 

また、先ほど説明した22番というキャラは、主人公とは対照的に人生に価値を感じられず、その理由は魂という存在のため味覚や触覚など五感がない状態だから、という説明があります。

 

こういったキャラクターたちを見ていると、とても正常じゃないというか。端的に言ってしまえば「うつ病」にかかった人たちに見えて仕方なかったのです。

 

作風としては非常に明るくて、前向きに見える作品なんですけどね。

そういう人生に目的がない人たちを更生させていく話でもないし、主人公がジャズで活躍する話でもない。

 

ジャズで活躍するも満足しない、そんな彼が出した「生きる価値」の答えとは、

 

人生に目的があってもなくても良い。人生、生きてるだけで丸儲け。

 

という、まさかの明石家さんまオチになってしまうんですよね。

 

ちょっと強引な説明ですが、どうかご了承ください笑。

 


BEGIN with アホナスターズ/笑顔のまんま

 

 

 

魂の世界を下敷きに、中年の危機を描く

 

直接的には描かれませんが、今作の主人公は「中年の危機」に陥っていたように感じるのです。

 

「中年の危機」とは、下記のような症状を意味します。

中年の危機とは、中年期特有の心理的危機、また中高年が陥る鬱病や不安障害のことをいう。 ミッドライフ・クライシス(Midlife crisis)の訳語であり、ミドルエイジ・クライシス(Middle age crisis)とも表記される。

(中略)

中年の危機は30代後半から40代にかけての中年の入り口で体験される他、現役引退期にも訪れやすい

中年の危機 - Wikipedia

 

主人公は学校でジャズを教えている様子には覇気がなく、それを生徒のやる気のなさで伝えています。

そして、主人公の半ば分身である22番というキャラクターは、食べ物の味も感じず、何をやるにしてもモチベーションが低い、現実で生きる価値がないと思っています。

 

こういったシーンは、主人公の心理描写を本人でなく、周りのキャラクターで説明しようとしているようにしか思えないんですよね。何か主人公に関係した描写でない限り、あそこまで丁寧で長い描写はしないでしょう。

 

主人公の年齢は具体的には分かりませんが、見た目と母親の年齢からして30代後半、40前半のように見えます。これは「中年の危機」の適齢期と付合するのです。

 

従って今作は、ジャズという夢を叶えるサクセスストーリーでなく、中年の危機から脱し人生の意味を問い直す作品、ではないかと思うのです。

 

結末を見る限り、そうとしか思えません。

 

監督のピート・ドクターは、作品で自分の実人生をとことん反映する人です。

今作も、おそらく彼が実際に中年の危機に陥った時の話だったのではないでしょうか。

 

そう考えると、とても恐ろしく苦しい作品に思えて仕方ないのです。

味がしないと言うシーンあっけらかんとしてましたが、あれも実際に起こった(のかもしれない)と考えると、本当に心中お察しするというか。。

 

そのため、今作を見て真っ先に思い出したのが「アメリカンビューティ」でした笑。まさかピクサー作品とアメリカンビューティが結びつくとは。。 

 

アメリカン・ビューティ(吹替版)

アメリカン・ビューティ(吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
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近年のピクサーは、「カーズクロスロード」や「トイストーリー4」など、「男の終活」を描く傾向がありました。(元をたどれば、「カールじいさんと空飛ぶ家」から始まってたのかもしれないけど)

 

しかし、今作では「中年の危機」と、新たなジャンルを切り開いていったのではないでしょうか?

 

にしても、ピクサーは本当に自由に作ってるなぁと感じます。ディズニー全体としてみると、スターウォーズなど製作陣がかみ合わない作品が多い中、ピクサーは作り手の気持ちがよく込められているというか。

 

この説明が合ってるか分かりませんが、、「個性派」と言っていいのではないでしょうかね。もちろん技術は素晴らしいですが、それよりも中年の危機という題材に衝撃を受けたのです笑

 

 

 

映画館では絶対にありえないトラブルが

はい、監督の想いが大きく反映された、素晴らしい映画でございました。

 

傑作でございます。

 

ただし、視聴環境について、色々言いたいことがございます。

既にTwitterにて、ディズニープラス公式のアカウントを添えてこうつぶやいております。

 

 

皆さん、ありえますか?

 

英語音声なのに、日本語の文字が映像に映ってるんですよ?

日本語で看板が写っているのが嫌だから、英語音声にしてるのにさ。。

 

日本語吹き替え仕様しかないじゃん!!どういうことだよ、これ。

 

前からね、ディズニープラスは作りが甘い所があるんですよ。

 

4K対応してないし、5.1chないし。

映画を流すのであれば、少なくとも映画館に近い環境で見せて欲しいんですよ。

 

おそらくですね、ディズニープラスを見ている人の大半はスマホやPCが多いんでしょうね。だから4Kや5.1chを付けても意味がない、とタカをくくってるのかもしれません。

 

が、言わせてください。

 

俺は4Kプロジェクターと5.1chスピーカー持ってるんだよ!!で、それでソウルフルワールドを観てるわけ!! 俺の気持ち、分かってくれないかなぁ!?

 

中にはガチ勢もいるってことで、是非ともディズニープラス様、ご検討の程よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

まとめ

はい、作品自体は素晴らしかったんですが、ディズニープラスのせいで観ごたえが半減してしまいました。残念です。

 

Amazonレビューで、商品じゃなくて配送方法に問題があって低評価付けてるヤツの気持ちが、少しわかった気がします。

 

はい、わかったところで何だって話ですが笑

 

とりあえず、ピクサーの新作であれば絶対に観るべきです!!

 

91点 / 100点 

 
関連画像
 
 
 以上です! ご覧いただきありがとうございました!
 
 
 
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